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障害のある方が安心して利用できるスポーツ施設まとめ

📖 約29✍️ 藤原 洋平
障害のある方が安心して利用できるスポーツ施設まとめ
障害のある方が安心してスポーツを楽しめる施設を見つけるための完全ガイドです。施設を評価する基準として、設備(物理的)、情報、人的サポートの3つのバリアフリーを徹底解説。公営の障がい者スポーツセンター(専門用具、低料金)と民営フィットネスクラブ(立地、自由度)の強みを比較します。大阪市、神戸市、仙台市など、地域ごとの先進事例を紹介し、指導者の資格や個別プログラムの有無、地域の障害者スポーツ団体との連携方法を指南します。

障害のある方が安心して利用できるスポーツ施設まとめ:バリアフリーと専門指導で広がる活動の選択肢

「体を動かしたいけれど、地域のジムやプールは車椅子で利用できるだろうか?」

「子どもにスポーツをさせたいが、障害特性を理解した指導者がいる施設が見つからない……」

スポーツは、健康維持だけでなく、社会との繋がりを深め、自己肯定感を高める上で非常に重要です。しかし、多くのスポーツ施設では、物理的なバリアや、専門的な指導者の不足から、障害のある方の利用が難しいのが現状です。

この記事では、「設備・情報・人的」の3つのバリアフリーを基準に、障害のある方が心身ともに安心して利用できるスポーツ施設を見つけるための具体的なガイドを提供します。全国の公営・民営の先進的な取り組みを行う施設の事例(例:東京都、大阪市、神戸市)を豊富に紹介し、誰もがスポーツを楽しむ権利を享受できる社会の実現に向けたヒントを探ります。


ステップ1:スポーツ施設の3つのバリアフリー基準

基準1:設備(物理的)バリアフリーの徹底

スポーツ施設における物理的なバリアフリーは、単に段差がないだけでなく、競技・運動を安全に行うための設備が整っているかを評価します。

設備バリアフリーのチェックポイント

  • アクセス経路: 駐車場から受付、更衣室、競技場まで、段差や急な傾斜がないスムーズな経路か。
  • 更衣室・シャワー: 車椅子で回転できる広さ手すり付きのシャワーブース介助者用スペースがあるか。
  • プール設備: プールサイドまでのスロープ、またはプール用リフトが設置されているか。水泳用具の貸し出しがあるか。
  • 多目的トイレ: オストメイト対応、広々としたスペース、緊急呼び出しボタンが完備されているか。

特に重要度の高い車椅子バスケットボールやボッチャなどの競技を行うアリーナは、床材の安全性観客席の車椅子スペースも確認しましょう。

基準2:情報バリアフリーと受付対応

施設利用に関する情報が、障害特性に応じて適切に提供されているかも、利用のしやすさを左右します。

情報バリアフリーのチェックポイント

  • ウェブサイト: バリアフリー情報(多目的トイレ、スロープの位置など)写真付きで具体的に公開されているか。
  • 料金体系: 障害者割引や介助者の無料利用に関する情報が明確か。
  • 視覚・聴覚支援: 点字、大きな文字での案内があるか。手話や筆談に対応できる職員が常駐しているか。
  • 予約システム: 電話だけでなく、メールやFAXなど、多様な方法で施設予約が可能か。

💡 ポイント

受付で「ヘルプマーク」や「障害者手帳」を提示した際に、職員がスムーズに、かつ温かい対応をしてくれるかどうかは、施設の利用しやすさを測る重要な指標です。

基準3:人的バリアフリーと専門指導

最も重要なのは、障害特性を理解し、安全かつ効果的な運動指導ができる人材の有無です。

人的バリアフリーのチェックポイント

  • 指導者の資格: 日本パラスポーツ協会公認の指導員、障害者スポーツ指導員、理学療法士(PT)などの専門資格を持つ職員が常駐または定期的に指導しているか。
  • 職員の研修: 一般の職員も、障害者理解や緊急時の対応に関する研修を受けているか。
  • 個別対応: 集団プログラムだけでなく、個別の体力や目標に合わせた運動メニュー作成やサポートが可能か。

特に、知的障害や精神障害のある方のスポーツ施設利用では、コミュニケーションの配慮や集団活動への参加支援が重要になります。


ステップ2:公営施設と民営施設の強み比較

比較1:公営施設(総合型障がい者スポーツセンター)の強み

公営の障がい者スポーツセンターは、設備・専門性・料金の面で最も利用しやすい選択肢の一つです。

公営施設のメリット(東京都障害者スポーツセンターの例)

  • 専門性の高さ: パラリンピック競技を含む専門的な指導員が多数在籍し、競技別クラブ活動リハビリテーションに特化したプログラムが充実している。
  • 低料金: 公費で運営されているため、一般のフィットネスクラブと比較して非常に低廉な料金で利用できる(多くの場合、利用料が無料)。
  • 専門用具の貸出: 競技用車椅子、サウンドテーブルテニス用具など、高価な専門用具を無料で借りられる。

デメリットとしては、利用者が多く、人気プログラムは予約が取りにくいこと、また都心部など立地が限られる場合があることが挙げられます。

比較2:民営施設(民間フィットネスクラブ)の強み

地域の民間フィットネスクラブでも、近年はバリアフリー対応が進み、利便性の高い場所で利用できるメリットがあります。

民営施設のメリット(地域のジムの例)

  • 立地の良さ: 自宅や駅の近くなど、アクセスが良い場所に多く、通いやすさが魅力。
  • 利用時間の自由度: 早朝や夜間など、ライフスタイルに合わせた自由な時間に利用しやすい。
  • パーソナルトレーニング: 個別指導のメニューが充実しており、トレーナーに障害特性や目標を伝え、専門的なメニューを作成してもらえる(有料)。

民営施設を選ぶ際は、プールやトレーニングマシンのバリアフリー対応(リフトの有無、車椅子からの移乗の容易さ)と、料金体系を必ず確認しましょう。


ステップ3:地域別:先進的な取り組み事例

事例1:障がい者スポーツの拠点(大阪市障がい者スポーツセンター)

大阪市には、大阪市立障がい者スポーツセンター(アネックス含む)があり、地域密着型で多様なプログラムを提供しています。

  • 豊富なプログラム: 水泳、卓球、アーチェリーなど定番競技から、フライングディスク、ボッチャなどのパラスポーツまで、年間を通じて数百種類のプログラムを実施。
  • 福祉機器の活用: 福祉機器相談員が常駐し、スポーツ用具の選定や調整に関するアドバイスを提供。
  • 地域連携: 地域の学校や特別支援学校と連携し、スポーツ体験会や出張指導を積極的に実施。

✅ 成功のコツ

大阪市のセンターでは、ボランティアによるサポートも充実しています。初めて利用する場合は、ボランティアスタッフによるマンツーマンの指導を依頼してみましょう。

事例2:高齢者と障害者が交流する施設(兵庫県神戸市)

兵庫県神戸市の一部施設では、高齢者と障害者共同で利用できるユニバーサルデザインを導入し、世代や特性を超えた交流を生み出しています。

  • 共用型施設: 高齢者の健康増進施設障害者スポーツ施設併設・一体運営。エレベーターやスロープなどのバリアフリー設備を共有し、コスト効率を高めている。
  • 交流プログラム: ユニバーサルスポーツ(例:ユニバーサルホッケー)を導入し、誰もが一緒に楽しめるイベントを定期的に開催。
  • リハビリ連携: 近隣の医療機関やリハビリテーション施設と連携し、退院後の運動継続の場として機能している。

神戸の施設を選ぶ際は、「共用施設」ならではの混雑具合利用時間制限を事前に確認しましょう。

事例3:民間ジムのバリアフリー改装(宮城県仙台市)

宮城県仙台市の一部民間フィットネスクラブでは、自治体の補助金などを活用し、積極的なバリアフリー改装を行っています。

  • トレーニング機材の工夫: 車椅子から移乗しやすいアジャスタブルなマシン視覚的な配慮としてコントラストの高い表示パネルを持つマシンを導入。
  • 職員の研修: 全職員が、日本障害者スポーツ協会の初級指導員などの資格を取得するよう推奨し、専門的な知識の底上げを図っている。
  • 割引サービス: 障害者手帳の提示で、月会費の割引パーソナルトレーニング料金の優遇を実施。

⚠️ 注意

民間のジムの場合、店舗によってバリアフリー対応度が大きく異なるため、必ず事前に電話で問い合わせ、見学を行いましょう。「全店舗対応」ではない場合があります。


ステップ4:施設利用開始までの具体的なアクション

アクション1:見学時にチェックすべき設備と人的サポート

実際に施設を見学する際は、パンフレットの情報だけでなく、利用者の目線で確認しましょう。

  1. 移動のシミュレーション: 駐車場から更衣室、シャワー、プール/アリーナまで、実際に車椅子や杖を使って移動させてもらう。
  2. 用具の確認: 競技用具や補助具(例:車椅子、スロープなど)の保管場所と貸出状況を確認する。
  3. 職員との会話: 指導者や受付職員に、「自分の障害特性(例:パニックになりやすい、視覚に制限がある)を伝えた上で、どのような配慮が可能か」を具体的に尋ねる。

特に、利用者が少ない時間帯に訪問することで、職員が丁寧に個別対応してくれる可能性が高まります。

アクション2:地域の障害者スポーツ団体に相談する

施設を探すだけでなく、地域の障害者スポーツ団体に相談することで、競技の選択肢や指導者に関する生きた情報を得ることができます。

  • 情報源: 各都道府県の障害者スポーツ協会、NPO法人、または日本パラスポーツ協会のウェブサイト。
  • 相談内容: 「(地域名)で初心者向けのボッチャクラブはありますか?」「精神障害者が利用しやすい運動施設はどこですか?」など、具体的な質問をする。

団体は、施設の利用制限や、特定の時間帯の混雑具合など、当事者目線の情報を豊富に持っています。

よくある質問:介助者なしで利用できるか?

Q: 一人で利用したいのですが、常時介助が必要な重度障害者でも受け入れてもらえますか?

A: 重度障害者の場合、施設側の人的配置基準により、基本的に介助者の同伴が必要となります。ただし、公営の障がい者スポーツセンターでは、ボランティアによる移動や更衣のサポートを提供している場合があります(事前予約必須)。施設が提供できるサポート範囲を具体的に確認し、必要であれば居宅介護の移動支援サービスと組み合わせて利用を検討しましょう。


まとめ

  • 💪 3つの安心基準: 設備(物理的)、情報、人的の3つのバリアフリーが整っているかをチェックし、特に障害者スポーツ指導員の有無を確認しましょう。
  • 📍 選択肢の比較: 公営センター(専門性と低料金)民営ジム(立地と時間帯の自由度)のメリット・デメリットを比較し、自分のライフスタイルに合った施設を選びましょう。
  • 🏃‍♂️ 専門家と連携: 地域の障害者スポーツ協会指導員に相談し、福祉機器の調整個別プログラムの作成を依頼することで、安全で効果的なスポーツ活動を実現しましょう。

藤原 洋平

藤原 洋平

ふじわら ようへい40
担当📚 実務経験 15
🎯 地域情報🎯 バリアフリー

📜 保有資格:
一級建築士、福祉住環境コーディネーター

バリアフリー設計専門の建築士として15年。公共施設や商業施設のユニバーサルデザインに携わってきました。「誰もが使いやすい」施設情報と、バリアフリーの実践的な知識をお届けします。

大学で建築を学び、卒業後は設計事務所に就職。当初は一般的な建築設計をしていましたが、車椅子を使う友人から「段差一つで行けない場所がたくさんある」と聞き、バリアフリー設計の重要性に目覚めました。その後、ユニバーサルデザインを専門とする設計事務所に転職し、学校、図書館、商業施設など、様々な公共建築のバリアフリー化に携わってきました。特に印象深いのは、地域の古い商店街のバリアフリー改修プロジェクト。車椅子の方も、ベビーカーの方も、高齢者も、みんなが安心して買い物できる街になり、「誰にとっても便利」なデザインの素晴らしさを実感しました。記事では、すぐサポの施設データベースを活用しながら、バリアフリー施設の見つけ方、チェックポイント、外出時の工夫など、実際に役立つ情報を建築の専門家の視点で発信します。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

車椅子を使う友人から「段差一つで行けない場所がたくさんある」と聞き、バリアフリー設計の重要性に目覚めました。

✨ 印象に残っている出来事

古い商店街のバリアフリー改修で、誰もが安心して買い物できる街を実現したこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

建築の専門家の視点で、実際に役立つバリアフリー情報を発信します。

🎨 趣味・特技

街歩き、建築巡り

🔍 最近気になっているテーマ

心のバリアフリー、センサリールーム

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