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発達障害・知的障害の方向けイベントカレンダー【2025年版】

📖 約36✍️ 原田 彩
発達障害・知的障害の方向けイベントカレンダー【2025年版】
発達障害・知的障害のある方が安心して季節の体験を積むための「2025年イベントカレンダー」モデルを紹介。環境変化に弱い特性を考慮し、年間を通じた計画(予測可能性の確保)の重要性を強調します。春は慣らし運転(ゆったりお散歩会)、夏はスキルアップ(農園体験キャンプ)、秋は創作(アートフェスタ)、冬は静かな交流(ボードゲーム・カフェ)といった具体的な地域事例に基づいたイベントタイプを提案。成功の鍵は、写真や絵カードを使った「3つの視覚化」と、感覚過敏への事前配慮です。支援者・家族の皆様へ、地域の支援センターを積極的に活用し、計画的な参加を呼びかけます。

「発達障害や知的障害のある子どもが、安心して楽しめるイベントはどこにある?」

「季節ごとの行事に参加させたいけど、急な環境変化が不安で…」

発達障害や知的障害のある方、そしてそのご家族や支援者の皆さんは、イベント参加に対して、期待と同時に大きな不安を感じることも多いのではないでしょうか。特に、感覚過敏や集団行動の苦手さなど、個別の特性への配慮は不可欠です。

この記事では、発達障害・知的障害の特性に配慮した、2025年の年間イベントカレンダーのモデルケースをご紹介します。具体的な地域事例やイベントの選び方を参考に、安心して季節の経験を積むための計画を一緒に立てていきましょう。


年間計画の重要性:イベント参加で生活を豊かに

予測可能性と安心感の確保

発達障害や知的障害のある方にとって、予測可能性(見通し)は安心感に直結します。年間を通してイベントの予定を把握し、事前に視覚的なスケジュール(カレンダー、絵カードなど)で提示しておくことは、イベント当日の不安や混乱を最小限に抑えるための重要な支援です。

イベントカレンダーを家族や支援者と共有することで、「いつ、どこで、何をするか」が明確になり、ご本人が心の準備をする時間を持つことができます。この準備プロセスそのものが、社会参加に向けたスキルの練習となるのです。

「イベントの2週間前からカレンダーにマークをつけ、写真で見通しを伝えるようにしています。当日はスムーズに参加できるようになり、癇癪(かんしゃく)が減りました。」

— 発達障害支援センター 相談員 Dさんの声

また、季節の移り変わりを感じるイベントへの参加は、「時の流れ」を具体的に理解する手助けにもなり、生活リズムの安定にも繋がります。

イベント選びの3つのポイント

発達障害・知的障害の方のイベントを選ぶ際には、以下の3つのポイントを特に重視しましょう。

  • 感覚への配慮: 大きな音や強い光がないか、静かに過ごせるスペース(クールダウン・エリア)があるかを確認。
  • 活動時間の長さ: 短時間(1~2時間程度)で集中力が途切れても大丈夫な、気軽に参加・退出できるプログラムか。
  • 支援者の配置: 専門知識を持つ支援員やボランティアが十分配置されているか、個別サポートを受けられる体制か。

これらのポイントは、特に初めて参加するイベントで重要です。事前に主催者に問い合わせたり、施設のウェブサイトで「ユニバーサル・デザインへの配慮」に関する記載を確認しましょう。

情報収集と予約のタイミング

発達障害・知的障害向けの専門的なイベントは、定員が少なく、人気があるため、一般のイベントよりも早く満席になる傾向があります。特に、夏休み期間のキャンプや、クリスマスなどの季節イベントは、半年前から予約が始まることもあります。

イベント情報は、お住まいの地域の障害者基幹相談支援センター児童発達支援事業所から得られる情報が最も信頼できます。情報を見つけたら、すぐに予約の可否を確認し、申し込む習慣をつけましょう。カレンダーに「予約開始日」を書き込んでおくのが成功の秘訣です。


【春・夏】新しい体験と開放感を味わうイベントモデル

春(4月~5月):新しい環境への慣らし運転

春は、進級・進学など環境が大きく変わる時期です。この時期のイベントは、緊張を解きほぐし、新しい環境に慣れるための「慣らし運転」的な役割を担うものがおすすめです。

東京都練馬区の公園で行われる「ゆったりお散歩会」は、地域の支援団体が主催し、少人数制で五感を刺激する活動(植物の観察、感触遊びなど)を行います。集団行動のプレッシャーが少なく、個人のペースで参加できるのが特徴です。支援者やご家族との情報交換も自然に発生します。

イベントタイプ(例) 参加のポイント
4月 感覚統合遊びワークショップ 室内で安心できる環境。新年度のストレス軽減に。
5月 ユニバーサル動物園見学 混雑を避けた福祉優先入場時間を活用し、動物との触れ合いを楽しむ。

この時期のイベントは、外の空気に触れ、身体を動かすことで、新生活のストレスを軽減し、安定したスタートを切るための手助けとなります。

夏(7月~8月):自由研究とサマーキャンプ

夏休みは、年間で最も長く、イベントの機会が多い時期です。特に、サマーキャンプ自由研究に繋がる体験活動が人気です。長期間の活動は、社会性や生活スキルを伸ばす絶好の機会です。

大阪府堺市では、知的障害者向けに特化した「夏の農園体験キャンプ」が毎年開催されています。このキャンプでは、野菜の収穫や調理を通じて、実生活に直結したスキル(お金の計算、段取りなど)を学びます。専門の支援員が24時間体制でサポートするため、ご家族のレスパイト(休息)にも繋がります。

💡 ポイント

キャンプなどの宿泊イベントは、日頃の支援体制や服薬状況を詳細に伝達することが、安全で楽しい体験に繋がります。

また、博物館や科学館で行われる「特別開館デー」(兵庫県神戸市など一部地域で実施)は、一般の来館者が少ない時間帯に、静かでじっくりと展示物を見られるため、感覚過敏のあるお子さんに大変人気があります。


【秋・冬】創造性と文化に触れるイベントモデル

秋(9月~11月):創作活動と収穫祭

秋は、気候が安定し、創作活動や文化に触れるイベントに適しています。また、地域の福祉施設や作業所が主催する「ふれあい収穫祭・バザー」もこの時期に多く開催されます。

神奈川県横浜市では、NPO法人が中心となり、「ユニバーサル・アートフェスタ」を毎年秋に開催しています。絵画、音楽、ダンスなど、発達障害や知的障害のある方の才能を地域に向けて発信する場です。ここでは、非言語的な自己表現が尊重され、多くの参加者が自信を深めます。

バザーや収穫祭への参加は、お金を払って物を買う練習や、店員さんとのやり取りの練習など、社会生活に必要なスキルを安全な環境で練習できる機会となります。事前に、お小遣いの額買う物のリストを決めておくなどの準備をすると、よりスムーズです。

✅ 成功のコツ

バザーでは、混雑が始まる前の午前中の早い時間を狙って訪問すると、ゆったりと見て回ることができます。

また、この時期は、就労移行支援事業所などが、職場体験会就労フェアを開催することもあります。将来的な進路を考える上で、ご本人やご家族にとって貴重な情報収集の場となります。

冬(12月~3月):静かな交流と進路決定の準備

冬は、寒さから屋外イベントは少なくなりますが、室内での静かな交流会や、来年度に向けた進路相談会が中心となります。特に12月のクリスマスシーズンは、施設ごとのアットホームなパーティーが人気です。

愛知県名古屋市では、「冬のボードゲーム・カフェ」が福祉施設を中心に開かれます。ボードゲームは、ルール理解や順番待ちなど、社会性を育む上で非常に有効なツールです。静かな環境で、少人数のグループで遊べるため、集団が苦手な方でも参加しやすいのが魅力です。

イベントタイプ(例) 参加のポイント
1月 防災学習ワークショップ 避難訓練への参加は、安全意識の向上と見通しの練習に。
2月 進路・就労相談会 ご家族・支援者向け。高校卒業後の進路や福祉制度の情報を収集。
3月 卒業・進級お祝い会 これまでの頑張りを認め合う場。次のステップへの意欲を高める。

特に、年度末の3月は、一年間の成果を振り返る大切な時期です。イベントを通じて、この一年で「できるようになったこと」を具体的に確認し、ご本人を褒めてあげる機会を設けましょう。


イベント参加を成功させるための実践的な支援

当日の不安を和らげる「3つの視覚化」

発達障害・知的障害の方のイベント参加を成功させるためには、「視覚化」が不可欠です。当日の不安を和らげるために、以下の3つの視覚化を実践しましょう。

  1. スケジュールの視覚化: 写真や絵カードを使って、「最初は何をして、次に何をして、最後に帰る」という流れを分かりやすく提示する。
  2. ルール・マナーの視覚化: 「騒がない」「走らない」など、そのイベントでの守るべきルールを数点に絞り、掲示する。
  3. 会場の視覚化(ソーシャルストーリー): 事前に会場の写真を撮り、「ここで受付をするよ」「この部屋で遊ぶよ」といったソーシャルストーリー(社会的な物語)を作成し、繰り返し読んで慣れておく。

これらの視覚支援は、ご本人にとって「次に何が起こるか」を理解する手助けとなり、それが安心感に繋がります。支援者が作成が難しい場合は、事業所や支援センターに相談し、作成の協力を得ましょう。

感覚過敏への具体的な配慮と準備

感覚過敏を持つ方が安心してイベントに参加できるように、以下の具体的な配慮を事前に準備しましょう。

  • 聴覚過敏: ノイズキャンセリング・ヘッドホンや耳栓を持参する。主催者に、静かな休憩スペースの有無を確認する。
  • 視覚過敏: サングラスや帽子の着用を許可する。照明が明るすぎないか事前にチェックする。
  • 触覚過敏: 肌触りの良いお気に入りのタオルやブランケットを持参し、安心できるアイテムとして活用する。

特に、大きな音が出る可能性のあるイベント(花火、お祭りなど)は、会場から少し離れた場所での見学を検討するなど、無理をさせない選択肢を持つことが重要です。

「イベントへの参加は成功体験を積むことが目的であり、苦手なことを無理に克服させる場ではありません。まずは『楽しかった』という感情を大切にしましょう。」

— 専門支援員

支援者・家族の情報交換の場としての活用

イベントやワークショップは、当事者同士やご家族・支援者同士が交流する絶好の機会でもあります。特に、同じ障害を持つ親御さん同士の交流は、具体的な支援情報や悩みの共有に繋がります。

イベントの合間や終了後に、積極的に他の参加者や支援者に声をかけ、地域の支援情報おすすめの事業所について尋ねてみましょう。この「横の繋がり」は、日々の支援を続ける上での大きな支えとなります。お茶会やランチ交流会をイベントとセットで企画している支援団体も多いです。


よくある質問(FAQ)とイベント情報入手先

イベント参加に関するQ&A

Q1:急な体調変化やパニックになった場合の対応は?

A1: 事前に主催者に「クールダウン・エリア」の場所を確認しておきましょう。パニックの予兆が見られたら、すぐにその静かな場所に移動し、刺激を遮断します。主催者や支援員に状況を伝え、指示を仰ぎましょう。

Q2:イベントの対象年齢や障害区分に合わない場合は参加できますか?

A2: イベントによりますが、対象外でも柔軟に対応してくれる場合があります。まずは主催者に「少し対象年齢を外れるが、本人の特性と合っていると思う」と相談してみましょう。積極的な参加意欲は歓迎されることが多いです。

Q3:付き添いのヘルパーと一緒の参加は可能ですか?

A3: ほとんどの障害者向けイベントでは、ヘルパー(ガイドヘルパー含む)の同行は可能です。ただし、ヘルパーさんの参加費や、ヘルパーさんがプログラムに参加できるかどうかは、事前に確認が必要です。申し込み時に必ず伝達しましょう。

2025年イベント情報と相談窓口

2025年の確定的なイベント情報については、以下の窓口で最新情報をご確認ください。このカレンダーのモデルを参考に、ご自身の地域の情報を当てはめてみましょう。

  • お住まいの地域の障害者基幹相談支援センター 個別の特性に合ったイベントや事業所の情報が最も豊富です。
  • 自治体の広報誌やウェブサイト(福祉課、子育て支援課): 行政が主催・後援するイベント情報が掲載されます。
  • 発達障害者支援センター: 発達障害に特化した講座やイベント情報を提供しています。
  • 地元の放課後等デイサービス・児童発達支援事業所 各事業所が企画する地域交流イベントに参加できる場合があります。

このカレンダーを参考に、年間を通じて安定した生活と豊かな経験を積むための計画を立てていきましょう。


まとめ

この記事では、発達障害・知的障害のある方向けの2025年イベントカレンダーのモデルと、参加を成功させるための実践的な支援方法をご紹介しました。

イベント参加は、予測可能性を確保する事前準備(スケジュールの視覚化など)が成功の鍵です。春の慣らし運転から、夏のキャンプでのスキルアップ、秋の創作活動、冬の静かな交流まで、季節ごとに目標を持った参加を計画しましょう。

大切なのは、イベントを通じて「楽しかった」「できた」という成功体験を積み重ねることです。ぜひ、地域の支援センターを活用して、最適なイベント情報を見つけ、一歩踏み出してみてください。

  • イベント参加は、生活スキルの向上と社会性を育む大切な機会です。
  • 事前準備として、スケジュールやルールの「3つの視覚化」を徹底しましょう。
  • 感覚への配慮(静かな場所の確認など)を最優先にイベントを選びましょう。
  • 地域の支援センターや事業所から最新情報を早期に入手し、計画的に予約しましょう。

原田 彩

原田 彩

はらだ あや35
担当📚 実務経験 10
🎯 地域情報🎯 バリアフリー

📜 保有資格:
社会福祉士、相談支援専門員

相談支援専門員として10年、地域の福祉資源の発掘と繋ぎに力を入れています。「この街で暮らす」を支えるために、施設情報だけでなく、バリアフリースポットや割引施設など、生活を豊かにする地域情報をお届けします。

大学で福祉を学び、卒業後は地域の相談支援事業所に就職。当初は「障害福祉サービス」だけが支援だと思っていましたが、地域の中には使える資源がたくさんあることに気づきました。例えば、障害者割引が使える映画館、バリアフリー対応のカフェ、当事者の方が集まれるコミュニティスペースなど。こういった情報を知っているかどうかで、生活の質が大きく変わります。特に印象的だったのは、引きこもりがちだった方が、近所のバリアフリー図書館を知り、そこで読書会に参加するようになったこと。「外に出るのが楽しくなった」と言ってくださいました。記事では、すぐサポの26万件の施設データベースを活用しながら、地域ごとの福祉サービスの特徴や、知って得する地域情報をお伝えします。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学で福祉を学び、地域の中に使える資源がたくさんあることに気づいたことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

引きこもりがちだった方が、バリアフリー図書館を知り、読書会に参加するようになったこと。

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🔍 最近気になっているテーマ

インクルーシブな街づくり、ユニバーサルデザイン

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