当事者会・家族会の地域別一覧【参加方法つき】

「自分の抱える悩みや、障害の特性を、本当に理解してくれる場所が欲しい」
「地域のどこに、どんな当事者会や家族会があるのか分からない。どうやって参加すればいいの?」
障害のある方、そのご家族、そして支援者の皆様にとって、当事者会や家族会(自助グループ)は、共感と具体的な情報交換を得るための、かけがえのない場所です。特に、障害福祉サービスだけでは解決できない、日々の細かな困りごとや感情的な負担を分かち合える場として、その重要性は高まっています。
この記事では、障害の種類や立場に特化した地域の当事者会・家族会を、具体的な参加方法と合わせてご紹介します。孤立せずに、同じ課題を持つ仲間と繋がり、前向きに生活を送るための第一歩を踏み出すためのガイドとしてご活用ください。
当事者会・家族会に参加する3つの理由
1.「孤独の解消」と深い共感
障害に関する悩みは、親しい友人や親族にも理解されにくい、「特殊な悩み」であることが少なくありません。当事者会や家族会では、「そうそう、それわかる!」という深い共感が、言葉を交わさずとも得られます。これは、「自分は一人ではない」という強い安心感をもたらし、精神的な孤立を防ぐ上で最も重要です。
特に、きょうだい児の親の会や発達障害のグレーゾーンの子を持つ親の会など、ニッチなニーズに特化した会では、特定の課題について深く掘り下げた情報交換が可能になります。
「誰にも言えなかった子の行動障害への悩みを話したら、『うちも全く同じだった』と聞けて、涙が止まりませんでした。初めて心の底から救われた気がしました。」
— 保護者 Mさん(愛知県岡崎市)
これらの会は、心の安全基地(セーフティネット)としての役割を担っています。
2.「制度の裏側」を含む生きた情報交換
当事者会・家族会は、公的機関が提供する情報だけでなく、「制度を実際に利用した上での体験談」という、「生きた情報」の宝庫です。
- サービス事業所の「評判」: 支援員の質、雰囲気を、実際に利用している保護者から聞ける。
- 地域の学校の「実態」: 特別支援学級や通級指導教室の運営状況、先生方の熱意など。
- 手続きの「裏技」: 療育手帳や年金申請で、スムーズに進めるための具体的なアドバイス。
行政の情報提供では得られない、「この地域(例:横浜市緑区)ならでは」の具体的な口コミ情報が、サービス選択の判断材料として非常に役立ちます。
3.「ピアリーダー」としての成長の場
当事者会・家族会は、参加するだけでなく、自分が誰かを支える「ピアリーダー」として成長する機会も提供します。新しく参加した人に自分の経験を語り、「誰かの役に立っている」という実感を得ることは、自己肯定感の向上に繋がります。
また、会を運営する側として関わることで、ファシリテーション能力や企画力といった、新たなスキルを身につけることができます。多くの会はボランティアによって支えられているため、積極的に運営に関わってみることも、地域貢献の一環として推奨されます。
【地域・障害別】注目すべき当事者会・家族会事例と特徴
1.発達障害・自閉症スペクトラム系(全国組織と地域支部)
発達障害や自閉症スペクトラムに関する会は、最も数多く、活発に活動しているグループの一つです。
事例と特徴:
- 会名: (例)NPO法人 アスペ・エルデの会(愛知県・東海地方)
- 地域: 名古屋市を拠点に、愛知、岐阜、三重に支部を持つ。
- 活動内容: 専門家による講演会、保護者同士の茶話会、当事者向けのソーシャルスキルトレーニング(SST)など、多岐にわたる。
- 特徴: 学齢期、成人期など、ライフステージに合わせた会があり、長期間にわたり継続的なサポートが受けられる。
大規模な会は、情報量が豊富で、専門的な講演会への参加機会が多いのが魅力です。
2.精神障害・統合失調症系(地域密着型とリカバリー志向)
精神障害に関する当事者会は、「リカバリー(回復)志向」を重視し、当事者同士の交流によるエンパワメントを目的としています。
事例と特徴:
- 会名: (例)NPO法人 ほっと(東京都世田谷区)が連携する地域グループ
- 地域: 世田谷区、杉並区など、都内の複数の地域で小規模に開催。
- 活動内容: 「語り合い」中心のフリートーク、就労体験談の共有、レクリエーション活動。
- 特徴: 「ありのままの自分」を受け入れてもらえる雰囲気を重視。家族が参加する「家族教室」を併設している場合もあり、家族の心理的な負担軽減も図る。
これらの会は、地域精神科病院や相談支援事業所と連携していることが多く、専門的な相談にも繋がりやすいです。
3.難病・身体障害系(疾患別とピアサポート)
難病や身体障害に関する会は、疾患や症状が同じ人同士が集まり、医療や福祉の情報交換を密に行うことが特徴です。
事例と特徴:
- 会名: (例)全国脊髄損傷者連合会 九州支部(福岡県)
- 地域: 福岡市、北九州市を中心に活動。
- 活動内容: 最新の治療法やリハビリ技術に関する情報交換、車いす移動のバリアフリー情報、福祉機器の体験会。
- 特徴: 専門的な医療情報に強く、災害時の支援体制構築など、切実なテーマについても積極的に取り組む。
特に難病系の場合、大学病院などの専門医療機関と連携して講演会を開催していることが多いため、最先端の情報を得やすいメリットがあります。
当事者会・家族会への具体的な参加方法ステップ
4.会の情報収集と事前確認
当事者会や家族会は、公的機関のウェブサイトには掲載されていない、草の根的な活動であることも少なくありません。以下の方法で情報を収集しましょう。
- 相談窓口に聞く: お住まいの地域の障害者基幹相談支援センター、発達障害者支援センター、精神保健福祉センターに問い合わせるのが最も確実です。専門員は、地域内の小さな会まで情報を把握しています。
- 行政の広報をチェック: 市町村の広報誌やウェブサイトの福祉課のページに、開催情報が掲載されていることがあります。
- SNSで検索: 「(地域名) 障害 (具体的な特性) 家族会」といったキーワードで検索してみましょう。
✅ 事前確認の重要ポイント
連絡を取る際は、「初めての参加であること」を伝え、以下の点を確認しましょう。
・参加費の有無(会費、お茶代など)
・内容(フリートークか、テーマがあるか)
・託児・見守りの有無(必要な場合)
特に、誰でも参加できる「オープンな会」か、特定の条件を満たした人だけが参加できる「クローズドな会」かを確認しておきましょう。
5.初めての参加で緊張を和らげるヒント
当事者会・家族会に初めて参加する際は、誰でも緊張するものです。以下のヒントで、無理なく、自分のペースで交流を始めましょう。
- 「聞くだけ」でもOK: 最初に自己紹介をする際、「今日は初めてなので、皆さんの話を伺いたいと思います」と宣言しましょう。無理に話す必要はありません。
- 具体的な質問を用意: もし話す機会があれば、「〇〇市で受けられる移動支援について、何か体験談はありますか?」など、具体的な質問を一つ用意しておくと、スムーズに会話に入りやすくなります。
- 連絡先交換は慎重に: 交流会で知り合った方に、すぐに深い情報や連絡先を渡すのは控えましょう。数回参加して、信頼できる人だと確信できてから、少しずつ関係を深めていくのが安全です。
会によっては、「サポーター」や「先輩」が新規参加者に付き添う制度を設けている場合もありますので、主催者に尋ねてみましょう。
6.支援者として「会の場」を尊重する姿勢
支援者が当事者会・家族会に参加する場合、「あくまで学ぶ立場」という姿勢を忘れないことが大切です。会は、「支援者がいない場で、本音を話したい」という当事者・家族の願いから生まれた場です。
- 専門用語は避ける: 日常の会話では使わない福祉特有の専門用語の使用は避け、分かりやすい言葉で話しましょう。
- アドバイスは求められた時だけ: 求められていないのに、支援者目線で一方的なアドバイスをしたり、事業所の宣伝をしたりすることは、厳禁です。
- 「聞き役」に徹する: 当事者・家族の「生の感情」や「真のニーズ」を学ぶ貴重な機会として、謙虚に耳を傾けましょう。
支援者がこの場を尊重し、「支援者ではない自分」として参加することで、地域での信頼関係を築き、最終的に質の高い支援へと繋がります。
よくある質問(FAQ)と情報入手先
当事者会・家族会に関するQ&A
Q1:当事者会や家族会に「支援者」が参加しても大丈夫ですか?
A1: 「オープン」と明記されている会であれば、参加は問題ありません。ただし、主催者に必ず連絡し、「支援者として参加したいこと、目的は情報収集と交流であること」を明確に伝え、了承を得ましょう。クローズドな会は、当事者・家族のみが対象となりますので、確認が必要です。
Q2:子どもや本人の状態が重いのですが、参加できますか?
A2: 多くの会では、重度の方のご家族も歓迎しています。ただし、託児や見守りの有無は会によって異なりますので、事前に確認が必要です。特に、強度行動障害のあるお子さんの場合は、別室での対応が可能かなど、具体的な配慮について主催者に相談してみましょう。
Q3:地方に住んでいますが、オンラインの会はありますか?
A3: はい、近年、全国規模のオンライン当事者会・家族会が増加しています。「オンライン ピアサポート」「Zoom 家族会」といったキーワードで検索したり、全国組織の本部に問い合わせたりすると、情報が得られます。特に、ニッチな疾患や特性の会は、オンラインで集まる形式が多いです。
困った時の相談窓口と参考リンク
地域の当事者会・家族会情報に関する相談は、以下の窓口をご利用ください。
- お住まいの市町村の障害福祉課: 自治体が関わる家族教室や、公的支援を受けている団体の情報。
- 地域の社会福祉協議会(社協): 地域ボランティアや、活動費助成を受けている自助グループの情報。
- 全国的な疾病・障害別の当事者団体: (例:日本自閉症協会、全国精神障害者家族会連合会など)の支部活動の情報。
全国の当事者会・家族会情報は、当ポータルサイトの自助グループ一覧ページでも随時更新しています。
まとめ
この記事では、当事者会・家族会の重要性、地域別の具体的な事例、そして参加方法をご紹介しました。
当事者会・家族会は、深い共感による孤独の解消、制度の裏側を含む生きた情報交換、そしてピアリーダーとしての成長を可能にする、地域社会の重要な資源です。愛知県の「アスペ・エルデの会」や、東京都世田谷区の精神障害者の会など、それぞれのニーズに合わせた温かい居場所が地域には存在しています。
初めての参加で緊張するのは当然ですが、「聞くだけでOK」という姿勢で、まずは一歩踏み出してみましょう。この繋がりが、あなたの生活の質を高め、前向きな力を与えてくれるはずです。
- 当事者会・家族会は、孤独の解消と生きた情報を得る場です。
- 基幹相談支援センターへの問い合わせが、情報収集の確実な一歩です。
- 初めての参加では、「聞くだけでOK」と宣言し、無理をしないことが大切です。
- 支援者として参加する場合は、聞き役に徹し、場を尊重しましょう。

藤原 洋平
(ふじわら ようへい)40歳📜 保有資格:
一級建築士、福祉住環境コーディネーター
バリアフリー設計専門の建築士として15年。公共施設や商業施設のユニバーサルデザインに携わってきました。「誰もが使いやすい」施設情報と、バリアフリーの実践的な知識をお届けします。
大学で建築を学び、卒業後は設計事務所に就職。当初は一般的な建築設計をしていましたが、車椅子を使う友人から「段差一つで行けない場所がたくさんある」と聞き、バリアフリー設計の重要性に目覚めました。その後、ユニバーサルデザインを専門とする設計事務所に転職し、学校、図書館、商業施設など、様々な公共建築のバリアフリー化に携わってきました。特に印象深いのは、地域の古い商店街のバリアフリー改修プロジェクト。車椅子の方も、ベビーカーの方も、高齢者も、みんなが安心して買い物できる街になり、「誰にとっても便利」なデザインの素晴らしさを実感しました。記事では、すぐサポの施設データベースを活用しながら、バリアフリー施設の見つけ方、チェックポイント、外出時の工夫など、実際に役立つ情報を建築の専門家の視点で発信します。
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💭 福祉の道を選んだ理由
車椅子を使う友人から「段差一つで行けない場所がたくさんある」と聞き、バリアフリー設計の重要性に目覚めました。
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古い商店街のバリアフリー改修で、誰もが安心して買い物できる街を実現したこと。
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建築の専門家の視点で、実際に役立つバリアフリー情報を発信します。
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街歩き、建築巡り
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