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ビジネスプランの作り方|初心者向けテンプレート付き

📖 約49✍️ 菅原 聡
ビジネスプランの作り方|初心者向けテンプレート付き
「起業したいが、アイデアが本当に成功するか不安」「資金調達に必要な書類は何?」—。そんな悩みを解決するのが「ビジネスプラン(事業計画書)」です。この記事では、特に低リスクなスモール起業を目指す障害のある方のために、ビジネスプランを「誰でも書ける」シンプルなテンプレートと作成ステップで解説します。事業の目的から、ターゲット顧客の悩み、資金計画、そして体調の波を考慮したリスク管理まで、計画書に盛り込むべき重要事項を網羅。この計画書は、銀行への融資申請だけでなく、何より自分自身の事業の軸を確認し、成功へと導くための羅針盤となります。具体的な記入例を参考に、あなたの夢を現実にする第一歩を踏み出しましょう。

ビジネスプランの作り方|初心者向けテンプレート付きで夢を実現

「こんなサービスがあったらいいのに」「自分のこのスキルを仕事にしたい」—起業のアイデアが生まれたら、次に必要なのが、そのアイデアを具体的な行動計画に落とし込む「ビジネスプラン(事業計画書)」です。この計画書は、融資を受けるための書類であると同時に、何よりあなた自身の事業の軸を明確にするための設計図となります。

「難しそう」「私には無理」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。ビジネスプランは、特定の形式にこだわる必要はありません。特に低リスクなスモール起業を目指す障害のある方にとって、必要なのは「無理なく続けられる計画」であることです。この記事では、ビジネスプランを誰でも簡単に作成できるテンプレート形式で解説し、特に「体調の波」を考慮した計画の立て方について詳しくご紹介します。このテンプレートを使って、あなたの夢を現実的な目標に変えていきましょう。


ステップ1:プランの土台作りと目的の明確化

ビジネスプランを作成する最初の段階は、「なぜ、この事業をやるのか」という根本的な動機と、事業の核となるアイデアを明確にすることです。

事業のミッションとビジョン

まず、あなたの事業の最も大切な柱となる「ミッション(使命)」と「ビジョン(目標)」を簡潔に定義します。

  • ミッション(なぜやるのか):この事業を通じて、誰のどんな課題を解決したいですか?(例:障害のある人々が、自宅で経済的に自立できる環境を提供する。)
  • ビジョン(どうなりたいか):5年後、この事業が成功した時、どのような状態になっていることが理想ですか?(例:地域で最も信頼される、障害特性に特化したWeb制作フリーランスチームになる。)

特に、働きづらさを抱える当事者としての経験は、強いミッションとなり、事業を継続する上での大きな原動力となります。

誰の悩みを解決するのか(ターゲット顧客)

次に、あなたのサービスを必要としているのは「誰」なのか、ターゲット顧客を具体的に絞り込みます。ターゲットが広すぎると、誰にも響かないサービスになってしまいます。

  1. 属性の特定:年齢、性別、住んでいる地域、職業、抱えている障害、ライフスタイル(例:発達障害を抱える30代のフリーランス初心者)。
  2. ペイン(悩み)の特定:そのターゲットが、あなたの事業分野でどのような問題や不満を抱えているか?(例:Webサイトが欲しいが、複雑な指示が苦手で業者選びに困っている)。

あなたの事業は、このターゲットの「ペイン」を解決できる唯一の手段である、という自信を持てるように深く掘り下げましょう。

💡 ポイント

ターゲットは、過去の自分自身や、身近な家族・友人をモデルにすると、ペイン(悩み)をリアルに把握しやすいです。


ステップ2:具体的な商品設計と差別化戦略

土台が固まったら、いよいよあなたの提供する商品やサービス(バリュープロポジション)を明確にし、競合との違いを際立たせます。

サービスの明確化と提供価値

あなたが顧客に提供する商品やサービスを、具体的かつ簡潔に説明します。

項目 記入例(Webライターの場合)
商品名 【当事者視点】障害福祉専門SEOライティング
サービス内容 障害福祉制度や当事者の声を反映したブログ記事制作代行(月4本まで)
料金体系 月額〇〇円(または1文字〇円)
提供期間 最短3ヶ月契約

この際、提供する価値を明確にしましょう。「ただ記事を書くだけ」ではなく、「当事者経験に基づく共感性と専門性で、読者からの信頼を得られる記事を提供する」といった、付加価値を表現します。

競合との差別化戦略(強みの活かし方)

あなたのサービスが、市場に既にある他のサービスと比べてどこが優れているのか、「競合優位性」を定義します。

特に障害のある方のスモール起業では、この優位性に「特性」を活かすことが重要です。

  • 品質の優位性:(例:ASDのこだわりを活かした)圧倒的な正確性や、徹底したデータ検証。
  • 価格の優位性:(例:自宅完結で固定費が少ないため)一般的な業者よりも安価に提供。
  • 専門性の優位性:(例:当事者としての経験)一般的な業者にはない、共感性の高い視点やニッチな知識。

あなたの特性が、提供価値を支える強力な裏付けとなるように記述しましょう。

「私の事業計画書では、『聴覚過敏のため電話応対はしませんが、メール対応は2時間以内、納期厳守率は99%』と明記し、コミュニケーションの不安を払拭する差別化をしました。」

— 起業家 Mさんの工夫


ステップ3:実現可能な運営体制とリスク管理

ビジネスプランの核となるのが、この「運営体制」と「リスク管理」です。特に、体調の波が事業に影響を及ぼす可能性を考慮し、現実的な計画を立てることが、事業の継続性を高めます。

実行体制と自己管理計画

誰が、いつ、どこで、どれだけ働くのかを明確にします。スモール起業の場合は、ほとんどが「自分自身」となりますが、そこに「合理的配慮」を盛り込みます。

項目 計画内容(例)
主要な業務 Webサイトの制作、クライアントとのメール対応、経理(全て自分)
委託する業務 確定申告・税務相談(税理士に委託)
作業時間 週20時間以内(体調が良い日の午前中のみに集中)
作業場所 自宅の防音スペース(静音環境の確保)

「無理のない範囲での継続」こそが最高の戦略です。作業時間を控えめに設定し、オーバーワークを防ぐ計画を立てましょう。

最大のリスク:体調不良への対応計画

どんな事業にもリスクはつきものですが、障害のある方にとって最大の事業リスクは「体調不良による休業」です。これを想定した対応策を記述することで、計画の現実性が高まります。

  • クライアントへの周知:契約書に「急な体調不良時は、〇日以内に連絡し、納期を〇週間延長させていただく可能性がある」と明記する。
  • 事業の仕組み化:体調が悪くても進められるよう、業務を細分化し、マニュアル化しておく。
  • 経済的バックアップ:事業を休んだ時のために、最低6ヶ月分の生活予備費を事業資金とは別に確保しておく。

✅ 成功のコツ

リスク管理は、最悪の事態を想像して「どうしたら乗り越えられるか」を事前に考えることです。決して悲観的になるのではなく、事業の継続性を高めるための前向きな行動です。


ステップ4:具体的な資金計画と収支見込み

ビジネスプランの最終段階は、事業を支える「お金」に関する計画です。初期投資、毎月の経費、そして売上見込みを具体的に計算します。

初期投資と資金調達計画

事業を始めるために最初にかかる費用(初期投資)をリストアップし、その資金をどこから調達するかを明確にします。

  1. 初期費用のリスト:PCやソフトの購入、Webサイト制作費、資格取得費用、開業手続き費用など。
  2. 資金調達の内訳:自己資金、親族からの借入、日本政策金融公庫からの融資、創業補助金・助成金の申請額などを具体的に記述します。

特に、融資を申請する場合は、この初期費用と資金調達計画が非常に重要視されます。曖昧な表現は避け、具体的な見積もりを基に作成しましょう。

損益計算(収支見込み)

事業が軌道に乗った時の「収支見込み」を計算します。これは、「いくら稼いだら、いくら利益が残り、生活できるのか」を把握するための最も大切な計算です。

項目 月間見込み(例)
売上高 300,000円(クライアント5社×単価60,000円)
経費(変動費) 10,000円(Web制作の外注費など)
経費(固定費) 50,000円(通信費、ソフト代、自宅家賃の按分額など)
利益(所得) 240,000円(生活費として確保すべき金額か確認)

この利益額が、生活に必要な費用や、障害年金の所得制限のボーダーラインを超えていないかなど、総合的なバランスを検討しましょう。


よくある質問(Q&A)と次のアクション

ビジネスプラン作成に関する、よくある質問とその回答をご紹介します。

テンプレートはどこで手に入りますか?

ビジネスプランのテンプレートは、日本政策金融公庫のWebサイトや、地域の商工会議所のWebサイトなどで無料でダウンロードできます。

また、就労移行支援事業所などでは、これらの公的なテンプレートを基に、あなたの特性に合わせた計画の作成をサポートしてくれます。テンプレートの形にこだわりすぎず、「必要な情報が過不足なく整理されているか」を重視して作成しましょう。

計画は途中で変更してもいいですか?

もちろんです。ビジネスプランは、一度作ったら終わりではなく、事業の状況や体調の変化に合わせて柔軟に見直し、更新していくものです。

特に、創業初期は計画通りに進まないことの方が多いため、3ヶ月ごとなど、定期的に計画を見直す機会を設けましょう。計画の変更が、事業の失敗ではなく、より現実的な成功に繋がるための修正であると捉えましょう。

次に取るべき具体的なアクションは?

ビジネスプランの作り方を学んだら、次に具体的な行動に移りましょう。

✅ 成功のコツ

いきなり完璧な計画書を作ろうとせず、まずはこの記事の構成(ステップ1〜4)を基に、各項目を箇条書きで埋めることから始めましょう。その後、地域の就労移行支援事業所や専門家に見てもらい、客観的な意見を取り入れましょう。


まとめ

  • ビジネスプランは、事業のミッションとターゲット顧客の「ペイン」を明確に定義することから始めます。
  • 計画には、あなたの障害特性を活かした競合との差別化戦略と、体調不良を想定した現実的なリスク管理策を必ず盛り込みます。
  • 収支見込みは、生活に必要な費用を考慮し、資金調達の計画と合わせて具体的に計算することが重要です。

菅原 聡

菅原 聡

すがわら さとし38
デスク📚 実務経験 12
🎯 就労支援🎯 進路支援

📜 保有資格:
職業指導員、キャリアコンサルタント、精神保健福祉士

就労移行支援事業所で10年以上、障害のある方の「働く」を支援してきました。一般就労への移行支援から就労継続支援まで、幅広い経験をもとに、「自分に合った働き方」を見つけるための情報をお届けします。

大学で社会福祉を学び、卒業後すぐに就労移行支援事業所に就職。当初は「障害があっても一般企業で働けるんだ」という驚きと感動の連続でした。これまで150名以上の方の就労支援に携わり、その8割が一般企業への就職を実現。ただし、「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」が本当のゴールだと考えています。印象的だったのは、精神障害のある方が、障害をオープンにして自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。その笑顔が忘れられません。記事では、就労移行支援と就労継続支援の違い、企業選びのポイント、障害者雇用の現実など、実際の支援経験に基づいた実践的な情報をお伝えします。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学で社会福祉を学び、「障害があっても一般企業で働ける」という可能性に感動したことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

精神障害のある方が、自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」を大切に、実践的な情報を発信します。

🎨 趣味・特技

ランニング、ビジネス書を読むこと

🔍 最近気になっているテーマ

リモートワークと障害者雇用、週20時間未満の短時間雇用

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