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日常生活の困りごとを減らす福祉サービス活用ガイド

📖 約72✍️ 谷口 理恵
日常生活の困りごとを減らす福祉サービス活用ガイド
この記事では、障害がある方の日常生活の困りごとを軽減するために、公的な福祉サービスをどのように活用すべきかを詳しく解説しています。具体的には、自宅での入浴や家事を支える「居宅介護」、身体機能を補う「補装具・日常生活用具」の給付制度、外出や余暇活動をサポートする「移動支援」などについて、利用のメリットや具体的な品目を紹介。さらに、サービス利用の鍵となる「相談支援事業所」の役割や、自分らしい生活を取り戻すための心構えについても言及しています。制度を正しく理解し、一人で抱え込まずにサポートの輪を広げるための総合ガイドです。

一人で抱え込まないで。毎日の暮らしを軽やかにする福祉サービス活用術

「朝起きてから夜寝るまで、自分一人ではどうしても時間がかかってしまう」「家族に頼ってばかりで、申し訳ない気持ちでいっぱいになる」といった悩みを抱えてはいませんか。障害がある中での日常生活は、着替えや食事、外出、掃除など、一つひとつの動作に大きなエネルギーを必要とします。周りの人は当たり前にできていることが難しいとき、つい自分を責めてしまいがちです。

しかし、現代の日本には、あなたの生活を支え、負担を軽減するための公的な福祉サービスが数多く存在します。これらのサービスは、特別なことではなく、あなたが「自分らしい生活」を送るための正当な権利です。制度を正しく知り、上手に活用することで、家族への気兼ねを減らし、あなた自身の自由な時間を増やすことができます。

この記事では、日常生活の困りごとを具体的に解決するための「居宅介護」や「用具の給付」「移動支援」などについて、活用シーンを交えて詳しく解説します。読み終える頃には、明日からの生活が少しだけ明るく、軽やかになるヒントが見つかっているはずです。一人で頑張りすぎるのをやめて、サポートの輪を広げていきましょう。


自宅での「できない」をサポートする居宅介護

身体介護で生活のリズムを整える

自宅での生活において、最も基本的かつ重要なのが「身体介護」です。これはヘルパーが自宅を訪問し、入浴、排泄、食事、着替え、寝返りの介助などを行うサービスです。朝の着替えや夜の入浴など、時間と体力を要する場面でプロの手を借りることで、生活の質は劇的に向上します。

身体介護の大きなメリットは、単に動作を助けるだけでなく、「安全な環境」を確保できる点にあります。例えば、入浴時の転倒リスクや、不適切な姿勢による身体の痛みを防ぐことができます。また、家族以外の人に介助を任せることで、家族間の緊張が和らぎ、お互いに心に余裕が生まれるという心理的な効果も非常に大きいです。

利用する際は、ケアマネジャーや相談支援専門員と一緒に「どの時間帯に、どの程度の介助が必要か」を細かくプランニングします。週に数回、入浴の時だけ来てもらうといった使い方も可能です。自分の体力や家族のスケジュールに合わせて、無理のない範囲からスタートしてみるのが成功のコツです。

家事援助で清潔で健康な暮らしを

身体の自由がきかないと、掃除や洗濯、料理といった家事全般が滞りがちになります。居宅介護の「家事援助」は、そうした日常の家事をヘルパーが代行するサービスです。部屋が清潔に保たれ、栄養バランスの取れた食事が摂れることは、心身の健康を維持するための基盤となります。

家事援助で頼める内容には、以下のようなものがあります。

  • 調理(食事の用意や後片付け)
  • 洗濯(洗濯機を回す、干す、畳む、収納する)
  • 掃除(居室やトイレ、浴室の清掃)
  • 買い物(生活必需品の買い出し代行)

ただし、家事援助には「本人ができないこと」を助けるという原則があります。家族が同居している場合、基本的には「家族ができること」は対象外とされることが多いですが、家族が病気や仕事で対応できない場合は認められるケースもあります。自分の状況でどこまで利用できるか、まずは自治体の福祉窓口で確認してみましょう。

重度訪問介護という選択肢

常に介護が必要な重度の障害がある方の場合は、「重度訪問介護」というより手厚いサービスがあります。これは単発の居宅介護とは異なり、比較的長い時間を一人のヘルパーが担当し、身体介護から家事、外出時の支援までを包括的にサポートする仕組みです。

重度訪問介護の最大の特徴は、「見守り」が含まれる点です。常にそばにヘルパーがいることで、夜間の体位変換や、急な体調の変化、水分補給など、細かなニーズに即座に対応してもらえます。これにより、重い障害があっても一人暮らしを実現したり、家族の負担を最小限に抑えたりすることが可能になります。

最近では、この制度を利用して大学に通ったり、仕事をしたりする方も増えています。障害があるからといって何かを諦めるのではなく、サポートを基盤にして活動の幅を広げていく。重度訪問介護は、そんな前向きな自立生活を支える強力なインフラと言えます。

💡 ポイント

居宅介護や重度訪問介護の利用料金は、原則1割負担ですが、所得に応じて月額の上限額が設定されています。生活保護世帯や非課税世帯の方は、無料で利用できることがほとんどです。


道具の力で不便を解消!補装具と日常生活用具

身体の機能を補う補装具の給付

日常生活の困りごとを解決するのは、人によるサポートだけではありません。「道具」の力を借りることで、自分自身の力でできることが増える場合も多々あります。その代表が、車いすや義肢、装具といった「補装具」です。これらは失われた身体機能を補い、移動や姿勢保持を助けるために不可欠なものです。

補装具の給付制度を利用すると、購入や修理にかかる費用の大部分が公費で賄われます。車いす一つとっても、本人の身体状況や生活環境に合わせてオーダーメイドで作ることができます。例えば、家の中で小回りが利く手動車いすや、長距離を移動するための電動車いすなど、目的に応じた選択が可能です。

給付を受けるためには、指定の医師による診断書や意見書が必要となり、更生相談所などの判定を受けるステップがあります。少し手続きは複雑に見えますが、自分にぴったりの用具を手に入れることは、生活圏を広げる大きな第一歩となります。理学療法士などの専門家のアドバイスを受けながら、最適な一台を検討しましょう。

暮らしを便利にする日常生活用具

補装具が身体機能そのものを補うのに対し、生活の不便を解消し、利便性を高めるための道具が「日常生活用具」です。自治体によって給付の対象品目は異なりますが、多岐にわたる便利なグッズが対象となっています。これらを知っているかどうかで、毎日のストレスが大きく変わります。

よく利用される日常生活用具には、以下のようなものがあります。

  • 入浴補助用具:バスボードやシャワーチェア。座ったまま安全に入浴できます。
  • 特殊寝台(介護ベッド):起き上がりや立ち上がりを電動で助けます。
  • 情報・意思疎通支援用具:点字器や人工喉頭、会話補助装置など。
  • ストマ用装具:オストメイトの方が使用する排泄物収集袋。

例えば、ベッドから立ち上がるのが辛いという悩みがあれば、電動ベッドを導入するだけで朝の目覚めがスムーズになります。また、視覚障害がある方であれば、音声を読み上げる読書機などが日常生活の大きな助けになります。これらは「贅沢品」ではなく、あなたが自立した生活を送るための「必需品」として認められています。

最新テクノロジーとICTの活用

近年、スマートフォンのアプリやスマート家電といったICT(情報通信技術)の進化により、障害者の困りごとを解決する手段が飛躍的に増えています。これらの中には、福祉用具として給付されるものもあれば、一般向けの製品として安価に手に入るものもあります。

例えば、音声で家電を操作できるスマートスピーカーは、肢体不自由の方にとって「照明を消す」「エアコンをつける」といった動作を劇的に楽にします。また、視覚障害者向けの画像認識アプリや、聴覚障害者向けのリアルタイム文字起こしアプリなどは、外出時の不安を大きく解消してくれます。

こうした最新技術の導入についても、自治体によっては独自の補助金を出している場合があります。また、「重度障害者用意思伝達装置」のように、高額な機器でも公費で給付される仕組みもあります。テクノロジーに苦手意識を持たず、「これができたらいいな」という希望を周囲に相談してみることで、最新の解決策が見つかるかもしれません。

✅ 成功のコツ

福祉用具は「実際に使ってみる」ことが大切です。多くの事業所ではデモ機の貸し出しを行っています。自分の生活動線で本当に使いやすいか、1週間ほど試してから申請することをおすすめします。


外の世界と繋がるための移動支援サービス

余暇や外出をサポートする移動支援

家の中のことが整ってきたら、次は外へ出る楽しみを増やしましょう。障害がある方の外出をヘルパーがマンツーマンでサポートするサービスが「移動支援(ガイドヘルプ)」です。これは障害者総合支援法の地域生活支援事業に位置づけられており、自治体ごとに独自のルールで運用されています。

移動支援の素晴らしい点は、通院などの必要不可欠な外出だけでなく、「余暇活動(遊びや買い物)」にも利用できる点です。映画を観に行きたい、デパートで買い物をしたい、友人の結婚式に出席したいといった個人の希望を叶えることができます。一人での移動が困難、あるいは人混みでの不安がある方にとって、横に信頼できるサポーターがいることは大きな安心感に繋がります。

ただし、原則として「通勤や通学」「営業活動」「継続的な習い事」などには利用できないことが多いです。あくまで「地域での自立生活や社会参加」を目的としたサービスであることを理解しておきましょう。週末に一度、近所の公園へ散歩に行くことから始めて、徐々に遠出に挑戦していく。そんな風に、外の世界との接点を増やしていくことができます。

公共交通機関の割引とタクシー券

移動の際の経済的な負担を減らす制度も充実しています。最も身近なのは、障害者手帳の提示による公共交通機関の割引です。JR各社をはじめ、私鉄、バス、航空機などで運賃が50%割引になります。これは、本人だけでなく介護者1名まで適用されることが多く、外出のハードルを大きく下げてくれます。

また、自治体によっては、バスや電車に乗るのが難しい方のために「福祉タクシー券」や「自動車燃料費の助成」を行っています。タクシー券を利用すれば、ドア・ツー・ドアでの移動が可能になり、悪天候の日や体調が優れない日でも安全に外出できます。これらは申請しないともらえない制度ですので、年度の切り替わりなどに必ずチェックしておきましょう。

車を自分で運転する方であれば、有料道路(高速道路など)の通行料金が半額になる制度や、駐車禁止除外指定車標章の交付なども受けられます。移動手段の選択肢を複数持っておくことで、「今日は電車、明日はタクシー」といった具合に、その日のコンディションに合わせた柔軟な外出が可能になります。

バリアフリー情報の収集と活用

移動支援や割引制度を活用して外出する際、事前に調べておきたいのが目的地のバリアフリー情報です。最近では、駅や大型商業施設、公共施設などの多目的トイレの場所やエレベーターの有無を簡単に調べられるサービスが増えています。

  • らくらくおでかけネット:交通機関のバリアフリー情報を網羅しています。
  • Googleマップ:設定で「車いす対応」をオンにすると、ルート検索に反映されます。
  • 自治体のバリアフリーマップ:地域密着の細かな段差情報などが掲載されています。

移動支援のヘルパーさんは、こうした情報収集にも長けていることが多いです。一緒にルートを考えたり、現地の写真をネットで確認したりする時間も、外出の楽しみの一部になります。「行ける場所」ではなく「行きたい場所」へ行く。そのために、制度と情報を最大限に活用しましょう。

「以前は家から出るのが怖かったのですが、移動支援でヘルパーさんと一緒に少しずつ距離を伸ばしていきました。今では一人でカフェに行けるようになり、生活が180度変わりました。」

— 30代 視覚障害者 Aさんの声


相談の窓口を知る:困りごと解決の第一歩

相談支援事業所という頼れるパートナー

「サービスがたくさんあって、どれが自分に合うかわからない」「手続きが難しそうで尻込みしてしまう」という方こそ、「相談支援事業所」を頼ってください。ここは、障害がある方やその家族の相談に乗り、どのようなサービスを組み合わせれば希望する生活が送れるかを一緒に考えてくれる場所です。

相談支援専門員は、あなたの「こうなりたい」という願いを「サービス等利用計画」という形にまとめ、自治体やサービス事業所との調整を行ってくれます。いわば、あなたの生活の「プロデューサー」のような存在です。何か困りごとがあったとき、「これは誰に聞けばいいんだろう?」と迷ったら、まずは担当の相談支援専門員に連絡をするのが最も確実な解決策です。

相談支援事業所の利用料は、利用者本人の負担はありません(全額公費負担)。そのため、何度相談しても費用はかかりません。良い専門員との出会いは、福祉サービスを賢く使うための最大の鍵となります。もし、今の担当者と相性が合わないと感じる場合は、事業所を変更することも可能です。遠慮せずに、自分が信頼できるパートナーを探しましょう。

自治体の福祉窓口と保健所の役割

各市区町村の「障害福祉課」などの窓口は、すべての福祉サービスの申請受付場所です。サービスの種類や支給量(月何時間使えるかなど)を決定するのは自治体であるため、行政の担当者と良好なコミュニケーションを取ることも重要です。最新の助成金情報や、地域限定の独自サービスなどは、やはり窓口が一番詳しい情報を持っています。

また、身体的なリハビリや精神的なケア、医療的な相談については、「保健所(保健センター)」も大きな役割を果たします。保健師さんが家庭訪問をしてくれたり、専門医による相談会を開催していたりすることもあります。生活の困りごとが「制度」に関することなら福祉課へ、「心身の状態」に関することなら保健所へ、という風に使い分けるとスムーズです。

こうした公的な窓口以外にも、障害者自身が運営する「自立生活センター(CIL)」なども力強い味方になります。実際にサービスを使いながら一人暮らしをしている先輩(ピアカウンセラー)から、制度の裏ワザや生活の工夫を聞くことができます。専門家のアドバイスと、当事者の生の声、両方をバランスよく取り入れていきましょう。

実例:サービス活用で生活が変わったBさん

交通事故で下半身麻痺となったBさん(40代)は、退院直後、自宅での生活に絶望していました。掃除もできず、食事もコンビニ弁当ばかり。「これなら病院にいたほうがマシだ」と考えていたそうです。しかし、相談支援専門員の勧めで、週3回の身体介護(入浴)と週2回の家事援助(調理・掃除)を導入しました。

さらに、日常生活用具の給付で「特殊寝台」と「入浴補助用具」を整えたことで、自分一人でベッドから車いすへ移乗できるようになり、介助なしでシャワーを浴びられるようになりました。今では移動支援を使って、月に一度、大好きな釣りに出かけています。Bさんは「サービスを使い始めて、ようやく『自分の人生』が戻ってきた感じがします」と話してくれました。

Bさんのように、複数のサービスをパズルのように組み合わせることで、生活の穴を埋めていくことができます。一つひとつは小さなサポートでも、積み重なれば大きな「自由」になります。あなたの今の状況を一番に理解してくれる相談相手を見つけることが、Bさんのような成功への最短距離です。

困りごとの内容 おすすめのサービス・制度 主な効果
家事が手につかない 居宅介護(家事援助) 食事や掃除の負担軽減
自分での移動が不安 移動支援・福祉タクシー券 社会参加や余暇の充実
身の回りの動作が辛い 補装具・日常生活用具の給付 自助能力の向上、安全性確保
何をすればいいか不明 相談支援事業所の利用 最適な生活プランの作成


よくある質問(FAQ)

Q. 障害者手帳を持っていなくてもサービスは受けられますか?

A. 基本的に、障害者総合支援法のサービスを利用するには「障害者手帳」または「難病患者としての証明」が必要です。ただし、自閉症スペクトラムなどの発達障害や、うつ病などの精神障害があり、手帳を取得していない場合でも、主治医の診断書によって「障害福祉サービス受給者証」が発行され、サービスを利用できるケースがあります。まずは手帳がないからと諦めず、診断名がある場合はお住まいの自治体の窓口で「サービス等利用計画案」の作成について相談してみてください。

Q. ヘルパーさんにどこまで頼んでいいか迷います。

A. ヘルパーさんに依頼できるのは、あくまで「サービス等利用計画」に記載された内容の範囲内です。例えば、家事援助で「本人の食事を作る」のはOKですが、「同居している家族の分も一緒に作る」ことはできません。また、庭の草むしりや窓拭き、ペットの世話などは、基本的には日常生活に必須の範囲外とみなされ、お断りされることが多いです。ただし、利用者自身の自立に繋がることであれば、どこまでが範囲内かは柔軟に判断されることもあります。契約前に、事業所の担当者としっかり確認しておくことがトラブル防止になります。

Q. 介護保険との違いは何ですか?

A. 65歳以上の方は、原則として「介護保険制度」が優先されます。障害者福祉サービスと同様の内容(訪問介護など)は介護保険から受けることになります。ただし、介護保険にはないサービス(同行援護など)や、介護保険だけでは支給量が足りない場合には、引き続き障害者福祉サービスを「上乗せ」で利用できることもあります。40歳から64歳までの方は、特定疾病(若年性認知症やALSなど)がある場合に介護保険が優先されます。どちらが適用されるかは非常に複雑ですので、相談支援専門員やケアマネジャーに確認が必要です。

Q. サービスを使っていることが周囲にバレたくないのですが。

A. 福祉サービスの利用に関わるスタッフには「守秘義務」があります。あなたの個人情報や、サービスを利用している事実が正当な理由なく外部に漏れることはありません。ヘルパーさんの訪問も、一般の私服で訪問したり、派手な看板のない車で来たりするなど、プライバシーに配慮してくれる事業所がほとんどです。近所の目が気になる場合は、事業所にその旨を伝えておきましょう。「あの方は親戚の方ですか?」といった近所の人への対応についても、事前に打ち合わせをしておくと安心です。


自分らしい生活を取り戻すためのアクション

自分の「理想の24時間」を書き出してみる

サービスを使い始める前に、ぜひやってみてほしいことがあります。それは、制限を設けずに「本当はこんな生活を送りたい」という理想の24時間を書き出すことです。「朝はもっとゆっくり寝ていたい」「美味しい手料理が食べたい」「週に一回は映画館に行きたい」など、どんなに小さなことでも構いません。

書き出した理想と今の現実を比べたとき、そのギャップが「困りごと」の正体です。そして、そのギャップを埋めるためにどの福祉サービスが使えるかを考えるのが、相談支援のプロセスです。自分のニーズを自分自身で把握しておくことは、納得のいくサポートを受けるための第一歩となります。わがままになっても大丈夫です。あなたの人生をより良くするためのリストを作ってみましょう。

また、そのリストを相談員に見せることで、「それならこの制度が使えますよ」「この用具があれば解決しますね」という具体的な提案を引き出しやすくなります。制度を知ることも大事ですが、自分の「欲求」を知ることはそれ以上に大切です。まずはノートを一冊用意して、思いつくままに書いてみてください。

お試しの精神で「まずは一つ」使ってみる

いきなり週5日のヘルパー利用や、高額な用具の申請をするのは勇気がいるものです。そこでおすすめなのが、「まず一つだけ、一番困っていること」に絞ってサービスを試してみることです。「お風呂だけ手伝ってもらう」「移動支援で近所のスーパーまで行ってみる」といったスモールステップから始めてみましょう。

実際に使ってみると、「意外と気を遣わなくていいんだ」「こんなに楽になるならもっと早く使えばよかった」と感じることが多いはずです。もし合わないと感じたら、別の事業所に変えたり、利用回数を減らしたりすることも自由です。福祉サービスはあなたの自由を縛るものではなく、あなたの選択肢を増やすためのものです。お試しの精神で、気軽に一歩を踏み出してみましょう。

一つサービスがうまく回り始めると、心に余裕ができ、次の課題に取り組むエネルギーが湧いてきます。その好循環を作ることが、日常生活の困りごとを根本から減らしていく唯一の方法です。今日から、何か一つだけ。あなたの暮らしを楽にするための「小さな実験」を始めてみませんか。

⚠️ 注意

サービスの支給決定には時間がかかることがあります(申請から決定まで1ヶ月程度が目安)。「もう限界だ」と感じる前に、余力があるうちに相談を開始することが、あなた自身を守ることにも繋がります。


まとめ

  • 身体介護・家事援助を活用する:日常生活の基本動作や家事をヘルパーに任せることで、心身の健康と家族のゆとりを確保しましょう。
  • 用具の給付制度を使いこなす:補装具や日常生活用具を導入し、テクノロジーの力を借りて「自分でできること」を増やしましょう。
  • 移動支援で社会との接点を持つ:余暇活動のサポートを受け、外の世界へ飛び出す楽しみと安心を手に入れましょう。
  • 相談支援専門員をパートナーにする:制度のプロと協力して、自分だけの最適な生活プラン(ケアプラン)を構築しましょう。

障害がある中での暮らしは、決して簡単なことではありません。しかし、あなたが一人ですべてを背負い込む必要もありません。日本には、あなたの生活を支えるための仕組みがすでに整っています。大切なのは、その存在を知り、勇気を持って「助けて」と言葉にすることです。

サービスを活用することは、自立への近道であり、あなたを支える家族への最大のギフトでもあります。まずは身近な相談窓口を訪ねてみてください。あなたの日常が、今よりもっと自由で、もっと笑顔の絶えないものになるよう、心から応援しています。新しい一歩を、今日ここから踏み出しましょう!

谷口 理恵

谷口 理恵

たにぐち りえ45
副編集長📚 実務経験 20
🎯 生活サポート🎯 地域情報

📜 保有資格:
介護福祉士、ケアマネージャー、サービス管理責任者

介護福祉士として15年間現場で働き、現在はグループホームの管理者。「地域で自分らしく暮らす」を支えるために、住まい・生活・地域資源に関する情報発信を担当しています。実際の支援現場で感じた「これ知りたかった!」という情報をお届けします。

介護福祉士として障害者施設で10年、その後ケアマネージャーの資格を取得し、相談支援専門員として5年勤務。現在はグループホーム(定員10名)の管理者として、利用者の方々の日々の生活を支えています。この仕事を選んだきっかけは、大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会ったこと。「普通」の定義は人それぞれで、大切なのは本人が望む生活を実現することだと気づかされました。特に力を入れているのは、地域との繋がりづくり。近所のスーパーや美容院、カフェなど、日常的に利用できる場所を増やすことで、「施設の中だけ」ではない豊かな生活を支援しています。記事では、グループホームでの実際の生活の様子や、地域の障害福祉サービス事業所の選び方など、現場の生の声をお伝えしていきます。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会い、「普通」の定義は人それぞれだと気づいたことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

近所のスーパーや美容院など、日常的に利用できる場所を増やすことで、利用者の生活が豊かになったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

現場の生の声を大切に、「これ知りたかった!」という情報を届けることを心がけています。

🎨 趣味・特技

料理、ガーデニング

🔍 最近気になっているテーマ

一人暮らし支援の新しい形、地域住民との共生

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