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障害者手帳で利用できる交通割引まとめ【電車・バス・飛行機】

📖 約76✍️ 高橋 健一
障害者手帳で利用できる交通割引まとめ【電車・バス・飛行機】
この記事では、障害者手帳を活用して電車、バス、飛行機などの公共交通機関で受けられる割引制度を詳しく解説しています。JR各社で2025年4月から導入される精神障害者割引の最新情報や、第1種・第2種による割引条件の違い、介護者の運賃半額ルールなどを網羅。さらに、LCCと大手航空会社の違いや、タクシー・フェリーでの活用法、デジタル障害者手帳「ミライロID」や障害者用ICカードを利用したスマートな移動術まで紹介。移動コストを抑え、外出のハードルを下げるための実践的なガイドです。

障害者手帳でお得に外出!交通機関の割引制度パーフェクトガイド

「通院や買い物で電車やバスをよく使うけれど、交通費が家計の大きな負担になっている」「障害者手帳で割引が受けられるのは知っているけれど、種類や条件が複雑でよくわからない」といった悩みをお持ちではありませんか。外出は心のリフレッシュや社会参加のために大切ですが、移動のたびにかかるコストを考えると、どうしても家から出るのが億劫になってしまうこともあるかもしれません。

日本の公共交通機関には、障害のある方の移動を経済的に支えるための手厚い交通割引制度が整っています。電車、バス、飛行機、タクシーなど、日常のあらゆる移動シーンで障害者手帳を活用することで、運賃が大幅に軽減されます。しかし、これらの制度は各運行会社や障害の種類(身体・知的・精神)によって条件が異なるため、正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、全国の公共交通機関における障害者割引の最新情報を網羅的に解説します。2025年4月から本格的に導入される精神障害者向けのJR割引といった最新のトピックから、介護者(付き添い)の割引条件、さらにはスマートに提示できるデジタルツールの活用法まで、詳しくご紹介します。この記事を読めば、これからの外出がもっと身近で、もっと気軽なものになるはずです。


鉄道(JR・私鉄)の割引ルールと最新動向

JRグループの基本割引ルール

全国を網羅するJRグループの割引は、障害者手帳の種類と「旅客鉄道株式会社運賃減額」の区分(第1種・第2種)によって決まります。身体障害者手帳または療育手帳をお持ちの方が対象で、精神障害者保健福祉手帳については2025年春から同様の運用が開始される予定です。割引の基本は、普通乗車券が50%割引(半額)になるという点にあります。

第1種障害者の場合、本人と介護者が同伴して乗車する際に、両名の運賃が距離に関係なく半額になります。一方、第2種障害者の場合は、本人単独での利用時には片道100キロメートルを超える旅行でなければ割引が適用されません。ただし、第2種であっても12歳未満の児童が介護者と同伴する場合は、定期券などで割引が認められる特例もあります。

注意したいのは、割引が適用されるのは原則として「運賃(普通乗車券)」であり、特急券やグリーン券などは割引の対象外となる点です。新幹線を利用する場合、乗車券部分は半額になりますが、特急料金は通常料金を支払う必要があります。購入時は窓口で手帳を提示し、「障害者割引でお願いします」と伝えるのが最も確実な方法です。

2025年4月からの精神障害者割引

これまで、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、JRの運賃割引の対象外とされてきました。しかし、当事者団体や自治体からの強い要望を受け、JR各社は2025年4月1日から、精神障害者に対しても身体・知的障害者と同じ条件での割引を導入することを決定しました。これは、長年の課題であった「障害種別による格差」が解消される歴史的な転換点といえます。

割引の適用条件は、身体・知的障害者と同じく、手帳の「旅客鉄道株式会社運賃減額」の欄に「第1種」または「第2種」の記載があることが基準となります。精神障害者保健福祉手帳の場合、一般的に1級が第1種、2級・3級が第2種に相当する見込みです。制度開始に向けて、自治体では手帳への種別記載などの準備が進められています。

この変更により、精神障害のある方の通院や就労、余暇活動の範囲が大きく広がることが期待されています。これまで「私鉄は安くなるけれどJRは高いから」と避けていたルートも、これからは選択肢に入れやすくなります。制度開始直後は窓口が混雑したり、運用に慣れていない場合もあるため、事前に最寄りの駅で詳細を確認しておくとスムーズです。

私鉄・地下鉄の割引条件

大手私鉄(東急、京王、阪急、近鉄など)や各地の地下鉄、公営交通においても、JRに準じた割引制度が導入されています。私鉄の多くは、JRよりも柔軟に精神障害者割引を先行して導入してきた経緯があり、多くの路線ですでに手帳提示による半額割引が受けられます。割引率は多くの会社で50%、一部の定期券では30%〜50%程度の割引が設定されています。

地下鉄や公営バスを運営する自治体の中には、その地域に居住する障害者に対して「無料パス」や「福祉乗車証」を発行しているケースがあります。例えば、東京都では都営地下鉄や都営バスが無料になる「都営交通無料乗車券」が発行されています。これは民間会社の割引よりもさらに手厚い支援ですので、お住まいの地域の福祉課で必ず詳細を確認しましょう。

私鉄の特急列車(ロマンスカーやスカイライナーなど)については、JR同様に特急料金の割引がない場合がほとんどですが、一部の会社では期間限定のキャンペーンや特定の条件で割引を行うこともあります。私鉄各社はWEBサイトにバリアフリー情報ページを設けているため、よく利用する路線の情報はブックマークしておくと便利です。

💡 ポイント

最近では、自動改札を通るだけで割引が適用される「障害者用ICカード(SuicaやPASMOなど)」が普及しています。毎回窓口に並ぶ必要がなく、第1種の方は本人用と介護者用の2枚をペアで使うことで、同時決済が可能です。


バス(路線・高速)の割引と利用のコツ

路線バスの割引と提示方法

地域住民の足である路線バスは、障害者割引が非常に使いやすい交通機関の一つです。一般的に、身体・知的・精神の3種類の手帳すべてにおいて、運賃の50%割引が適用されます。支払いの際、降車時に運転手へ手帳(またはデジタル手帳)を提示し、割引料金を支払うか、割引設定済みのICカードで決済します。

介護者についても、手帳に「介護付」の記載がある場合や、第1種障害者の場合は同伴者1名までが半額になります。バス会社によっては、手帳の提示だけでなく、独自の「福祉割引証」や自治体の発行する「乗車証」を優先して使用する場合もあります。地域の足として日常的に利用するバスだからこそ、最初の1回目に運転手や営業所に確認しておくと、その後の利用が非常に楽になります。

また、最近の路線バスは「ノンステップバス」や「スロープ付き車両」が増えており、車いすのまま乗車できる環境が整っています。ただし、一部の古い車両や、車いすスペースがすでに埋まっている場合は乗車できないこともあるため、時間に余裕を持って行動することが大切です。主要な停留所には時刻表に車いす対応マークがついていることも多いのでチェックしてみましょう。

高速バス・深夜バスの注意点

長距離を移動する高速バスについても、多くの路線で障害者割引が設定されています。割引率は運賃の50%であることが一般的ですが、注意すべきは「予約が必要な路線」が多い点です。電話予約の際、あるいはWEB予約の際に「障害者割引」の項目を選択する必要があります。

高速バスの場合、精神障害者割引が適用されるかどうかは運行会社によって判断が分かれることが多いのが現状です。身体・知的障害者はほぼ全ての路線で割引になりますが、精神障害者については、予約前に必ず各社の公式サイトで「運送約款」や「割引案内」を確認してください。近年、精神障害者割引を導入する高速バス会社も増えており、選択肢は徐々に広がっています。

また、高速バスの車両は階段を登る「高床式」が多いですが、最近では車いす用リフト付きの高速バスも主要路線で運行され始めています。リフト付き車両を希望する場合は、運行日の数日前までに電話での予約が必要なケースがほとんどですので、早めの準備を心がけましょう。停留所での待ち時間や休憩場所のバリアフリー情報も併せて確認しておくと安心です。

コミュニティバスの活用

自治体が運営するコミュニティバスは、高齢者や障害者の移動を支援する目的が強いため、非常に安価な設定になっています。多くの自治体で、障害者手帳を提示すれば無料、あるいは100円の運賃が50円になるといった手厚い制度が導入されています。路地裏など細い道を通るため、大きな駅へのアクセスや病院への通院に非常に便利です。

コミュニティバスの割引を受ける際も、提示するのは各障害者手帳の原本です。自治体によっては、居住者であることを証明するための「福祉乗車証」が別途必要な場合もあります。転居したばかりの時などは、市役所の福祉窓口で「コミュニティバスの割引はどうなっていますか?」と尋ねれば、必要書類を一通り揃えてもらえます。

これらのバスは車両が小型であるため、大型の電動車いすなどが乗車できるかどうかは事前に確認が必要です。しかし、運転手さんが親切な方が多く、乗降のサポートを丁寧に行ってくれるのもコミュニティバスの魅力です。地域の足として、積極的に活用して外出の機会を増やしていきましょう。

✅ 成功のコツ

バスの運転手さんに手帳を提示する際は、写真のページとはっきりと「第1種/第2種」などの区分が書かれたページをすぐ見せられるように、透明なカードケースに入れておくとスムーズです。


航空機(国内線)の割引と予約の進め方

国内大手航空会社の割引制度

飛行機での移動は、遠方への旅行や冠婚葬祭において非常に便利です。JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)をはじめとする国内主要航空会社には、障害のある方とその介護者を対象とした「障害者割引」が用意されています。割引率は路線や予約のタイミングによって変動しますが、通常運賃に比べて約20%〜40%程度の割引となることが多いです。

航空券の割引が特徴的なのは、身体・知的・精神の3種類の手帳すべてが対象となっている点です。多くの鉄道会社に先駆けて、航空業界では精神障害者割引が一般的となっていました。第1種障害者(または精神1級など)であれば、介護者1名も割引運賃で搭乗できます。また、早期割引(先得や旅割など)の方が障害者割引よりも安い場合もありますが、障害者割引は「予約の変更ができる」という大きなメリットがあります。

予約はインターネット、電話、空港カウンターのいずれでも可能です。ネット予約の際は「障がい者割引」を選択し、当日空港のチェックインカウンターまたは自動チェックイン機で手帳の情報を確認する流れになります。ミライロIDなどのデジタル手帳を導入している航空会社も多く、確認作業は非常にスピーディーになっています。

LCC(格安航空会社)の対応状況

ピーチ・アビエーションやジェットスターなどのLCC(格安航空会社)については、大手航空会社とは対応が異なります。LCCはもともとの運賃を極限まで下げているため、多くの会社で独自の障害者割引制度を設けていません。つまり、障害のある方も一般の乗客と同じキャンペーン運賃や通常運賃で購入することになります。

割引はありませんが、車いすの預かりや搭乗時のサポートなどは、大手と同様に無料で提供されます。LCCを利用する際は、運賃そのものが障害者割引適用後の大手航空会社より安いことも多いため、トータルのコストで比較するのが賢い方法です。ただし、LCCは機内持ち込み手荷物の制限が厳しかったり、座席が狭かったりするため、身体的な状況に合わせて選ぶ必要があります。

また、スカイマークやソラシドエア、スターフライヤーなどの「中堅航空会社(MCC)」は、大手と同様に障害者割引を設けています。これらの会社はLCCよりもサービスが充実しており、かつ運賃も抑えられているため、コストパフォーマンスの良い旅が実現できます。各社のHPにある「お手伝いが必要なお客様へ」のページを確認して、最適な航空会社を選びましょう。

空港でのサポートサービス

飛行機での移動において、金銭的な割引以上に重要なのが空港でのサポートです。予約時に「車いすを利用する」「歩行に介助が必要」といった情報を伝えておくと、出発空港のロビーから搭乗口、さらには到着空港の出口まで、スタッフが車いすでの案内やお手伝いをしてくれます。自分の車いすを預ける場合は、機内まで入れる専用の車いすに乗り換えることができます。

また、「優先搭乗」というサービスもあり、一般の乗客に先駆けて機内へ案内してもらえます。これにより、混雑を避けてゆっくりと座席に落ち着くことができます。目に見えない障害(発達障害や精神障害など)をお持ちの方で、長蛇の列に並ぶことが難しい場合も、事前に相談しておくことで個別の配慮を受けられるケースがあります。

最近の主要空港では、多目的トイレの充実はもちろん、聴覚障害者向けの筆談ボードや、視覚障害者向けの誘導マット、さらには落ち着ける「カームダウン・クールダウンルーム」の設置も進んでいます。手帳を提示して割引を受けるだけでなく、こうしたインフラをフル活用することで、長距離移動の疲れを最小限に抑えることが可能です。

⚠️ 注意

航空機を利用する際、車いすのバッテリー(特にリチウムイオン電池)には持ち込み制限があります。予約の際、必ず「バッテリーの種類とワット時定格量(Wh)」を伝える必要があります。これを忘れると当日搭乗できないこともあるため要注意です。


タクシー・フェリー・その他の割引制度

タクシー運賃の10%割引

公共交通機関から目的地までの「最後の1マイル」を支えるタクシーにも割引があります。全国の多くのタクシー会社では、障害者手帳を提示することで運賃が10%割引になります。これは「身体障害者手帳」だけでなく、「療育手帳」や「精神障害者保健福祉手帳」でも適用されることが一般的です。支払いの前に「手帳があります」と伝えて提示しましょう。

さらに、自治体から配布される「福祉タクシー利用券(1枚500円など)」を併用できるのが大きなメリットです。10%割引を受けた後の支払額に対してチケットを使用できるため、非常に安価に移動できます。人工透析の通院や、荷物が多い買い物、雨の日の外出など、タクシーを気軽に利用できるようになると生活の質が大きく向上します。

最近では、タクシー配車アプリ(GOやS.RIDEなど)に手帳情報を登録しておき、アプリ決済で自動的に割引を適用させる仕組みも始まっています。これまでは車内で手帳を取り出すのが大変だった方も、こうしたテクノロジーを活用することで、よりスマートに乗降できるようになっています。

フェリー・船舶の割引

島国である日本では、離島への移動やショートカットのためにフェリーを利用する機会もあります。フェリー各社も、鉄道やバスと同様に障害者割引を導入しています。割引率は、本人および介護者の運賃が50%割引となるケースが多いです。対象となる障害の種類や区分は鉄道のルール(第1種・第2種)に準じることが一般的です。

フェリーの場合、乗用車を一緒に載せる際の「航送運賃」については割引対象外となることが多いですが、徒歩で乗船する旅客運賃については手厚くサポートされます。展望デッキへのエレベーター設置や、車いす対応の客室を備えたバリアフリー化された船舶も増えており、海を眺めながらのゆったりとした旅を楽しむことができます。

予約の際には「障害者割引」を利用する旨を伝え、当日窓口で手帳を提示してチケットを購入します。観光シーズンの人気路線では、車いす対応スペースが予約制になっていることもあるため、早めの確認が成功の鍵です。海上の移動は、鉄道やバスとはまた違った開放感があり、バリアフリー対応が進んでいる最新の船は非常におすすめです。

レンタカーやカーシェアの割引

自分で運転ができる方、あるいは家族が運転して移動する方向けに、レンタカーの割引制度もあります。大手レンタカー会社(トヨタレンタカー、ニッポンレンタカーなど)では、手帳の提示により基本料金の10%割引を受けることができます。福祉車両(リフト付きや手動運転装置付き)を借りる場合も、この割引が適用されます。

また、最近普及している「カーシェアリング(タイムズカーなど)」においても、障害者手帳を登録することで、月額基本料金が無料になるなどの優遇措置が用意されていることがあります。自家用車を所有するのはコストがかかりますが、必要な時だけ割引価格で車を利用できる制度は、移動の自由度を大きく広げてくれます。

これらのサービスを利用する際は、事前に会員情報として手帳を登録しておく必要がある場合が多いため、思い立った時にすぐ使えるよう、時間がある時にWEBや店舗で手続きを済ませておきましょう。自分たちのペースで移動できる車は、感染症対策やプライバシー確保の面でも、障害のある方にとって心強い味方になります。

交通機関 主な割引率 備考
JR・私鉄 50%割引(乗車券) 精神障害者は2025年4月からJR本格導入
路線バス 50%割引 地域により無料パスあり
航空機(国内) 20〜40%割引 精神障害者手帳も全社対象
タクシー 10%割引 自治体のタクシー券と併用可


よくある質問(FAQ)

Q. デジタル障害者手帳「ミライロID」はどこでも使えますか?

A. ミライロIDの普及は急速に進んでおり、JR各社、大手私鉄、主要バス会社、航空会社など、現在では多くの交通機関で手帳原本の代わりに利用可能です。しかし、一部の地方の小規模なバス会社やフェリー、あるいはスマートフォンの画面確認に慣れていない窓口では、依然として「原本の提示」を求められることがあります。そのため、長距離の旅行や初めての場所へ行く際は、念のため手帳原本もカバンに入れておくことを強くおすすめします。

Q. 介護者の割引を受けるのに、特別な書類は必要ですか?

A. 基本的には、本人の障害者手帳そのものが証明書となります。手帳の「旅客鉄道株式会社運賃減額」欄に「第1種」と記載があれば、特に追加の書類は不要です。窓口で「本人と介護者1名です」と伝えれば、2人分の割引切符を発行してもらえます。ただし、一部の自治体の乗車証などでは「介護者用」のカードが別途発行されている場合もあるため、地域のルールを事前に確認しておくと安心です。なお、介護者は「本人と一緒に移動し、介助を行う」ことが条件ですので、別々のルートを移動する場合には適用されません。

Q. 第2種障害者ですが、一人で電車に乗る時に割引はありますか?

A. JRや多くの私鉄において、第2種障害者の方が単独で利用する場合、片道の営業キロが100キロメートルを超える場合にのみ、運賃が50%割引になります。つまり、日常的な近距離の移動(通勤や通院など)では、第2種の方が一人の場合は割引が受けられないケースが多いのが実情です。ただし、一部の私鉄や地下鉄、コミュニティバスなどでは、独自に「第2種でも一人で半額」としている会社もあります。よく使う近距離路線のルールを個別に調べておくことが節約のコツです。

Q. 障害者割引で買った切符でも、途中下車はできますか?

A. はい、基本的には一般の切符と同じルールが適用されます。片道の走行距離が100キロメートルを超える普通乗車券であれば、後戻りをしない限り何度でも途中下車が可能です。ただし、100キロメートル以下の近距離の切符や、特定の企画乗車券(フリーパスなど)は途中下車すると無効になる場合があります。割引を受けているからといって移動の自由が制限されることはありませんので、旅の途中で気になる駅があれば、ぜひ降りてみてください。


スマートに移動するためのデジタルツール活用

ミライロIDの登録とメリット

これからの時代の外出に欠かせないのが、デジタル障害者手帳アプリ「ミライロID」です。これは、お持ちの障害者手帳をスマートフォンで撮影して登録することで、画面が手帳の代わりになるアプリです。厚生労働省も推奨しており、今や日本全国の数千もの交通機関や施設で導入されています。最大のメリットは、財布の奥から重い手帳ケースを取り出す手間が省けることです。

また、ミライロIDには「必要なサポート内容」をあらかじめ登録しておく機能もあります。例えば「耳が聞こえにくいので筆談を希望します」「パニックになりやすいので静かな場所をお願いします」といった情報を、画面を見せるだけでスタッフに伝えられます。口頭で説明しづらい状況でも、スマートに自分の状況を理解してもらえるため、精神的な負担が大きく軽減されます。まだ登録していない方は、この機会にぜひアプリをインストールしてみましょう。

さらに、ミライロID経由で電子チケットを購入したり、レジャー施設の割引クーポンを入手したりすることも可能です。単なる「証明書」の枠を超えて、あなたの外出を楽しく、便利にする「総合サポートツール」として進化しています。スマートフォンの充電切れには注意が必要ですが、予備のバッテリーを持ち歩くことで、その利便性をフルに享受できます。

障害者用ICカード(Suica/PASMO)の作り方

関東圏を中心に導入されている「障害者用ICカード」は、移動を劇的に変える画期的なツールです。これは、手帳の情報をチップに書き込んだ特別なICカードで、窓口に行かなくても自動改札を通るだけで自動的に「半額」の運賃が引き落とされる仕組みです。第1種障害者用は「本人用」と「介護者用」の2枚1組で発行され、2人で並んで改札を通ることで、介護者の割引も自動的に適用されます。

このカードを作るには、駅の窓口(みどりの窓口など)に手帳を持参し、本人確認と登録手続きを行う必要があります。有効期限は手帳の更新時期に合わせて設定されますが、一度作ってしまえば半年から1年程度はチャージだけで使い続けることができます。券売機で毎回「子供料金」のボタンを押したり、駅員さんに声をかけたりする心理的ストレスから解放されるメリットは非常に大きいです。

現在はSuicaとPASMOのエリアが先行していますが、全国の他の交通系ICカード(ICOCAやPiTaPaなど)でも、同様の仕組みが広がりつつあります。導入状況については、最寄りの鉄道会社のWEBサイトを確認してください。この1枚があるだけで、駅の雑踏の中を止まることなくスムーズに通り抜けることができ、外出への自信につながります。

移動ルート検索アプリの賢い使い方

「Yahoo!乗換案内」や「ジョルダン」などのルート検索アプリも、バリアフリー設定を活用しましょう。設定画面から「車いす優先」や「階段を避ける」といった条件を指定することで、エレベーターのある経路を中心にルートを表示してくれます。これにより、大きな駅で迷ったり、階段の前で立ち尽くしたりするリスクを減らせます。

また、一部のアプリでは、障害者割引を適用した後の「実際の運賃」を表示してくれる機能もあります。事前に交通費がいくらかかるか正確に把握できるため、お財布の準備も万全に整えられます。最新のアプリでは、駅のホームのどこにエレベーターがあるかまで図解してくれるものもあり、事前のシミュレーションが非常に捗ります。

目的地までの最短ルートだけでなく、「最も楽なルート」を選べるのはデジタルの強みです。体調が良い日は少し歩くルート、疲れている日はエレベーター重視のルートといったように、その日のコンディションに合わせて検索結果を使い分けましょう。テクノロジーを味方につけることで、障害による移動の制約は驚くほど小さくなります。

✅ 成功のコツ

移動の多い日は、前日にルート検索アプリで「エレベーターの導線」と「多目的トイレの位置」をスクリーンショットして保存しておきましょう。電波が悪い場所でもすぐに確認できて安心です。


まとめ

  • 鉄道(JR・私鉄):基本は運賃50%割引。2025年4月から精神障害者のJR割引も本格始動。
  • バス(路線・高速):手帳提示で半額が基本。コミュニティバスや自治体パスも要チェック。
  • 航空機(国内):大手は3種類すべての手帳が対象。空港での介助サポートも積極的に活用。
  • デジタルツール:ミライロIDや障害者用ICカードで、窓口の手間を省きスマートに移動。

障害者手帳による交通割引は、単なる「安売り」ではありません。それは、移動に時間や手間がかかりやすい方々が、他の人と等しく社会に参加するための正当な権利です。制度を正しく知り、賢く活用することは、あなたの生活範囲を広げ、人生の選択肢を増やすことにつながります。

もし、今まで「手続きが面倒そう」「自分は対象じゃないかも」とためらっていた方がいたら、まずは一番よく使うバスや電車の窓口で一言聞いてみることから始めてみてください。一度やり方を覚えてしまえば、驚くほどスムーズに世界が広がります。この記事が、あなたの新しい一歩を支えるきっかけになれば幸いです。さあ、手帳を持って、軽やかに外の世界へ出かけてみましょう。

高橋 健一

高橋 健一

たかはし けんいち50
担当📚 実務経験 25
🎯 制度・法律🎯 医療・福祉制度

📜 保有資格:
社会福祉士

市役所の障害福祉課で20年間勤務し、制度の運用や窓口対応を担当してきました。「制度は難しい」と言われますが、知れば使える便利なツールです。行政の内側から見た制度のポイントを、分かりやすくお伝えします。

大学卒業後、地方自治体に入庁し、障害福祉課に配属されて20年。障害者手帳の交付、障害福祉サービスの支給決定、各種手当の申請受付など、幅広い業務を経験しました。行政職員として心がけていたのは、「制度を正確に伝えつつ、温かく対応する」こと。窓口に来られる方は不安を抱えています。制度の説明だけでなく、その方の状況に合わせた情報提供を大切にしてきました。退職後、民間の相談支援事業所に転職し、今度は「申請する側」の視点も理解できました。行政と民間、両方の経験を活かして、制度の仕組みだけでなく、「実際にどう使うか」まで伝えられるのが強みです。記事では、障害者総合支援法、障害者雇用促進法、各種手当など、制度の正確な情報を「難しい言葉を使わず」解説します。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

公務員として地域に貢献したいと思い、障害福祉課に配属されたことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

窓口対応で、制度を活用して生活が楽になったと感謝されたこと。行政と民間両方の視点を得られたこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

制度の正確な情報を「難しい言葉を使わず」伝えることを大切にしています。

🎨 趣味・特技

将棋、歴史小説

🔍 最近気になっているテーマ

マイナンバーと福祉制度の連携、自治体DXの進展

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