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事務職を目指す人向け|Word・Excelなど基礎スキルの磨き方

📖 約54✍️ 菅原 聡
事務職を目指す人向け|Word・Excelなど基礎スキルの磨き方
事務職を目指す障害のある方向けに、Word・Excelの基礎スキルの磨き方を解説したブログ記事です。正確なタイピングやファイル管理の重要性から、Wordでの見やすい書類作成術、Excelでの必須5大関数まで、実務に即した具体的な内容を網羅しています。また、独学のステップに加え、就労移行支援事業所や職業訓練校を活用した効果的な学習方法についても詳しく紹介。障害特性に合わせたPC環境の整え方や、事務職としての心構えを伝えることで、未経験からでも自信を持って就職活動に臨めるようサポートします。

事務職への第一歩!自信を持って働けるPCスキルの磨き方

「事務のお仕事に興味があるけれど、パソコンに詳しくないから不安」「WordやExcelのどこまでを覚えれば採用してもらえるのだろう」と、悩んでいませんか。障害を持ちながらの就職活動において、事務職は身体的負担が少なく、安定して長く働ける職種として非常に人気があります。

しかし、いざ求人票を見ると「PCスキル必須」の文字が並び、圧倒されてしまうこともあるかもしれません。でも安心してください。事務職で求められるスキルは、決して特殊な才能ではなく、正しい順序で練習すれば誰でも習得できるものです。

この記事では、障害のある方が事務職を目指す際に、まず身につけるべきWord・Excelの基礎知識から、効率的な学習方法、さらには実務で役立つプラスアルファのコツまでを丁寧に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたが今日から何を練習すればよいか、明確な地図が手に入っているはずです。


まずはここから!パソコン操作の土台作り

タイピングは速さより正確さを重視

事務作業の基本中の基本は、キーボードによるタイピングです。速く打てることに越したことはありませんが、業務で最も求められるのは正確さです。入力ミスが多いと、あとで修正する手間が増えるだけでなく、重要な数字を間違えてしまうリスクが生じます。

まずは「ホームポジション(指の基本位置)」を意識し、手元を見ずに打つ「タッチタイピング」を少しずつ練習しましょう。毎日10分程度、無料のタイピング練習サイトを活用するだけでも、1ヶ月後には驚くほどスムーズに打てるようになります。

身体障害などでキーボード操作に制限がある場合は、音声入力ソフトや、自分に合ったカスタマイズキーボード、マウスの機能を活用するのも立派なスキルです。大切なのは、自分にとって「負担が少なく正確に入力できる方法」を確立することです。

ファイル管理のルールを覚える

意外と見落としがちなのが、作成したデータの保存や整理方法です。事務職では、何百、何千というファイルを扱うことがあります。自分だけがわかればいいのではなく、職場の誰もが目的のファイルを見つけられるように管理しなければなりません。

ファイル名に日付を入れる(例:20260202_議事録.docx)、適切なフォルダに分類して保管する、といった整理整頓の習慣を身につけましょう。パソコンの中を綺麗に保てる人は、仕事の段取りも良いと評価される傾向にあります。

💡 ポイント

デスクトップがファイルで埋め尽くされないよう、こまめにフォルダ分けをする癖をつけましょう。これだけで作業効率が格段にアップします。

ショートカットキーを味方につける

マウス操作を減らし、キーボードだけで操作を完結させる「ショートカットキー」を覚えると、作業スピードが劇的に向上します。最初は覚えるのが大変に感じるかもしれませんが、代表的な数個だけでも使いこなせると、疲れにくくなります。

  • Ctrl + C:コピー(複製)
  • Ctrl + V:貼り付け
  • Ctrl + S:上書き保存(こまめに行いましょう!)
  • Ctrl + Z:元に戻す(間違えた時の救世主です)

これらの操作はWordやExcelだけでなく、インターネット閲覧やメールソフトでも共通して使えます。手の動きを最小限に抑えることは、身体的な疲労軽減にも繋がります。


Wordで「見やすい書類」を作る技術

基本設定と書式設定のマスター

Word(ワード)は、主にお知らせ文や契約書、報告書などの「文書作成」に使われます。まず覚えるべきは、フォントの種類やサイズ変更、太字・下線の引き方などの基本的な書式設定です。

特に重要なのが「段落の配置」です。タイトルを中央に寄せたり、日付や差出人を右に寄せたりといった操作を、スペースキー(空白)を連打して調整してはいけません。Wordに備わっている配置ボタンを使うことで、後から文章を書き足してもレイアウトが崩れなくなります。

また、行間が詰まりすぎていないか、余白は適切かといった「読み手への配慮」も意識しましょう。事務職は、誰かに読んでもらうための書類を作る仕事だからです。

箇条書きとインデントの活用

長い文章は、読む人に負担を与えます。内容を整理して伝えるために、箇条書き(リスト)機能を使いこなしましょう。Wordのリスト機能を使えば、自動で文頭が揃い、非常に読みやすい構成になります。

また、「インデント」という機能を使って、特定の行の開始位置をずらす技術も必須です。これを知っているだけで、ビジネス文書としての格がぐっと上がります。見た目が整っている書類は、それだけで信頼感を生みます。

✅ 成功のコツ

「まずは文字を全部入力してから、最後にまとめて装飾する」という手順にすると、思考が中断されず、ミスも少なくなります。

表の挿入と画像配置のコツ

文章だけでは伝わりにくい情報は、表を作成して整理しましょう。Wordの「表の挿入」機能を使えば、項目の比較やスケジュールの提示がわかりやすくなります。セルの色分けや、罫線の太さを工夫する練習をしてみてください。

さらに、画像を挿入した際に文章の周りにどう配置するか(文字列の折り返し)の設定をマスターすれば、自由自在なレイアウトが可能になります。チラシやマニュアル作成など、活躍の幅が大きく広がります。


Excelで「正確な計算・集計」を行うコツ

セルの基本操作とオートフィル

Excel(エクセル)は、売上の集計や顧客リストの管理など、主に「数値」や「リスト」を扱うためのソフトです。まずは、セルに文字や数字を入力する基本から学びましょう。

Excelの非常に便利な機能に「オートフィル」があります。セルの右下をドラッグするだけで、1、2、3…といった連続する数字や、月、火、水…といった曜日を自動で入力してくれる機能です。これを使うことで、入力の手間とミスを大幅に削減できます。

また、セルの枠線を引く、色を塗る、数字にカンマ(,)を入れるといった見栄えの調整も重要です。「どこが合計値なのか」「どこが注意すべき項目なのか」が一目でわかる表作りを目指しましょう。

必須で覚えたい基本の5大関数

Excel最大の強みは「計算」です。関数と聞くと難しく感じるかもしれませんが、事務職でよく使うものは限られています。まずは以下の5つを完璧に使いこなせるようになりましょう。

  1. SUM(サム):指定した範囲の合計を出す
  2. AVERAGE(アベレージ):平均値を出す
  3. COUNT(カウント):データの個数を数える
  4. MAX / MIN(マックス・ミニマム):最大値・最小値を出す
  5. ROUND(ラウンド):四捨五入などの端数処理をする

これらを知っているだけで、手計算では時間がかかる大量のデータ処理が、一瞬で、しかも正確に終わります。「ミスがなくて仕事が速いね」と言われるための心強い武器になります。

⚠️ 注意

Excelで数式をコピーしたとき、参照するセルがずれてしまうことがあります。「絶対参照($記号)」の使い方は、慣れてきたら必ず確認しておきたいポイントです。

並び替えとフィルタ機能の活用

数千行あるデータの中から「東京在住の人だけ」を抜き出したり、「金額が高い順」に並べ替えたりする操作は、実務で頻繁に発生します。これを瞬時に行うのが「フィルタ」と「並び替え」機能です。

この機能をマスターすれば、膨大な資料の中から必要な情報を探すストレスから解放されます。特定の条件に合うものだけを集計するテクニックは、事務職としての能力を最も発揮できる場面の一つです。


効率的な学習方法とおすすめの支援制度

独学で基礎を固めるステップ

まずは自宅にパソコンがあるなら、自分で触ってみることから始めましょう。最近はYouTubeなどに無料の解説動画が豊富にあります。「Excel 基礎 30分」といったキーワードで検索すれば、初心者向けに分かりやすく解説された動画がたくさん見つかります。

本で学びたい場合は、「MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)」という資格の対策本がおすすめです。資格を実際に取るかどうかは別として、この本に載っている操作は実務で使うものが網羅されているため、学習の目安として非常に優れています。

独学のコツは、いきなり全部覚えようとせず、「今日は合計を出す関数だけ覚える」といったスモールステップで進めることです。自分のペースで、着実に成功体験を積み重ねていきましょう。

就労移行支援事業所の活用

一人で学習するのが不安な方や、規則正しい生活リズムを作りながら学びたい方には、就労移行支援事業所の利用が最適です。多くの事業所では、PCスキルの習得をサポートするカリキュラムが用意されています。

専門のスタッフがわからない箇所を丁寧に教えてくれるだけでなく、実際の事務作業を模した「擬似業務」を通じて、実務に近い感覚で練習できます。また、自分の障害特性に合わせたPC環境の整え方についても相談に乗ってもらえます。

学習方法 メリット デメリット
独学(動画・書籍) 費用が安く、自分の好きな時にできる わからない時に質問できない、継続が難しい
就労移行支援 無料で学べる(所得制限あり)、就職支援もセット 通所する必要がある、利用期間に制限がある
PCスクール 短期間で集中的に学べる、設備が最新 受講料が高額、障害への配慮は場所による

職業訓練校(障害者職業能力開発校)

より本格的に、数ヶ月から1年かけて専門スキルを身につけたい場合は、ハローワークを通じて申し込む職業訓練も検討しましょう。障害者専用のコースであれば、配慮の行き届いた環境で、プロの指導員から事務実務を基礎から学べます。

訓練期間中は、条件を満たせば「職業訓練受講給付金」などの手当を受けながら学べる制度もあります。じっくり腰を据えて「事務のプロ」を目指したい方にとって、非常に力強いバックアップとなります。

「ブランクが長くて不安でしたが、就労移行で3ヶ月練習しただけで、自信を持って面接で『PCが使えます』と言えるようになりました。」

— 事務職として内定したAさんの声


実務で差がつく!「事務のプロ」の心構え

正確さを守るための「セルフチェック」

パソコンスキルも大切ですが、事務職で最も評価されるのは「正確性」です。どれだけ速く入力できても、間違いだらけの資料では意味がありません。入力した後に、必ず一呼吸置いて見直す習慣をつけましょう。

おすすめは「ダブルチェック」の工夫です。作成した直後に見直すのではなく、少し時間を置いてから見直したり、印刷して紙の上で確認したりすると、画面上では気づかなかったミスが見つかりやすくなります。自分なりの「チェックリスト」を作っておくのも有効です。

特に数字(金額、個数、電話番号)に関しては、指差し確認をするくらいの慎重さが求められます。慎重であることは、事務職において最大の才能です。

「おもてなし」の心で資料を作る

事務職は、資料を作成して終わりではありません。その資料を受け取った上司やお客様が、いかにストレスなく読み、判断を下せるかが勝負です。これを「おもてなしの心」と呼びます。

例えば、表を作成した際に、「重要な合計値だけフォントを大きくする」「1行おきに背景色をつけて読みやすくする」といった一工夫を加えるだけで、資料の質は格段に上がります。相手が「見やすいね」と思ってくれる工夫を一つ入れるだけで、あなたの評価は確実に変わります。

💡 ポイント

「自分が作る側」ではなく「相手が使う側」の視点を持つこと。これが、優秀な事務職員への近道です。

ビジネスコミュニケーションの基礎

事務職は、メールやチャットでのやり取りも頻繁に行います。丁寧な言葉遣いはもちろんですが、相手の時間を奪わない「簡潔な伝え方」も重要なPCスキルの一部です。

メールを送る際は、件名だけで内容がわかるように工夫し、本文は箇条書きを活用して読みやすく構成しましょう。パソコンを使いこなす力とは、単にソフトの機能を知っていることだけでなく、「ITを使って円滑にコミュニケーションする力」でもあるのです。


よくある質問(FAQ)

Q. 資格を持っていないと、事務職の採用は難しいですか?

必ずしも資格が必要なわけではありません。多くの企業が求めているのは「実務で使えるかどうか」です。資格を持っていなくても、「Wordでこういう書類が作れます」「Excelでこの関数まで使えます」と具体的に説明できれば十分に採用のチャンスはあります。もちろん、MOSなどの資格があれば客観的な証明になるため、自信をつけたい方は挑戦してみる価値があります。

Q. 障害のために手が震えたり、目が疲れやすかったりします。

現在のパソコンには、アクセシビリティ(使いやすさ)を高める機能がたくさん備わっています。マウスの感度を調整して揺れの影響を抑えたり、画面のコントラストを自分が見やすい色に変更したり、ダークモードを活用して目の負担を減らしたりすることが可能です。また、ショートカットキーを駆使してマウス操作を最小限にすることも有効です。自分に合った設定を見つけることも、大切なPCスキルの一つです。

Q. 全くの未経験ですが、何ヶ月くらいで基礎が身につきますか?

個人差はありますが、1日1〜2時間の練習を週に3〜4日行えば、おおよそ2〜3ヶ月で「基礎的な事務作業に困らないレベル」に到達できます。まずは「Wordで1枚の案内文を作れるようになる」「Excelで簡単な名簿を作って合計を出せるようになる」というゴールを目指しましょう。完璧を目指さず、まずは「形にすること」から始めてみてください。


まとめ

事務職を目指すためのPCスキルの磨き方は、特別な魔法ではありません。日々の小さな練習の積み重ねが、やがて大きな自信へと変わっていきます。

  • タイピングと整理整頓:正確な入力とファイル管理という土台を、まずしっかりと固めましょう。
  • WordとExcelの基礎:書式設定や基本の関数など、実務で頻繁に使う機能に絞って練習を進めましょう。
  • 支援機関の活用:一人で抱え込まず、就労移行支援や訓練校などのプロのサポートを積極的に受けましょう。

次のアクションとして、まずはパソコンを開いて、今日の日記をWordで10行ほど書いてみませんか。その際、タイトルを中央に寄せる練習もしてみてください。その小さな「できた」の積み重ねが、あなたの新しいキャリアを切り拓く力になります。

菅原 聡

菅原 聡

すがわら さとし38
デスク📚 実務経験 12
🎯 就労支援🎯 進路支援

📜 保有資格:
職業指導員、キャリアコンサルタント、精神保健福祉士

就労移行支援事業所で10年以上、障害のある方の「働く」を支援してきました。一般就労への移行支援から就労継続支援まで、幅広い経験をもとに、「自分に合った働き方」を見つけるための情報をお届けします。

大学で社会福祉を学び、卒業後すぐに就労移行支援事業所に就職。当初は「障害があっても一般企業で働けるんだ」という驚きと感動の連続でした。これまで150名以上の方の就労支援に携わり、その8割が一般企業への就職を実現。ただし、「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」が本当のゴールだと考えています。印象的だったのは、精神障害のある方が、障害をオープンにして自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。その笑顔が忘れられません。記事では、就労移行支援と就労継続支援の違い、企業選びのポイント、障害者雇用の現実など、実際の支援経験に基づいた実践的な情報をお伝えします。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学で社会福祉を学び、「障害があっても一般企業で働ける」という可能性に感動したことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

精神障害のある方が、自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」を大切に、実践的な情報を発信します。

🎨 趣味・特技

ランニング、ビジネス書を読むこと

🔍 最近気になっているテーマ

リモートワークと障害者雇用、週20時間未満の短時間雇用

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