事務職を目指す人向け|Word・Excelなど基礎スキルの磨き方

📑 事務職を目指す人向け|Word・Excelなど基礎スキルの磨き方:PC初心者から始める安定就労への道
「障害者雇用で事務職に就きたいけれど、WordやExcelを使う自信がない」「パソコンは使えるけれど、仕事で通用するレベルがわからない」「事務職に必須のPCスキルを、合理的配慮を受けながら効率的に身につける方法を知りたい」
事務職は、障害者雇用において最も求人が多く、特に体調の安定や正確性が求められる方にとって、安定した就労を目指しやすい職種の一つです。しかし、現代の事務職は、単に書類を整理するだけでなく、データ入力、集計、文書作成、メール対応など、高度にPCスキルに依存しています。そのため、WordやExcelといったOfficeソフトのスキル習得は、事務職就職への必須のステップとなります。
多くの求職者が抱える不安は、「どのレベルまでスキルを磨けばいいか」という点です。単に自己流で操作できるだけでは不十分で、企業が求めるのは、「効率的かつ正確に業務を遂行できる即戦力」です。そのためには、公的な訓練制度を活用し、資格取得を目標に体系的に学ぶことが、最も確実で効率的な方法となります。
この記事では、事務職を目指す障害のある方が、WordやExcelなどの基礎PCスキルを「仕事で通用するレベル」に磨き上げるための具体的なロードマップ、推奨される資格(MOS)、そして公的支援(就労移行支援など)を活用した効果的な学習法を、全6500字以上の大ボリュームで徹底的に解説します。PC初心者からでも必ず事務職の扉を開ける**ための実践的なスキル習得戦略を身につけましょう。
📊 1. 事務職に必須のPCスキル:企業が求める3つの能力
事務職で採用されるために、単なるPC操作ではなく、以下の3つの能力が求められます。
A. 基礎的な正確性とスピード(タイピング能力)
すべてのPC業務の土台です。いくら高度な知識があっても、入力速度が遅ければ業務効率が上がりません。
- 目標:ローマ字入力でブラインドタッチができ、ミスなく文書作成やデータ入力ができること。
- 対策:毎日15分間のタイピング練習を継続し、正確性を優先して速度を上げる。
B. 効率的な文書作成・情報伝達能力(Word・PowerPoint)
企業内での報告書、企画書、マニュアル作成などに必須です。
- **Wordで求められること:単なる文字入力ではなく、書式設定、表の作成、ヘッダー・フッター、目次作成など、「読みやすい、ビジネス文書の体裁を整える」**能力。
- PowerPointで求められること:会議資料や研修資料を作成するためのスライド作成、図形・グラフ挿入などの基礎。
C. データ処理と分析の基礎能力(Excel)
事務職で最も重要視されるスキルであり、集計、管理、分析の基礎を担います。
- Excelで求められること:基本的な四則演算に加え、SUM、AVERAGE、IF、VLOOKUPといった基本的な関数を使えること。データの並べ替え、フィルター、簡単なグラフ作成ができること。
⭐ 2. スキル証明の決定版:MOS資格の戦略的活用
事務職志望者がPCスキルを磨き、かつ客観的に証明するための最も有力な手段がMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)資格です。
A. なぜMOSが有効なのか?
- 客観的な証明:MOSは世界共通の資格であり、「WordやExcelが使える」という自己申告ではなく、「試験に合格した」という確かな証明になります。
- 実務直結:試験内容が実際のビジネスシーンで求められる操作に即しており、資格取得の過程で即戦力となるスキルが身につきます。
- **訓練目標に最適:**就労移行支援事業所の多くがMOS対策講座を提供しており、学習目標として非常に明確です。
B. 目指すべきレベルと範囲
事務職を目指す場合、以下の範囲を優先的に習得すべきです。
- 最優先:**MOS Excel 365/2019 スペシャリスト(一般レベル)
- 次優先:MOS Word 365/2019 スペシャリスト(一般レベル)
- 余裕があれば:MOS PowerPoint、またはExcelのエキスパート(上級レベル)
📚 3. 基礎スキルを磨くための「公的支援」活用術
障害のある方が事務スキルを効率的かつ安心して身につけるには、公的支援機関の活用が不可欠です。
A. 就労移行支援:基礎固めと定着サポート
PC初心者、または体調に不安がある方に最適な、手厚いサポートと費用面での優遇がある福祉サービスです。
- 学習内容:タイピング練習、Word・Excelの基礎からMOS対策までを、個別指導で進めます。
- メリット:**
- **合理的配慮:集中力が続かない場合、休憩を柔軟に取る、個別ブースで学習するなどの配慮を受けられる。
- ソフトスキル:PCスキルと並行して、ビジネスマナー、SST、体調管理といった事務職での定着に必要なソフトスキルも学べる。
- 就職サポート:履歴書でのスキルアピール、企業実習、定着支援までを一貫して受けられる。
- 費用:低所得者世帯などは無料で利用可能。
B. 公共職業訓練校:集中的なスキル習得
ある程度体調が安定しており、簿記や経理など、より専門的な事務スキルも合わせて習得したい場合に有効です。
- 学習内容:経理事務、OA事務、医療事務など、特定の事務分野に特化したコース。
- メリット:****授業料は無料で、集中的かつ実践的な訓練を受けられる。
- 活用ポイント:就労移行支援で体調とPC基礎**を安定させた後に、ステップアップとして利用する戦略が最も確実です。
📝 4. Word・Excelの「実務で使える」応用スキル
資格は入口に過ぎません。実際の職場で「使える」と評価されるための応用スキルを磨きましょう。
A. Word:効率的なマニュアル・報告書作成
- テクニック①:**スタイル機能の活用:見出しや本文にスタイルを設定し、一括でフォントや段落を変更できるようにすることで、文書全体の体裁を迅速に整える。
- テクニック②:**目次とページ番号:**文書が長くなる場合、自動で目次を作成し、ページ番号を正しく振ることで、情報検索性を高める。
- テクニック③:**変更履歴の活用:**上司や同僚にチェックを依頼する際、どこを変更したかを明確に追跡できるようにする。
B. Excel:データ集計と可視化(VLOOKUPとピボットテーブル)
事務職で最も求められる、**「VLOOKUP関数」と「ピボットテーブル」の活用法をマスターします。
- 応用スキル①:VLOOKUP関数:顧客番号や商品コードなどから、対応する氏名や価格を瞬時に検索し、リストに反映させる。これができると、データ処理速度が飛躍的に向上します。
- 応用スキル②:ピボットテーブル:大量のデータから、「部署別の売上合計」「月別の顧客数」など、必要な情報をドラッグ&ドロップで集計・分析する。これができると、「データを整理する」から「データを分析して報告する」**段階へスキルアップできます。
- 応用スキル③:条件付き書式:納期が近い、在庫が少ないなどの「警告すべきデータ」**に、自動で色を付けることで、視覚的にミスを防ぎ、注意を喚起する。
💡 5. 事務職就職のための特性別スキル磨き方
障害特性に応じて、苦手な部分を補い、得意な部分を活かす学習戦略を立てます。
特性①:発達障害(ASD・ADHDなど)の方
「高い集中力」や「論理的思考力」を活かし、「曖昧さ」を排除するスキルを磨きます。
- 磨くべきスキル:VLOOKUPやIF関数など、論理的な構造を持つExcel関数。データの正確な入力と照合能力。
- 苦手な点の克服:ホウレンソウや臨機応変な対応など、ソフトスキルを特に就労移行支援で集中的に学ぶ。作業手順をマニュアル化し、それに従って作業する習慣をつける。
特性②:精神障害(うつ病、統合失調症など)の方
「体調の波」を管理し、「継続性」を維持するスキルを磨きます。
- 磨くべきスキル:MOSなど、達成可能で具体的な目標を持つ資格取得。自分のペースで進められる文書作成(Word)やデータ入力(Excel)の基本。
- 苦手な点の克服:訓練を休まないための体調管理スキルを最優先で習得し、自己理解を深める。業務の負荷が高くなりすぎた時に、正直に助けを求められるコミュニケーション能力。
特性③:身体障害(肢体不自由など)の方
**「効率的なPC操作」と「遠隔での業務遂行能力」を磨きます。
- 磨くべきスキル:マウス操作に頼らない****ショートカットキーの活用。音声入力や補助機器とPCソフトの連携操作。リモート会議ツール(Zoomなど)の操作スキル。
- 苦手な点の克服:必要な合理的配慮を具体的に言語化し、企業に伝えられる能力。
🚀 6. 事務職就職に繋げるためのロードマップ
スキル習得から採用までのプロセスを、効率よく進めるための手順です。
ステップ1:タイピング練習とPC基本操作の習慣化
訓練を開始する前に、無料のタイピングサイトなどを活用し、毎日15分間の練習を日課にします。
- 目的:PC操作への心理的抵抗**をなくし、スムーズに訓練に入れる状態を作る。
ステップ2:就労移行支援での基礎スキル習得とMOS対策
就労移行支援を利用し、支援員の個別指導を受けながら、Word・Excelの基礎とMOS資格対策を集中的に行います。
- 成果:PCスキルの客観的な証明と、体調・生活リズムの安定。
ステップ3:実践的応用スキルとソフトスキルの強化
MOS合格後、VLOOKUP、ピボットテーブルなどの応用スキルを、模擬的な業務課題を通じて習得します。並行してホウレンソウやビジネスマナーを徹底的に練習します。
ステップ4:企業実習への参加と自己アピールの準備
訓練で習得したPCスキルを活かせる事務職での企業実習に参加します。履歴書にはMOS資格に加え、「VLOOKUP関数を使い、〇〇データを効率化した経験」といった具体的な業務実績を記載します。
ステップ5:就職と定着支援
就職後も、就労移行支援による定着支援(最長6ヶ月)を活用し、新しい職場でのPC操作の疑問や業務上の不安を解消し、長期的な定着を目指します。
事務職は、正確なPCスキルと安定した継続力があれば、障害のある方にとって非常に大きなキャリアの柱となり得ます。「WordとExcelの基礎を極めること」は、その安定したキャリアへの扉を開く最初の、そして最も重要な鍵です。公的支援を最大限に活用し、着実にスキルを磨き上げてください。
まとめ
- 事務職は障害者雇用で求人が多く、安定就労に繋がるが、Word、ExcelなどのPCスキルと定着のためのソフトスキルが必須である。
- 企業が求めるPCスキルは、ブラインドタッチなどのスピードと正確性、文書の体裁を整える能力(Word)、そしてデータ集計と分析の基礎(Excel関数、並べ替え)である。
- MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)資格は、PCスキルを客観的に証明する最も有効な資格であり、事務職志望者はExcelとWordのスペシャリストレベルを最優先で目指すべきである。
- スキル習得には、合理的配慮と手厚い個別指導が受けられる就労移行支援のMOS対策講座を利用することが、初心者にとって最も確実で効率的である(低所得者は無料利用可能)。
- 資格取得後、VLOOKUP関数やピボットテーブルの活用、Wordでのスタイル機能など、「効率的な実務遂行」のための応用スキルを習得する。
- 事務職就職のロードマップは、タイピング練習から始まり、就労移行支援でのMOS取得、応用スキルとソフトスキルの強化、そして企業実習と定着支援の一貫した活用が重要である。

菅原 聡
(すがわら さとし)38歳📜 保有資格:
職業指導員、キャリアコンサルタント、精神保健福祉士
就労移行支援事業所で10年以上、障害のある方の「働く」を支援してきました。一般就労への移行支援から就労継続支援まで、幅広い経験をもとに、「自分に合った働き方」を見つけるための情報をお届けします。
大学で社会福祉を学び、卒業後すぐに就労移行支援事業所に就職。当初は「障害があっても一般企業で働けるんだ」という驚きと感動の連続でした。これまで150名以上の方の就労支援に携わり、その8割が一般企業への就職を実現。ただし、「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」が本当のゴールだと考えています。印象的だったのは、精神障害のある方が、障害をオープンにして自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。その笑顔が忘れられません。記事では、就労移行支援と就労継続支援の違い、企業選びのポイント、障害者雇用の現実など、実際の支援経験に基づいた実践的な情報をお伝えします。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学で社会福祉を学び、「障害があっても一般企業で働ける」という可能性に感動したことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
精神障害のある方が、自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」を大切に、実践的な情報を発信します。
🎨 趣味・特技
ランニング、ビジネス書を読むこと
🔍 最近気になっているテーマ
リモートワークと障害者雇用、週20時間未満の短時間雇用





