【保存版】障害者が利用できる給付金・助成金一覧

【保存版】障害者が利用できる給付金・助成金一覧
障害を持つ方々やそのご家族にとって、日々の生活費、医療費、介護用品費、そして福祉サービスの費用など、経済的な負担は常に大きな悩みの一つです。安定した生活を送り、より豊かな人生を送るためには、国や地方自治体が提供する給付金や助成金を最大限に活用することが不可欠です。しかし、制度が多岐にわたり、対象者や申請窓口が異なるため、「どこから手をつければいいのか分からない」と感じてしまう方が多いのも事実です。
この記事は、障害を持つ方が利用できる主要な給付金、手当、年金、そして医療費助成などの公的支援制度を網羅的にリストアップした「保存版ガイド」です。支援の種類を「収入・生活支援」「医療費軽減」「住宅・自立支援」の三つの柱に分けて整理し、それぞれの制度の概要、対象者、そして申請の重要ポイントを分かりやすく解説します。この記事を通じて、ご自身やご家族が使える支援を一つも見逃すことなく把握し、経済的な安心を手に入れるための第一歩を踏み出しましょう。
収入と生活を安定させる主要な給付金・年金制度
障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)
障害を持つ方の生活を長期的に支える最も重要な制度が「障害年金」です。これは、病気やケガによって生活や仕事に支障が出るようになった場合に、国から支給される年金制度です。主に、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。
障害基礎年金は、国民年金に加入している間、または20歳前に初診日がある方が対象で、障害の程度に応じて1級または2級の年金が支給されます。一方、障害厚生年金は、厚生年金に加入している間に初診日がある方が対象で、3級まで支給対象となり、基礎年金に上乗せされて支給されます。障害年金には原則として所得制限がありません(20歳前傷病による基礎年金には所得制限があります)が、年金の受給要件(保険料納付要件)を満たす必要があります。
特別障害者手当と障害児福祉手当
障害の程度が特に重く、常時特別な介護が必要な方を対象とした福祉手当も重要です。
- 特別障害者手当:20歳以上の重度の障害者本人に支給されます。在宅で介護を受けていることが条件で、病院や施設に入所している場合は支給停止となります。
- 障害児福祉手当:20歳未満の特に重度の障害を持つお子さんを養育する保護者へ支給されます。
これらの手当は、障害年金とは異なり、非課税の福祉手当ですが、本人と扶養義務者(配偶者や同居親族)双方に所得制限が設けられています。所得制限の基準額は毎年見直されるため、申請前に最新の情報を確認することが大切です。
特別児童扶養手当:障害児の親への継続的支援
障害を持つお子さん(20歳未満)を養育しているご家族には、「特別児童扶養手当」が支給されます。これは、障害児の健全な育成を支援し、保護者の経済的な負担を軽減することを目的とした手当で、障害児福祉手当の対象外となる中度・重度の障害を持つお子さんの親が広く対象となります。
支給額は障害の級(1級または2級)によって異なり、年3回に分けて支給されます。この手当も所得制限がありますが、児童手当や障害年金と併給が可能なため、障害児家庭の経済的な基盤を築く上で欠かせない手当です。
医療費と介護用品費の負担を軽減する助成制度
自立支援医療(更生医療・育成医療)
障害を持つ方が、障害の除去・軽減や機能回復のために必要な医療を受ける際の医療費を助成する制度が「自立支援医療」です。この制度を利用すると、原則として医療費の自己負担が1割に軽減されます。
- 更生医療:18歳以上の身体障害者が対象で、障害の状態を軽くしたり、回復させたりするための医療(例:人工透析、心臓手術、補聴器の適合など)が対象です。
- 育成医療:18歳未満の身体障害児が対象で、障害の除去・軽減が見込める医療が対象です。
さらに、世帯の所得状況に応じて、この1割負担にも月ごとの上限額が設定されるため、高額な治療が長期にわたっても安心して受けられます。
重度心身障害者医療費助成制度(マル福・マル障など)
多くの地方自治体(都道府県・市区町村)が独自に実施しているのが、「重度心身障害者医療費助成制度」です。これは、重度の障害を持つ方の、健康保険適用となる医療費の自己負担分を公費で助成する制度で、医療費の窓口負担が無料または少額になります。
この制度は、自治体独自の補助金であり、名称や対象となる障害の範囲(手帳の等級)は地域によって異なります(例:東京都の「マル障」、千葉県の「マル福」など)。特に重度な障害を持つ方にとって、日常的な通院や薬の費用の心配がなくなる、非常に大きな支援です。通常、手当のような所得制限がないか、あっても緩やかなことが特徴です。
補装具・日常生活用具の給付(助成)
日常生活や社会生活を送るために必要な福祉機器や用具の購入・修理費用を助成する制度です。これは、現物給付に近い補助金の性質を持ちます。
- 補装具:義肢、装具、車いす、補聴器、盲人安全杖など、身体機能を補完・代替するための用具が対象です。
- 日常生活用具:特殊寝台、入浴補助用具、ポータブルトイレ、意思伝達装置など、日常生活を便利にするための用具が対象です。
これらの購入・修理費用は、原則として1割の自己負担ですが、これも所得に応じた負担上限額が設定されています。高額になりがちな福祉用具の購入を経済的に支援する、欠かせない制度です。
住宅、移動、教育に関する給付金・補助制度
住宅改修費の助成制度
障害を持つ方が安全に、自立して生活するために、自宅を改修する必要が生じることがあります(例:手すりの設置、段差の解消、洋式トイレへの改修など)。このための費用を助成する制度が「住宅改修費の助成制度」です。
障害者総合支援法に基づくこの助成は、自己負担が原則1割で、助成対象となる上限額が定められています。助成を受けるためには、改修工事の前に、市区町村への申請と承認が必要です。自己判断で先に工事を行ってしまうと、助成の対象外となるため、注意が必要です。
💡 ポイント
介護保険制度でも住宅改修費の給付がありますが、障害者向けの助成制度と併用(一部を除く)や、重複利用の調整が可能です。どちらの制度を使うか、あるいは両方使うかを、福祉担当課や相談支援専門員に相談しましょう。
自動車運転免許取得費・改造費の助成
障害を持つ方の社会参加や就労を支援するため、自動車の運転免許取得や、自家用車を運転しやすいように改造する費用に対して、補助金が支給される場合があります。これは、主に地方自治体(都道府県・市区町村)が独自に行っている事業です。
対象となるのは、身体障害者手帳を持つ方で、就労等社会活動への参加のために自動車が必要と認められた場合が多いです。助成額には上限があり、また、所得制限が設けられている場合もあります。運転免許取得や自動車の改造を検討している場合は、事前に自治体の福祉担当窓口に確認が必要です。
特別支援教育就学奨励費:教育費の負担軽減
特別支援学校や特別支援学級に通学している児童・生徒の保護者に対し、「特別支援教育就学奨励費」という補助金制度があります。これは、特別支援教育を受ける上で生じる特別な費用(学用品費、給食費、通学費、修学旅行費など)の経済的な負担を軽減するためのものです。
この制度は、家庭の経済状況(世帯収入)に基づいて支給額が決定されます。申請は、通学している学校を通じて行われるのが一般的です。教育費の心配を減らし、お子さんが安心して学校生活を送れるように、積極的に活用しましょう。
自立と就労を応援する給付金・助成プログラム
職業訓練受講給付金と障害者職業訓練
障害を持つ方が安定した職業に就くために、職業訓練を受ける際の生活を支援する制度があります。「職業訓練受講給付金」は、主に雇用保険を受給できない求職者(障害者を含む)が、職業訓練を受けている間に、生活費として支給される給付金です。
また、障害者を対象とした「障害者職業訓練」も実施されており、専門的なスキルを習得する機会を提供しています。訓練期間中は、訓練手当や交通費が支給される場合があります。就労を目指す方は、ハローワーク(公共職業安定所)や地域障害者職業センターに相談し、これらのプログラムを活用しましょう。
障害者就労支援事業(A型・B型)の活用
障害者総合支援法に基づく「就労継続支援A型・B型」事業は、一般企業での就労が困難な方が、訓練を受けながら働く場所を提供するものです。これらは直接的な給付金ではありませんが、働くことによる収入(賃金・工賃)を得られる点で、経済的自立を支援する重要な制度です。
- A型(雇用型):雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金が支払われます。
- B型(非雇用型):雇用契約を結ばず、作業量に応じた工賃が支払われます。
これらの事業を利用することで、障害年金や手当以外の安定した収入源を確保し、社会参加を果たすことができます。利用には、市区町村への申請とサービス等利用計画の作成が必要です。
地域生活支援事業(移動支援・日中活動)の補助
障害者が地域で自立した生活を送るために、地方自治体が独自の裁量で実施しているのが「地域生活支援事業」です。この事業には、「移動支援」「日中一時支援」「地域活動支援センター」などが含まれ、その費用の一部が補助金として賄われています。
移動支援は、社会生活上必要な外出(買い物、役所手続き、社会活動など)を支援するもので、生活の質の向上に直結します。利用料は原則1割負担ですが、所得に応じて負担上限額が設定され、実質的に安価にサービスを利用できます。これらのサービスは、生活の安定と社会参加を支える重要な助成プログラムです。
申請を成功させるための共通の重要ポイント
申請の第一歩:手帳と相談窓口の確保
ほとんどすべての給付金・助成金の申請には、身体障害者手帳、療育手帳、または精神障害者保健福祉手帳のいずれかの交付を受けていることが前提となります。まだ手帳を取得していない場合は、まず手帳の申請を進めることがすべての支援制度への入口となります。
申請の総合窓口は、お住まいの市区町村の福祉担当課(障害福祉課など)です。まずはここに相談し、ご自身やご家族の状況を伝えましょう。さらに、福祉サービスの利用を検討している場合は、相談支援事業所の専門員に相談し、支援全体のコーディネートを依頼することが成功の鍵です。
所得制限と併給ルールの複雑さを理解する
公的な支援制度の多くには所得制限があります。特に、特別障害者手当や特別児童扶養手当などは、本人と扶養義務者双方の所得が審査対象となるため、事前にご家族全員の所得状況を確認することが重要です。
また、併給ルールも複雑です。例えば、特別児童扶養手当と障害年金は原則として調整されますが、障害年金と重度心身障害者医療費助成制度は併給可能です。申請時には、どの制度とどの制度が併給可能かを窓口で一つ一つ確認し、申請漏れや不正受給とならないよう細心の注意を払いましょう。
⚠️ 注意
障害者手帳の等級が変わったり、施設入所や長期入院などで生活状況が変わった場合は、速やかに市区町村に届け出が必要です。手当の停止や金額変更に関わるため、放置しないようにしましょう。
よくある質問:手当と年金、どちらを先に申請すべき?
「手当と年金、どちらを先に申請すべきか」という疑問をよく耳にします。20歳未満のお子さんの場合、特別児童扶養手当を先に申請し、20歳が近づいたら障害基礎年金の準備を始めるのが一般的です。
障害年金は、遡及請求(さかのぼって申請)が認められるケースもありますが、原則として請求が遅れると受給開始も遅れます。そのため、初診日が確定したら、専門家(社会保険労務士など)に相談し、なるべく早く申請手続きを始めることが、給付金を確保する最良の策です。
相談窓口と次の一歩の提案
専門的な相談窓口の活用(社労士・相談支援専門員)
複雑な制度を理解し、申請を確実に進めるためには、専門家の力を借りることが最も効率的で確実な方法です。
- 社会保険労務士(社労士):特に障害年金の申請(裁定請求)手続きについて、専門的なサポートを提供してくれます。初診日の証明や診断書の準備など、複雑な書類作成を代行してもらえます。
- 相談支援専門員:障害福祉サービスのプロであり、給付金・助成金とサービスの利用計画を総合的にコーディネートしてくれます。ご家庭の状況に最適な制度の組み合わせを提案してくれます。
- 市区町村の福祉担当課:全ての制度に関する総合的な情報提供と申請窓口です。まずはここから情報収集を始めましょう。
経済的な支援を長期的に確保する視点
給付金や助成金は、単に一時的な収入源ではなく、障害を持つ方の生涯にわたる生活基盤を築くためのものです。特に障害年金は、終身にわたる収入の柱となります。
手当や年金の収入を、日々の生活費だけでなく、将来の介護費用や親なき後の生活資金に備えた貯蓄や信託(特定贈与信託など)に充てるなど、長期的な視点での資金計画を立てることが、ご家族の安心につながります。専門のファイナンシャルプランナーへの相談も有効です。
次のアクションへの具体的な提案
この記事で得た知識を活かし、皆さんが次に行うべき具体的なアクションをまとめます。
- 支援制度の「見える化」:記事に記載されている主要な手当・年金・助成金について、ご自身が「すでに受給しているもの」「これから申請できるもの」をリストアップしましょう。
- 福祉担当課への予約:リストを持って、お住まいの市区町村の福祉担当課に相談の予約を入れましょう。制度の確認と、申請に必要な書類のリストを入手してください。
- 年金情報の確認:特に障害年金について、初診日がいつであったか、加入していた年金の種類(国民年金か厚生年金か)を調べ、社労士への相談準備を始めましょう。
給付金や助成金は、皆さんの生活を守るために用意された大切な資源です。一歩ずつ、確実に支援を勝ち取りましょう。
まとめ
障害者が利用できる給付金・助成金は多岐にわたり、これらを最大限に活用することが生活の安定に繋がります。
- 生活の柱となるのは、障害年金と、重度障害者向けの特別障害者手当・特別児童扶養手当といった現金給付です。
- 医療費の負担は、自立支援医療や重度心身障害者医療費助成制度によって大きく軽減されます。
- 住宅改修や自動車改造、そして就労支援プログラムの利用など、自立に向けた補助制度も積極的に活用すべきです。
すべての制度の入口は障害者手帳の取得であり、申請は市区町村の福祉担当課へ。専門家の支援も得ながら、ご家族に必要な支援を漏れなく確保してください。

高橋 健一
(たかはし けんいち)50歳📜 保有資格:
社会福祉士
市役所の障害福祉課で20年間勤務し、制度の運用や窓口対応を担当してきました。「制度は難しい」と言われますが、知れば使える便利なツールです。行政の内側から見た制度のポイントを、分かりやすくお伝えします。
大学卒業後、地方自治体に入庁し、障害福祉課に配属されて20年。障害者手帳の交付、障害福祉サービスの支給決定、各種手当の申請受付など、幅広い業務を経験しました。行政職員として心がけていたのは、「制度を正確に伝えつつ、温かく対応する」こと。窓口に来られる方は不安を抱えています。制度の説明だけでなく、その方の状況に合わせた情報提供を大切にしてきました。退職後、民間の相談支援事業所に転職し、今度は「申請する側」の視点も理解できました。行政と民間、両方の経験を活かして、制度の仕組みだけでなく、「実際にどう使うか」まで伝えられるのが強みです。記事では、障害者総合支援法、障害者雇用促進法、各種手当など、制度の正確な情報を「難しい言葉を使わず」解説します。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
公務員として地域に貢献したいと思い、障害福祉課に配属されたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
窓口対応で、制度を活用して生活が楽になったと感謝されたこと。行政と民間両方の視点を得られたこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
制度の正確な情報を「難しい言葉を使わず」伝えることを大切にしています。
🎨 趣味・特技
将棋、歴史小説
🔍 最近気になっているテーマ
マイナンバーと福祉制度の連携、自治体DXの進展





