障害者が利用できる起業支援制度・助成金まとめ

夢を形にする第一歩:障害のある方のための起業支援活用ガイド
「自分らしい働き方を実現したいけれど、組織に属して働くのは体力や特性的に難しい」「自分の得意なことで社会と繋がりたい」と、起業やフリーランスという選択肢を考えている方は少なくありません。しかし、いざ始めようとすると資金調達や手続き、ビジネスプランの作成など、高い壁を感じて不安になることも多いのではないでしょうか。
実は、障害のある方が起業を目指す際、活用できる公的な助成金や融資、専門家による相談制度は意外なほど充実しています。これらの制度を知っているかどうかで、スタートダッシュの安定感は大きく変わります。制度を賢く利用することは、リスクを減らすだけでなく、あなたのビジネスを社会的に信頼させる「裏付け」にもなります。
この記事では、国や自治体、民間団体が提供している起業支援制度を網羅的に解説します。資金面のサポートから、経営ノウハウを学べる場所まで、具体的な数字や事例を交えてお伝えします。この記事を読み終える頃には、あなたの夢が具体的な「計画」へと変わっているはずです。一歩踏み出すための武器を手に入れましょう。
資金調達の要:利用すべき助成金と補助金
障害者自立支援起業等助成金の仕組み
まず注目したいのが、障害のある方が自ら事業を起こす際に受け取れる助成金です。助成金は、融資(借金)とは異なり、返済の義務がないことが最大のメリットです。代表的なものとして、各地方自治体や独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)などが関与する制度があります。
例えば、過去に実施されていた制度の流れを汲む自治体独自の助成金では、法人設立費用や店舗の賃借料、設備投資費用の一部(多くは2分の1から3分の2程度)が補助されるケースがあります。支給額は数十万円から数百万円と幅がありますが、特に初期費用がかさむ製造業や飲食業、実店舗を持つサービス業を目指す方にとっては非常に心強い存在です。
ただし、助成金は「後払い」が基本です。先に自分でお金を払って事業を行い、その後に領収書などを提出して検査を受けた上で支給されます。そのため、最初の手元資金をどう確保するかという計画とセットで考える必要があります。また、公募期間が決まっていることが多いので、こまめに地域の情報をチェックする姿勢が大切です。
地域限定の起業支援金と移住支援
都市部だけでなく、地方で起業を考えている方には、「地方創生起業支援金」などの制度が非常に有効です。これは東京圏から地方へ移住して起業する方などを対象に、最大200万円程度が支給されるものです。地方自治体は人口減少対策として、意欲ある起業家を求めており、障害のある方への配慮が手厚い地域も増えています。
実例として、発達障害の特性を活かして地方でITデザイン事務所を開業したCさんは、自治体の移住起業支援金を活用しました。「都会の通勤ラッシュが苦痛だったのですが、静かな環境で集中して働けるようになり、資金援助があったおかげで高性能な機材を揃えることができました」と話しています。環境を変えることが、ビジネスの成功に直結することもあります。
こうした地域密着型の支援は、お金だけでなく「横の繋がり」も提供してくれます。自治体の担当者が地元の商工会を紹介してくれたり、空き店舗を安く貸してくれる大家さんを仲介してくれたりすることもあります。孤独になりがちな起業初期において、地域全体に支えてもらえる環境は、お金以上の価値があると言えるでしょう。
小規模事業者持続化補助金の活用術
障害者特化の制度ではありませんが、非常に使い勝手が良いのが「小規模事業者持続化補助金」です。これは、販路開拓(チラシ作成、ウェブサイト制作、展示会出展など)にかかる費用を補助してくれるもので、現在は「創業枠」や「インボイス枠」など、起業直後でも使いやすい区分が用意されています。
補助率は通常3分の2で、上限額は50万円から200万円程度です。この補助金の素晴らしい点は、商工会や商工会議所のサポートを受けながら申請書を書く必要があるため、自然と自分のビジネスプランがブラッシュアップされることです。経営のプロに計画を見てもらえる絶好の機会と捉えましょう。
例えば、車椅子を利用しながら手作りアクセサリーをネット販売し始めたDさんは、この補助金を使ってバリアフリーに対応した作業デスクの導入と、本格的なオンラインショップの構築を行いました。「自分一人では手が届かなかったプロのデザイナーへの依頼ができたことで、商品の売上が一気に伸びました」と成功のコツを語っています。
💡 ポイント
助成金や補助金の申請には「事業計画書」が必須です。難しい専門用語を並べるよりも、「誰に何を届け、どう社会に貢献するか」を自分の言葉で熱意を持って伝えることが採択への近道です。
低利で安心:障害者向けの融資制度
日本政策金融公庫の「新規開業資金」
助成金だけでは足りない場合、あるいは事業を大きくしたい場合には、融資を検討することになります。障害のある方がまず相談すべきは、政府系金融機関である日本政策金融公庫です。ここでは「新創業融資制度」や、特に障害のある方を対象とした優遇措置のある融資メニューが用意されています。
「新規開業資金」の中には、障害者手帳をお持ちの方などを対象とした利率の引き下げ設定(特別利率)が存在します。民間の銀行に比べて審査のハードルが比較的低く、無担保・無保証人で借りられる枠もあります。返済期間も設備資金なら20年以内、運転資金なら10年以内と長く設定できるため、ゆとりを持った経営が可能です。
公庫の担当者は起業相談にも慣れており、障害特性による配慮が必要な場合も、事情を丁寧に聞き取ってくれます。「返済できるかどうか」を冷静に判断してくれるため、無理な借入を防ぐ防波堤にもなります。まずは、最寄りの支店で開催されている創業相談会を予約してみることから始めましょう。
福祉金融機関による社会的融資
一般的な銀行とは別に、福祉的な視点を持つ金融機関やNPOが提供するマイクロファイナンス(小口融資)も存在します。例えば、地域の生活クラブや生活協同組合と連携した市民バンクなどが、社会貢献性の高い事業に対して低利で貸し付けを行うケースです。
これらの機関は、単なる数字上の利益だけでなく、「その事業がどれだけ当事者の自立を助けるか」「地域にどんな良い影響を与えるか」を重視してくれます。そのため、精神障害や体調の波がある方でも、支援者と連携していることを条件に、親身に相談に乗ってくれることがあります。
「銀行に行くのは怖い」と感じる方でも、こうした福祉的な背景を持つ窓口なら、自分の障害特性について正直に話しやすいというメリットがあります。また、融資を受けた後も、経営が軌道に乗るまで伴走支援(定期的な面談やアドバイス)をしてくれる団体も多いのが特徴です。
自治体による利子補給制度
融資を受ける際、金利の負担が気になる方も多いでしょう。多くの自治体では、障害のある起業家を支援するために「利子補給」や「保証料補填」の制度を設けています。これは、あなたが支払った利息の一部または全部を、後から自治体がキャッシュバックしてくれる仕組みです。
この制度を利用すれば、実質的な金利を0%に近い状態に抑えることも可能です。また、融資を受ける際に必要な「信用保証料」を肩代わりしてくれる自治体もあります。これらは自治体の産業振興課などの窓口で案内されています。
「お金を借りることは怖いこと」と考えがちですが、公的な優遇制度を組み合わせることで、リスクを最小限に抑えながらビジネスを加速させることができます。自分の住んでいる市区町村のホームページで「障害者 起業 融資 利子補給」といったキーワードで検索してみてください。
✅ 成功のコツ
融資の面談では、支援者(就労移行支援事業所のスタッフなど)の同席を認めてもらえる場合があります。自分の特性を客観的に説明してもらうことで、金融機関側の安心感に繋がります。
ノウハウを学ぶ:相談窓口とビジネススクール
地域創業支援センターと商工会議所
お金があっても、経営の知識がなければ事業は長続きしません。まず活用したいのが、各自治体が設置している「地域創業支援センター」です。ここでは、中小企業診断士や税理士などの専門家に、無料で個別相談をすることができます。ビジネスモデルの壁打ちから、開業届の出し方まで、親切に教えてもらえます。
また、商工会議所が実施している「創業塾」などのセミナーもおすすめです。数日間にわたる講義を通じて、マーケティング、会計、法務などの基礎を一通り学ぶことができます。こうしたセミナーは、同じ時期に起業を目指す仲間との出会いの場にもなります。障害のある方同士で情報交換ができるコミュニティが見つかることもあります。
ある視覚障害をお持ちの起業家は、「商工会議所のセミナーで、ITを活用した事務の自動化を教えてもらい、自分でも一人で回せるビジネスモデルを構築できました。専門家の知恵を借りることで、障害を補う工夫が具体化しました」と語っています。一人で悩まず、プロの知恵を「無料」で使い倒すのが賢い起業家です。
就労移行支援事業所の「起業・フリーランスコース」
最近では、障害のある方の就職だけでなく、起業やフリーランスへの転身を支援する就労移行支援事業所が増えています。通常の事業所では会社勤めのための訓練が主ですが、これらの特化型事業所では、プログラミングやデザインのスキル習得に加え、案件の獲得方法や確定申告のやり方まで学べます。
事業所に通いながら、生活リズムを整えつつ、自分のペースでビジネスの準備ができるのが最大の強みです。また、福祉の専門家であるスタッフが、あなたの体調や特性に合わせた無理のない働き方を一緒に考えてくれます。「週3日から始めるフリーランス」といった、柔軟なキャリア設計が可能です。
利用期間中は、前年の所得に応じて無料で利用できることも多いため、起業のための「準備期間」として非常に有効です。同じ志を持つ仲間と一緒に切磋琢磨することで、孤独になりがちな準備期間を前向きに過ごすことができます。
オンラインコミュニティとSNSの活用
物理的な場所へ行くのが難しい場合は、オンラインの起業家コミュニティが大きな助けになります。現在は、障害のある起業家同士が繋がるSlackグループやFacebookグループ、Discordサーバーなどが存在します。ここでは、「体調が悪い時の納期管理はどうしているか?」「障害年金をもらいながらの売上調整は?」といった、当事者ならではの切実な悩みを相談できます。
また、SNS(特にXやnote)では、既にフリーランスとして活躍している障害のある方たちが、自身の失敗談や成功事例を惜しみなく発信しています。実在するロールモデルを見つけることは、「自分にもできるかもしれない」という強い自信に繋がります。匿名で相談できる場も多いため、まずは情報収集から始めてみるのが良いでしょう。
ただし、インターネット上の情報には古いものや誤ったものも混ざっています。特に助成金や法律に関する情報は、必ず公式サイトで裏取りをすることを忘れないでください。SNSは「モチベーション維持とヒント探し」の場として、公的機関は「正確な情報と具体的な支援」の場として使い分けるのが成功のコツです。
⚠️ 注意
「簡単に稼げる」「誰でも月収100万円」といった甘い言葉で、高額な起業塾やコンサルティング契約を迫る業者には十分に注意してください。まずは公的な無料相談を優先しましょう。
障害特性を強みに変えるビジネスモデル
「弱み」が「価値」に変わる視点
起業において最も大切なのは、他社との差別化です。障害のある方にとって、一見「弱み」に見える特性が、実は唯一無二のビジネスチャンスになることがあります。例えば、聴覚障害のある方が運営する「音のないカフェ」や、視覚障害のある方の鋭い感覚を活かした「暗闇でのチームビルディング研修」などは、その典型例です。
また、発達障害の方が持つ「特定の分野への深い没頭」や「独自の視点」は、研究、分析、プログラミング、芸術などの分野で圧倒的な価値を生みます。自分が困ってきた経験を解決するサービス(例えば、ADHD向けのタスク管理アプリのディレクションなど)は、同じ悩みを持つ多くのユーザーにとって、誰よりも説得力のあるものになります。
「障害があるからできないこと」を数えるのではなく、「障害があるからこそ気づけるニーズ」を探してみましょう。それがビジネスの核(コンセプト)になります。社会にあるバリアをビジネスの力で解決することは、あなた自身の自立だけでなく、社会全体をアップデートすることにも繋がります。
フリーランスという「スモールスタート」
いきなり会社を設立して店舗を構えるのはリスクが高いと感じるなら、まずはフリーランス(個人事業主)としてのスモールスタートがおすすめです。パソコン一台で始められるライティング、デザイン、プログラミング、データ入力、翻訳などの仕事は、初期投資がほとんどかからず、体調に合わせて働く時間を調整しやすいのが特徴です。
最近では「クラウドソーシングサイト」を利用して、自宅にいながら仕事を請け負うことも一般的になりました。まずは副業程度の売上を目指し、少しずつ実績(ポートフォリオ)を作っていきましょう。実績が積み重なれば、単価交渉もできるようになり、徐々に安定した収入へと繋がっていきます。
この段階でも、税務署への「開業届」の提出や、青色申告の準備など、起業家としての基礎知識は必要になります。小さな成功を積み重ねることで、「自分は社会に価値を提供できている」という実感が得られ、メンタル面の安定にも寄与します。無理をせず、自分のペースで事業を「育てる」感覚を大切にしてください。
チームで補い合う「共創」の形
起業は一人ですべてをこなす必要はありません。むしろ、自分の苦手な部分は他人に任せる「チームビルディング」こそが、障害のある方の起業を成功させる鍵です。例えば、営業や交渉は得意なパートナーに任せ、自分は制作に没頭する。経理や事務はアウトソーシング(外注)を活用して、自分はアイデア出しに集中する、といった形です。
最近では、障害のある方同士がそれぞれの特性を活かしてチームを組み、プロジェクトごとに連携するギルド型の働き方も注目されています。不注意特性がある人と、几帳面な特性がある人が組めば、爆発的なアイデアをミスなく形にすることができます。互いの凸凹を埋め合う関係性は、非常に強固な組織を生み出します。
助成金や融資で確保した資金の一部を、「自分の苦手な部分を埋めてくれる人」への報酬として使うことは、決して無駄遣いではありません。それは事業を継続させるための「賢い投資」です。自分を追い詰めず、周囲に頼りながら形にする起業こそが、現代におけるサステナブルな(持続可能な)働き方です。
「起業して一番良かったのは、他人に合わせるストレスがなくなり、自分のパフォーマンスを100%発揮できる環境を自分で作れたことです。助けを求めることは、経営者にとって最も重要なスキルの一つです。」
— 身体障害のあるWEB制作会社経営者
✅ 成功のコツ
「障害者枠」としての受注だけでなく、プロとして提供する価値で勝負することを意識しましょう。支援制度はあくまで「手段」であり、顧客が求めているのは「質の高い成果物」です。
気になる疑問:起業と年金・制度の併用
障害年金をもらいながら起業できる?
多くの方が不安に思うのが、「事業収入が増えると障害年金が打ち切られるのではないか」という点です。結論から言うと、起業して収入を得ること自体が、即座に年金の支給停止に繋がるわけではありません。障害年金はあくまで「障害の状態」によって判断されるものであり、所得制限があるのは20歳前傷病による障害基礎年金など一部に限られます。
ただし、更新の際の診断書において、「フルタイムでバリバリ働けている」と判断されると、障害の状態が軽くなったとみなされて級が変わる(あるいは支給停止になる)可能性はあります。起業の場合は、会社勤めと異なり「自分のペースで休みながら働いている」「就労の配慮を自分で工夫している」といった実態を主治医に正確に伝え、診断書に反映してもらうことが重要です。
むしろ、障害年金という「基礎収入」があることは、起業家にとって大きなアドバンテージです。売上が不安定な時期でも生活が破綻しないため、目先の利益に惑わされず、じっくりと良いサービスを作り込むことができます。制度をセーフティーネットとして正しく理解し、安心して挑戦を続けましょう。
特定求職者雇用開発助成金(創業)の可能性
もしあなたが起業し、自分と同じように障害のある方を雇用する場合、「特定求職者雇用開発助成金」などの雇用支援系の助成金を受け取ることができます。これは、一人起業からステップアップして、仲間を増やそうとする段階で非常に有効です。
障害のある方を雇い入れることで、賃金の一部が助成されるため、人件費の負担を軽減しながら組織を拡大できます。自分が当事者だからこそできる、無理のない就労環境を提供することは、雇用される側にとっても大きな救いになります。自分一人の自立から、他者の自立を支える立場へ。起業には、そうした社会的な広がりがあります。
こうした「雇う側」の視点の制度についても、起業前から少しずつ知識を持っておくと、将来のビジョンが描きやすくなります。ハローワークの助成金窓口では、こうした雇い入れに関する相談も随時受け付けています。ビジネスが成長した先の景色を想像してみてください。
重度障害者等就労支援特別事業の活用
重度の身体障害がある方などが起業する場合、自治体によっては「重度障害者等就労支援特別事業」を活用できることがあります。これは、通勤や就労中(起業して働いている間も含む)の介助者派遣や、通勤支援などを行う制度です。これまでは「仕事中」の介助は制度の谷間でしたが、近年、多くの自治体で実施されるようになってきました。
この制度を利用すれば、介助が必要な方でも、介助者のサポートを受けながら商談に行ったり、事務作業を行ったりすることが可能になります。身体的な制限を理由に起業を諦める必要はありません。テクノロジー(視線入力装置など)と人のサポートを組み合わせることで、どんなに重い障害があっても「経営者」として活躍できる道が開かれています。
各自治体によって実施状況や条件が異なるため、お住まいの地域の障害福祉課に「就労中の介助支援について」問い合わせてみてください。また、こうした制度の交渉自体を、支援機関と一緒に進めることも可能です。あなたの「働きたい」という意思は、制度を動かす力を持っています。
| 項目 | 助成金・補助金 | 融資 |
|---|---|---|
| 返済義務 | なし | あり(利息含む) |
| 主なメリット | 自己資金を補填できる | 多額の資金を早期に確保できる |
| 主なデメリット | 後払いのため、先出しの資金が必要 | 返済計画を厳密に立てる必要がある |
| 主な相談先 | 自治体、JEED、商工会議所 | 日本政策金融公庫、地域の金融機関 |
よくある質問(FAQ)
Q. 起業したいけれど、何から始めたらいいかわかりません。
まずは「自分のやりたいこと」と「得意なこと」を紙に書き出してみることから始めましょう。その後、お住まいの地域の「創業支援センター」や「商工会議所」の無料相談を予約してください。具体的なプランがなくても、「起業に興味がある」という段階で相談に行って大丈夫です。プロのアドバイスを受けることで、自分だけでは気づかなかったビジネスの芽が見つかるはずです。
Q. 精神障害で体調に波があります。起業しても大丈夫でしょうか?
起業の最大のメリットは、「自分の体調に合わせてスケジュールをコントロールできること」です。調子の良い時に集中して働き、悪い時は思い切って休む。こうした働き方は、むしろ会社員よりも精神障害のある方にフィットする場合があります。もちろん、生活に困らない程度の副業から始め、徐々に規模を広げていくスモールスタートを強くおすすめします。また、支援機関との繋がりを持ち続けることも忘れないでください。
Q. 開業届を出すと、現在受けている福祉サービスは止まりますか?
基本的には、開業届を出したことだけで福祉サービス(居宅介護や就労移行支援など)が止まることはありません。ただし、収入が大幅に増えた場合、サービスの利用者負担額が変わる可能性はあります。また、生活保護を受給している場合は、収入の申告義務が生じ、受給額に影響します。個別のケースについては、必ずケースワーカーや相談支援専門員に事前に相談し、シミュレーションを行ってください。
Q. 助成金の申請は自分一人でできますか?
可能ですが、専門家のサポートを受けることを強くおすすめします。助成金の申請書(事業計画書)には、独特の書き方やコツがあります。商工会議所の相談員や、認定支援機関となっている税理士・中小企業診断士に一緒に作成してもらうことで、採択率が格段に上がります。また、就労移行支援事業所のスタッフに、文章の校正や特性の記述についてアドバイスをもらうのも有効です。周りの手を借りることは、経営者の重要な仕事の一つです。
まとめ
障害のある方の起業は、単なる「仕事」以上の意味を持ちます。それは、自分の人生の主導権を取り戻し、社会に新しい価値を提案する挑戦です。今回のポイントを整理しましょう。
- 資金面:助成金は「後払い」を前提に、日本政策金融公庫の低利融資や自治体の利子補給を組み合わせて確保する。
- ノウハウ:商工会議所や創業支援センターの無料相談を「使い倒す」。就労移行支援事業所の活用も有効。
- 戦略:自分の障害特性を「ニーズ」や「強み」として捉え直し、無理のないスモールスタートから始める。
- チーム:苦手なことは他人に任せ、テクノロジーや支援制度をフル活用して「持続可能な経営」を目指す。
- 安心感:障害年金などのセーフティーネットを正しく理解し、生活の基盤を確保した上で挑戦する。
起業への道は、平坦ではないかもしれません。しかし、今はかつてないほど支援の輪が広がっています。あなたが自分の特性を愛し、それを社会のために活かそうとする時、必ず助けてくれる人が現れます。一人で抱え込まず、まずは地域の窓口に電話を一本かけることから始めてみませんか。
次のアクションとして、まずは「日本政策金融公庫」または「地元の商工会議所」の創業支援ページを検索して、直近で開催される無料セミナーを一つチェックしてみてください。その一クリックが、あなたの未来を大きく変えるきっかけになるはずです。あなたの挑戦を、私たちは心から応援しています。

伊藤 真由美
(いとう まゆみ)33歳📜 保有資格:
特別支援学校教諭免許、社会福祉士
特別支援学校で5年教員を務めた後、就労継続支援B型事業所で5年勤務。「学校から社会へ」の移行支援と、「自分のペースで働く」を応援します。進路選択や作業所選びの情報をお届けします。
大学で特別支援教育を学び、卒業後は特別支援学校の教員として5年間勤務。知的障害や発達障害のある生徒たちの進路指導を担当する中で、「卒業後の支援」の重要性を痛感しました。そこで教員を辞め、就労継続支援B型事業所に転職。現在は生活支援員として、様々な障害のある方が自分のペースで働く姿を日々見守っています。特に大切にしているのは、「働くことがすべてではない」という視点。一般就労が難しくても、作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけることは十分可能です。記事では、特別支援学校卒業後の進路選択、就労継続支援A型・B型の違い、作業所での実際の仕事内容など、「自分らしい働き方・過ごし方」を見つけるための情報を発信します。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
特別支援教育を学び、「卒業後の支援」の重要性を感じたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけた方々を見守ってきたこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
「働くことがすべてではない」という視点を大切に、自分らしい過ごし方を見つける情報を発信します。
🎨 趣味・特技
ハンドメイド、音楽鑑賞
🔍 最近気になっているテーマ
発達障害のある方の就労支援、工賃向上の取り組み





