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子どもの障害で利用できる支援金・補助金まとめ

📖 約39✍️ 阿部 菜摘
子どもの障害で利用できる支援金・補助金まとめ
子どもの障害で利用できる支援金・補助金を、手当、医療費助成、生活補助の三つの柱で網羅的にまとめました。核となるのは、特別児童扶養手当と障害児福祉手当という二大現金給付で、それぞれ所得制限と障害認定基準があります。医療面では、自立支援医療や小児慢性特定疾病医療費助成が医療費負担を軽減します。その他、補装具の給付や教育費の補助、税制優遇(障害者控除)も活用可能です。申請の第一歩は手帳の取得と市区町村の福祉担当課への相談です。複雑な制度を理解し、現況届などの義務を果たすことで、ご家族の生活を安定させ、お子さんの成長をサポートする支援を最大限に受け取りましょう。

子どもの障害で利用できる支援金・補助金まとめ

お子さんが障害を持っていることがわかったとき、多くのご家庭が直面するのは、医療費、療育費、特別な教育環境の整備など、経済的な負担の増大です。また、付き添いや介護に時間や労力を費やすことで、仕事や収入に影響が出ることも少なくありません。こうした状況において、国や地方自治体が提供する支援金や補助金は、ご家族の生活を安定させ、お子さんの可能性を広げるために欠かせない大切な資源となります。

しかし、制度は多岐にわたり、それぞれに対象年齢、障害の程度、所得制限などの複雑な要件があります。「どの制度が使えるのか」「どこに申請すればいいのか」と、情報収集に疲れてしまう方もいるでしょう。この記事では、子どもの障害を理由に利用できる主要な支援金・補助金を、手当、医療費助成、生活補助の三つの柱に分けて徹底的に解説します。この記事を通じて、ご家庭に必要な支援を漏れなく見つけ出し、経済的な安心を得るための具体的な道筋を掴んでください。


毎月支給される主要な「手当・支援金」の概要

特別児童扶養手当:障害児の親への基本的な支援

子どもの障害に関する支援金の中で、最も中心となるのが「特別児童扶養手当」です。これは、精神または身体に中度以上(1級または2級)の障害を持つ20歳未満のお子さんを養育している親(保護者)に対して支給される国の制度です。この手当は、障害児の健全な育成を支援し、保護者の経済的な負担を軽減することを目的としています。

支給額は、障害の程度によって異なります。1級(重度)と2級(中度)で月額が設定されており、重度であるほど高額になります。この手当の受給資格には、保護者本人と扶養義務者(配偶者、同居の親族など)の所得に基づく所得制限があります。どちらか一方でも制限額を超えると支給が停止されるため、申請前にご家族全員の所得状況を確認することが不可欠です。

障害児福祉手当:最重度の障害児への特別な支援

障害児福祉手当」は、特別児童扶養手当よりもさらに重度の障害があり、日常生活において常に特別の介護を必要とする20歳未満のお子さんを対象とした手当です。これは、特別な介護負担に対して重点的に支援を行う目的があります。

この手当は、特別児童扶養手当との併給はできませんが、障害児福祉手当の認定基準を満たせば、月額で定額の手当が支給されます。ただし、お子さんが障害児入所施設に入所している場合や、公的年金を受給している場合は、原則として支給停止となります。これは、在宅での介護を支えるための手当という位置づけであるためです。

児童手当:障害の有無に関わらない基本的な手当

児童手当」は、すべての中学校修了前のお子さん(15歳に達する日以後の最初の3月31日まで)を養育している方に支給される、国による子育て支援の基本となる手当です。もちろん、障害のあるお子さんも対象となり、障害関連手当(特別児童扶養手当など)との併給が可能です。

児童手当にも所得制限がありますが、障害関連手当とは制限基準額が異なります。所得が制限額を超えると支給額が減額(特例給付)されたり、全額停止されたりします。すでに受給している手当ですが、他の障害関連手当を申請する際にも、併給のルールを再度確認しておくことが大切です。


医療費と福祉サービスに関する補助金・助成制度

自立支援医療(育成医療):医療費の自己負担を軽減

障害のあるお子さんの治療や訓練には、高額な医療費がかかることがあります。「自立支援医療(育成医療)」は、18歳未満のお子さんが、身体の障害を改善し、生活能力を回復するために必要な医療を受ける際の医療費の自己負担を軽減する制度です。

この制度を利用すると、原則として医療費の自己負担が1割に軽減されます。さらに、世帯の所得状況に応じて、この1割負担にも月ごとの上限額が設定されます。これにより、長期的な治療や高額な手術が必要になった場合でも、家計への負担が過度に重くならないように配慮されています。

小児慢性特定疾病医療費助成制度

小児慢性特定疾病医療費助成制度」は、国が定める小児慢性特定疾病(約780疾病)にかかっており、長期にわたる療養が必要なお子さんの医療費の自己負担分を助成する制度です。この疾病の多くは、障害を伴う可能性があります。

この制度の対象となると、医療費の自己負担は2割に軽減され、さらに世帯所得に応じた月額上限額が設けられます。対象となる病名や重症度の基準、必要な手続きは複雑ですが、長期にわたり治療が必要な場合は、保健所や医療機関の相談窓口で必ず確認すべき重要な制度です。

補装具・日常生活用具の給付(補助金)

障害のあるお子さんが日常生活を送るために必要な、義肢、装具、車いす、補聴器といった「補装具」や、ポータブルトイレ、特殊寝台、意思伝達装置などの「日常生活用具」については、原則1割の自己負担で給付または貸与を受けることができます。これは、手当のような現金給付ではなく、物品の購入費に対する補助金としての性格が強い制度です。

ただし、どちらの制度も、購入前に市区町村への申請と承認が必要です。自己判断で先に購入してしまうと、補助の対象外となってしまうため、必ず事前に窓口に相談し、必要な手続きを踏むことが重要です。補装具や用具は高額になることが多いため、この制度の活用は経済的な負担軽減に直結します。


教育費・税制・生活を支えるその他の支援

特別支援教育就学奨励費:教育費の負担軽減

特別支援学校や特別支援学級に通学しているお子さんの保護者に対しては、「特別支援教育就学奨励費」という補助金制度があります。これは、特別支援教育を受ける上で生じる経済的な負担(学用品費、給食費、通学費、修学旅行費など)を軽減するための制度です。

対象となるのは、保護者の世帯収入が一定額以下の場合です。この制度を利用することで、通常の学費とは別に生じる特別な出費について、助成を受けることができます。申請窓口は、通学している学校を通じて行われることが多いため、まずは学校の事務室や担任の先生に相談してみましょう。

💡 ポイント

この奨励費は、家庭の経済状況と、教育に必要な経費を実費で補助するものです。所得制限はありますが、給付の対象になれば、教育費の心配を減らすことができます。

障害者控除:税制上の大きな優遇措置

直接的な支援金ではありませんが、障害のあるお子さん(扶養親族)がいるご家庭は、所得税や住民税の計算において「障害者控除」を受けることができます。これは、課税対象となる所得額から一定額を差し引くことで、結果として支払う税金を軽減する税制優遇措置です。

控除額は、お子さんが「一般の障害者」であるか、「特別障害者」(障害の程度が重い)であるかによって異なります。特別障害者と認定されると、一般の障害者控除よりも大きな金額が控除されます。この手続きは、年末調整や確定申告の際に行います。必ず、障害者手帳または療育手帳の等級を確認し、申告を忘れないようにしましょう。

地方自治体独自の生活補助金・見舞金

国が定める手当のほかに、多くの地方自治体(都道府県・市区町村)が、地域に住む障害児やその家族を対象とした独自の生活補助金や見舞金制度を設けています。これらの制度は、国の手当とは別に、独自の基準や支給額で運営されているのが特徴です。

例えば、「重度心身障害者福祉手当」「障害児在宅生活支援金」といった名称で、月額数千円から数万円が支給される場合があります。支給対象となる障害の範囲や所得制限も、自治体によって大きく異なります。お住まいの自治体の福祉担当課に直接問い合わせて、独自の支援制度の有無を確認することが、支援を見逃さないための鍵です。


申請のステップと支援を最大化するポイント

申請の第一歩:手帳の取得と相談窓口

多くの障害児向け支援金・補助金の申請には、身体障害者手帳療育手帳(愛の手帳など)の交付を受けていることが前提となるか、少なくとも障害の程度を証明する重要な資料となります。まだ手帳の申請をしていない場合は、まず手帳の申請を進めることから始めましょう。

申請の総合窓口は、お住まいの市区町村の福祉担当課(障害福祉課など)です。まずはここに電話で相談し、お子さんの年齢、障害の種類、手帳の有無などを伝えれば、利用可能な手当や補助金の全体像を教えてもらえます。この一歩が、支援金獲得への最も重要なアクションです。

所得制限と併給のルールを理解する

多くの手当には所得制限があるため、申請前にご家庭の所得状況を把握しておく必要があります。特に、特別児童扶養手当のように、保護者だけでなく同居の扶養義務者の所得も審査対象となる制度があるため、注意が必要です。

また、併給ルールの理解も重要です。例えば、特別児童扶養手当と児童手当は併給可能ですが、特別児童扶養手当と障害児福祉手当は併給できません。さらに、手当の受給中に施設入所や長期入院となった場合、手当の支給が停止されることがあります。常に最新の情報を窓口で確認し、変更があった場合は速やかに届け出ましょう。

支援を最大化するための連携のコツ

子どもの障害で利用できる支援を最大化するためには、複数の専門家との連携が欠かせません。

  • 相談支援専門員:地域の福祉サービスに精通しており、手当の情報提供や、必要なサービス利用計画の作成を通じて、支援の全体像をコーディネートしてくれます。
  • 主治医:手当の申請に必要な認定診断書を作成してくれます。日常生活の具体的な困難さを詳細に伝え、正確な診断書を作成してもらうことが、認定の鍵となります。
  • 学校の先生・事務員:特別支援教育就学奨励費などの教育関連の補助金について、必要な手続きを教えてくれます。

これらの専門家と積極的にコミュニケーションを取り、情報を共有することが、支援の漏れを防ぐための成功のコツです。


実例に見る支援金活用の具体例と疑問解消

支援金による生活の質の向上事例

実際に支援金や補助金を活用することで、ご家庭の生活の質(QOL)は大きく向上します。例えば、重度の知的障害と身体障害を持つお子さんの家庭では、以下のように活用されることが多いです。

「特別児童扶養手当と障害児福祉手当を併せて受給できたおかげで、毎月発生する高額な療育施設の送迎サービス費用や、保険適用外の訪問リハビリの費用に充てることができました。経済的な不安が減ったことで、親子で笑顔で過ごせる時間が増えました。」

— 重複障害を持つお子さんの保護者

支援金は、単なる生活費の補填だけでなく、お子さんの成長や社会参加を促進する活動、そして介護者の休息(レスパイト)のための費用にも自由に充てることができます。賢く活用することで、子育ての質を向上させることが可能です。

却下された場合の再申請と審査請求

手当の申請が却下されてしまうこともあります。そのような場合は、まず却下理由を明確に把握することが重要です。理由としては、診断書の内容が不十分だった、または所得制限を超過していた、などが考えられます。

所得制限による却下の場合は、翌年度の所得が下がる見込みがあれば翌年8月以降に再申請が可能です。診断書による却下の場合は、主治医に再相談し、介護の具体的な実態を反映させた診断書を再作成してもらい、再度申請を行うことで認定される可能性があります。また、処分の内容に不服がある場合は、審査請求という手段もあります。

よくある質問:手当はいつからもらえるの?

手当の支給開始時期は、原則として申請書を提出した月の翌月分からです。例えば、9月中に申請が完了すれば10月分から支給対象となります。そのため、お子さんの障害が判明したり、重度化した場合は、できるだけ早く申請手続きを行うことが、支援を早く受け取るための鉄則です。

ただし、診断書の作成など時間がかかる場合は、市区町村の窓口で「認定請求書」だけを先に提出し、「申請日」を確保しておき、診断書などの添付書類を後から提出する「補正」という対応が可能な場合もあります。まずは窓口で相談し、申請日を確保する工夫をしましょう。


相談窓口と次の一歩の提案

支援金に関する専門的な相談窓口

支援金や補助金に関する情報が複雑で、どこに相談すればいいか迷ったときは、以下の専門窓口を頼りましょう。

  • 市区町村の福祉担当課(障害福祉課など):手当、福祉サービス、自治体独自の補助金など、すべての公的支援に関する総合窓口です。
  • 相談支援事業所:福祉サービスの専門家(相談支援専門員)が、手当の申請に関する情報提供や、サービス利用計画の作成を通じて、ご家庭のニーズに合った支援をトータルでコーディネートしてくれます。
  • 保健所(または保健センター):小児慢性特定疾病医療費助成など、医療系の助成制度に関する相談窓口です。

✅ 成功のコツ

まずは相談支援事業所に連絡し、お子さんの状況と現在の悩み(経済的なものも含め)を伝えてみましょう。手当とサービスの最適な組み合わせを提案してくれます。

支援を長期的に受けるための継続的な手続き

手当や補助金は、一度認定を受けたら終わりではありません。継続的に支援を受けるためには、定期的な手続きが必須となります。

  • 現況届:特別児童扶養手当など多くの手当で、毎年8月頃に所得や養育状況を確認するための提出が義務付けられています。
  • 再認定:障害の状態を確認するため、数年ごとに診断書の再提出が必要になる場合があります。
  • 変更届:住所変更、振込口座の変更、所得に影響のある扶養義務者の増減など、重要な変更があった際は速やかに届け出が必要です。

これらの継続的な手続きを怠ると、せっかくの支援が一時的に停止してしまうことがあります。自治体からの通知を見落とさないよう注意しましょう。

次のアクションへの具体的な提案

この記事で得た知識を活かし、ご家庭に必要な支援を確保するための具体的なアクションは以下の通りです。

  1. 手帳の有無を確認:身体障害者手帳、療育手帳がまだであれば、すぐに取得の相談を始めましょう。
  2. 二大手当の申請:特別児童扶養手当と障害児福祉手当のうち、どちらが対象となりそうか、窓口で確認し、申請書と専用診断書を入手しましょう。
  3. 医療費助成の確認:お子さんの病名や治療内容に基づき、自立支援医療や小児慢性特定疾病医療費助成の対象となるか、保健所や主治医に相談しましょう。

手続きは煩雑ですが、ご家族の生活を守るために必要なステップです。積極的に情報を取りに行き、支援を勝ち取りましょう。


まとめ

子どもの障害で利用できる支援金・補助金は多岐にわたり、これらを活用することでご家族の経済的な負担を大きく軽減できます。

  • 特別児童扶養手当障害児福祉手当は、障害の程度に応じた基本的な現金給付であり、ほとんどの制度に所得制限があります。
  • 自立支援医療小児慢性特定疾病医療費助成は、医療費の自己負担を大幅に軽減する重要な制度です。
  • 補装具・日常生活用具の給付障害者控除など、様々な角度からの支援を漏れなく利用することが成功の鍵です。

まずは市区町村の福祉担当課に相談し、お子さんの状況に合った支援をすべてリストアップしましょう。そして、診断書作成や現況届などの継続的な義務を忘れずに行い、ご家族の安心した生活を築いていきましょう。

阿部 菜摘

阿部 菜摘

あべ なつみ36
担当📚 実務経験 12
🎯 制度・法律🎯 医療・福祉制度

📜 保有資格:
社会保険労務士、精神保健福祉士

社会保険労務士として障害年金の申請支援を専門に12年。「難しい」と言われる障害年金を、分かりやすく解説します。医療費助成、各種手当など、お金に関する制度情報をお届けします。

大学卒業後、社会保険労務士事務所に就職し、障害年金の申請支援を専門に担当してきました。これまで500件以上の申請をサポートし、多くの方の生活を支えるお手伝いをしてきました。障害年金は「難しい」「通らない」と諦めている方が多いですが、適切な書類準備と申請を行えば、受給できる可能性は十分あります。実際、初診日の証明が難しいケースでも工夫して認定を受けた例もあります。特に心に残っているのは、精神障害で長年苦しんでいた方が障害年金を受給できたことで、「経済的な不安が減り、治療に専念できるようになった」と感謝されたこと。制度を知ることの大切さを実感しました。記事では、障害年金の申請方法、特別障害者手当、医療費助成など、「知らないと損する」お金の制度を、専門家として正確かつ分かりやすく解説します。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

社会保険労務士として、障害年金の申請支援を通じて多くの方の生活を支えたいと思ったことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

精神障害のある方が障害年金を受給でき、「経済的な不安が減り、治療に専念できるようになった」と感謝されたこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

「知らないと損する」お金の制度を、専門家として正確かつ分かりやすく解説します。

🎨 趣味・特技

資格勉強、温泉巡り

🔍 最近気になっているテーマ

障害年金のオンライン申請、制度の周知不足問題

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