ホーム/記事一覧/生活サポート情報/外出・移動サポート/外出を楽しく!バリアフリー観光スポットガイド【全国】

外出を楽しく!バリアフリー観光スポットガイド【全国】

📖 約48✍️ 原田 彩
外出を楽しく!バリアフリー観光スポットガイド【全国】
本記事は、障害を持つ方が安心して楽しめる全国のバリアフリー観光スポットの選び方と、旅行を成功させるための準備方法を解説しています。観光地の選定においては、単なる段差の有無といったハード面だけでなく、視覚・聴覚障害に対応した音声ガイドや手話サポートなどのソフト面の充実度を重視するよう提案。東日本の東京スカイツリーや三陸復興国立公園、西日本の姫路城、沖縄美ら海水族館など、多様なニーズに対応した施設を具体的に紹介しています。また、旅行の準備として、鉄道・航空機への事前連携の重要性、福祉タクシーの手配、バリアフリー宿泊施設の確認ポイントを詳述。福祉サービスの移動支援(ガイドヘルプ)や地域のユニバーサルガイドの活用も推奨し、誰もが旅行を楽しめるための実践的なガイドラインを提供しています。


旅行を諦めない!

車いす・多様な障害に対応した全国バリアフリー観光スポットガイド

「旅行は好きだけど、バリアフリー情報が少なくて不安」「車いすで楽しめる場所、視覚や聴覚に配慮してくれる施設を知りたい」—そうした思いから、せっかくの旅行や外出を諦めてしまう障害者の方やご家族は少なくありません。特に、歴史的な観光地や自然豊かな場所では、移動のしやすさや適切なサポートが受けられるかが大きな課題となります。

しかし、近年、国や自治体、そして各観光地が協力し、ハード面(設備)とソフト面(サービス)の両方でバリアフリー化が急速に進んでいます。誰もが不安なく、心から楽しめる「ユニバーサルツーリズム」が日本全国で広がりを見せているのです。この動きは、様々な障害特性を持つ方々にとって、外出や旅行の可能性を大きく広げています。

本記事では、移動のしやすさだけでなく、視覚・聴覚に配慮した情報提供や、安心して休憩できる環境が整備されている全国のバリアフリー観光スポットを厳選してご紹介します。事前の情報収集のコツや、公的支援の活用法も合わせて解説しますので、この記事を参考に、次の楽しい外出や旅行の計画を立ててみましょう。

安心して楽しめるバリアフリー観光地の選び方

一言で「バリアフリー」といっても、その内容は多岐にわたります。車いすユーザーにとってのバリアフリーと、視覚障害者にとってのバリアフリーでは、必要な設備やサービスが異なります。ご自身のニーズに合った観光地を選ぶための視点をご紹介します。

ハード面:段差・経路・トイレのチェックポイント

車いすユーザーにとって、観光地のハード面(設備)の充実度は、その日の快適さを左右する最大の要因です。以下の3つのチェックポイントを事前に確認しましょう。

  1. 入場口と経路の段差: 敷地内への入場口に段差がないか、あればスロープが設置されているか。施設内の主要な観光経路が舗装されており、極端な急勾配や小さな段差がないかを確認します。
  2. 多目的トイレの設置状況: 設置数だけでなく、広さ、手すりの形状、オストメイト対応、おむつ交換台の有無など、多様なニーズに対応できる設備があるか詳細情報をチェックします。
  3. エレベーター・昇降機の有無: 複数階にわたる施設の場合、車いすで利用できるエレベーターや昇降機が設置されているか、また、そのサイズや混雑状況も確認できると安心です。

これらの情報は、各観光地の公式ウェブサイトの「バリアフリー情報」ページや、バリアフリー情報共有アプリで確認できます。

ソフト面:情報提供とサポート体制の確認

ハード面が整備されていても、情報やサポートが不足していると、心から楽しむことはできません。特に視覚・聴覚障害者にとって、ソフト面(サービス)の充実が重要です。

  • 情報提供の多角化: 視覚障害者向けには、点字パンフレットや音声ガイド、触れて鑑賞できる模型などがあるか。聴覚障害者向けには、手話ガイドのサービス、筆談対応、多言語対応の字幕付き映像資料があるかを確認します。
  • スタッフの研修状況: 車いす介助や、手話、筆談など、障害特性に応じた支援の研修を受けたスタッフ(サービス介助士など)が常駐しているかを確認できると安心です。
  • 車いすや貸し出し備品の有無: 車いすの無料貸し出し、ベビーカーの貸し出し、ヒアリングループの設置など、必要な備品が揃っているかを確認します。

💡 ポイント

旅行を計画する際は、観光地の公式サイトだけでなく、旅行会社のバリアフリー専門部署や、ユニバーサルツーリズム推進団体のウェブサイトも参考にすると、詳細かつ信頼性の高い情報を得られます。

【東日本編】おすすめバリアフリー観光地

自然、歴史、アートなど、様々なジャンルから、東日本エリアで特にバリアフリー化が進んでいる、おすすめの観光地をご紹介します。

多様な障害に対応:東京スカイツリー(東京都)

東京スカイツリーは、都心の象徴でありながら、非常に高度なバリアフリー設計が施されている施設です。車いすで展望台までスムーズにアクセスできるのはもちろん、多様な障害に対応した取り組みが評価されています。

  • 車いす対応: 展望台へのエレベーターはスムーズで、待ち時間も配慮されます。展望台フロア内はフラットで広々としており、車いすでの移動が容易です。
  • 視覚・聴覚対応: 点字・触知図付きのフロアマップが用意されており、聴覚障害者向けには、緊急時の情報伝達に配慮したシステムが導入されています。

展望台からの絶景だけでなく、周辺の商業施設「東京ソラマチ」もバリアフリー設計であり、飲食やショッピングも安心して楽しめます。

自然を満喫:三陸復興国立公園(東北地方)

美しいリアス式海岸が特徴の三陸復興国立公園では、誰もが自然を満喫できるような整備が進んでいます。特に、被災地再生のシンボルとして、多くの施設がバリアフリーに対応しています。

  • 浄土ヶ浜(岩手県): 駐車場から展望台、レストハウスまで、車いすでアクセスしやすいルートが整備されています。一部の遊歩道も舗装されており、海辺の景色を楽しめます。
  • 多機能休憩施設: 主要なビジターセンターでは、広い多目的トイレや、休憩スペースが確保されており、長時間の滞在にも配慮されています。

自然の中の観光地であるため、一部未舗装の場所もありますが、情報センターで最新のバリアフリー情報を入手できる点も大きなメリットです。

【西日本編】おすすめバリアフリー観光地

歴史的な名所が多い西日本エリアでも、最新の技術と配慮をもって、バリアフリー化が進んでいます。伝統とユニバーサルデザインが共存するスポットをご紹介します。

歴史と共存:姫路城(兵庫県)

世界遺産であり、国宝でもある姫路城は、その歴史的な構造からバリアフリー化が難しい場所とされてきましたが、多くの工夫が施されています。特に、城の全体像や周辺を車いすで楽しむための環境整備が進んでいます。

  • 城の周辺と広場: 城の敷地内、特に三の丸広場や西の丸庭園といった主要な見学ルートは、舗装され、車いすでの移動が可能です。
  • 大天守への特別対応: 大天守内部は構造上、車いすでの見学は不可能ですが、事前予約と相談により、特定のルートや映像資料によるバーチャル体験など、代替的なサービスが提供されています。
  • 多目的トイレ: 敷地内の主要な場所に、十分な広さの多目的トイレが設置されています。

歴史的建造物のため、一部制限があることを理解しつつ、事前に施設管理事務所に相談することで、最適な見学ルートを提案してもらえます。

✅ 成功のコツ

歴史的・自然的な観光地では、必ず見学の1週間前までに施設へ直接電話で問い合わせましょう。「車いすのサイズ」「介助者の有無」「利用したい支援(手話、音声など)」を具体的に伝えると、当日スムーズなサポートを受けられます。

文化体験:沖縄美ら海水族館(沖縄県)

国内外から多くの観光客が訪れる沖縄美ら海水族館は、ユニバーサルデザインに非常に力を入れている施設の一つです。広大な敷地全体が、車いすでの移動を考慮した設計になっています。

  • 車いすルートの確保: 水族館のメインエリアはもちろん、海洋博公園全体がスロープやエレベーターで接続されており、ほとんどのエリアを車いすで移動可能です。
  • 視覚・聴覚対応: 巨大水槽「黒潮の海」の解説パネルは、大きな文字で読みやすく工夫されており、主要な展示には音声ガイドも用意されています。一部の解説プログラムでは、手話通訳者の配置や字幕表示の配慮も見られます。

家族連れや多様な障害を持つ方が、熱帯の海の世界を存分に楽しめるよう、非常に配慮された施設です。

バリアフリー旅行を成功させるための準備とサービス

観光地だけでなく、移動手段や宿泊先の手配も、バリアフリー旅行を成功させる重要な要素です。公的な支援サービスや専門の旅行会社を活用しましょう。

バリアフリー移動手段の手配

長距離の移動には、公共交通機関の事前予約と情報連携が不可欠です。

  1. 鉄道(JR・私鉄): 車いすで乗車する場合は、乗車予定日の3日前までに駅の窓口または電話で連絡し、乗降駅でのスロープ準備や、多目的トイレの位置を確認しましょう。
  2. 航空機: 予約時に必ず「車いすを利用すること」を伝え、搭乗時に必要な介助(搭乗ゲートまでの車いす、機内用車いすへの移乗など)を具体的に依頼します。
  3. 福祉タクシー・介護タクシー: 現地での移動手段として、車いすに乗ったまま乗降できる福祉タクシーや、介護サービスを伴う介護タクシーの手配を検討しましょう。特に観光地周辺では、早めの予約が必要です。

これらの移動手段は、障害者手帳による運賃割引が適用される場合が多いので、忘れずに提示しましょう。

宿泊施設の選び方と事前確認

宿泊施設を選ぶ際は、単に「バリアフリーの部屋がある」という情報だけでなく、以下の具体的なポイントを確認します。

  • 部屋の詳細: 部屋のドア幅、ベッドの高さ、浴槽・シャワーブースへの移乗スペース、緊急時の呼び出しボタンの位置。
  • 共用エリア: ロビー、レストラン、大浴場(家族風呂や個室風呂の有無)が車いすで利用可能か。
  • 介助者の有無: 施設スタッフによる深夜の緊急時の介助や、周辺の訪問介護事業所との連携が可能かどうか。

特に、温泉旅館など、和風の宿泊施設では、事前の電話確認を通じて、施設の工夫や代替案を聞き出すことが重要です。

⚠️ 注意

温泉地や山間部の観光地では、宿泊施設周辺の舗装されていない坂道や、急な階段が多い場合があります。現地の地形や、宿泊施設から最寄りの公共交通機関までの経路も、事前にGoogleストリートビューなどで確認しておきましょう。

「よくある質問」と相談窓口

バリアフリー旅行を計画する際によくある質問と、安心して相談できる窓口をご紹介します。

Q. 観光地での移動支援(介助)サービスはありますか?

A. はい、一部の観光地や自治体では、「観光ボランティア」や「ユニバーサルガイド」といった形で移動支援サービスを提供している場合があります。また、障害福祉サービスの「移動支援(ガイドヘルプ)」を事前に申請し、現地までヘルパーを連れて行く、または現地の事業所からヘルパーを派遣してもらうことも可能です。現地の事業所を探す場合は、地域の相談支援事業所に相談しましょう。

Q. 予約した宿泊施設で、当日になって設備が使えなかった場合はどうすればいいですか?

A. まずは冷静に、その施設の責任者(支配人など)に状況を伝え、代替案(例:別の部屋への移動、ポータブルスロープの設置、周辺の利用可能な施設の情報提供など)を求めましょう。もし、施設側の対応が不十分な場合は、事前に利用した旅行会社や、消費者センターに相談することも可能です。事前に確認した際の記録(メールなど)を残しておくと交渉がスムーズです。

Q. 視覚障害者向けの旅行情報がなかなか見つかりません。

A. 視覚障害者向けの旅行情報は、車いす向けに比べると少ない傾向がありますが、地域の「視覚障害者福祉協会」が主催する旅行会や、情報誌が参考になります。また、各地の博物館や美術館では、近年、触れる展示や音声ガイドの整備が進んでいますので、個別に問い合わせてみるのも良い方法です。

相談窓口と参考リンク

バリアフリー旅行や外出に関する相談は、以下の窓口へ行いましょう。

  • 地域の相談支援事業所: 移動支援や居宅介護のサービス利用計画、旅行中の介助者手配に関する相談。
  • 全国社会福祉協議会: 各地の福祉タクシーやボランティア情報。
  • NPO法人 日本ユニバーサルツーリズム推進協議会: ユニバーサルツーリズムに関する専門的な情報提供。

専門家と連携し、安心して旅行できる計画を立てましょう。


まとめ

障害を持つ方の外出や旅行は、事前の情報収集と適切な支援サービスの活用により、誰でも心から楽しめる時代になりました。観光地を選ぶ際は、車いす対応のハード面だけでなく、音声ガイドや手話対応といった多様な障害に対応したソフト面のサポートも重視しましょう。

移動手段は、鉄道や航空機への事前の連携を徹底し、宿泊施設は具体的な設備状況を電話で確認することが成功の鍵となります。福祉サービスのガイドヘルプや、地域のユニバーサルガイドも活用し、次の楽しい旅の一歩を踏み出しましょう。

  • ポイント1: 観光地は、車いすの経路、多目的トイレだけでなく、音声・字幕の情報提供もチェックする。
  • ポイント2: 交通機関・宿泊施設には必ず事前に連絡し、具体的な支援内容を確認する。
  • ポイント3: 移動支援サービスや福祉タクシーを計画に組み込み、移動の不安を解消する。

原田 彩

原田 彩

はらだ あや35
担当📚 実務経験 10
🎯 地域情報🎯 バリアフリー

📜 保有資格:
社会福祉士、相談支援専門員

相談支援専門員として10年、地域の福祉資源の発掘と繋ぎに力を入れています。「この街で暮らす」を支えるために、施設情報だけでなく、バリアフリースポットや割引施設など、生活を豊かにする地域情報をお届けします。

大学で福祉を学び、卒業後は地域の相談支援事業所に就職。当初は「障害福祉サービス」だけが支援だと思っていましたが、地域の中には使える資源がたくさんあることに気づきました。例えば、障害者割引が使える映画館、バリアフリー対応のカフェ、当事者の方が集まれるコミュニティスペースなど。こういった情報を知っているかどうかで、生活の質が大きく変わります。特に印象的だったのは、引きこもりがちだった方が、近所のバリアフリー図書館を知り、そこで読書会に参加するようになったこと。「外に出るのが楽しくなった」と言ってくださいました。記事では、すぐサポの26万件の施設データベースを活用しながら、地域ごとの福祉サービスの特徴や、知って得する地域情報をお伝えします。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学で福祉を学び、地域の中に使える資源がたくさんあることに気づいたことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

引きこもりがちだった方が、バリアフリー図書館を知り、読書会に参加するようになったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

すぐサポの施設データベースを活用し、地域ごとの特徴や知って得する情報を発信します。

🎨 趣味・特技

街歩き、写真撮影

🔍 最近気になっているテーマ

インクルーシブな街づくり、ユニバーサルデザイン

📢 この記事をシェア

関連記事