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ひとり外出をサポートする便利アプリ10選【発達・精神・身体】

📖 約40✍️ 金子 匠
ひとり外出をサポートする便利アプリ10選【発達・精神・身体】
ひとり外出に不安を抱える発達・精神・身体障害の方々をサポートするスマートフォンアプリは多岐にわたります。移動サポートではミライロID(手帳デジタル提示)やバリアフリーマップ(経路案内)、乗換案内(時間管理)が有効です。コミュニケーション支援ではUDトーク(リアルタイム文字化)やトーキングエイド(非発話の意思伝達)が、会話のバリアを解消します。また、服薬管理アプリSOS/緊急通知アプリは、体調管理と緊急時の安全確保に役立ちます。アプリの活用は、自身の困難さを明確化し、家族・支援者との連携を構築することが重要です。

障害を持つ方々にとって、**「ひとりでの外出」は、自立した生活社会への参加を実現するための重要なステップです。しかし、発達障害による時間の管理や順序立ての困難、精神障害による不安やパニック身体障害による経路や介助の確保など、様々な理由から外出に不安を感じることは少なくありません。

近年、スマートフォンの普及に伴い、これらの外出の不安や困難を技術でサポートする「便利アプリ」が急速に増えています。これらのアプリは、移動のナビゲーション、体調管理、緊急時のサポート、コミュニケーション支援など、多岐にわたる機能を提供し、外出をより安全で快適なものに変える力を持っています。

しかし、「どのようなアプリがあるのか」「自分の障害特性に合ったアプリはどう選べばいいのか」といった疑問から、便利なアプリの存在を知りながらも、活用の一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。

このガイド記事では、「ひとり外出をサポートする便利アプリ10選【発達・精神・身体】」として、「移動・経路案内」「コミュニケーション・情報提供」「体調管理・緊急時サポート」という3つの主要なカテゴリーに分けて、各障害の特性に合わせた実践的なサポートアプリを、厳選した10個**を例に、その特徴と活用方法を徹底的にわかりやすく解説します。

この情報が、皆様のデジタルツールの活用を促し、ひとり外出への自信を高めるための一助となることを願っています。


パート1:移動・経路案内をサポートするアプリ(4選)

特に発達障害(ADHD、ASD)を持つ方の「計画・実行」の困難や、身体障害を持つ方の「経路のバリアフリー」の課題を解決します。

1.ミライロID:手帳提示をデジタル化

障害者手帳をスマートフォンで提示できるデジタル証明アプリです。

  • 対象:3種類の手帳(身体、療育、精神)を持つすべての方。
  • メリット:手帳を紛失する心配がなく、多くの交通機関やレジャー施設障害者割引を受ける際の提示がスムーズになります。
  • 外出時の活用:割引利用のための煩雑な手続きを減らし、精神的な負担を軽減します。

2.全国バリアフリーマップ(特定非営利活動法人PADM):経路の段差を事前に把握

車いすでの移動を前提としたバリアフリー情報に特化した地図アプリです。

  • 対象:身体障害者(特に車いす利用者)、高齢者。
  • 機能:駅や公共施設などのバリアフリー設備(エレベーター、スロープ、多機能トイレなど)の位置情報や、段差や勾配の有無がユーザー投稿によって提供されます。
  • 外出時の活用:自宅を出る前に、目的地までの段差のない最適な経路をシミュレーションできます。

3.Google Maps(乗換・徒歩ナビゲーション):視覚的に経路を理解

一般的な地図アプリですが、音声ガイドや視覚的な経路表示が、知的障害や発達障害の方の外出をサポートします。

  • 対象:すべての方(特に知的障害、軽度の発達障害の方)。
  • 機能:目的地までの経路「徒歩」「電車」「バス」といった具体的な手順で順序立てて表示します。音声案内を併用することで、視覚的な情報処理が苦手な方にも有効です。
  • 外出時の活用:迷子になる不安を軽減し、計画通りに移動する習慣をつけられます。

4.乗換案内アプリ(例:ジョルダン、Yahoo!乗換案内):列車移動の不安を軽減

公共交通機関での移動における「いつ」「どこで」「何に乗るか」を明確にします。

  • 対象:発達障害、知的障害の方(時間や順序の管理が苦手な方)。
  • 機能:出発時刻、到着時刻、乗り換え回数などをシンプルな画面で表示します。アラーム機能をセットすれば、乗り遅れの不安を減らせます。
  • 外出時の活用:電車の遅延情報などもリアルタイムで確認できるため、予期せぬ状況への対応に役立ちます。

パート2:コミュニケーション・情報提供をサポートするアプリ(3選)

聴覚障害の方の会話のサポートや、精神障害・発達障害の方の状況把握に役立ちます。

5.UDトーク:リアルタイムで会話を文字化

発話された内容リアルタイムで認識し、文字にして画面に表示するアプリです。

  • 対象:聴覚障害の方、発話が難しい方。
  • メリット:病院の受付、お店での注文、駅係員への質問など、外出先でのコミュニケーションのバリアを解消します。
  • 活用:相手にアプリを立ち上げてもらい、話してもらうことで、紙や筆談よりもスムーズに会話が進みます。

6.トーキングエイド for iPad/iPhone:非発話の方の意思表示を支援

文字入力や絵カードなどを用いて、自分の意思音声として出力できるコミュニケーション支援アプリです。(AAC

  • 対象:非発話の方、発語に困難がある方。
  • 機能:よく使うフレーズや単語を事前に登録しておくことで、外出先での緊急時や必要な場面で、スムーズに意思を伝えることができます。
  • 活用:お店のスタッフ駅の係員に対し、「車椅子で乗車したい」「多機能トイレはどこですか」といった情報を確実に伝えられます。

7.ココロのスキマ(例:マインドフルネスアプリ):外出時の不安を鎮める

マインドフルネスや深呼吸を促す音声ガイドや、落ち着くための音楽を提供するアプリです。

  • 対象:精神障害を持つ方、パニック障害、社交不安障害など、外出時に強い不安を感じる方。
  • 機能:突然の不安やパニックに襲われた際に、イヤホンを通じて冷静さを取り戻すための音声誘導リラックスできる環境を提供します。
  • 活用:人混みや予期せぬトラブルに遭遇した際、その場で一時的に避難し、アプリを使って精神的なクールダウンを図るのに役立ちます。

パート3:体調管理・緊急時サポートを担うアプリ(3選)

服薬管理体調の記録、そして緊急時の対応に特化したアプリです。特に精神障害慢性的な疾患を持つ方にとって重要です。

8.服薬管理アプリ(例:お薬手帳アプリ):飲み忘れを防止

薬の服用時刻アラームで知らせたり、飲み忘れを記録したりするアプリです。

  • 対象:精神障害(服薬が必須な方)、慢性疾患を持つ方。
  • 機能:外出先での服薬時刻を正確に知らせることで、服薬のスケジュールが崩れるのを防ぎます。また、お薬手帳の代わりに情報を携帯できます。
  • 外出時の活用:通院時に医師や薬剤師に服薬状況を正確に伝えることができ、適切な診断・処方につながります。

9.SOS/緊急通知アプリ(例:自治体の防災アプリ):家族や支援者へ位置情報を通知

事前に登録した連絡先に、ワンタップ緊急のメッセージと現在地を送信する機能を持つアプリです。

  • 対象:パニック障害など、緊急時に発話や冷静な判断が困難になる方。また、単独行動が多い方。
  • 機能:予期せぬ体調不良、パニック発作、事故などが発生した際、速やかに家族や支援者に助けを求めることができます。
  • 外出時の活用:遠方への外出初めての場所に行く際の心理的な安全網として機能し、不安を軽減します。

10.体調記録アプリ(例:日々の気分記録アプリ):体調変化の傾向を把握

気分、睡眠時間、食事、行動などを記録・グラフ化するアプリです。

  • 対象:精神障害、慢性疾患を持つ方。
  • 機能:外出前後の体調変化を記録し、「どんな外出がストレスになるのか」「体調が良い日の傾向」などを客観的に把握できます。
  • 外出時の活用:このデータに基づき、外出の可否外出時間適切に判断できるようになり、無理な外出を防ぎます。

パート4:アプリを最大限に活用するための3つのステップ

これらの便利なアプリを、ご自身の生活に定着させ、ひとり外出のサポートとして機能させるための実践的なステップを紹介します。

ステップ1:ご自身の「外出の困難さ」を明確にする

闇雲に多くのアプリをインストールするのではなく、最も困っている点に焦点を当てましょう。

  • 例:発達障害 時間の管理(乗換案内アプリ、服薬管理アプリ)

    例:精神障害 不安・パニック(マインドフルネスアプリ、SOS通知アプリ)

    例:身体障害 経路・介助(バリアフリーマップ、ミライロID)

  • 優先順位:まずは最も不安を軽減できるアプリ1〜2個に絞り、使い慣れることから始めましょう。

ステップ2:家族・支援者との「連携」を構築する

特に緊急時サポートアプリは、アプリを入れるだけでは不十分です。家族や支援者との事前の連携が不可欠です。

  • 連絡先登録:SOSアプリに正しい連絡先を登録し、機能のテストを行いましょう。
  • 役割分担:SOSを受け取った側の対応(誰が、どう動くか)を事前に決めておくことで、緊急時に迷いや遅れが生じるのを防げます。

ステップ3:外出前に「ルーティン」に組み込む

アプリの利用を特別な行為にするのではなく、外出前のルーティンとして習慣化しましょう。

  • 確認事項:乗換案内で経路を確認する」「服薬を済ませて記録する」「バリアフリーマップでルートをチェックする」といったチェックリストを作成し、出発前に必ず実行しましょう。
  • 継続的な見直し:使ってみて使いにくいと感じたアプリは無理に使い続ける必要はありませんより自分に合ったアプリを探し、柔軟に入れ替えていきましょう。

💡 支援費の対象となる可能性

コミュニケーション支援アプリや、視覚障害者向けのナビゲーションアプリの一部は、障害者総合支援法に基づく日常生活用具として給付対象となる可能性があります。市区町村の福祉窓口に確認してみましょう。


まとめ:デジタルツールで、自信を持って外へ

スマートフォンアプリは、障害を持つ方々ひとり外出をする上で、最も身近で強力なツールとなりつつあります。適切なアプリを選び、それを日常生活の習慣にすることで、これまで諦めていた外出社会参加の機会が大きく開かれます。

  • 移動支援:ミライロIDで手帳提示をスムーズに、バリアフリーマップで安全な経路を確保。
  • コミュニケーション:UDトークで会話のバリアをなくし、トーキングエイドで確実に意思を伝える。
  • 安心確保:服薬管理SOS通知で、緊急時のリスクに備える。

このガイドで紹介したアプリを参考に、ご自身の不安に寄り添うデジタルツールを見つけ、自信と安心感を持って、自由な外出を楽しんでください。

✅ 次のアクション

まずは「ミライロID」をスマートフォンにインストールし、障害者手帳の写真を登録してみましょう。これがデジタルを活用した外出サポートの第一歩です。

金子 匠

金子 匠

かねこ たくみ55
編集長📚 実務経験 30
🎯 生活サポート🎯 制度・法律

📜 保有資格:
社会福祉士、精神保健福祉士

障害者支援施設で30年間勤務し、施設長を経験。現在はすぐサポ編集長として、障害のある方とご家族が必要な情報にアクセスできる環境づくりに取り組んでいます。「制度は複雑だけど、使えば生活が楽になる」という信念のもと、分かりやすい情報発信を心がけています。

大学卒業後、障害者支援施設に就職し、30年間にわたり現場で支援に携わってきました。生活支援員として10年、サービス管理責任者として15年、そして施設長として5年の経験があります。特に印象に残っているのは、重度の知的障害があり、施設入所が当然と思われていた方が、適切な支援と環境調整により地域での一人暮らしを実現したケースです。「できない」と決めつけず、その人に合った支援を考えることの大切さを学びました。現在は現場を離れ、すぐサポの編集長として、これまでの経験を記事という形で多くの方に届けることをミッションとしています。制度や法律の解説記事では、「専門用語を使わず、中学生でも分かる言葉で」を心がけています。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学で社会福祉を学び、実習で出会った利用者の方々の笑顔に感動したことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

重度の知的障害のある方が、適切な支援により地域での一人暮らしを実現したこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

専門用語を使わず、中学生でも分かる言葉で伝えることを大切にしています。

🎨 趣味・特技

読書、散歩

🔍 最近気になっているテーマ

障害者総合支援法の改正動向、ICTを活用した新しい支援の形

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