家族が知っておきたい「安全な外出サポート」チェックリスト

家族で楽しむ安心の外出!障害のある方の移動を支える安全チェックリスト
障害のあるご家族と一緒に外出するとき、「途中で体調が悪くなったらどうしよう」「車椅子で通れるルートはあるかな」と、期待よりも不安が先に立ってしまうことはありませんか。外の空気を吸い、新しい景色を見ることは、本人にとってもご家族にとっても素晴らしいリフレッシュになりますが、安全の確保は何よりも優先したい課題です。
外出を成功させる秘訣は、事前の準備と、困ったときに頼れる公的な移動支援制度を正しく知っておくことにあります。一人で抱え込まず、プロの力や便利なツールを借りることで、外出のハードルは驚くほど低くなります。家族全員が笑顔で帰宅できる、そんな理想の外出を叶えるための知識を深めていきましょう。
この記事では、出発前の持ち物チェックから、公共交通機関での配慮、さらには外出をサポートしてくれる専門サービスの活用法までを詳しくまとめました。この記事を読み終える頃には、次の週末のお出かけがもっと楽しみになっているはずです。安全な外出のためのステップを、一緒に一つずつ確認していきましょう。
外出前のプランニングと持ち物チェック
無理のないスケジュールとルート選び
外出を楽しむための第一歩は、余裕を持った計画づくりです。障害のある方にとって、長時間の移動や人混みは、想像以上に体力や精神力を消耗させる原因となります。移動時間は目的地での滞在時間の半分以下に抑える、といったゆとりある設計が、最後まで楽しく過ごすためのコツです。
また、ルート選びでは、多目的トイレの場所やエレベーターの位置をあらかじめ確認しておくことが欠かせません。最近ではスマートフォンのマップアプリで「車椅子対応」のルートを検索できる機能も充実しています。初めて行く場所であれば、公式サイトや電話で「最寄りの出口から段差なしで行けるか」を事前に確認しておくと、当日慌てずに済みます。
休憩スポットをあらかじめ決めておくことも大切です。静かなカフェや、少し横になれるようなスペースがある施設を知っておくだけで、万が一パニックや疲労が起きた際の安心感が違います。「何かあったらここに行こう」という予備のプランを持っておくことが、心にゆとりをもたらしてくれます。
「もしも」を防ぐ必須の持ち物リスト
安全な外出のために、カバンに入れておきたい必須アイテムを整理しましょう。まず最も重要なのが、障害者手帳と、障害特性や緊急連絡先を記したヘルプカードです。万が一、ご家族とはぐれてしまった際や、意思疎通が難しい状況になったとき、周囲の人が適切にサポートするための手がかりになります。
次に、使い慣れたお薬や、頓服(とんぷく)薬、そして水分補給のための飲み物です。環境の変化で体調が変わりやすい方にとって、普段のルーチンを維持できるアイテムは心の安定剤にもなります。また、感覚過敏がある方の場合は、イヤーマフやサングラスなど、刺激を遮断できる道具も忘れずに準備しましょう。
持ち物の準備が整ったら、チェックリストを作っておくのがおすすめです。毎回確認することで、忘れ物の不安をなくすことができます。以下のリストを参考に、ご自身の家族に合わせたカスタマイズを行ってみてください。
- 障害者手帳(現物またはアプリ版)
- ヘルプカード(首から下げる、またはカバンに見えるように付ける)
- 常用薬と予備の薬(お薬手帳のコピーもあると安心)
- 水分と消化の良い軽食
- 予備の着替えや衛生用品
- モバイルバッテリー(スマートフォンの電池切れ対策)
体調確認と出発の判断基準
どれほど完璧な計画を立てても、当日の本人の体調が最優先です。出発前に「顔色は良いか」「睡眠は十分取れているか」「いつもと違う様子はないか」を丁寧に観察しましょう。少しでも不安があるときは、勇気を持って予定を変更することも、安全な外出を支える大切な決断です。
特にてんかん発作などの既往がある場合は、前日の睡眠不足が引き金になることもあります。本人が「行きたい」と言っていても、客観的な数値(体温や血圧など)や普段の行動パターンから、家族が冷静に判断してあげることが重要です。無理をして症状が悪化してしまっては、外出自体が苦い思い出になってしまいかねません。
「今日は近くの公園までにしておこうか」といった、代替案をいくつか用意しておくと、予定変更による本人の落胆を和らげることができます。外出の目的は「遠くへ行くこと」ではなく「一緒に楽しい時間を過ごすこと」であるという原点に立ち返り、穏やかな気持ちで出発しましょう。
💡 ポイント
外出を成功させるのは「完璧な準備」よりも「無理をしない勇気」です。その日のベストな選択を家族で話し合いましょう。
交通機関と施設のバリアフリー活用術
鉄道やバスの事前予約とサポート依頼
公共交通機関を利用する際、車椅子を利用している場合や、乗降に介助が必要な場合は、事前に駅やバス会社へ連絡しておくのがスムーズです。主要な駅であれば当日でも対応してもらえますが、スロープの準備や乗換の案内を事前に依頼しておくことで、待ち時間を短縮し、移動のストレスを大幅に軽減できます。
最近では、国土交通省のデータによると、全国の旅客施設(1日あたり3,000人以上が利用する駅など)の段差解消率は90%以上に達しています。しかし、エレベーターがホームの端にしかない場合や、点検中で使えない場合もあります。各社の公式アプリやウェブサイトでリアルタイムの運行情報を確認する習慣をつけましょう。
また、障害者割引の適用を受けるためには、窓口で手帳を提示する必要があります。最近では「ミライロID」などの手帳アプリを導入している鉄道会社やバス会社が増えており、スマートフォン一つで割引適用が可能になっています。カバンから手帳を取り出す手間が省けるため、積極的に導入を検討してみましょう。
福祉タクシーと民間救急の使い分け
駅から目的地までが遠い場合や、公共交通機関での移動が難しい場合には、福祉タクシーの利用が便利です。車椅子のまま乗り込めるリフト付き車両や、寝たまま移動できるストレッチャー対応車両もあります。一般のタクシーよりも予約制が多いため、外出が決まったら早めに手配しましょう。
福祉タクシーの運転手さんは、多くが介護初任者研修などの資格を持っており、車への乗り降りの介助も手慣れています。家族だけで抱え込まず、プロに任せることで、車内では本人との会話を楽しむ余裕が生まれます。利用料金には自治体が発行する「タクシー利用券」が使える場合も多いため、あらかじめ市役所の窓口で確認しておきましょう。
より高度な医療的ケア(酸素吸入や点滴管理など)が必要な方の移動には、民間救急(患者等搬送事業者)の利用も検討しましょう。看護師が同乗してくれるサービスもあり、遠方の病院への転院だけでなく、冠婚葬祭などの特別な外出を安全に実現するための強力な味方になります。
多目的トイレと休憩室の探し方
外出先で最も困るのが「トイレ」の問題です。多目的トイレ(多機能トイレ)は増えていますが、中にはオストメイト対応や大人用介助ベッド(ユニバーサルシート)がない場所もあります。特に成人の方のオムツ替えが必要な場合、大きな介助ベッドの有無は外出の成否を分ける死守ラインです。
「Check A Toilet(チェック・ア・トイレ)」などの検索サイトやアプリを活用すると、現在地周辺の多目的トイレの詳細設備を調べることができます。こうしたデジタルツールを駆使して、あらかじめルート上に「安心して使えるトイレ」を2、3箇所ピックアップしておきましょう。目的地に着いてから探すのではなく、途中のサービスエリアや駅ビルを戦略的に利用するのがコツです。
また、知的障害や発達障害のある方で、騒がしい場所が苦手な場合は「カームダウン・クールダウン(静養室)」が設置されている施設を探しましょう。最近のショッピングモールや空港、スタジアムなどでは導入が進んでいます。一時的に外部の刺激を遮断し、落ち着きを取り戻すための場所を知っておくことは、安全な外出における重要なセーフティーネットになります。
⚠️ 注意
多目的トイレは人気が高く、待ち時間が発生することもあります。本人が限界を訴える前に、余裕を持ってトイレ休憩を促すようにしましょう。
移動支援制度(ガイドヘルプ)の活用
移動支援事業(ガイドヘルプ)とは
家族だけでの外出に限界を感じたら、障害者総合支援法に基づく移動支援事業(ガイドヘルプ)の利用を検討しましょう。これは、屋外での移動が困難な方に対し、ガイドヘルパーが同行して外出の介助や代筆・代読などを行うサービスです。自治体が実施主体となっており、地域によって詳細は異なりますが、多くの地域で実施されています。
このサービスの素晴らしい点は、家族の代わりとしてだけでなく、本人の「社会参加」や「余暇活動」のために使える点です。例えば、家族は家でゆっくり休み、その間にヘルパーさんと一緒に映画を見に行ったり、公園を散歩したりといった使い方が可能です。これは、障害のある方の自立を促すと同時に、ご家族のレスパイト(休息)にもつながります。
利用料金は、所得に応じて月額の上限が決まっており、多くの場合、1割程度の自己負担で利用できます。自治体によっては、知的障害、身体障害、精神障害の特性に合わせた専門のヘルパーを派遣してくれる事業所を紹介してくれます。自分たちの生活圏内でどのような事業所があるか、相談支援専門員に聞いてみるのが第一歩です。
同行援護と行動援護の違い
移動支援の中には、より専門性の高い「同行援護」と「行動援護」というサービスがあります。これらは障害の種別や特性に応じて、より手厚いサポートを提供するためのものです。以下の表で、それぞれの違いを確認してみましょう。
| サービス名 | 対象となる方 | 主な支援内容 |
|---|---|---|
| 同行援護 | 視覚障害により移動が困難な方 | 代読、代筆、移動の援護、代わりの視覚情報の提供 |
| 行動援護 | 知的・精神障害で行動が著しく困難な方 | 危険の回避、行動障害の予防、排せつ・食事の介助 |
| 移動支援 | 各自治体の基準を満たす障害者 | 社会参加のための外出全般、余暇活動のサポート |
例えば「行動援護」は、パニック時の対応や、道路への飛び出し防止など、安全確保に特化したトレーニングを受けたヘルパーが担当します。ご家族だけでは防ぎきれない危険をプロの目で回避してくれるため、外出の安全性が飛躍的に高まります。どのサービスが自分たちの状況に合っているかは、障害支援区分の認定を受ける際に、市区町村の窓口で詳しく相談することができます。
ヘルパーさんとの信頼関係づくり
移動支援を成功させる鍵は、ヘルパーさんとの良好なコミュニケーションにあります。本人の性格、好きなもの、嫌いなもの、そしてパニックになりそうな「サイン」を事前によく伝えておきましょう。初回は家族も一緒に同行し、接し方のコツを共有する「顔合わせ」の時間を設けるのが成功のコツです。
実例として、ある自閉症のお子さんを持つご家庭では、本人が好きな「電車の名前」や「特定の看板」をヘルパーさんに伝えておいたことで、移動中の会話が弾み、パニックが劇的に減ったという話があります。家族が「当たり前」だと思っている情報こそ、ヘルパーさんにとっては貴重な手がかりになります。些細なことでもメモにまとめて渡しておくと、お互いに安心して外出に臨めます。
✅ 成功のコツ
ヘルパーさんは「第二の家族」のような存在です。信頼して任せることで、本人の世界も、家族の自由な時間も、同時に広げていくことができます。
屋外でのトラブル回避と安全対策
パニックや自傷・他害への備え
知的障害や発達障害のある方との外出で、最も不安なのが「公共の場でのパニック」ではないでしょうか。急な大きな音や人混みの刺激で、パニックが起きてしまうことは珍しくありません。こうした状況を回避するためには、本人が落ち着ける「クールダウン・ツール」を常に携帯しておきましょう。
お気に入りの音楽、手触りの良いぬいぐるみ、あるいは好きな動画が見られるタブレットなど、注意を逸らしたり心を落ち着かせたりできるものを持っておくと安心です。もしパニックが起きてしまったら、まずは周囲の安全を確保し、静かな場所へ移動することを優先します。家族が焦ると本人にも伝わってしまうため、あえてゆっくりとした動作で、落ち着いた声をかけることが大切です。
また、周囲の人にパニックの特性を理解してもらうために、ヘルプマークや「自閉症です。少し休んでいます」といったメッセージカードを用意しておくのも有効です。多くの人は、状況が分かれば温かく見守ってくれます。あらかじめ説明する手段を持っておくことで、ご家族の精神的なプレッシャーも軽減されます。
迷子やはぐれた時の対策
好奇心が旺盛な方や、距離感の把握が難しい方の場合、一瞬の隙に迷子になってしまうリスクがあります。特にお祭りの会場や広い駅などでは、一度はぐれると見つけるのが大変です。対策として、洋服のタグや靴の中に連絡先を書いたシールを貼っておく、あるいはGPS発信機をカバンやベルトに忍ばせておくのが効果的です。
最近では、スマートフォンの「探す」機能と連動した小型の紛失防止タグ(AirTagなど)を、キーホルダーのように付けている方も増えています。これにより、万が一はぐれても現在地をリアルタイムで把握することが可能です。また、出発前の服装をスマートフォンで写真に撮っておくことも忘れないでください。万が一、警察に届け出る際、当時の服装を正確に伝えるための重要な資料になります。
本人に対しては、「迷ったらここ(お店のレジや駅員さん)に行って、このカードを見せてね」というシミュレーションを普段から伝えておきましょう。すべてを家族がガードしようとするだけでなく、本人にも「困ったときの行動」を少しずつ学んでもらうことが、長期的な安全につながります。
急な体調変化と救急対応
外出先での急な発熱、けいれん、怪我などに対して、すぐに動ける準備をしておきましょう。お薬手帳は現物だけでなく、スマートフォンのカメラで撮影して保存しておくと、外出先でもすぐに医師に提示できます。また、アレルギーの有無や、現在治療中の病名なども、メモアプリにまとめておくと緊急時に役立ちます。
また、地域の救急医療情報(夜間休日診療所など)を素早く検索できるように、自治体の公式LINEや防災アプリを登録しておきましょう。特に遠出をする場合は、目的地の近くにある大きな病院(二次・三次救急)の場所を把握しておくだけで、いざという時の判断スピードが格段に上がります。
もし救急車を呼ぶような事態になった場合は、ためらわずに119番通報をしてください。その際、障害の有無や普段の様子との違いを冷静に伝えることが、適切な搬送先の選定に寄与します。冷静でいるための「マニュアル」をご自身の中で作っておくことが、家族としての最大の安全対策です。
「最初は近所の公園に行くのも怖かったけれど、ヘルパーさんと一緒に少しずつ距離を延ばしていきました。今では、電車に乗って動物園に行くのが、息子との最高の楽しみです。」
— 40代・知的障害のあるお子さんの母親
外出を楽しく続けるためのアクション
スモールステップで経験を積む
いきなり遠出をするのではなく、まずは「近所のコンビニまで」「10分だけバスに乗ってみる」といった、短い時間と距離から始めるのが成功への王道です。これをスモールステップと呼びます。小さな成功体験を積み重ねることで、本人も外出に自信を持ち、家族も「これくらいなら大丈夫」という感覚を養うことができます。
各回の外出が終わったら、「何がうまくいって、何が大変だったか」を家族で軽く振り返ってみましょう。「あのトイレは使いやすかった」「この時間のバスは混んでいた」といった気づきをメモしておくだけで、次回の計画はさらにブラッシュアップされます。外出の質を少しずつ高めていくプロセス自体も、家族の大切なコミュニケーションになります。
また、外出後の休息もセットで考えましょう。帰宅後は本人もご家族も疲れています。当日の夕食は簡単に済ませる、翌日は予定を入れずにゆっくり過ごすなど、外出の余韻を楽しみつつ、しっかりと体力を回復させる時間を設けることが、外出を「嫌な思い出」にしない秘訣です。
地域のバリアフリー情報を収集する
お住まいの地域の自治体やNPO法人が発行している「バリアフリーマップ」を手に入れましょう。紙の地図だけでなく、最近ではボランティア団体が運営するウェブサイトで、より詳細な「当事者の生の声」に基づいた情報が発信されていることもあります。「車椅子でも入りやすいお店」や「静かな公園」などの情報は、公式なガイドブックよりも役立つことが多いです。
また、SNSのコミュニティ(障害児・者の親の会など)に参加するのもおすすめです。「今度○○に行きたいのですが、駐車場から入口まで遠いですか?」といった具体的な質問に、実際に体験した人からアドバイスをもらえることがあります。情報のネットワークを持つことは、物理的なバリアを乗り越えるための大きな武器になります。
さらに、自分が使って良かった場所や、逆に困った場所の情報を発信してみるのも良いでしょう。Googleマップにバリアフリー情報を書き込むなどの小さな行動が、他の誰かの安全な外出を助けることにつながります。みんなで情報を作り上げ、共有していくことが、障害があっても歩きやすい街づくりを加速させます。
支援制度の再点検と相談
家族の状況や、本人の成長・老化に伴って、必要なサポートは変化していきます。半年に一度、あるいは一年に一度は、今使っている移動支援などの制度が今の生活に合っているか、ケアプランの見直しを行いましょう。相談支援専門員に「最近、外出の付き添いがしんどくなってきた」と正直に伝えることで、新しいサービスの組み合わせを提案してもらえるはずです。
また、自治体によっては、障害者向けの外出支援として、ガソリン代の補助や、福祉車両の購入・改造助成などを行っている場合もあります。こうした「知らなければ使えない制度」が隠れていることも多いため、定期的に市役所の障害福祉課の掲示板や広報誌をチェックする習慣をつけましょう。
安全な外出を支えるのは、家族の献身だけではありません。法律や制度、テクノロジー、そして地域の人の理解。これらすべてを自分たちの「チーム」として取り込んでいくことが、持続可能で楽しい外出を続けるための最良の戦略です。あなたの家族の素晴らしい思い出作りを、社会は全力でサポートしています。
✅ 成功のコツ
「家族だけで頑張らなきゃ」という思い込みを手放しましょう。プロの助けを借りることは、本人に新しい社会との窓をプレゼントすることでもあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 障害者割引を利用するには、必ず手帳を見せなければならないのでしょうか?
基本的には、本物(現物)の障害者手帳の提示が必要です。コピーでは認められないケースがほとんどです。しかし、近年ではスマートフォンのアプリ「ミライロID」が広く普及しており、これに手帳を登録しておくことで、現物を見せなくても割引が受けられる交通機関やレジャー施設が急増しています。JR各社や主要な私鉄、バス会社でも導入が進んでいるため、ミライロIDを活用することで、カバンからの出し入れの手間を省くことができます。ただし、一部の施設では依然として現物提示が求められることもあるため、手帳自体も携帯しておくのが最も安全です。
Q. ヘルパーさんに買い物代行ではなく、一緒に買い物に行ってもらうことは可能ですか?
はい、移動支援(ガイドヘルプ)の制度を利用すれば、一緒に買い物に行くことが可能です。移動支援は、社会参加や余暇活動のための外出をサポートするものですので、スーパーでの買い物や、趣味のためのショッピング、散歩、役所の手続きなど、幅広い目的で利用できます。単なる「移動の介助」だけでなく、買い物の際にお金を選んだり、品物を手に取ったりするお手伝いも支援内容に含まれます。ただし、自治体によっては「ギャンブルのための外出」や「政治活動」などは対象外としていることもあるため、事前に事業所や市区町村に確認しておきましょう。
Q. 車椅子で入れるレストランを効率的に探す方法はありますか?
おすすめは、グルメサイト(食べログなど)の絞り込み機能で「車椅子入店可」にチェックを入れる方法ですが、これだけでは入り口に段差がないか、トイレの広さは十分かまでは分からないことが多いです。より確実なのは、Googleマップで店名を確認し、投稿されている「写真」を見ることです。入り口のスロープの有無や店内の通路の広さを視覚的に確認できます。また、車椅子ユーザー向けの情報共有アプリ(例:WheeLog!など)を利用すると、実際に車椅子で行った人が投稿したバリアフリー情報を見ることができ、非常に実用的です。最終的には、予約時に「車椅子のままテーブルにつけますか?」と一本電話を入れるのが最も確実で安心です。
まとめ
家族が知っておきたい「安全な外出サポート」について、準備から制度の活用、現場でのトラブル対策までを幅広くご紹介してきました。最後に、重要なチェックポイントを3つにまとめます。
- 事前のルート確認とゆとり:エレベーターや多目的トイレの位置を把握し、休息をたっぷり含めた計画を立てる。
- 専門サービスとツールの活用:移動支援(ガイドヘルプ)やヘルプマーク、便利な検索アプリを活用して家族の負担を減らす。
- スモールステップでの経験:身近な場所から少しずつ成功体験を積み、本人と家族の両方の自信を育てていく。
外出は、障害のある方にとって社会とつながる大切な窓です。そして、支えるご家族にとっても、新しい世界を共有するかけがえのない時間になります。たとえ途中でトラブルが起きても、それは「失敗」ではなく、次の外出をより良くするための「貴重なデータ」です。あまり完璧を求めすぎず、その時々のハプニングも笑いに変えられるような、ゆったりとした気持ちでお出かけを楽しんでください。
次のアクションとして、まずは今度の週末、車で5分のところにある「大きな公園」へ行ってみる計画を立ててみませんか?そして、そこにある多目的トイレがどのような設備だったか、スマートフォンの写真に撮ってメモに残してみてください。その小さな一歩が、あなたの家族の自由な世界をどこまでも広げていくことでしょう。あなたの素晴らしい冒険を、心から応援しています。

原田 彩
(はらだ あや)35歳📜 保有資格:
社会福祉士、相談支援専門員
相談支援専門員として10年、地域の福祉資源の発掘と繋ぎに力を入れています。「この街で暮らす」を支えるために、施設情報だけでなく、バリアフリースポットや割引施設など、生活を豊かにする地域情報をお届けします。
大学で福祉を学び、卒業後は地域の相談支援事業所に就職。当初は「障害福祉サービス」だけが支援だと思っていましたが、地域の中には使える資源がたくさんあることに気づきました。例えば、障害者割引が使える映画館、バリアフリー対応のカフェ、当事者の方が集まれるコミュニティスペースなど。こういった情報を知っているかどうかで、生活の質が大きく変わります。特に印象的だったのは、引きこもりがちだった方が、近所のバリアフリー図書館を知り、そこで読書会に参加するようになったこと。「外に出るのが楽しくなった」と言ってくださいました。記事では、すぐサポの26万件の施設データベースを活用しながら、地域ごとの福祉サービスの特徴や、知って得する地域情報をお伝えします。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学で福祉を学び、地域の中に使える資源がたくさんあることに気づいたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
引きこもりがちだった方が、バリアフリー図書館を知り、読書会に参加するようになったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
すぐサポの施設データベースを活用し、地域ごとの特徴や知って得する情報を発信します。
🎨 趣味・特技
街歩き、写真撮影
🔍 最近気になっているテーマ
インクルーシブな街づくり、ユニバーサルデザイン





