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障害年金の申請方法まとめ:必要書類・手順・ポイント

📖 約75✍️ 高橋 健一
障害年金の申請方法まとめ:必要書類・手順・ポイント
障害年金の申請を検討している当事者や家族、支援者に向けた包括的なガイド記事です。受給に必要な3つの要件(初診日・保険料納付・障害の状態)の解説から始まり、申請の成否を分ける「初診日の特定」と「受診状況等証明書」の重要性を詳述。さらに、医師に実態を伝える診断書作成のコツや、本人が記入する「病歴・就労状況等申立書」の具体的な書き方、提出時のチェックポイントまでを網羅しています。専門用語を避けつつ、実例やFAQを交え、複雑な申請プロセスを可視化して受給への第一歩を後押しする内容となっています。

障害年金の申請を成功させるために:受給への道のりと実践ガイド

「病気やケガで働けなくなってしまったけれど、これからの生活費が不安」「障害年金の存在は知っているけれど、手続きが難しそうで自分にできるか分からない」そんな悩みを抱えていませんか。障害年金は、公的な年金制度の一部であり、障害を抱えながら生活する方々にとって、自立を支える非常に重要な経済的基盤となります。しかし、その申請プロセスは非常に専門的で、準備すべき書類も多岐にわたるため、途中で諦めてしまう方も少なくありません。

障害年金の申請は、決して「運」や「偶然」で決まるものではありません。制度の仕組みを正しく理解し、ポイントを押さえた書類を準備することで、受給の可能性を確実に高めることができます。この記事では、初めて申請を検討されている方から、一度は諦めかけた方までを対象に、申請の基本的な流れ、必要書類の書き方のコツ、そして審査を通過するための重要なポイントをどこよりも分かりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、障害年金という複雑な山の登り方が見え、一歩前に踏み出す勇気が湧いてくるはずです。あなたの経済的な安心と、これからの自分らしい生活を取り戻すための第一歩を、一緒に学んでいきましょう。専門用語は一つずつ丁寧に説明しますので、リラックスして読み進めてくださいね。


障害年金の基礎知識と受給の3条件

障害基礎年金と障害厚生年金の違い

まず、障害年金には大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があることを知っておきましょう。どちらが対象になるかは、障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診察を受けた日、すなわち「初診日」にどの年金制度に加入していたかによって決まります。これは非常に重要なポイントです。

障害基礎年金は、初診日に自営業者、主婦(夫)、学生、あるいは20歳未満だった方などが対象となります。一方、障害厚生年金は、初診日に会社員や公務員として厚生年金に加入していた方が対象です。障害厚生年金の方が、障害基礎年金よりも受給できる範囲が広く、3級という比較的軽度の障害でも支給される可能性があるほか、配偶者に対する加算などがつく場合もあります。

また、これら2つは「2階建て」の構造になっており、厚生年金加入中に初診日がある方は、1級または2級に該当すれば「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の両方を受け取ることができます。自分がどちらに当てはまるか不安な場合は、年金事務所で「年金加入記録」を確認することから始めましょう。

必ずクリアすべき3つの受給要件

障害年金を申請するためには、法律で定められた3つの条件をすべて満たしている必要があります。これを「受給要件」と呼びます。一つでも欠けていると、どれだけ障害の状態が重くても受給することができないため、事前にしっかりチェックすることが大切です。

  • 初診日要件:国民年金または厚生年金の加入期間中に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること。
  • 保険料納付要件:初診日の前日において、一定以上の年金保険料を納めていること(免除期間も含まれます)。
  • 障害認定日要件:障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月後)において、定められた障害の状態にあること。

特に「保険料納付要件」については、初診日を特定した後に年金事務所で詳しく調べてもらえます。過去に未納期間があったとしても、直近の1年間に滞納がなければ特例で認められるケースもあるため、自分一人で判断せずに専門の窓口で相談することをお勧めします。また、20歳前に初診日がある方の場合は、保険料の納付要件は問われません。

対象となる疾患の幅広さ

障害年金は、身体の障害だけでなく、精神の疾患や内部疾患など、非常に幅広い病気やケガが対象となります。手足の不自由といった外見から分かるものだけでなく、「目に見えない生きづらさ」に対しても支給される制度であることを覚えておいてください。対象となる代表的な疾患は以下の通りです。

障害のカテゴリー 具体的な疾患例
外部障害 眼、聴覚、肢体不自由(手足、体幹)など
精神障害 うつ病、統合失調症、発達障害、知的障害、てんかんなど
内部障害 人工透析、心疾患、呼吸器疾患、肝疾患、糖尿病、がん、難病など

「自分のような病気で申請できるのかな?」と感じることもあるかもしれませんが、大切なのは「病名」そのものではなく、その病気によってどれだけ日常生活や仕事に支障が出ているかという点です。たとえ難病であっても、仕事に大きな制限があるなら受給の可能性は十分にあります。

💡 ポイント

20歳になる前に初診日がある場合は、保険料を納めていなくても障害年金の対象になります。これは、生まれつきの障害や子どもの頃の病気がある方を支えるための特別な仕組みです。


申請への第一歩:初診日の特定と確認

なぜ初診日が最重要なのか

障害年金の申請手続きにおいて、最も重要で、かつ最初のハードルとなるのが「初診日の特定」です。初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師や歯科医師の診療を受けた日のことを指します。この日が特定できないと、どの年金を申請すべきか、保険料を払っていたか、といった審査が一切進みません。

また、障害年金の等級判定の基準日となる「障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)」も、この初診日を起点に計算されます。つまり、初診日が1日ずれるだけで、受給できる金額が変わったり、最悪の場合は申請自体ができなくなったりすることもあるのです。初診日は、まさに障害年金申請の「心臓部」と言えるでしょう。

注意が必要なのは、「今の病名がついた日」が初診日とは限らないという点です。例えば、最初は不眠や体調不良で内科を受診し、後に精神科でうつ病と診断された場合、内科を初めて受診した日が初診日となるケースが多いです。関連があると思われる症状で、一番最初に受診した日はいつかを慎重に振り返ってみましょう。

受診状況等証明書の取得方法

初診日が特定できたら、その初診日のある病院で「受診状況等証明書」を作成してもらう必要があります。これは「確かにこの日に初めて受診しました」ということを、医療機関に証明してもらう書類です。もし、現在通っている病院が初診時の病院と同じであれば、この書類は不要で、後のステップで説明する「診断書」の中に初診日の証明を兼ねることができます。

しかし、転院を繰り返している場合は注意が必要です。初診の病院が廃院になっていたり、カルテの保存期間(原則5年)を過ぎて破棄されていたりすることがあるからです。病院にカルテが残っていない場合は、診察券や当時の領収書、お薬手帳、身体障害者手帳の申請書類、あるいは当時の健康診断の結果といった「客観的な証拠」を集めて、初診日を証明していくことになります。

実例として、10年以上前の初診日を証明するために、当時の日記や家計簿、友人とのメールのやり取りなどを証拠として提出し、無事に認められたケースもあります。諦める前に、当時の記憶の糸を辿り、使える資料がないか探してみることが大切です。

保険料納付要件のチェック

初診日がはっきりしたら、年金事務所の窓口で「保険料納付要件」を満たしているか確認してもらいましょう。年金事務所に行くと、担当者が加入記録を画面で確認してくれます。その際、必ず「初診日の前日時点で、納付要件を満たしていますか?」と確認してください。

納付要件を満たしていないと、その初診日での申請は残念ながら却下されてしまいます。もし、初診日と思っていた日よりも前に別の受診歴があり、そちらの日を初診日とすると納付要件を満たせる、といった特殊なケースもあります。そのため、年金事務所での確認は、自分一人ではなく、制度に詳しい家族や支援員、あるいは社会保険労務士と一緒に受けるのが理想的です。

また、この確認の際に年金事務所から申請用の専用書類(診断書の様式など)一式をもらうことができます。自分の初診日に合わせた適切な様式をもらう必要があるため、このステップは飛ばせません。

⚠️ 注意

年金保険料を免除・猶予されていた期間は、納付要件においては「納めた期間」としてカウントされますが、未納のまま放置していた期間は含まれません。未納がある方は、早めに免除申請などの手続きをしておくことが、将来の備えになります。


医師に作成してもらう「診断書」のコツ

日常生活の様子を正しく伝える

障害年金の審査において、最も大きな影響力を持つのが医師の作成する「診断書」です。年金審査の担当者は、本人に直接会うことはありません。すべて提出された書類だけで判断されます。そのため、診断書の内容が現在のあなたの状態を正確に、かつ詳細に反映していることが受給への絶対条件となります。

ここで多くの人が陥る罠があります。診察の際、医師に対して「最近はどうですか?」と聞かれ、つい「まあまあです」「何とかやってます」と答えてしまうことです。医師は診察室での数分間の様子しか見ていません。その言葉通りに「日常生活に支障なし」と書かれてしまうと、実際には自宅で寝込んでいたり、誰かの介助なしでは生活できなかったりしても、不支給となってしまいます。

大切なのは、診察室での様子ではなく、「家庭内での本当の姿」を伝えることです。例えば、「着替えに30分かかる」「食事は家族が用意したものしか食べられない」「週に2日は全く外出できない」といった具体的な困りごとを、あらかじめメモにまとめて医師に渡すようにしましょう。これにより、医師も実態に即した診断書を書きやすくなります。

診断書の種類とチェックポイント

障害年金の診断書は、障害の種類によって8つの様式に分かれています。視覚用、聴覚用、肢体不自由用、精神用など、自分の病気に合ったものを使用します。医師から書き上がった診断書を受け取ったら、必ず内容をチェックしてください。特に以下の項目は重要です。

  • 自覚症状・他覚症状:現在困っている症状がすべて記載されているか。
  • 日常生活動作の評価:食事、入浴、外出などが「一人でできるか」「手助けが必要か」のチェックが甘すぎないか。
  • 就労状況:働いている場合でも、職場での配慮や仕事内容の制限について触れられているか。
  • 予後:今後、症状が改善する見込みがあるか、悪化する恐れがあるか。

もし、実際よりも軽く書かれていると感じた場合は、感情的にならずに「先生、実は自宅ではこれこれこういうことに困っているんです。この部分をもう少し詳しく書いていただけませんか」と相談してみましょう。診断書は医師の責任で作成するものですが、情報を補足するのは患者の権利です。

就労しながら申請する場合の注意点

「働いていると障害年金はもらえない」と思い込んでいる方が多いですが、それは誤解です。特に身体障害や内部障害、あるいは発達障害の方などで、働きながら受給している方はたくさんいます。ただし、精神障害などの場合は、仕事ができていることが「日常生活能力が高い」と判断され、審査に影響することがあります。

職場から受けている具体的な配慮の内容を、診断書に記載してもらうことが重要です。例えば、「短時間勤務にしてもらっている」「指示をメモで出してもらっている」「休憩を多めに取らせてもらっている」といった事実は、障害があるからこそ必要な措置であり、それらがないと働けないという証明になります。

実例として、フルタイムで働いている肢体不自由のCさんは、職場が完全バリアフリーで車椅子専用の設備があること、通勤は家族の送迎が必要であることを診断書に詳しく書いてもらうことで、2級の認定を受けることができました。就労の有無だけで諦める必要はありません。

✅ 成功のコツ

診断書を依頼する前に、自分の1週間の生活を記録した「日常生活の状況メモ」を作成しましょう。医師に渡すだけでなく、自分自身の状況を客観的に把握するのにも役立ちます。


本人が作成する「病歴・就労状況等申立書」

自分の言葉で「生きづらさ」を記録する

医師が作成する診断書と並んで、審査の重要な資料となるのが、本人が作成する「病歴・就労状況等申立書」です。これは、発症から現在までの経過、日常生活の困難さ、仕事の状況などを自分の言葉で説明する書類です。診断書では伝えきれない細かなニュアンスや、生活上の具体的なエピソードを補完する役割を持っています。

この書類を書く際の最大のポイントは、「診断書の内容と矛盾しないこと」です。例えば、医師の診断書では「外出困難」となっているのに、申立書で「毎日散歩に行っている」と書いてしまうと、審査官はどちらが正しいか疑念を抱いてしまいます。医師に渡したメモの内容と整合性を取りつつ、さらに具体性を増して記述しましょう。

また、単に「大変です」と書くのではなく、「以前は一人で買い物に行けたが、半年前からはパニックが怖くてスーパーに入ることができなくなった」というように、時系列に沿って変化を記述すると、障害の程度が伝わりやすくなります。読み手である審査官が、あなたの生活シーンを思い浮かべられるように工夫して書くのがコツです。

期間ごとの区切り方と記述のルール

申立書は、発症から現在までの期間を3年から5年程度のスパンで区切って記入します。受診していない期間(空白期間)がある場合も飛ばさずに、「この時期は体調が悪く、自宅で療養していた」といった状況を詳しく書く必要があります。以下のポイントに注意して書き進めましょう。

  • 通院期間:病院名、受けた治療内容、医師からの指示などを正確に。
  • 日常生活の状態:家事、買い物、通院、対人関係などで、誰のどのような助けが必要だったか。
  • 就労の状況:仕事の内容、雇用形態、遅刻・早退・欠勤の頻度、職場でのトラブルや配慮の内容。
  • その他:自助グループへの参加や福祉サービスの利用状況など。

文章は簡潔で構いませんが、専門用語を多用するよりは、等身大の言葉で書く方が共感を得やすいです。もし、自分一人で書くのが辛い、あるいはペンを握るのが難しい場合は、家族や支援員に代筆してもらうことも可能です。その場合は、末尾の署名欄に代理人の名前を添えれば問題ありません。

具体的なエピソードを盛り込む効果

抽象的な表現よりも、具体的なエピソードの方が説得力を持ちます。例えば、精神障害の方であれば、「意欲がない」と書くよりも、「お風呂に1週間入ることができず、家族に促されてようやく入る状態だった」と書く方が、その深刻さが伝わります。

また、内部障害の方であれば、「すぐに疲れる」よりも「駅の階段を一段登るごとに立ち止まって息を整える必要があり、普通なら5分の道のりに20分以上かかる」といった具体的な数値や状況を交えましょう。こうしたリアルな描写が、診断書にある「等級判定のチェック項目」に信憑性を与えるのです。

「申立書を書くのは自分の辛い過去を振り返る作業で、精神的にとてもきつかったです。でも、支援員さんに話を聞いてもらいながら整理したことで、今の自分に必要な助けを再確認することができました。」

— 申請を終えた方の体験談

💡 ポイント

「病歴・就労状況等申立書」は、手書きでなくてもPCで作成して印刷したものを使用することができます。修正が楽なので、まずは下書きをデジタルで作るのがお勧めです。


申請書類の提出と審査結果の待ち方

必要書類の最終チェックリスト

すべての書類が揃ったら、提出前の最終確認をしましょう。障害年金の申請には、ここまで説明した書類以外にも、戸籍謄本や年金振込用の口座通帳のコピーなど、細かな添付書類が必要になります。以下のリストを参考に、漏れがないか確認してください。

  1. 年金請求書:本人の氏名、住所、振込口座などを記入するもの。
  2. 診断書:指定された様式で、医師に作成してもらったもの。
  3. 受診状況等証明書:初診日の病院が現在と異なる場合に必要。
  4. 病歴・就労状況等申立書:本人が記入した経過報告書。
  5. 戸籍謄本・世帯全員の住民票:家族構成の確認用(加算に関わります)。
  6. 通帳のコピー:年金の振込先を間違いなく登録するため。

書類はすべてコピーを取っておくことを強くお勧めします。万が一、審査結果に納得がいかず「不服申し立て」をする際や、数年後の「更新」の際に、前回どのような内容で申請したかを確認するために不可欠だからです。また、郵送で提出する場合は、簡易書留など記録が残る方法を選びましょう。

提出先はどこか?

書類の提出先は、申請する年金の種類によって異なります。間違えてしまうと受理されないため、事前に確認が必要です。

  • 障害基礎年金(20歳前初診など):お住まいの市区町村の役所の年金窓口、または年金事務所。
  • 障害厚生年金:お近くの年金事務所。

基本的には、年金事務所の窓口で一度チェックを受けてから提出するのが最も確実です。予約制のところが多いので、事前に電話で「障害年金の裁定請求書の提出に行きたい」と伝えて予約を取りましょう。窓口の職員が、日付の記入漏れや印鑑の押し忘れなど、形式的な不備をその場で確認してくれます。

審査期間(3〜4ヶ月)の過ごし方

書類を提出してから、結果が自宅に届くまでは、通常3ヶ月から4ヶ月かかります。精神疾患などの複雑なケースでは、さらに時間がかかることもあります。この期間は、とにかく「待つこと」が唯一の仕事です。年金事務所に電話しても、審査の途中経過を教えてもらうことはできません。

結果は、ハガキや封書で届きます。受給が認められた場合は「年金証書」が、認められなかった場合は「不支給決定通知書」が届きます。待っている間は不安になりますが、あまり思い詰めず、これまで頑張って準備した自分を労ってあげてください。

もし、提出後に病状が劇的に悪化したり、新しい検査結果が出たりした場合は、追加資料として提出できることもあります。その場合は、速やかに年金事務所や担当の社労士に相談しましょう。申請は一度出したら終わりではなく、決定が出るまでは情報を更新する余地があります。

⚠️ 注意

書類の有効期限に注意してください。住民票や戸籍謄本などは、提出日から遡って1ヶ月以内に発行されたものである必要があります。揃えたらすぐに出すのが鉄則です。


よくある質問(FAQ)

Q. 障害手帳を持っていませんが、申請できますか?

はい、申請できます。「障害者手帳」と「障害年金」は全く別の制度です。管轄も異なり、手帳は自治体、年金は国が運営しています。そのため、手帳を持っていなくても障害年金を受給することは可能ですし、逆に手帳の等級と年金の等級が異なることもよくあります。ただし、手帳を持っていると申請時の診断書の記載を簡略化できたり、本人の状態を説明する資料として使えたりすることもあるため、併せて取得を検討する価値はあります。

Q. 自分で手続きするのと、社労士に頼むのでは何が違いますか?

社会保険労務士(社労士)に依頼する最大のメリットは、「初診日の特定が難しいケース」や「書類の不備を未然に防げる」点にあります。特に初診日の証明が困難な場合、社労士はさまざまな代替手段を提案してくれます。また、医師への診断書作成依頼のアドバイスや、申立書の添削なども行ってくれます。一方で、デメリットは報酬(通常、受給額の数ヶ月分など)が発生することです。自分で手続きをして一度不支給になってからだと、その後の挽回が非常に難しくなることもあるため、不安な方は最初からプロに相談するのも一つの賢い選択です。

Q. 年金をもらうと、周囲の人や会社にバレますか?

いいえ、年金事務所から会社や家族に連絡が行くことはありません。障害年金の受給は個人のプライバシーに属することであり、厳重に守られています。あなたが自分から話さない限り、会社にバレることはありません。ただし、住民税の金額の変化などから経理担当者が気づく可能性はゼロではありませんが、それが理由で不利益な扱いを受けることは法律で禁じられています。また、障害年金は「非課税」ですので、所得税が増える心配もありません。安心して受給してください。

Q. 更新の手続きはありますか?

障害年金には「永久認定」と「有期認定」があります。手足の切断など、状態が変わらないものは永久認定となり更新は不要ですが、精神疾患や内部疾患の多くは、通常1年から5年ごとの「有期認定」となります。更新の時期が近づくと、日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)」が届きますので、再度医師に記入してもらい提出します。状態が改善していれば等級が下がったり支給停止になったりすることもありますが、悪化していれば等級が上がることもあります。日頃から通院を継続し、医師と良好な関係を築いておくことが、スムーズな更新のポイントです。


まとめ

障害年金は、あなたが明日への希望を持って生きていくための「権利」です。手続きは決して楽ではありませんが、一歩ずつ進めば必ず道は開けます。今回の重要ポイントをおさらいしましょう。

  • 3つの要件:初診日、保険料納付、障害の状態、この3つをまず確認する。
  • 初診日が命:全ての起点は初診日にあり。証明資料を粘り強く探す。
  • 診断書は実態を:診察室での様子だけでなく、自宅での困りごとを医師に正確に伝える。
  • 申立書は整合性を:診断書と内容を合わせ、具体的なエピソードで補完する。
  • 一人で抱えない:年金事務所、家族、支援員、社労士など、頼れる場所を積極的に活用する。

障害年金を受給することは、決して「自立の終わり」ではありません。むしろ、経済的な不安が解消されることで、治療に専念できたり、自分に合った働き方を探す余裕ができたりと、「新しい自立の始まり」になるものです。手続きの大変さに負けず、あなたの正当な権利を手に入れてください。

次のアクションとして、まずは年金手帳を手元に用意して、お近くの年金事務所に「相談の予約電話」をかけてみることから始めてみませんか。いきなり書類を揃えようとせず、まずはプロに現在の状況を聞いてもらうことが、確実なスタートになります。あなたの未来が、少しでも軽やかで安心できるものになるよう、心から応援しています。

高橋 健一

高橋 健一

たかはし けんいち50
担当📚 実務経験 25
🎯 制度・法律🎯 医療・福祉制度

📜 保有資格:
社会福祉士

市役所の障害福祉課で20年間勤務し、制度の運用や窓口対応を担当してきました。「制度は難しい」と言われますが、知れば使える便利なツールです。行政の内側から見た制度のポイントを、分かりやすくお伝えします。

大学卒業後、地方自治体に入庁し、障害福祉課に配属されて20年。障害者手帳の交付、障害福祉サービスの支給決定、各種手当の申請受付など、幅広い業務を経験しました。行政職員として心がけていたのは、「制度を正確に伝えつつ、温かく対応する」こと。窓口に来られる方は不安を抱えています。制度の説明だけでなく、その方の状況に合わせた情報提供を大切にしてきました。退職後、民間の相談支援事業所に転職し、今度は「申請する側」の視点も理解できました。行政と民間、両方の経験を活かして、制度の仕組みだけでなく、「実際にどう使うか」まで伝えられるのが強みです。記事では、障害者総合支援法、障害者雇用促進法、各種手当など、制度の正確な情報を「難しい言葉を使わず」解説します。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

公務員として地域に貢献したいと思い、障害福祉課に配属されたことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

窓口対応で、制度を活用して生活が楽になったと感謝されたこと。行政と民間両方の視点を得られたこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

制度の正確な情報を「難しい言葉を使わず」伝えることを大切にしています。

🎨 趣味・特技

将棋、歴史小説

🔍 最近気になっているテーマ

マイナンバーと福祉制度の連携、自治体DXの進展

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