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就労移行支援とハローワークはどう違う?目的別に使い分ける方法

📖 約74✍️ 伊藤 真由美
就労移行支援とハローワークはどう違う?目的別に使い分ける方法
障害のある方の就職活動において、重要な二つの機関「ハローワーク」と「就労移行支援事業所」の違いと使い分けについて解説した記事です。ハローワークは膨大な求人を紹介する「マッチングの場」、就労移行支援はスキルや生活リズムを整える「トレーニングの場」という根本的な役割の差を明確にしました。今の自分の状況(体力・スキル・自信の有無)に合わせてどちらを優先すべきかの判断基準を提示し、さらに両者を連携させることで就職成功率を高める具体的なステップを紹介。実例エピソードやよくある質問も交え、安心感のある社会復帰をサポートします。

就職への最短ルートを探す:就労移行支援とハローワークの賢い併用術

「そろそろ働きたいけれど、自分一人で仕事を探すのは不安」「ハローワークに行けばいいのか、それとも就労移行支援に通うべきなのか」と悩んでいませんか。障害を抱えながらの仕事探しは、体調の管理や企業への配慮事項の伝え方など、考えなければならないことが山積みですよね。

実は、ハローワークと就労移行支援は「どちらか一方を選ぶ」ものではなく、それぞれの強みを理解して「組み合わせて使う」のが最も効果的です。一方は求人を探すための場所、もう一方は働くための準備を整える場所という明確な違いがあります。

この記事では、両者の役割の違いを詳しく解説し、あなたの今の状況に合ったベストな使い分け方法をご提案します。この記事を読み終える頃には、あなたが次にどこへ足を運べばよいのか、進むべき道がはっきりと見えてくるはずです。あなたの「働きたい」という前向きな気持ちを、確かな形にしていきましょう。


役割の違いを知る:マッチングとトレーニング

ハローワークは「仕事を探して応募する窓口」

公共職業安定所、通称ハローワークは、国が運営する就職支援機関です。最大の役割は、企業が出している求人情報を求職者に紹介し、就職のマッチングを行うことにあります。日本全国に約500箇所以上の拠点があり、誰でも無料で利用できるのが大きな特徴です。

障害のある方に向けては、専門の知識を持つ相談員が配置された「専門援助窓口」が設置されています。ここでは、一般の求人だけでなく、障害者雇用枠の求人についても相談に乗ってもらえます。基本的には「今すぐ応募できる仕事があるか」「条件が合うか」という、入り口と出口を繋ぐ役割を担っています。

ハローワークの強みは、何と言っても膨大な求人数と、地域の企業情報に精通している点です。すでに働くためのスキルが整っており、体調も安定している方にとっては、就職活動のメイン拠点となります。しかし、あくまで「窓口」であるため、数ヶ月から数年にわたる長期的なスキルアップ教育は行っていません。

就労移行支援は「働くための準備を整える場所」

一方、就労移行支援は障害者総合支援法に基づく「福祉サービス」です。仕事そのものを紹介するだけでなく、仕事に就くために必要な「土台」を作るためのトレーニング施設という側面が強いです。利用期間は原則として2年間と定められており、じっくりと時間をかけてステップアップを目指します。

パソコンスキルやビジネスマナーなどのハードスキルはもちろん、朝決まった時間に通うリズム作りや、自分の障害特性を理解してストレスに対処するセルフケアなど、「ソフト面」のサポートが非常に手厚いのが特徴です。スタッフが日々の生活の悩みから就職活動の同行まで、二人三脚で伴走してくれます。

就職が決まった後の「職場定着支援」も大きな役割の一つです。ハローワークは就職決定後のフォローには限界がありますが、就労移行支援は入社後の面談や企業との調整を継続して行います。これにより、「就職したけれど、すぐに辞めてしまった」というリスクを最小限に抑えることができるのです。

支援の内容と目的の比較表

それぞれの違いをより分かりやすくするために、以下の比較表を作成しました。あなたが求めているサポートがどちらに近いか、チェックしてみてください。

比較項目 ハローワーク(専門援助窓口) 就労移行支援事業所
主な役割 求人紹介、面接設定、雇用保険 就労訓練、生活リズム調整、定着支援
支援の期間 必要な時(単発~継続的) 原則2年(長期伴走型)
スキル習得 職業訓練校の紹介のみ 施設内でのPC、事務、実習等
企業への同行 原則なし(紹介状の発行) あり(面接や職場実習の立ち会い)
費用 完全無料 所得により一部自己負担(多くは無料)

💡 ポイント

ハローワークは「今のあなた」に合う仕事を探す場所。就労移行支援は「未来のあなた」が働けるように自分を育てる場所、と考えると分かりやすいですよ。


ハローワークを使うメリットと具体的な流れ

「障害者専門窓口」をフル活用しよう

ハローワークを訪れる際、障害があることを開示して相談したい場合は「専門援助窓口」を指定しましょう。ここでは、精神保健福祉士などの資格を持つスタッフや、障害者雇用の動向に詳しい専門官が相談に乗ってくれます。一般の窓口よりも一人ひとりの相談時間を長く取っていることが多く、丁寧な対応が期待できます。

専門窓口を利用する最大のメリットは、「障害者雇用枠」の求人に直接アクセスできることです。これらは、企業側が「障害のある方の採用」を前提に出している求人であり、通院のための通院休暇や、業務内容の調整といった配慮を受けやすい環境が整っています。もちろん、本人の希望があれば一般枠への応募もサポートしてもらえます。

また、ハローワークには「ジョブコーチ」や「障害者就業・生活支援センター」といった他の専門機関と連携する機能もあります。自分にどんな配慮が必要か分からない場合でも、相談員と一緒に「ナビゲーションブック(自分の障害説明書)」を作成するアドバイスをもらえることがあります。

求人検索と紹介状発行のステップ

ハローワークでの活動は、まず「求職登録」から始まります。窓口で自分の経歴や希望条件、障害の状況を伝えます。登録が完了すると、ハローワーク内の検索端末や、自宅のパソコン・スマホから求人を検索できるようになります。気になる求人が見つかったら、窓口の相談員に伝えて「紹介状」を発行してもらいます。

この「紹介状」があることで、企業側は「国の機関からの正式な紹介である」と認識し、選考がスムーズに進みます。また、特定の助成金(特定求職者雇用開発助成金など)の対象になるかどうかも、ハローワークが判断して企業に伝えてくれるため、企業側にとっても採用のメリットが明確になります。

紹介状を発行してもらう際、相談員は企業に電話をして、現在の応募状況や、障害に対する配慮が可能かどうかをその場で確認してくれることもあります。一人で電話をする勇気が出ない方にとって、この「橋渡し」の役割は非常に心強いサポートになります。

失業保険や職業訓練の相談も可能

前職を辞めて間もない場合、失業保険(基本手当)の手続きもハローワークで行います。障害があることで「就職困難者」と認められると、一般の方よりも給付日数が大幅に多くなる(例:300日~360日など)制度があります。これにより、焦らずにじっくりと次のステップを考えるための経済的な余裕を持つことができます。

また、「スキルは身につけたいけれど、就労移行支援ではなく短期間の講座がいい」という方には、「公共職業訓練(ハロートレーニング)」の紹介も行っています。事務やWebデザイン、介護など、3ヶ月から半年程度の集中講座を無料で受講できるチャンスがあります。受講中の手当が出る場合もあるため、経済的な自立を目指す方には適した選択肢です。

ハローワークは、仕事探しのハブ(中心地)です。最新の求人倍率や、地域でどのような職種が募集されているかといった「市場のリアル」を知ることができるため、定期的に足を運ぶだけでも視野が広がります。まずは相談員と顔見知りになることから始めてみましょう。

✅ 成功のコツ

ハローワークインターネットサービスに会員登録しておくと、自宅でマイページから求人を「お気に入り」登録できます。窓口での相談がよりスムーズになりますよ。


就労移行支援を使うメリット:安心のトレーニング

一日のリズムを整え「働く体力」をつくる

長期間の療養から社会復帰を目指す際、最も大きな壁となるのが「生活リズム」です。週5日、決まった時間に出勤して働き続けるためには、相応の体力と精神的な持続力が必要です。就労移行支援では、まずは週に2~3回、午前中だけ通うことからスタートし、徐々に通所日数を増やしていくようなステップアップが可能です。

事業所への「通所」そのものが、通勤のシミュレーションになります。事業所内では、事務作業や軽作業、グループワークなどのプログラムが用意されており、座って作業を続ける習慣を身につけます。この過程で、自分が一日のうちでどの時間帯に疲れやすいか、どのような環境なら集中できるかをスタッフと一緒に客観的に把握できるのが利点です。

こうした「働くための土台作り」は、ハローワークの窓口相談だけでは得られない、福祉サービス独自の価値です。焦って就職してすぐに体調を崩してしまう「早期離職」を防ぐために、この準備期間は非常に重要な意味を持ちます。スタッフからの「最近、表情が明るくなりましたね」といった小さなフィードバックが、自信を育んでくれます。

実践的なスキル習得と企業実習

就労移行支援事業所では、多種多様な学習プログラムが提供されています。近年では、特定の職種に特化した事業所も増えています。例えば、IT・クリエイティブ系、事務職系、軽作業・清掃系など、自分の進みたい方向に合わせて事業所を選ぶことができます。

  • PCスキル:Word、Excel、PowerPointの基礎から、プログラミングや動画編集まで。
  • 対人スキル:ビジネスマナー、アサーティブなコミュニケーション、報連相の練習。
  • 実戦経験:提携企業でのインターンシップ(職場実習)への参加。

特に「企業実習」は大きなメリットです。履歴書上の経歴だけでなく、実際にその企業で数日間働いてみることで、「自分に合っているか」「どのような配慮があれば働けるか」を身をもって知ることができます。実習中にスタッフが間に入って調整してくれるため、失敗を恐れずに挑戦できるのが最大の強みです。

伴走型支援でメンタルケアも万全

就職活動は、お祈りメール(不採用通知)を受け取るなど、メンタルを削られる場面が多々あります。一人で活動していると、「もう自分はどこにも必要とされていないのではないか」と自責の念に駆られてしまいがちです。しかし、就労移行支援には担当のスタッフ(支援員)がいます。

履歴書の添削や模擬面接を何度も繰り返してくれるだけでなく、不採用になった時も一緒に原因を分析し、「次はこうしましょう」と前を向くための支えになってくれます。また、市役所や病院、ハローワークなどへの同行支援を行っている事業所も多く、複雑な手続きや説明を代わりに行ってくれることもあります。

こうした「孤独にならない就職活動」ができることが、就労移行支援の最大の魅力です。スタッフはあなたの強みも弱みも理解している「理解者」です。自分の特性をどう企業に説明すればいいか悩んだ時、スタッフが一緒に「ナビゲーションブック」を作成し、面接の場で補足説明をしてくれることもあります。この安心感は、自信を失いかけている方にとって何よりの特効薬になります。

⚠️ 注意

就労移行支援は「訓練」の場であるため、原則として利用期間中のアルバイトは禁止されています。経済的な不安がある場合は、前述の失業保険や自立支援医療などの活用を検討しましょう。


目的別:どちらを優先すべきかの判断基準

「今すぐ働きたい!スキルもある」ならハローワーク

あなたが以下の条件に当てはまるなら、まずはハローワークをメインに据えて活動を始めてみるのが良いでしょう。すでに社会人としての経験が十分にあり、ブランクも短く、体調が完全に安定している場合に適しています。

  • 朝から夕方まで週5日フルタイムで活動できる体力がある。
  • WordやExcelなどの基本的な事務スキル、または特定の職種での専門技能がある。
  • 自分の障害特性(できること・できないこと)を言葉で正確に説明できる。
  • 一人で求人を探し、応募の電話や履歴書の作成を進めるエネルギーがある。

ハローワークの相談員に、希望の条件(給与、勤務地、配慮事項)を伝え、合致する求人があるか確認しましょう。もし、数ヶ月活動してみて「面接までは行くけれど採用されない」「自分の希望と求人の条件がどうしても合わない」と感じた時に、改めて就労移行支援への切り替えや併用を検討しても遅くはありません。まずは「市場に出る」ことから始めるアプローチです。

「自信がない・体調が不安・未経験」なら就労移行支援

逆に、以下のような状況にある方は、ハローワークで求人を探す前に、就労移行支援でしっかりと「根っこ」を張ることを強くお勧めします。急がば回れの精神が、結果的に長く働き続けるコツになります。

  • 昼夜逆転気味で、毎日決まった時間に家を出ることが難しい。
  • これまでに就職したけれど、人間関係やストレスで数ヶ月で辞めてしまった経験がある。
  • 自分がどのような仕事に向いているのか、何ができるのかが分からない。
  • 企業への面接が怖くて、何を話せばいいかパニックになってしまう。

就労移行支援に通うことで、まずは「働く自分」に対する安心感を育てます。最初から100点を目指す必要はありません。「今日は事業所に行けた」「笑顔で挨拶ができた」という小さな成功体験を積み重ねることが、後の自信に繋がります。ここでは、失敗は「学び」として歓迎されます。焦らず、自分のペースを取り戻すことから始めましょう。

最強の使い分け:ハローワークと就労移行支援の連携

最も理想的な形は、両方の強みを掛け合わせることです。多くの就労移行支援事業所では、利用者が一人前になってくると、スタッフと一緒にハローワークへ行くよう促します。これは「卒業後の自立」を見据えた非常に有効なステップです。

就労移行支援で自分の得意・不得意を明確にし、そのデータを持ってハローワークの専門窓口へ相談に行きます。ハローワークの相談員は、「就労移行支援でこれだけ訓練を積んできた」という事実があることで、より安心して企業にあなたを紹介できるようになります。また、企業側も「就労移行のバックアップがあるなら、定着の不安が少ない」と判断し、採用率が高まる傾向にあります。

このように、「トレーニング(就労移行)→マッチング(ハローワーク)→フォロー(就労移行)」という連携プレーが、現代の障害者雇用における「王道ルート」となっています。どちらか一方に絞るのではなく、それぞれの窓口に相談し、「今、自分には何が必要ですか?」と聞いてみるのが賢い使い分けの第一歩です。

💡 ポイント

「ハローワークに行きながら、就労移行支援の見学に行く」のは全く問題ありません。むしろ、多角的なアドバイスをもらうことで、より自分に合った場所が見つかりやすくなります。


実例エピソード:自分に合った道を選んだ人たち

ケース1:ハローワークで再就職を果たしたCさん

30代のCさんは、うつ病で2年間療養していましたが、前職は大手企業の事務職としてバリバリ働いていました。体調が戻ってきたため、まずはハローワークの専門援助窓口を訪れました。Cさんは自身の病状を客観的に捉えられており、通院のための半日休暇と、残業なしという条件を明確に伝えることができました。

相談員はCさんの高い事務能力を評価し、障害者雇用枠での事務職をいくつか提案しました。Cさんは自分で履歴書を作成し、ハローワークの紹介状を持って3社に応募。結果、1ヶ月という短期間で地元の優良企業への内定を勝ち取りました。Cさんのように「即戦力としての自覚があり、条件交渉ができる」場合は、ハローワークのスピード感が大きな武器になります。

Cさんは現在もその企業で働いていますが、時折ハローワークの相談員に近況報告に行っています。「あの時、背中を押してもらえてよかった」と語るCさんの成功の秘訣は、自分の限界を知った上で、ハローワークの持つ豊富な求人情報をうまく利用したことにありました。

ケース2:就労移行支援で自信を取り戻したDさん

20代のDさんは、発達障害(ADHD)があり、学生時代のアルバイトでミスを連発して以来、働くことに強い恐怖心を持っていました。ハローワークに行ってみたものの、求人票を見ているだけで動悸がしてしまい、相談まで至りませんでした。そこで、親の勧めで就労移行支援事業所の見学に行きました。

Dさんは事業所で1年半、徹底的に「自分に合う作業方法」を模索しました。スタッフと一緒にメモの取り方やタスク管理ツールの使い方を練習し、事業所内での軽作業を通じて「自分でもミスなくできる」という感覚を掴んでいきました。また、週2回から始まった通所も、1年後には週5日安定して通えるまでになりました。

最終的に、スタッフ同行のもとハローワークへ行き、理解のあるIT関連企業のデータ入力職に応募。面接ではスタッフがDさんの強みを補足説明し、見事採用となりました。入社後半年経った今、Dさんは「あの1年半の準備がなければ、今の自分はありません」と笑顔で語っています。遠回りに見えても、確実に土台を築いたことが実を結んだのです。

二人の共通点は「動いてみたこと」

CさんとDさんの道は異なりますが、共通しているのは「まずは相談に行ってみた」という点です。家の中で一人で求人サイトを眺めているだけでは、自分の適性も、世の中にあるサポートの存在も分かりません。どちらが正解かは、あなたの現在の体調と経験によって決まります。

もし迷っているのであれば、まずはハローワークの窓口で「今の状態で仕事は見つかりそうですか?」と聞いてみてください。そこで「もう少し準備が必要かもしれませんね」と言われたら、就労移行支援を紹介してもらうこともできます。逆に、就労移行支援の見学に行って「自分にはここまでの訓練は必要ないかも」と感じたら、ハローワーク一本に絞れば良いのです。

人生の岐路に立ったとき、プロのアドバイスをもらうことは恥ずかしいことではありません。むしろ、利用できる公的なリソースを賢く使うことこそ、大人の社会復帰における「正しい戦略」と言えるでしょう。あなたの物語は、最初の扉を叩くことから始まります。

✅ 成功のコツ

ハローワークの相談員と、就労移行支援のスタッフは、実は裏で繋がっていることも多いです。双方に「あちらでも相談しています」と伝えることで、より一貫したサポートを受けやすくなります。


よくある質問(FAQ)

Q. ハローワークに行くと障害があることが会社にバレますか?

ハローワークでの相談内容や障害の有無が、あなたの許可なく企業に伝わることはありません。障害者専門窓口を利用しても、それはあくまで「あなたの活動を助けるため」のものです。ただし、「障害者雇用枠」に応募する場合は、当然ながら企業に障害を公表することになります。一般枠に応募する際に、障害を伏せて(クローズで)活動することも可能です。その場合、ハローワーク側もあなたの意向を尊重してくれますが、入社後の配慮は得られにくくなるため、相談員とよく話し合うことが大切です。

Q. 就労移行支援にはお金がかかりますか?

就労移行支援の利用料は、前年度の世帯所得(本人と配偶者の合計所得)によって決まります。厚生労働省の統計によると、利用者の約9割以上の方が無料で利用しています。所得がある程度ある場合でも、月額の上限額(9,300円または37,200円)が設定されており、それ以上の費用がかかることはありません。多くの場合、失業中や生活保護受給中の方は0円で利用できます。正確な負担額については、お住まいの市区町村の福祉窓口(障害福祉課など)で確認できます。

Q. 精神障害者保健福祉手帳を持っていないと利用できませんか?

ハローワークの専門援助窓口や、就労移行支援は、必ずしも手帳が必須ではありません。手帳を持っていなくても、医師の診断書や意見書があれば、障害があることを前提とした支援を受けることができます。特に就労移行支援では、手帳を申請する前の段階で「働くことが困難である」と医師が認めれば、サービスを利用できるケースが多いです。手帳を持つことのメリットとデメリットはそれぞれありますが、まずは現在の困りごとを窓口で伝えてみてください。

Q. ハローワークの求人はブラック企業が多いと聞きましたが本当ですか?

ハローワークには非常に多くの求人が集まるため、中には条件が厳しい企業が含まれている可能性は否定できません。しかし、専門援助窓口が扱う「障害者雇用枠」の求人は、企業側が一定の社会的責任(法定雇用率の達成など)を持って出しているものが多く、比較的安定した企業が多い傾向にあります。相談員も、過去にその企業に就職した人の離職率や評判を把握していることがあります。少しでも不安を感じたら、「この企業で以前に障害者雇用で働いていた人の定着状況はどうですか?」と具体的に聞いてみるのが良いでしょう。


まとめ

ハローワークと就労移行支援、それぞれの役割を正しく理解することで、あなたの就職活動はよりスムーズで安心なものになります。今回の内容をもう一度整理しましょう。

  • ハローワークは、求人の宝庫であり、就職のマッチングを直接行う「窓口」である。
  • 就労移行支援は、働くための体力やスキル、メンタルをじっくり育てる「トレーニングの場」である。
  • 使い分けの基準は、現在の「働く体力」と「スキルの有無」で判断する。
  • 理想の形は、就労移行支援で準備を整え、ハローワークの専門窓口と連携して応募すること。

就職はゴールではなく、その後の新しい生活のスタートです。「どこで働くか」と同じくらい「どうすれば自分らしく働き続けられるか」を大切にしてください。ハローワークも就労移行支援も、そのための強力なパートナーです。

次のアクションとして、まずはお近くのハローワークに電話をして「障害者専門窓口」の見学予約をしてみるか、気になる就労移行支援事業所の資料を請求することから始めてみませんか。最初の一歩を踏み出すのは勇気がいりますが、その先には、あなたの居場所となる職場が必ず待っています。応援しています。

伊藤 真由美

伊藤 真由美

いとう まゆみ33
担当📚 実務経験 10
🎯 就労支援🎯 進路支援

📜 保有資格:
特別支援学校教諭免許、社会福祉士

特別支援学校で5年教員を務めた後、就労継続支援B型事業所で5年勤務。「学校から社会へ」の移行支援と、「自分のペースで働く」を応援します。進路選択や作業所選びの情報をお届けします。

大学で特別支援教育を学び、卒業後は特別支援学校の教員として5年間勤務。知的障害や発達障害のある生徒たちの進路指導を担当する中で、「卒業後の支援」の重要性を痛感しました。そこで教員を辞め、就労継続支援B型事業所に転職。現在は生活支援員として、様々な障害のある方が自分のペースで働く姿を日々見守っています。特に大切にしているのは、「働くことがすべてではない」という視点。一般就労が難しくても、作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけることは十分可能です。記事では、特別支援学校卒業後の進路選択、就労継続支援A型・B型の違い、作業所での実際の仕事内容など、「自分らしい働き方・過ごし方」を見つけるための情報を発信します。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

特別支援教育を学び、「卒業後の支援」の重要性を感じたことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけた方々を見守ってきたこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

「働くことがすべてではない」という視点を大切に、自分らしい過ごし方を見つける情報を発信します。

🎨 趣味・特技

ハンドメイド、音楽鑑賞

🔍 最近気になっているテーマ

発達障害のある方の就労支援、工賃向上の取り組み

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