面接で言ってはいけないNGワード・NG行動

面接の不安を自信に変える!障害者雇用で避けるべきNGワードと行動のポイント
就職活動において、最も緊張する場面といえばやはり面接ですよね。障害者雇用や一般就労を目指す方にとって、「自分の障害をどう伝えればいいのか」「変なことを言って不採用になったらどうしよう」という不安は非常に大きいものです。特に一生懸命であればあるほど、良かれと思って話したことが、面接官には意図しない形で伝わってしまうこともあります。
面接官が見ているのは、あなたの「スキルの高さ」だけではありません。それ以上に、「自分自身の特性を理解し、周囲と協力して働ける準備ができているか」という点に注目しています。この記事では、2026年現在の雇用トレンドを踏まえつつ、面接でついついやってしまいがちなNGワードやNG行動を詳しく解説します。失敗のパターンを知ることで、自信を持って自分をアピールできるようになりましょう。
言葉の選び方で印象が変わる!注意したいNGワード
「お任せします」「何でもやります」の落とし穴
やる気を見せようとして「どんな仕事でもやります」「配属先はお任せします」と言ってしまうことはありませんか。一見、柔軟性があるように聞こえますが、面接官にとっては「自分の障害特性や適性を把握できていないのではないか」という懸念材料になりかねません。特に障害者雇用では、企業側は「無理をさせて体調を崩させたくない」と考えています。
「何でも」ではなく、「自分の特性を活かして〇〇の業務で貢献したいですが、必要であれば△△も練習していきたいです」といったように、具体性を持たせることが大切です。自分の限界と得意分野を明確に伝えることこそが、企業側にとっての安心感に繋がります。丸投げの姿勢ではなく、自律して働く姿勢を見せましょう。
「障害があるので配慮してください」という一方的な主張
合理的配慮を求めることは、法律で守られた皆さんの権利です。しかし、面接の場で「障害があるのだから配慮してもらうのは当然」といったトーンで話してしまうのはNGです。企業はボランティアではなくビジネスとして雇用を行っているため、一方的な要求だけが先行すると「一緒に働くイメージ」が湧きにくくなってしまいます。
伝えるべきは「〇〇という配慮をいただければ、△△という業務を確実に遂行できます」という、配慮と成果をセットにした提案です。会社に負担だけを強いるのではなく、会社とあなたが共に成長するための「環境調整」として配慮をお願いしましょう。協力的な姿勢を見せることで、面接官の印象は劇的に良くなります。
💡 ポイント
「配慮」という言葉を「より良く働くための環境調整」と言い換えて考えてみてください。相手にメリットを感じてもらう伝え方が成功の鍵です。
前職や過去の環境に対する「過度な批判」
退職理由を聞かれた際、前の会社の不満を延々と話してしまうのは避けましょう。「上司が理解してくれなかった」「同僚にいじめられた」といったネガティブな発言が多いと、面接官は「自社でも同じような不満を抱えて辞めてしまうのではないか」と警戒してしまいます。事実は事実として伝える必要がありますが、感情的になりすぎないことが肝心です。
批判ではなく「前職では環境面で不一致がありましたが、その経験から自分には〇〇な環境が必要だと学びました。貴社は〇〇な環境であると拝見したため、志望しました」と、学びに変えて伝えましょう。過去を否定するのではなく、未来をポジティブに描くための材料として活用するのです。冷静に自己分析できている姿を見せれば、信頼感が高まります。
面接官はここを見ている!気をつけたいNG行動
「報・連・相」ができないと感じさせる振る舞い
面接中の受け答えにおいて、質問に対して全く違う答えを返したり、分からないことを曖昧にごまかしたりするのは避けましょう。社会人として最も重要な「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」ができない人だと思われてしまうからです。緊張して言葉が詰まるのは問題ありませんが、分からないときは正直に伝えることが大切です。
もし質問の意図が分からなかったら、「恐れ入ります、今の質問は〇〇という意味でしょうか?」と聞き返しても失礼にはあたりません。むしろ、正確に情報を得ようとする姿勢は、仕事においても丁寧なコミュニケーションができる証拠として高く評価されます。背伸びをせず、誠実に対話することを心がけてください。
「清潔感」や「マナー」の軽視
障害者雇用の面接であっても、ビジネスの場であることに変わりはありません。寝癖がついたまま、シャツがシワだらけ、といった身だしなみは、それだけで「働く意欲が低い」と見なされてしまう可能性があります。また、オンライン面接の場合でも、背景が散らかっていたり、カメラを見ずに画面だけを見ていたりする行動には注意が必要です。
高価なスーツを揃える必要はありませんが、「相手に対して敬意を払う」という気持ちを服装や姿勢で示しましょう。入室時の挨拶や、面接終了後の「ありがとうございました」という言葉、椅子に座る際のお辞儀など、基本的なマナーを一つずつ丁寧に行うだけで、清潔感と信頼感がグッと増します。第一印象は数秒で決まることを忘れないでください。
✅ 成功のコツ
面接の数日前に、実際に着る服を着て鏡の前に立ってみましょう。靴を磨いたり、爪を整えたりする小さな配慮が、大きな自信に繋がります。
「他責思考」が強いと思わせる態度
何か失敗したエピソードを話す際に、「〇〇のせいでこうなった」という他人のせいにする態度はNGです。企業は、何か問題が起きたときに自ら考えて行動できる人を求めています。障害による困難であっても、「環境が悪かった」で終わらせるのではなく、「自分としてはどう対応したか」という主体的な視点を持てるかどうかが問われます。
例えば、「以前はミスが多かったのですが、今はメモを必ず取るようにして克服しました」といったエピソードは、面接官に非常に好まれます。自分の弱点を認めつつ、それをカバーするためにどんな工夫をしているか。そのプロセスを語ることができれば、「この人は自立して働ける」という強力なアピールになります。
障害の説明でやってしまいがちな失敗パターン
専門用語を羅列し、診断名だけを伝える
「私は広汎性発達障害で、高次脳機能障害もあり、二次障害として抑うつ状態です」といった診断名の羅列は、医療関係者ではない面接官にとっては理解が難しいものです。診断名を知りたいのではなく、彼らが知りたいのは「その障害によって、実際の仕事でどんな困りごとが出るのか」という具体的な影響です。
専門用語は控えめにし、「診断名は〇〇ですが、具体的な特性としては『大きな音がする場所だとパニックになりやすい』という傾向があります」と、日常生活や仕事の場面に置き換えて説明しましょう。相手がイメージしやすい言葉を選ぶことで、適切な配慮の相談もしやすくなります。相手の立場に立った説明が、相互理解の第一歩です。
「治りました」「もう大丈夫です」という過度なアピール
採用されたい一心で、今の体調が完璧であると嘘をついてしまうのは非常に危険です。特に精神障害や体調に波がある場合、「今は全く問題ありません」と断言してしまうと、入社後に体調を崩した際に「面接での話と違う」と不信感を持たれてしまいます。企業側は、100%の健康体よりも「自分の波を理解してコントロールできているか」を重視します。
「現在は安定していますが、月に一度の通院が必要です」「疲労が溜まると眠れなくなることがあるので、週末はしっかり休むようにしています」というように、現在の管理状況を正直に伝えましょう。嘘のない誠実な態度は、長期的に安定して働くための信頼関係を築くベースになります。ありのままの自分を、管理できている姿を見せることが大切です。
⚠️ 注意
嘘をついて入社してしまうと、必要な配慮を受けられず、結果として早期離職に繋がってしまいます。自分を守るためにも、正直さは必要です。
過去の病歴や辛い経験ばかりを話してしまう
障害受容に至るまでの苦労や、辛かった過去のエピソードを語る時間が長くなりすぎるのも注意が必要です。面接はカウンセリングの場ではありません。もちろん経緯を話すことは必要ですが、時間の配分としては「過去2割、現在・未来8割」程度を意識しましょう。辛い過去をどう乗り越え、今何ができるのかに焦点を当てます。
面接官は、あなたの過去に同情するために面接をしているのではなく、一緒に未来を創っていけるかを見極めています。辛い経験を語る際も、「あの経験があったからこそ、今の自分の強みができました」と、ポジティブな結論に結びつけるようにしましょう。あなたの強さと前向きさを印象づけることが、合格への近道です。
面接で高く評価される「逆質問」と「OK行動」
意欲を感じさせる逆質問の例
面接の終わりに必ず聞かれる「何か質問はありますか?」という逆質問。「特にありません」と答えるのはもったいないチャンスです。ここで良い質問ができると、入社意欲の高さを示すことができます。ただし、「休みは多いですか?」「残業は全くありませんか?」といった権利主張ばかりの質問は、優先順位を間違えていると思われる可能性があるため注意です。
おすすめの質問は以下のようなものです。
- 「入社までに準備しておいた方が良いスキルや知識はありますか?」
- 「私と同じような障害を持つ方は、どのような配慮を受けながら活躍されていますか?」
- 「部署の皆さんが大切にされている、仕事上のルールなどはありますか?」
支援機関との連携状況を共有する
就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センターなどを利用している場合は、そのことを明確に伝えましょう。企業側にとって、本人だけでなく「外部のサポーター」がいることは、大きな安心材料になります。何かあったときに相談できる窓口があることは、安定雇用の強力な武器です。
「週に一度は支援員さんと面談して振り返りを行っています」「入社後も定着支援をお願いする予定です」と伝えることで、企業側は「この人は一人で抱え込まず、プロの力も借りて安定して働こうとしている」と高く評価してくれます。2025年の定着率調査でも、支援機関と連携している方の定着率は、そうでない方に比べて大幅に高いという数字が出ています。堂々と支援の輪をアピールしましょう。
| 連携の有無 | 企業側のメリット | 本人側のメリット |
|---|---|---|
| 支援機関と連携 | 問題発生時の相談窓口がある | 一人で抱え込まずに済む |
| 主治医と連携 | 就業可否の判断に医学的根拠がある | 体調に合わせた働き方ができる |
| 家族と連携 | 生活面のサポートが期待できる | 精神的な安定感を得られる |
「結論から話す」というコミュニケーションの工夫
面接で話が長くなってしまいがちな方は、意識的に「結論から話す(PREP法)」を実践しましょう。まず「結論」を言い、次に「理由」、その後に「具体例」、最後にもう一度「結論」を述べる話し方です。これはビジネスにおける標準的なコミュニケーションスキルであり、知的で整理された印象を与えます。
例えば、「私の強みは集中力です(結論)。前職のデータ入力ではミスなく目標を達成しました(理由・具体例)。この集中力を貴社の業務でも活かしたいです(結論)」といった形です。これだけで、面接官はあなたの話を理解しやすくなり、「論理的な思考ができる人だ」と評価してくれます。練習すれば誰でもできるようになるスキルですので、ぜひ模擬面接などで試してみてください。
実例エピソード:面接の失敗から学んで成功した人たち
ケース1:一方的な要求を「提案」に変えたAさん
身体障害のあるAさんは、最初の面接で「車椅子なので、段差をすべてなくしてください」「デスクの高さも特注にしてください」と、環境整備の要求ばかりを伝えてしまいました。結果は不採用。Aさんは支援員と一緒に振り返り、伝え方を変えました。次の面接では、「現在の環境でもスロープを一枚設置いただければ移動可能です。デスクは自前の調整クッションで対応できます」と伝えました。
「会社にすべてを求めるのではなく、自分ができることと、どうしても助けてほしいことを切り分けて話すようにしました。すると、面接官の方も『それなら対応できるね』と一緒に解決策を考えてくれるようになったんです。」
— Aさんの回想
自分から歩み寄る姿勢を見せたAさんは、その後、無事に第一志望の企業から内定を得ることができました。歩み寄りは、信頼の架け橋になります。
ケース2:体調の「波」を正直に伝えて信頼を得たBさん
精神障害のあるBさんは、かつて面接で「今は絶好調です!」とアピールして入社しましたが、1ヶ月後に再発して退職した経験がありました。今回の就職活動では、正直に「季節の変わり目に少し体調が不安定になることがありますが、その時は頓服薬でコントロールしており、今のところ大きな欠勤はありません」と、対策を含めて伝えました。
面接官は「正直に話してくれてありがとう。こちらも無理をさせないように業務を調整できるから、その方が助かるよ」と言ってくれました。入社後、Bさんは体調が悪いときも早めに上司に相談できるようになり、休むことなく2年目を迎えています。嘘のない面接が、長く働ける職場との出会いを生んだのです。
ケース3:逆質問を武器にしたCさんの挑戦
コミュニケーションに自信がなかったASDのCさんは、面接で自分の思いを伝えるのが苦手でした。そこでCさんは、逆質問の時間を「自分の適性を確認する場」に変えました。「指示は口頭だけでなく、チャットでもいただけますか?」と逆質問の形を借りて、自分の必要な配慮を確認したのです。これは、自分が働くイメージを真剣に持っていることの証明になりました。
面接官は、Cさんの質問が具体的であったため、「非常に論理的で、仕事の進め方を具体的に考えている人だ」と高く評価しました。コミュニケーションの量は少なくても、質を高めることでCさんは採用を勝ち取りました。苦手なことを隠すのではなく、「どうすれば働けるか」を質問に変えるという逆転の発想が功を奏した事例です。
💡 ポイント
失敗は次の成功のためのデータです。一度不採用になったとしても、何がNGだったのかを冷静に分析すれば、必ず道は開けます。
よくある質問(FAQ)
Q. 緊張で頭が真っ白になってしまったらどうすればいいですか?
「すみません、緊張してしまい、少しお時間をいただけますか」と正直に伝えて大丈夫です。沈黙を恐れて焦って話し出すよりも、一度深呼吸をする時間を取る方が、誠実で落ち着いた印象を与えます。面接官もあなたが緊張していることは百も承知です。「緊張は一生懸命さの裏返し」として好意的に捉えてくれることも多いので、自分を責めないでください。少し水を飲ませてもらったり、手元のメモに目を落としたりして、自分のペースを取り戻しましょう。
Q. 面接で「障害の原因は何ですか?」と詳しく聞かれたら?
基本的には、プライバシーに深く踏み込む質問(病気の原因、家族構成など)は、厚生労働省の指針で不適切とされています。しかし、配慮を検討するために必要だという意図で聞かれることもあります。答えたくない場合は、「申し訳ありませんが、その点についてはお答えを控えさせていただきます。ただ、現在の仕事への影響については〇〇です」と、仕事に関係する部分だけを答えるのがスマートな対応です。自分の境界線を守りつつ、仕事に誠実な姿勢を見せましょう。
Q. オンライン面接でのNG行動を教えてください。
まず、通信環境のチェック不足は致命的です。声が途切れたり、画面が固まったりすると、面接時間の半分以上をロスしてしまうこともあります。また、カメラではなく画面内の相手の顔を見てしまうと、相手からは「視線が合っていない」ように見えてしまいます。カメラのレンズを意識して見ることが、アイコンタクト代わりになります。背景の映り込みや、通知音のオフなど、細かい配慮がオンラインでの信頼性を高めます。事前のリハーサルを支援員さんと行うのがベストです。
まとめ
面接でのNGワードやNG行動を避けることは、自分を偽ることではありません。むしろ、あなたの本当の魅力や可能性を、面接官に正しく、かつ魅力的に伝えるための「翻訳作業」のようなものです。言葉や行動のちょっとした工夫で、あなたの誠実さや意欲はもっと伝わりやすくなります。
- 「自律した姿勢」を見せる:何でも任せるのではなく、自分の得意と必要な配慮を具体的に提案しましょう。
- 「未来」に焦点を当てる:過去の不満や病歴に執着せず、これからどう貢献したいかを語りましょう。
- 「誠実な対話」を心がける:嘘をつかず、分からないことは聞き、支援の輪を活用していることを伝えましょう。
まずは今日、自分のこれまでの振り返りと、「これだけは伝えたい」という強みを3つ書き出してみることから始めてみませんか。完璧な面接を目指す必要はありません。あなたがあなたらしく、等身大の姿で「一緒に働きたい」と思ってもらえるように。この記事が、あなたの新しい一歩を支える力になることを心から願っています。応援しています!

菅原 聡
(すがわら さとし)38歳📜 保有資格:
職業指導員、キャリアコンサルタント、精神保健福祉士
就労移行支援事業所で10年以上、障害のある方の「働く」を支援してきました。一般就労への移行支援から就労継続支援まで、幅広い経験をもとに、「自分に合った働き方」を見つけるための情報をお届けします。
大学で社会福祉を学び、卒業後すぐに就労移行支援事業所に就職。当初は「障害があっても一般企業で働けるんだ」という驚きと感動の連続でした。これまで150名以上の方の就労支援に携わり、その8割が一般企業への就職を実現。ただし、「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」が本当のゴールだと考えています。印象的だったのは、精神障害のある方が、障害をオープンにして自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。その笑顔が忘れられません。記事では、就労移行支援と就労継続支援の違い、企業選びのポイント、障害者雇用の現実など、実際の支援経験に基づいた実践的な情報をお伝えします。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学で社会福祉を学び、「障害があっても一般企業で働ける」という可能性に感動したことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
精神障害のある方が、自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」を大切に、実践的な情報を発信します。
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ランニング、ビジネス書を読むこと
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リモートワークと障害者雇用、週20時間未満の短時間雇用





