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面接突破率を上げるコツ|好印象につながる行動

📖 約77✍️ 菅原 聡
面接突破率を上げるコツ|好印象につながる行動
障害のある方が就職・転職活動の山場である「面接」を突破するためのコツを網羅的に解説。第一印象を左右する身だしなみやマナー、オンライン面接の注意点から、自らの障害特性を企業に前向きに伝える「ナビゲーション」の手法までを詳述しています。頻出質問への具体的な回答例や逆質問の活用法、緊張を和らげるメンタルコントロール術も紹介。さらに、ハローワークや就労移行支援事業所などの専門機関を頼る重要性を説き、自己理解と事前準備を通じて、自信を持って面接に臨むための実践的なガイドを提供します。

面接で輝く自分を伝えるために:障害者雇用の面接突破ガイド

「面接になると緊張してうまく話せない」「障害についてどう伝えれば好印象につながるの?」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。就職活動において、面接は自分という人間を知ってもらうための大切な対話の場です。しかし、評価される側という意識が強すぎると、本来のあなたの良さが隠れてしまうこともあります。

面接官が見ているのは、完璧な受け答えだけではありません。自らの障害とどう向き合い、どのような工夫をしながら働こうとしているのかという前向きな姿勢です。また、基本的なマナーや身だしなみといった視覚的な印象も、面接の突破率を左右する重要な要素となります。これらは特別な才能ではなく、事前の準備とコツを知ることで誰でも磨くことができます。

この記事では、障害者雇用や一般就労を目指す方に向けて、面接での第一印象を劇的に良くする方法から、障害の説明(ナビゲーション)、頻出質問への対策までを詳しく解説します。具体的な成功事例やよくある質問も盛り込みました。読み終える頃には、「これなら自分にもできそう」という自信を持って、次回の面接に臨めるようになっているはずです。


第一印象を決定づけるマナーと身だしなみ

視覚情報の重要性と清潔感

面接において、第一印象は開始数秒で決まると言われています。これはメラビアンの法則でも知られるように、コミュニケーションにおいて視覚情報が与える影響が非常に大きいためです。障害の種類に関わらず、ビジネスの場にふさわしい「清潔感」を整えることは、面接官に対して「一緒に働く仲間を尊重している」というメッセージになります。

具体的には、スーツのしわや汚れ、髪型、爪の手入れなどに気を配りましょう。高価な服を着る必要はありませんが、サイズが合っているか、襟元が乱れていないかを確認するだけで印象は大きく変わります。また、表情も大切なポイントです。緊張していても、入室時の挨拶で少しだけ口角を上げる意識を持つと、明るく誠実な印象を与えることができます。

ある企業の採用担当者は、「スキルの高さも大切だが、まずは基本的な挨拶ができ、清潔感のある身だしなみで来られた方に安心感を抱く」と話しています。身だしなみを整えることは、自分の気持ちを引き締めるスイッチにもなります。前日の夜に鏡の前でチェックを行い、万全の状態で当日を迎えましょう。

立ち居振る舞いと非言語コミュニケーション

言葉以外の要素、いわゆる非言語コミュニケーションも面接の評価に含まれます。姿勢を正して座ることや、面接官の話に適切なタイミングで相槌を打つことは、相手の話を真剣に聞いている証拠になります。視線を合わせるのが苦手な方は、相手のネクタイの結び目や鼻のあたりを見るようにすると、自然なアイコンタクトになります。

移動に車椅子を使用している方や、身体的な不自由がある方の場合は、無理に健常者と同じ動作をする必要はありません。大切なのは、自分が可能な範囲で丁寧に行おうとする姿勢です。例えば、着席の際に「失礼いたします」と一言添えるだけで、丁寧な印象が伝わります。また、手の動きや体の向きを面接官に向けるだけでも、心理的な距離が縮まります。

面接室への入退室の動作も、練習しておくとスムーズです。ノックの回数やドアの開け閉めなど、一連の流れを体に覚えさせておくことで、本番での緊張を和らげることができます。こうした細かな立ち居振る舞いの積み重ねが、「この人なら安心して仕事を任せられそうだ」という信頼感に繋がっていきます。

オンライン面接特有の配慮ポイント

最近増えているWeb面接(オンライン面接)では、対面とは異なる注意点があります。まずはカメラの高さです。レンズを見下ろす形になると、面接官には威圧的に見えてしまうことがあります。パソコンの下に本を置くなどして、カメラが目線の高さに来るように調整しましょう。また、背景に生活感が出すぎないよう、壁を背にするかバーチャル背景を適切に使用します。

照明も重要です。逆光になると顔が暗く沈んでしまい、表情が伝わりにくくなります。窓の方を向くか、デスクライトを顔の正面から当てるように工夫しましょう。音声についても、イヤホンマイクを使用すると、周囲の雑音を拾いにくくなり、自分の声もクリアに届きます。通信環境のテストは、必ず前日までに行っておくことが鉄則です。

画面越しでは、対面よりも少し大きめにリアクションを取るのがコツです。相槌を深めにしたり、返事をはっきりとした声で行ったりすることで、意欲が伝わりやすくなります。画面の中の自分の顔ではなく、カメラのレンズを見て話すことを意識すると、面接官と目が合っている状態を作ることができます。

💡 ポイント

身だしなみやマナーは「自分のため」ではなく「相手への敬意」です。細部に気を配る姿勢は、仕事の丁寧さを連想させるため、非常に高い評価に繋がります。


障害特性を正しく伝える「自分の説明書」

「できないこと」を「配慮してほしいこと」へ

面接で障害について説明する際、つい「これができません」「あれが苦手です」と否定的な表現ばかりを並べてしまいがちです。しかし、面接官が知りたいのは、障害によってどのような制限があるかだけでなく、どのような環境であれば能力を発揮できるかという前向きな情報です。これを「ナビゲーション」と呼びます。

例えば、「疲れやすいです」とだけ伝えるのではなく、「1時間ごとに5分程度の小休憩をいただければ、集中力を維持して業務に取り組めます」と言い換えてみましょう。このように、具体的な対処法や配慮事項をセットで提示することで、企業側は採用後の受け入れ体制を具体的にイメージできるようになります。これは、企業にとっても安心材料となるのです。

実例として、発達障害のあるCさんは面接でこう伝えました。「口頭での指示を一度に受けると混乱することがありますが、メモを併用したり、メールで指示をいただければ正確に完遂できます」。この説明により、企業側は「メモとメールを使えば、高い事務能力を発揮してくれる人材だ」と判断し、採用に至りました。自分の苦手を知り、対策を持っていることは、立派なスキルの一つです。

通院や服薬、体調管理についての説明

就労を継続する上で、通院や体調管理に関する説明は避けて通れません。ここで大切なのは、現状の安定性と継続性を伝えることです。「現在は月1回の通院で体調は安定しており、主治医からも就労の許可が出ています」というように、専門家の意見を交えて伝えると信頼性が増します。服薬についても、仕事に支障がない範囲であれば、詳細に語る必要はありません。

もし、過去に体調を崩して離職した経験がある場合は、その理由を他人のせいにせず、「当時は自己管理が不足していましたが、現在は予兆に気づいて早めに対処する術を身につけました」といった具合に、過去の失敗を教訓にしていることを強調しましょう。企業は過去よりも「今と未来」に興味を持っています。

急な体調不良が懸念される場合は、その際の連絡方法や、どの程度の休みが必要になるかの目安をあらかじめ伝えておくことも合理的配慮の一環です。誠実に事実を伝えつつ、働く意欲があることをしっかりアピールしましょう。嘘をついて入社しても、後で自分が苦しくなってしまうため、正直かつ戦略的に伝えることが重要です。

自己理解の深さをアピールする

面接官は、応募者がどれだけ自己理解を深めているかを厳しくチェックしています。自分の障害を客観的に捉え、どのような場面で助けが必要かを明確に答えられる人は、仕事でトラブルが起きた際も適切に周囲を頼れると評価されるからです。「自分には障害があるから何もできない」という依存的な姿勢ではなく、「ここまでは自分でやりますが、ここは助けてください」という自律的な姿勢を示しましょう。

自己理解を深めるためには、自分の得意なことと不得意なことを棚卸しした「自己分析シート」を作成することをおすすめします。これまでの経験を振り返り、どのような時に成功し、どのような時に困ったかを書き出してみます。それを第三者(家族や就労移行支援事業所のスタッフなど)に見てもらい、客観的な意見をもらうことで、説明の精度が上がります。

面接での説明がスムーズにいかないと感じる方は、自分の特性をまとめた「配慮事項シート」を持参し、面接官に見せながら説明するのも一つの手です。視覚的な資料があることで、面接官の理解が深まるだけでなく、あなたが準備をしっかりしてきたという努力の跡も伝わります。言葉だけでなく、あらゆる手段を使って「自分」をプレゼンテーションしましょう。

✅ 成功のコツ

障害の説明をする際は、「原因(診断名)」よりも「現状(できること・工夫)」に比重を置いて話しましょう。ポジティブな結びを意識すると、印象が明るくなります。


面接頻出質問への対策と回答のヒント

自己紹介と志望動機の組み立て方

面接の冒頭で必ず聞かれるのが「自己紹介」と「志望動機」です。自己紹介は、職歴やスキルを1〜2分程度で簡潔にまとめ、最後に「本日はよろしくお願いいたします」と添えるのが基本です。だらだらと長く話しすぎないよう、要点を絞って話す練習をしておきましょう。障害についてはここでは触れず、後に続く具体的な質問で答えるのがスムーズです。

志望動機では、「なぜこの会社でなければならないのか」を明確にします。「給料が良いから」「家から近いから」という自分都合の理由だけでなく、企業の理念や事業内容にどう共感したか、自分のスキルがどう貢献できるかを語ることが重要です。障害者雇用であっても、企業は利益を追求する組織であることを忘れず、「貢献したい」という姿勢を示しましょう。

具体的なエピソードを盛り込むと、説得力が増します。「以前、貴社の製品を利用した際に感銘を受け、今度は自分が作る側として関わりたいと考えました」といった、あなただけのストーリーを伝えましょう。企業のホームページを読み込み、最近のニュースや取り組みを一つでも自分の言葉で語れるようにしておくと、熱意がダイレクトに伝わります。

長所と短所をどう表現するか

「あなたの長所と短所を教えてください」という質問も定番です。長所は、仕事で具体的に活かせる能力を挙げましょう。「几帳面なところです」と言うだけでなく、「データ入力の際、ミスがないよう必ず2回のセルフチェックを行う習慣があり、前職でも正確さを評価されました」といった具合です。数値や実績を交えると、より客観的な評価に繋がります。

短所を伝える際のポイントは、「改善に向けた努力」を必ずセットにすることです。「心配性なところがあります」で終わらせず、「そのため、作業前には必ず手順書を作成し、不安な点は早めに上司に確認するように心がけています」と付け加えます。短所を自覚し、それをカバーする仕組みを持っていることは、社会人として非常に高い能力とみなされます。

障害特性と短所が重なる場合もあるでしょう。その際も同様に、「不注意な傾向がありますが、チェックリストを徹底することでミスを最小限に抑えています」と伝えます。短所は裏返せば長所にもなります(例:心配性→慎重、こだわりが強い→職人気質)。自分の特性をポジティブに言い換える工夫をしてみましょう。

逆質問で熱意と適性を伝える

面接の最後に必ずと言っていいほど聞かれるのが、「何か質問はありますか?」という逆質問です。「特にありません」と答えるのは、非常にもったいないことです。逆質問は、あなたの入社意欲をアピールする最後のアピールチャンスです。また、入社後のミスマッチを防ぐための情報収集の場でもあります。

「入社までに準備しておくべき知識やスキルはありますか?」「チームの雰囲気や、配属予定部署の人数構成を教えてください」といった質問は、入社後の自分を具体的にイメージしていることが伝わり、好印象です。また、障害への配慮に関連して、「私のような障害がある社員の方は、どのようなツールや方法でコミュニケーションを取っていますか?」と聞くのも有効です。

ただし、福利厚生や給与、休暇に関する質問ばかりを繰り返すのは避けたほうが無難です。「働くこと」に対して前向きな姿勢を感じさせる質問をメインに据えましょう。事前に3つほど質問を用意しておけば、本番で一つ答えが出てしまっても焦らずに済みます。逆質問を終えた後の清々しい挨拶が、面接全体の印象を締めくくります。

⚠️ 注意

質問に答える際、嘘をついたり話を盛りすぎたりするのは禁物です。入社後に実態と異なると、自分自身が苦しむことになります。等身大の自分で、誠実に答えることを心がけましょう。


緊張を味方につけるメンタルコントロール

緊張するのは「頑張りたい」証拠

面接で緊張するのは当たり前のことです。むしろ、「この会社に入りたい」「良い印象を与えたい」という意欲があるからこそ緊張するのだと考え、緊張している自分を受け入れましょう。面接官も、応募者が緊張していることは十分に理解しています。声が震えたり、言葉に詰まったりしても、それで不採用になることはありません。

もし、緊張で頭が真っ白になってしまったら、「すみません、緊張してしまい、少しお時間をいただけますか」と正直に伝えても大丈夫です。一度深呼吸をして落ち着く時間を取ることは、冷静な判断ができる人だという印象に繋がります。焦って支離滅裂なことを話すよりも、沈黙を恐れずに自分のペースを取り戻すことが大切です。

緊張を和らげる物理的な方法として、腹式呼吸があります。面接の直前に、4秒かけて鼻から吸い、8秒かけて口から吐き出す動作を数回繰り返すと、自律神経が整いやすくなります。また、背筋を伸ばし、大きく胸を張る「パワーポーズ」を取るだけでも、ホルモンバランスが変化し、自信が湧いてくるという研究結果もあります。待機室やトイレでこっそり試してみてください。

模擬面接とアウトプットの練習

不安を解消する最大の特効薬は、反復練習です。頭の中で回答をイメージするだけでなく、必ず声に出して練習しましょう。自分の声を録音して聞いてみると、話すスピードが速すぎたり、「えー」「あのー」といった口癖が多かったりすることに気づけます。最初は恥ずかしいかもしれませんが、客観的に自分を知ることが上達の近道です。

また、第三者に協力してもらう模擬面接は非常に効果的です。家族や友人、あるいはハローワークや就労移行支援事業所のスタッフに面接官役をお願いしましょう。厳しい意見をもらうこともあるかもしれませんが、それは本番での失敗を未然に防いでくれる貴重なアドバイスです。指摘されたポイントを修正して再度練習することを繰り返せば、自然と自信がついていきます。

練習では、予想外の質問を投げてもらうことも大切です。「なぜ今の時期に就職しようと思ったのですか?」「これまでの人生で一番の挫折は何ですか?」など、答えにくい質問への耐性をつけておくことで、本番での動揺を抑えられます。準備が整っているという感覚こそが、最強のメンタルケアになります。

「不採用」は全否定ではない

残念ながら不採用という結果になったとしても、それはあなたという人間が否定されたわけではありません。単に、その時の企業のニーズや環境と、あなたの今の状態が「マッチしなかった」だけのことです。就職活動は「お見合い」のようなもので、タイミングや縁の要素も大きく関わっています。

不採用の結果が出た時は、落ち込む時間を作っても構いません。しかし、少し落ち着いたら「今回の面接で良かった点はどこか」「もっとこうすれば良かった点はどこか」を冷静に振り返ってみましょう。面接を経験するたびに、あなたのスキルは確実に向上しています。失敗は成功へのデータ収集だと捉え、次に活かすことが重要です。

ある方は、10社以上の不採用を経験した後に、自分にぴったりの職場に出会いました。「あの時落ち続けたのは、今のこの会社に出会うためだったんだと思えるようになりました」と話しています。諦めずに活動を続ければ、必ずあなたを必要としている場所が見つかります。自分を信じて、一歩ずつ進んでいきましょう。

「面接は戦いの場ではなく、マッチングを確認する場。自分を大きく見せる必要はありません。今の自分にできることを、等身大で伝えていきましょう。」

— 就労支援員・40代女性

💡 ポイント

完璧な回答を目指す必要はありません。あなたの「働きたい」という気持ちが、言葉の端々や態度から伝わることが、面接官の心を動かす一番の要素です。


よくある質問(FAQ)

Q. 障害をクローズ(非開示)にして一般枠で受けたほうが受かりやすいですか?

確かに、一般枠のほうが求人数は多いですが、障害を隠して入社すると、配慮が得られずに体調を崩して離職してしまうリスクが高まります。一方で、障害者枠やオープン(開示)での就労は、通院や業務内容の調整などの配慮を受けながら、長く安定して働けるという大きなメリットがあります。厚生労働省のデータでも、障害をオープンにして就労した人のほうが、クローズの人よりも定着率が高いことが示されています。長期的なキャリア形成を考えるなら、自分に合った配慮が得られる形を選択することをおすすめします。

Q. 職歴にブランク(空白期間)があるのですが、正直に話すべきですか?

はい、正直に話すのがベストです。ただし、「何もしていなかった」とするのではなく、「療養に専念し、現在は働く準備が整ったこと」や「就労移行支援事業所でPCスキルや生活リズムの訓練をしていたこと」など、復帰に向けた前向きな取り組みを伝えましょう。企業が懸念するのは「ブランクがあること」そのものではなく、「今の健康状態に問題がないか」という点です。ブランク期間を、自分が成長するために必要な時間だったと肯定的に捉えて説明しましょう。

Q. 面接で「他に受けている企業はありますか?」と聞かれたらどう答える?

嘘をつく必要はありませんが、詳細な社名を言う必要もありません。「はい、他に数社ほど選考を進めておりますが、一貫して〇〇職などの事務職を志望しております」というように、就職活動の軸が一貫していることを伝えましょう。また、「御社が第一志望です」と言えるなら、その理由とともに伝えるのがベストですが、嘘は厳禁です。「御社は、〇〇という点で非常に魅力を感じており、高い志望度で受けております」といった誠実な表現を選びましょう。

Q. 面接中にパニックになりそうになったらどうすればいいですか?

まずは、自分がパニックになりやすい特性があることを、事前に履歴書の備考欄や面接の冒頭で伝えておく「予防線」を張っておくのが一つの方法です。もし面接中に予兆を感じたら、「少し緊張が強まってしまったので、水を飲ませていただいてもよろしいでしょうか」や「少し呼吸を整えるお時間をください」と申し出ましょう。企業側も、あなたが自分の特性をコントロールしようとしている姿勢を評価します。無理に耐えて倒れてしまうよりも、早めにヘルプを出すことが、プロとしての正しい行動です。


就労支援機関の活用で突破率を高める

ハローワークと障害者就業・生活支援センター

自分一人での就職活動に限界を感じたら、専門機関を積極的に活用しましょう。ハローワークには障害者専門の窓口があり、専任のカウンセラーが相談に乗ってくれます。ここでは、一般には公開されていない障害者枠の求人情報を得られるだけでなく、履歴書の添削や模擬面接などのサポートも無料で受けられます。

また、障害者就業・生活支援センター(ナカポツセンター)は、仕事のことだけでなく、生活面のサポートも同時に行ってくれる頼もしい存在です。就職が決まった後の定着支援も手厚いため、長く働き続けたい方には心強い味方となります。こうした公的機関と繋がっていることは、企業側にとっても「本人が外部のサポートを受けている」という安心材料になります。

厚生労働省の令和5年障害者雇用状況報告によると、民間企業の障害者雇用数は過去最高を更新し続けています。多くの企業が、適切なサポートがあれば障害のある方が活躍できることを理解し始めています。公的機関を窓口として利用することで、企業の情報をより深く知ることができ、マッチングの精度が上がります。まずは一度、足を運んでみましょう。

就労移行支援事業所の大きなメリット

就職を目指す上で特におすすめなのが、就労移行支援事業所の利用です。ここでは、PCスキルやビジネスマナーの習得はもちろん、毎日の通所を通じて「安定して出勤できる体力と生活リズム」を身につけることができます。多くの事業所では、スタッフが面接に同行してくれるサービスもあり、当日緊張して伝えきれなかった配慮事項などを補足してくれることもあります。

事業所を利用する最大のメリットは、客観的な「評価」を得られることです。自分一人では気づけない強みや改善点を、プロの視点から指摘してもらえます。また、実習(インターンシップ)の機会も提供されることが多く、実際の職場で働いてみることで、「自分にできること」の輪郭がはっきりします。実習での働きが評価され、そのまま採用に繋がるケースも少なくありません。

実例として、就労移行支援を利用したDさんは、スタッフと一緒に「ナビゲーションブック(自分の説明書)」を作成しました。面接官から「ここまで詳しく自分のことを説明できる方は珍しい。非常に自己管理能力が高いですね」と絶賛され、第一志望の企業に内定しました。プロのサポートを受けることは、あなたの可能性を最大限に引き出す近道です。

職場適応援助者(ジョブコーチ)の存在

内定が決まった後、あるいは入社直後の不安を解消してくれるのがジョブコーチという制度です。ジョブコーチは、職場に直接赴き、あなたと企業の間に立って、業務内容の調整やコミュニケーションの橋渡しを行ってくれる専門家です。面接の段階で「入社後にジョブコーチの支援を受ける予定です」と伝えることも、企業側の受け入れ不安を解消する強力な武器になります。

ジョブコーチは、あなたの特性に合わせた作業手順書を作成してくれたり、周囲の同僚に対して障害特性のレクチャーを行ってくれたりします。これにより、入社初期の「聞きづらい、頼みづらい」というストレスを大幅に軽減できます。支援は数ヶ月にわたって段階的に行われ、最終的にはあなたが自立して働ける状態を目指します。

こうした支援制度を知っていること自体が、就職活動における情報収集能力の高さとして評価されます。「自分一人で頑張る」のではなく、「制度や人を上手に使って、会社に貢献する」という視点を持ちましょう。共生社会を目指す今の時代、サポートを受けることは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、長く働き続けるためのスマートな戦略なのです。

支援機関名 主なサポート内容 利用のメリット
ハローワーク 専門窓口での求人紹介、面接練習 圧倒的な求人数と公的な信頼性
就労移行支援事業所 スキル訓練、生活習慣確立、面接同行 自信を持って働ける実力と実績作り
ナカポツセンター 仕事と生活の両面の相談、定着支援 就職後も続く長期的な安心感
地域障害者職業センター 専門的な職業評価、ジョブコーチ派遣 職場環境の具体的な改善と適応支援


まとめ

面接突破率を上げるためには、特別なテクニックよりも、事前準備と自分を信じる心が大切です。今回のポイントを振り返りましょう。

  • 第一印象を整える:清潔感のある身だしなみと丁寧な挨拶が、信頼の土台になります。
  • 障害を戦略的に伝える:単なる「できないこと」の羅列ではなく、配慮があれば「できること」を伝えましょう。
  • 自己理解を深める:自分の特性を客観的に把握し、説明書(ナビゲーションブック)を活用するのが有効です。
  • 頻出質問の練習:自己紹介や志望動機、長所短所を声に出して繰り返し練習しましょう。
  • 支援機関を頼る:ハローワークや就労移行支援事業所のプロを味方につけることで、合格率は飛躍的に上がります。

面接は、あなたが輝ける場所を見つけるための「対話」です。もし不採用になっても、それは次へのステップに過ぎません。これまでの努力や、今のあなたが持っている価値を、あなた自身が一番に認めてあげてください。その自信が、面接官の目には何よりの魅力として映るはずです。

次のアクションとして、まずは自分の「長所」を3つ、紙に書き出してみませんか。あるいは、気になっている就労支援機関のホームページを検索して、見学予約を一本入れるだけでも構いません。あなたの勇気ある一歩が、新しい未来の扉を必ず開きます。私たちは、あなたの就職への挑戦を心から応援しています。

菅原 聡

菅原 聡

すがわら さとし38
デスク📚 実務経験 12
🎯 就労支援🎯 進路支援

📜 保有資格:
職業指導員、キャリアコンサルタント、精神保健福祉士

就労移行支援事業所で10年以上、障害のある方の「働く」を支援してきました。一般就労への移行支援から就労継続支援まで、幅広い経験をもとに、「自分に合った働き方」を見つけるための情報をお届けします。

大学で社会福祉を学び、卒業後すぐに就労移行支援事業所に就職。当初は「障害があっても一般企業で働けるんだ」という驚きと感動の連続でした。これまで150名以上の方の就労支援に携わり、その8割が一般企業への就職を実現。ただし、「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」が本当のゴールだと考えています。印象的だったのは、精神障害のある方が、障害をオープンにして自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。その笑顔が忘れられません。記事では、就労移行支援と就労継続支援の違い、企業選びのポイント、障害者雇用の現実など、実際の支援経験に基づいた実践的な情報をお伝えします。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学で社会福祉を学び、「障害があっても一般企業で働ける」という可能性に感動したことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

精神障害のある方が、自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」を大切に、実践的な情報を発信します。

🎨 趣味・特技

ランニング、ビジネス書を読むこと

🔍 最近気になっているテーマ

リモートワークと障害者雇用、週20時間未満の短時間雇用

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