生活環境を整えるための福祉用具・便利グッズおすすめ

自分らしく快適に!生活を支える福祉用具と便利グッズの完全ガイド
住み慣れた自宅で過ごす時間は、誰にとっても心安らぐ大切なものです。しかし、障害があることで「お風呂に入るのが少し怖い」「キッチンでの作業がスムーズにいかない」といった、日々の暮らしの中での「ちょっとした不便」を感じることもあるのではないでしょうか。ご家族や支援者の方にとっても、いかに安全で快適な環境を作るかは、常に頭を悩ませるテーマかもしれません。
生活環境を整えることは、単に不便を解消するだけでなく、本人の自立心を育み、ご家族の介護負担を軽減するという大きな意味を持っています。現代では、公的な補助が受けられる福祉用具から、100円ショップやネットショップで手に入る身近な便利グッズまで、選択肢が非常に豊富になっています。
この記事では、身体の状態や生活シーンに合わせたおすすめのアイテムと、それらを賢く手に入れるための制度について詳しく解説します。今の暮らしに一つプラスするだけで、毎日がもっと軽やかになる。そんなヒントを一緒に探していきましょう。
移動と基本動作を助ける福祉用具の選び方
歩行を安定させる杖と歩行器の役割
家の中や外出先での移動は、自立した生活の基本です。少し足元が不安定かなと感じ始めたときに、まず検討したいのが「杖(つえ)」です。一口に杖といっても、一本杖から四点杖、前腕で支えるロフストランドクラッチまで多種多様です。体重をどの程度預ける必要があるかによって、最適な種類は変わります。
より高い安定感を求めるなら、歩行器(歩行車)が効果的です。最近の歩行器は非常に軽量で、小回りが利くデザインが増えています。カゴ付きのものを選べば、家の中でのちょっとした荷物運びや、近所への買い物にも重宝します。「まだ自分だけで歩ける」という思いを尊重しつつ、転倒のリスクを最小限に抑えることが、長く自分の足で歩き続ける秘訣です。
選ぶ際のポイントは、必ず専門家(理学療法士や福祉用具専門相談員)にフィッティングしてもらうことです。高さが数センチ違うだけで、体にかかる負担や安定性は劇的に変わります。実際に使ってみる「お試し利用」ができる場合も多いので、まずは自分の体に馴染むかどうかを確認してみましょう。
立ち座りを楽にする手すりの魔法
「立ち上がるときに、つい壁に手をついてしまう」というサインがあれば、手すりの設置を検討するタイミングです。特に玄関、トイレ、浴室といった場所は、体重移動が大きいため転倒事故が起きやすいスポットです。壁に工事をして取り付ける固定式だけでなく、床と天井で突っ張るタイプの手すりも人気があります。
突っ張るタイプの手すりは、工事が不要で、生活動線の変化に合わせて場所を動かせるのが最大のメリットです。例えば、ベッドの横に置いて起き上がりを助けたり、廊下の曲がり角に置いて歩行を支えたりと、柔軟な活用が可能です。見た目もスタイリッシュなものが増えており、インテリアを損なわずに安全性を高めることができます。
手すりがあることで、本人が「自分の力で立ち上がれる」という自信を持てるようになります。ご家族にとっても、付き添いの負担が減ることで、お互いに精神的な余裕が生まれます。一つひとつの動作がスムーズになることで、生活全体の質が向上していくはずです。
車椅子の進化とカスタマイズの重要性
車椅子は、単なる移動手段ではなく「体の一部」ともいえる存在です。自走式、介助式、電動式と大きく分けて3つのタイプがありますが、最近ではその中間のような、軽い力で進めるアシスト機能付きの電動車椅子も普及しています。重量が10kgを切る超軽量タイプなら、車のトランクへの積み込みも非常に楽になります。
車椅子選びで最もこだわってほしいのは、座面(シート)のクッションです。長時間座り続ける場合、お尻への負担が「褥瘡(床ずれ)」の原因になることがあります。体圧を分散させるゲルクッションや、空気の層で支えるクッションを併用することで、座り心地は驚くほど改善されます。座る姿勢が安定すると、食事や作業への集中力も高まります。
また、住宅の廊下幅や入り口の段差に合わせて、車椅子のサイズを選ぶことも重要です。狭い場所でも回転しやすい「6輪車椅子」なども選択肢に入ります。専門相談員に自宅の環境を見てもらい、実際の動線でスムーズに動かせるかを確認することが、後悔しない車椅子選びのコツです。
💡 ポイント
移動の補助具を導入することは、決して「衰え」ではありません。行動範囲を広げ、人生を楽しむための「新しいギア(道具)」を手に入れる前向きなステップです。
水回りの安全と自立を支える便利アイテム
浴室での転倒を防ぐ安全対策グッズ
浴室は水分と石鹸カスで非常に滑りやすいため、住宅内で最も事故が多い場所の一つです。まず導入したいのが「入浴用いす(シャワーチェア)」です。一般的な椅子よりも座面が高く設計されており、座る・立つという動作が格段に楽になります。背もたれや肘掛けがあるタイプなら、座った姿勢を安定させやすく、洗身に集中できます。
次に欠かせないのが、浴槽内や洗い場に敷く「すべり止めマット」です。吸盤でしっかり固定できるタイプを選べば、足を乗せた瞬間に滑るリスクを防げます。また、浴槽の縁をまたぐのが大変な場合には、浴槽の横に置いて使う「バスボード」が便利です。ボードに腰掛けてから、お尻をスライドさせて入ることで、バランスを崩す心配がなくなります。
浴室のリフォームは多額の費用がかかりますが、こうした用具を揃えるだけでも安全性は飛躍的に向上します。本人が一人で安心して入浴できる環境は、プライバシーを守ることにもつながります。お風呂の時間が「緊張する時間」から「リラックスできる時間」に変わるよう、環境を整えていきましょう。
トイレの負担を軽くする補高便座と自動洗浄
トイレの動作で最も負担がかかるのは、便座への立ち座りです。膝や腰に痛みがある場合、深い腰掛けは非常に辛いものになります。そこでおすすめなのが「補高便座」です。既存の便座の上に置くだけで、座面の高さを3cm〜5cmほど上げることができ、立ち上がりの負担を劇的に減らしてくれます。
また、麻痺がある場合や手の力が弱い場合、お尻を拭く動作や水を流すレバー操作が困難になることがあります。最近の温水洗浄便座には、センサーによる自動洗浄機能や、壁に取り付けられる大きなボタンの操作パネルがあります。これらを活用することで、最後まで一人で排泄を完結できる可能性が高まります。
トイレの自立は、本人の自尊心に直結する非常にデリケートな問題です。最新の福祉機器はこうした心理的な側面も考慮されており、シンプルで使いやすいデザインが主流です。ご家族にとっても、トイレの介助が減ることは日常生活の負担を大きく軽減させる要因になります。
洗面台とキッチンでの作業をサポート
洗面所やキッチンでの「立ちっぱなしの作業」を辛いと感じることはありませんか。高さを自由に調整できる「昇降式キッチン」も存在しますが、より手軽な対策として、洗面所やキッチンで使える「立ち上がりサポートスツール」があります。少し腰を預けるだけで姿勢が安定し、歯磨きや野菜のカットなどの作業が楽になります。
また、蛇口のハンドルが固くて回しにくい場合は、レバー式のハンドルに交換するだけで、軽い力で水を出せるようになります。100円ショップなどで売っている「レバーアタッチメント」を取り付けるだけでも十分な効果があります。最近では、手をかざすだけで水が出るタッチレス水栓を後付けできるキットもあり、手指に障害がある方には大変喜ばれています。
「使いにくいけれど、我慢すればできる」という小さな不便の積み重ねが、生活意欲を削いでしまうことがあります。道具を使って「楽をする」ことは、生活を豊かにするための賢い選択です。毎日使う場所だからこそ、ストレスを感じない環境づくりを心がけましょう。
✅ 成功のコツ
水回りのグッズは、防カビ加工や掃除のしやすさも考慮して選びましょう。清潔さを保ちやすい道具を選ぶことが、結果として長く使い続けることにつながります。
食事と更衣を楽しくするセルフケアグッズ
握りやすいカトラリーと滑らない食器
食事は一日の大きな楽しみの一つですが、手指の麻痺や震えがあると、スプーンや箸をうまく操れず、食事をこぼしてしまうことがストレスになることがあります。そこでおすすめなのが「ユニバーサルデザインのカトラリー」です。持ち手が太くなっていて握りやすく、指の形に合わせて曲げられるスプーンなど、使う人の状態に寄り添った設計になっています。
また、食器が動いてしまうのを防ぐには、底に吸盤がついているタイプや、縁が高くなっていて食べ物をすくいやすい「返し」がついているお皿が便利です。市販のシリコンマットをお皿の下に敷くだけでも、驚くほど食器が安定します。道具を変えるだけで、食べこぼしが減り、本人が自分のペースでゆっくり食事を楽しめるようになります。
実例として、ある握力の弱い男性は、持ち手が手首に固定できるタイプのアシストスプーンを導入したことで、今まで家族に食べさせてもらっていたのが、自力で最後まで食べきれるようになりました。「自分で食べられた」という喜びは、リハビリへの意欲向上にもつながったそうです。食事を助ける道具は、心の栄養も支えてくれます。
着替えをスムーズにする便利ツール
「ボタンをかけるのが難しい」「靴下を履くときに手が届かない」といった着替えの悩みには、驚くようなアイデアグッズがあります。例えば、ボタンを引っ掛けて通すだけの「ボタンエイド」は、片手でもシャツのボタンを留められるようにする魔法のような道具です。これ一つで、お気に入りの服を諦めずに済むようになります。
また、前屈みが難しい方に重宝されるのが「ソックスエイド」です。器具に靴下をセットし、足を滑り込ませて紐を引くだけで、腰を曲げずに靴下を履くことができます。靴を履く際も、柄が非常に長い靴べら(ロングシューホーン)を使えば、立ったまま、あるいは椅子に座ったままスムーズに足を入れることが可能です。
着替えに時間がかかると、外出自体が億劫になってしまいがちです。こうした補助具を使って着替えの時間を短縮できれば、もっと気軽に外へ出ようという気持ちが湧いてくるはずです。100円ショップの「マジックハンド」も、脱いだ服を拾ったり、高いところの服を取ったりするのに意外なほど役立つ万能アイテムです。
整容とセルフケアを支える小物たち
爪切りや歯磨き、髪を整えるといった整容動作は、清潔感を保ち、前向きな気持ちで過ごすために大切です。手指が動かしにくい方には、机の上に置いて上から押すだけで切れる「台座付き爪切り」や、持ち手が電動で回転する歯ブラシがおすすめです。最近の電動歯ブラシは軽量で、握りやすい形状のものが多くなっています。
また、ドライヤーを手に持つのが重いと感じる場合は、「ドライヤースタンド」が便利です。洗面台やテーブルに固定してドライヤーをセットすれば、両手を自由に使って髪を乾かすことができます。これなら手が疲れず、時間をかけて丁寧にブローすることが可能です。
こうした細かいケアを自分でできることは、生活に「自分らしさ」を取り戻す一歩になります。福祉用具店だけでなく、生活雑貨店や家電量販店にも、実は障害のある方に役立つアイテムがたくさん眠っています。アンテナを広げて、自分にぴったりの「相棒」を探してみましょう。
「道具を使い始めてから、朝の準備が20分も早くなりました。自分でできることが増えると、家族に気兼ねなく『今日はどこへ行こうか』と言えるようになったのが一番嬉しいです。」
— 脊髄損傷のある40代男性
家の中の「隠れた不便」を解消する工夫
ドアノブやスイッチの操作を楽にする
家の中の動作で意外と見落としがちなのが、ドアの開閉や電気のスイッチ操作です。昔ながらの丸いドアノブは、握る力と回す力の両方が必要で、手指に障害がある方には非常に高い壁となります。これを「レバーハンドル」に交換することで、肘や手のひらで押し下げるだけで開けられるようになります。
電気のスイッチも、小さな突起を倒すタイプから、手のひらで大きく押せる「ワイドスイッチ」に変更するのがおすすめです。最近では、スマートスピーカー(AIスピーカー)とスマート照明を連携させて、「アレクサ、電気をつけて」という声だけで操作できるようにする家庭も増えています。これは単なる流行ではなく、移動が困難な方にとっては革命的な自立支援ツールになります。
スマート家電は設定に少しコツがいりますが、一度環境を整えれば、カーテンの開閉、エアコンの温度調節、テレビのチャンネル変更まで声だけで完結します。ご家族が不在の間でも、本人が自分の意思で室温や明かりをコントロールできることは、安全性の面からも大きなメリットがあります。
部屋の段差をなくす「見落としがち」な工夫
「バリアフリーの家ではないから」と諦めていませんか。本格的な工事をしなくても、市販の「段差解消スロープ(タッチスロープ)」を設置するだけで、部屋と廊下の間の数センチの段差は解消できます。ゴム製や木製のスロープを置くだけで、車椅子の移動はもちろん、歩行時のつまずきも劇的に減ります。
また、床に敷いてあるラグやマットの端がめくれていると、そこが転倒の大きな原因になります。滑り止めテープで四隅をしっかり固定するか、思い切ってマットを敷かないという選択も重要です。一方で、冬場のフローリングは滑りやすく冷えるため、衝撃吸収性の高いコルクマットなどを敷き詰めることで、万が一転んだ際の怪我を最小限に抑えることができます。
家具の配置も見直してみましょう。移動の際に「つかまれる場所」として家具を配置するのではなく、車椅子が回転できるスペースや、歩行を妨げない広い通路を確保することが先決です。整理整頓をして床に物を置かないことも、立派なバリアフリー化の一つといえます。
情報収集とコミュニケーションの支援ツール
視覚や聴覚に障害がある方、あるいは構音障害(話しにくさ)がある方にとって、周囲とのコミュニケーションを円滑にするツールは欠かせません。文字を大きく拡大して表示する「拡大読書器」や、音を振動や光で伝える「屋内信号装置(ドアベルや火災報知器と連動するもの)」などがあります。
また、筆談をスムーズにする「電子メモパッド(ブギーボードなど)」は、安価で書きやすく、消去も一瞬でできるため、日常生活のあらゆる場面で重宝します。タブレット端末で使える「意思伝達アプリ」も進化しており、あらかじめ登録したアイコンをタップするだけで、自分の気持ちを合成音声で伝えることができます。
「伝えたいことが伝わらない」というもどかしさは、強い孤独感を生みます。ツールを介することで会話が弾み、周囲との壁がなくなっていく。そんなコミュニケーションのバリアフリーも、住環境を整える大切な要素です。最新のアプリやガジェットにも、ぜひ注目してみてください。
⚠️ 注意
便利なガジェットやアプリを導入する際は、本人が無理なく使いこなせる操作感かどうかを確認しましょう。多機能すぎるとかえって混乱を招くこともあるため、「シンプルイズベスト」の視点が大切です。
福祉用具をお得に・賢く手に入れる制度
障害者総合支援法に基づく「補装具」と「日常生活用具」
福祉用具には、公的な補助を受けて購入・レンタルできる仕組みがあります。18歳から65歳未満の障害のある方が主に利用するのが、障害者総合支援法に基づく制度です。大きく分けて「補装具」と「日常生活用具」の2つがあります。
補装具は、失われた身体機能を補い、長期間にわたって使うものを指します(車椅子、義足、補聴器など)。一方で、日常生活用具は、日々の生活を容易にするための自立支援用具です(特殊寝台、入浴補助用具、意思伝達装置など)。原則として費用の1割負担で購入できますが、世帯の所得に応じて月額の負担上限が設定されるため、非常に手厚いサポートといえます。
申請はお住まいの市区町村の福祉窓口で行います。ポイントは「購入前に申請する」ことです。購入した後に領収書を持っていっても補助は受けられないため注意が必要です。まずは相談支援専門員や役所の担当者に、「○○が欲しいのですが、制度の対象になりますか?」と聞いてみることから始めましょう。
介護保険制度と障害者支援の優先順位
65歳以上の方、あるいは40歳から64歳までの方で特定の病気が原因で障害がある方は、介護保険制度が優先されます。介護保険でも福祉用具のレンタルや購入費の助成がありますが、障害者福祉の制度とは対象となる品目や自己負担額の計算が異なる場合があります。
「どちらの制度を使うのが自分にとってお得なのか」「併用はできるのか」という判断は非常に複雑です。基本的には介護保険が優先されますが、介護保険の品目にないもの(例えば特殊な意思伝達装置など)は、障害者福祉の制度でカバーできることがあります。このあたりの交通整理は、ケアマネジャーや相談支援専門員に任せるのが安心です。
以下の表で、主な制度の違いを簡単に比較してみましょう。
| 制度名 | 主な対象者 | 用具の種類 | 利用形態 |
|---|---|---|---|
| 障害者総合支援法 | 18歳以上の障害者 | 補装具・日常生活用具 | 主に購入(一部レンタル) |
| 介護保険制度 | 65歳以上または特定疾患の方 | 福祉用具貸与・購入 | 主にレンタル(一部購入) |
| 自治体独自制度 | 自治体による | 軽度の方への用具など | 給付や貸出 |
自治体独自の助成やボランティア団体の活用
国が定める制度の対象外であっても、自治体が独自に福祉用具の助成を行っているケースがあります。例えば、手帳の等級が低くても利用できる「高齢者・障害者向け住宅改造助成」や、一時的な病気や怪我の際に車椅子を無料で貸し出してくれる「社会福祉協議会」のサービスなどです。
また、NPO団体やボランティアグループの中には、使わなくなった車椅子や介護ベッドをクリーニングして安価に譲ってくれる「リサイクル活動」を行っているところもあります。新品にこだわらなければ、こうしたルートも賢い選択肢の一つです。地域の「福祉ガイドブック」を読み込んだり、ソーシャルワーカーに尋ねたりして、情報を集めましょう。
福祉用具は高価なものも多いため、制度をフル活用することは家計を守ることにもつながります。自分だけで悩まず、使える権利をしっかり行使することが、継続可能な生活環境づくりの鍵となります。
💡 ポイント
制度の申請には、主治医の診断書や専門機関の意見書が必要になる場合があります。時間に余裕を持って手続きを進めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 福祉用具をレンタルするか購入するか迷っています。どちらが良いですか?
基本的には、本人の身体状態の変化が予想される場合は「レンタル」、状態が安定していて長期間使うことが確実な場合は「購入」が向いています。例えば、車椅子や介護ベッドなどは、体の変化に合わせて種類を変える必要があるため、介護保険制度などを利用してレンタルするのが一般的です。一方、入浴補助用具や補高便座といった直接肌に触れるものや、再利用が難しいものは、衛生面や制度上のルールから「購入」が基本となります。ケアマネジャーや福祉用具の専門相談員に、今後の見通しを含めて相談してみるのが一番の近道です。
Q. 障害者手帳を持っていませんが、福祉用具の補助は受けられますか?
障害者総合支援法に基づく給付を受けるためには、原則として障害者手帳が必要です。しかし、65歳以上であれば手帳がなくても介護保険制度の認定を受けることで補助が受けられます。また、自治体によっては手帳がない方でも、医師の診断書があれば独自の助成を行っている場合があります。さらに、民間の保険制度や地域の社会福祉協議会による一時的な貸し出しなどは、手帳の有無を問わないこともあります。まずは、お住まいの地域の福祉窓口で「手帳はないが、このような不便を感じている」と正直に伝えてみてください。
Q. 自分で便利グッズを探したいのですが、どんなお店をチェックすれば良いですか?
最新の専門的な福祉用具を見たい場合は、都市部にある「福祉用具のショールーム」に行くのがおすすめです。実際に触れて試すことができます。より身近な場所では、100円ショップの介護・福祉コーナー、ニトリやIKEAといったインテリアショップの小物コーナー、東急ハンズのヘルスケアコーナーなどが非常に充実しています。最近はAmazonや楽天市場などのネットショップでも「介護 便利グッズ」と検索すると、世界中のアイデア商品が見つかります。当事者の方が書いているブログやSNSでの口コミも、非常に実用的な情報源になります。
まとめ
生活環境を整えるための福祉用具や便利グッズについて、幅広くご紹介してきました。最後に、重要なポイントを整理しましょう。
- 専門家の力を借りる:杖や車椅子など、体に直接触れるものは必ずフィッティングを行い、自分に合ったものを選ぶ。
- 水回りの安全を優先する:浴室やトイレに滑り止めや補助具を導入し、事故のリスクを最小限に抑える。
- 身近なグッズも活用する:ユニバーサルデザインのカトラリーやスマート家電など、市販の便利アイテムを積極的に取り入れる。
- 制度を賢く使う:障害者総合支援法や介護保険の補助制度を確認し、自己負担を抑えて環境を整える。
生活環境を変えることは、今の生活を否定することではありません。むしろ、道具という味方を得ることで、あなたの「やりたい」という意欲を形にするためのポジティブなアクションです。完璧な環境を一気に作る必要はありません。まずは今日、不便を感じたその場所から、小さな工夫を始めてみませんか。
次のアクションとして、まずは今の生活の中で「一番ストレスを感じている場所」を一つだけ決めてください。そして、そこを解決できそうな便利グッズをネットで検索してみたり、福祉用具の販売店に電話で相談してみたりすることから始めてみましょう。小さな変化が積み重なり、やがてあなたの毎日がより輝かしいものになることを、心から応援しています。

鈴木 美咲
(すずき みさき)42歳📜 保有資格:
社会福祉士、相談支援専門員
相談支援専門員として15年、障害のある方とそのご家族の「困った」に寄り添ってきました。実際の相談事例をもとに、当事者やご家族のリアルな声、具体的な解決策をお届けします。「一人で悩まないで」がモットーです。
社会福祉士として障害者相談支援事業所に勤務し15年。年間約100件の相談に対応し、サービス等利用計画の作成や、関係機関との調整を行っています。この仕事の魅力は、「困っている」状態から「解決した!」という笑顔に変わる瞬間に立ち会えること。ただし、制度が複雑で「どこに相談すればいいか分からない」という声を本当によく聞きます。特に印象深いのは、お子さんの障害を受け入れられず孤立していたお母さんが、同じ境遇の親の会に繋がり、「一人じゃないと分かって救われた」と涙ながらに話してくださったこと。情報と繋がりの大切さを実感しました。記事では、実際の相談事例(もちろん個人情報は特定できないよう配慮)をベースに、「こんなとき、どうすればいい?」という疑問に答えていきます。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学のボランティアで障害のある方と出会い、「困っている」を「解決した!」に変える仕事がしたいと思ったことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
孤立していたお母さんが、親の会に繋がり「一人じゃないと分かって救われた」と話してくださったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
実際の相談事例をもとに、「こんなとき、どうすればいい?」という疑問に答えることを大切にしています。
🎨 趣味・特技
ヨガ、カフェ巡り
🔍 最近気になっているテーマ
ヤングケアラー支援、家族のレスパイトケア





