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孤独感が強いときの対処法と相談先リスト

📖 約31✍️ 金子 匠
孤独感が強いときの対処法と相談先リスト
深い孤独感に悩む障害当事者や家族向けに、その原因と具体的な対処法、相談先をリストアップ。孤独感は、コミュニケーションの「質のズレ」や社会的孤立、自己批判から生じます。対処法として、自分を優しく抱きしめるセルフ・タッチングや、自己批判を温かい言葉に変換するセルフ・コンパッションを推奨。また、消耗を防ぐために、ボランティアや就労移行支援といった「目的のある繋がり」から社会との接点を増やす方法を提案します。深刻な場合は、匿名相談や地域の相談支援事業所を活用し、安心できる繋がりを見つけるための具体的な一歩を促します。

孤独感が強いときの対処法と相談先リスト

「周りに理解してくれる人がいない」「誰とも繋がっていないと感じる」「いつも一人ぼっちで寂しい」—深く強い孤独感に悩まされていませんか。

孤独感は、特に障害特性や病状によって社会参加が制限されたり、周囲とのコミュニケーションに困難を感じたりする当事者やご家族にとって、最もつらい「心の痛み」の一つです。

この記事では、孤独感が発生するメカニズムを理解し、そのつらい感情を乗りこなすための具体的なセルフケアの方法、そして、あなたの状況に寄り添ってくれる具体的な相談先や支援リストをご紹介します。

あなたは一人ではありません。この孤独感を少しでも和らげ、安心できる繋がりを見つけるための確かな道筋を一緒に探していきましょう。


なぜ孤独感が強く感じられるのか?そのメカニズム

孤独感は、単に「一人でいる」ことではなく、「誰とも繋がっていない」と感じる主観的な感情です。特に障害特性を持つ方が孤独感を強く感じやすい背景には、いくつかの要因が関わっています。

コミュニケーションの「質のズレ」

発達障害(ASDなど)を持つ方の中には、非言語的な情報(表情、ニュアンス、場の空気)の読み取りが苦手な特性があります。

これにより、他者と会話をしても「心が通じ合っている」という実感を得にくく、表面的なコミュニケーションしかできていないという「質のズレ」が生じやすいです。

このズレが繰り返されると、「誰も自分を理解してくれない」という感覚が強まり、深い孤独感につながります。

社会的孤立と役割喪失

病気や障害によって、仕事や学校などの社会的な場から離れざるを得なくなると、孤独感が一気に強まります。

これは、社会との接点が失われる「社会的孤立」と、仕事や家庭での「役割の喪失」が同時に起こるためです。

「自分は誰の役にも立っていない」という感覚は、自己肯定感を低下させ、孤独感だけでなく、抑うつ症状をも引き起こすことがあります。

自己批判と「内側の孤独」

孤独感が強い人は、しばしば自分自身に対して厳しい自己批判の声を向けがちです。

「自分がもっと頑張れば、友達ができるはずだ」「コミュニケーションが苦手な自分が悪い」といった批判は、自分自身との関係を悪化させ、「内側の孤独」を作り出します。

この「内側の孤独」は、たとえ誰かと一緒にいても解消されず、かえって周囲との差を感じてしまう原因となります。


孤独感を乗りこなす「セルフ・コンパッション」

孤独感は、無理に打ち消そうとするとかえって深まることがあります。まずは、その感情を否定せず、自分自身に寄り添う「セルフ・コンパッション(自己への思いやり)」のスキルを身につけましょう。

「感情のラベリング」で孤独感を客観視する

孤独感に圧倒されているとき、まずはその感情を言葉にして客観視しましょう。

「私は寂しい」ではなく、「今、寂しさという感情が、胸のあたりにズーンとあるな」というように、感情を物理的な感覚として捉えて言葉にします。

これにより、感情と自分自身との間に距離が生まれ、「孤独感に飲み込まれている自分」から「孤独感を観察している自分」へと視点を切り替えることができます。

温かい「タッチング」で安心感を伝える

孤独感は、脳が「安全ではない」と感じている時に強まります。この時、自分の体に優しく触れるセルフ・タッチングは、脳に安心感をもたらすオキシトシンの分泌を促します。

  • 方法:自分の手のひらをそっと胸の上に置く、両腕で自分を優しく抱きしめる、手のひらを組んでそっと撫でる。
  • ポイント:「大丈夫だよ」「寂しいね」と心の中で温かい言葉をかけながら行うと、さらに効果が高まります。

「自己批判」を「友人の言葉」に変換する

自己批判のループに入った時、「もし親友が今の自分と同じ状況だったら、どんな言葉をかけるだろうか?」と自問しましょう。

✅ 成功のコツ

自己批判的な言葉(例:✕「どうして自分はこんなにダメなんだ」)を、友人に向けた言葉(◯「今はつらいよね、ゆっくり休んでいいんだよ」)に意識的に変換し、それを自分自身に語りかけましょう。

この練習を通じて、自分を傷つける「内側の孤独」の声を和らげ、自分自身を大切にする感覚を養うことができます。


社会との繋がりを取り戻す「小さなアクション」

深い孤独感から一気に社会的な交流を増やすのは困難です。ここでは、消耗を最小限に抑えつつ、社会との繋がりを回復するための小さなアクションをご紹介します。

「目的のある繋がり」から始める

「雑談」や「親睦」を目的とした交流は、コミュニケーション特性を持つ方にとって非常に消耗しやすいです。

まずは、共通の「目的」や「タスク」がある繋がりから始めることをお勧めします。

  • 趣味のサークル:オンラインのゲーム、手芸、読書会など、作業に集中できる場。
  • ボランティア活動:動物の世話、地域の清掃など、誰かの役に立っている実感を得やすい活動。
  • 就労移行支援事業所:就職という共通の目的を持った仲間と共に、スキル訓練に集中できる場。

目的があることで、会話の内容に困るプレッシャーが減り、自然な形で他者との接点が持てます。

「間接的な関わり」を意識的に増やす

対面での交流が疲れる場合は、「間接的な関わり」で社会的な孤独感を和らげましょう。

間接的な関わり 効果
SNSでの情報発信 自分の考えや趣味を表明し、反応を得ることで繋がりの感覚を得る
オンラインのチャット相談 顔を見せずに、文字で自分の悩みを共有する
図書館やカフェで過ごす 物理的に他者と同じ空間にいることで、孤独感を和らげる

役割を回復する「スモールステップ」

「役割の喪失」による孤独感には、日常生活の中で意図的に小さな「役割」を作り出すことが有効です。

  1. ペットの世話:命を預かる責任感が、自己肯定感を高めます。
  2. 日課の担当:家族の中で「ゴミ出し係」「植木の水やり係」など、小さな役割を担う。
  3. スキルアップ:資格試験の勉強など、将来の役割につながる活動に打ち込む。

これらの小さな行動は、「自分は必要とされている」という感覚を回復させ、孤独感を打ち消す力になります。


孤独感が強いときの具体的な相談先リスト

孤独感があまりに強く、生活に支障をきたしている場合や、専門的な支援が必要だと感じた場合は、躊躇せず外部の相談先を利用しましょう。

「匿名・即時」の心理的サポート

緊急性が高い、あるいは「今すぐ誰かと話したい」という場合は、匿名で利用できる電話やチャットの相談窓口が有効です。

  • いのちの電話:匿名で、訓練を受けた相談員が対応してくれる代表的な電話相談サービス。
  • SNS相談:厚生労働省などが連携しているチャット形式の相談。文字情報のため、特性により話すことが苦手な方でも利用しやすいです。

地域に根ざした「包括的」な相談先

孤独感の背景にある、生活全般の不安や障害特性による困難について相談したい場合は、地域にある公的機関が適しています。

💡 ポイント

基幹相談支援センター相談支援事業所は、福祉サービスの利用計画作成だけでなく、地域の社会資源(居場所、交流会、病院など)へのアクセスを助けてくれます。

ここでまず、自分の孤独感の原因と、どの支援が必要かを整理してもらいましょう。

専門的な「心の繋がり」を見つける支援

医療や心理的な支援が必要な場合は、以下の専門機関を利用しましょう。

相談先 目的
精神科・心療内科 孤独感や抑うつが二次障害の場合の診断と治療、薬物療法
精神保健福祉センター 無料での心理相談や、ピアサポートグループの情報提供
自立訓練(生活訓練)事業所 集団での活動を通じて、他者との適切な関わり方を練習する場


よくある質問(FAQ)と次のアクション

孤独感に関する、当事者の方やご家族からの疑問にお答えします。

Q. 孤独感と抑うつの違いがわかりません。

A. 孤独感は「誰とも繋がっていない」という心の痛みですが、抑うつ(うつ病)は「やる気や興味の喪失、強い自己否定、倦怠感」といった脳と心の機能が低下した状態です。

強い孤独感が長期化すると、抑うつ状態に移行することが多く、両者は密接に関わっています。強い倦怠感や食欲不振がある場合は、まずは精神科を受診し、診断を受けることを強く推奨します。

Q. 孤独感が強いとき、家族はどう接すればいいですか?

A. 家族や支援者は、孤独感を埋めようと過度に干渉するのではなく、「安心できる存在」として静かに寄り添うことが大切です。

「いつでも話を聞くよ」というメッセージを伝えつつ、本人の望む距離感を尊重しましょう。また、本人に代わって、地域の相談支援事業所に連絡を取り、支援サービスに繋げる手助けをすることもできます。

Q. 繋がりを求めても、すぐに人間関係が破綻してしまいます。

A. 焦って親密な関係を築こうとせず、まずは「希薄な関係」を数多く持つことから始めましょう。

例えば、オンラインのチャットで挨拶だけする、週に一度のボランティアに淡々と参加するなど、深くコミットしない緩やかな繋がりを持つ練習を積み重ねましょう。安定した緩やかな繋がりこそが、真の孤独感を和らげる土台になります。


まとめ

  • 孤独感は、コミュニケーションの「質のズレ」や役割の喪失、そして自己批判による「内側の孤独」によって強まります。
  • 孤独感を乗りこなすためには、自分の体に優しく触れるセルフ・タッチングや、自己批判を温かい言葉に変換するセルフ・コンパッションを実践しましょう。
  • 社会との繋がりは、ボランティアや就労移行支援など、「目的のある繋がり」から始めるのが消耗を抑えるコツです。

孤独感は、あなたが「誰かと繋がっていたい」と願う、人間らしい証拠です。

一人で抱え込まず、まずは匿名で利用できるSNS相談窓口で、今の寂しい気持ちを文字にして打ち明けてみるという、次のアクションに進んでみましょう。

主な相談窓口・参考情報

  1. 相談支援事業所・基幹相談支援センター: 孤独感の背景にある生活課題を整理し、必要な支援サービスに繋げる。
  2. SNS相談: 厚生労働省などが紹介しているチャット形式の匿名相談。
  3. 就労移行支援事業所・自立訓練事業所: 社会との接点や仲間を見つけるためのプログラムを提供。

金子 匠

金子 匠

かねこ たくみ55
編集長📚 実務経験 30
🎯 生活サポート🎯 制度・法律

📜 保有資格:
社会福祉士、精神保健福祉士

障害者支援施設で30年間勤務し、施設長を経験。現在はすぐサポ編集長として、障害のある方とご家族が必要な情報にアクセスできる環境づくりに取り組んでいます。「制度は複雑だけど、使えば生活が楽になる」という信念のもと、分かりやすい情報発信を心がけています。

大学卒業後、障害者支援施設に就職し、30年間にわたり現場で支援に携わってきました。生活支援員として10年、サービス管理責任者として15年、そして施設長として5年の経験があります。特に印象に残っているのは、重度の知的障害があり、施設入所が当然と思われていた方が、適切な支援と環境調整により地域での一人暮らしを実現したケースです。「できない」と決めつけず、その人に合った支援を考えることの大切さを学びました。現在は現場を離れ、すぐサポの編集長として、これまでの経験を記事という形で多くの方に届けることをミッションとしています。制度や法律の解説記事では、「専門用語を使わず、中学生でも分かる言葉で」を心がけています。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学で社会福祉を学び、実習で出会った利用者の方々の笑顔に感動したことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

重度の知的障害のある方が、適切な支援により地域での一人暮らしを実現したこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

専門用語を使わず、中学生でも分かる言葉で伝えることを大切にしています。

🎨 趣味・特技

読書、散歩

🔍 最近気になっているテーマ

障害者総合支援法の改正動向、ICTを活用した新しい支援の形

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