個別支援計画(IEP)を作るときに気をつけたいこと

個別支援計画(IEP)を作るときに気をつけたいこと:子どもの未来を拓くロードマップ
「わが子の個別支援計画、学校から渡されたけれど、専門用語が多くてよくわからない……」
「この計画が、本当に子どもの将来に役立つものになっているのだろうか?」
配慮が必要なお子さんを持つ保護者や支援者の皆様にとって、個別支援計画(IEP:Individualized Education Program)は、学校での支援の根幹をなす、極めて重要な文書です。この計画一つで、お子さんが学校で受けられる合理的配慮の内容や、将来に向けた学びの方向性が決まると言っても過言ではありません。
しかし、計画の作成プロセスは専門的で、保護者がどのように関わるべきか戸惑うことも少なくありません。形式的な文書で終わらせず、お子さんの真のニーズと将来の夢を反映させた「生きた計画」にするためには、保護者の積極的な参加と注意すべきポイントがあります。
この記事では、個別支援計画を策定する際に、保護者が必ず知っておきたい基本原則から、目標設定の具体的な技術、そして計画を「生涯を見据えた支援のバトン」として機能させるための重要なポイントまでを、豊富な事例とともに詳細にご説明します。
計画作成会議に自信を持って臨み、お子さんの未来を拓くための、最高の一歩を踏み出すための知識をここで得てください。
個別支援計画とは何か?法的背景と目的
個別支援計画(IEP)の定義と役割
個別支援計画とは、障害のある児童生徒一人ひとりの障害の特性や発達の段階、ニーズを詳細に把握した上で、最もふさわしい教育的支援を行うために作成される文書です。日本においては、主に特別支援教育の推進を目的として活用されており、学校と家庭、医療・福祉機関などが情報を共有し、連携するための共通言語の役割を果たします。
この計画に明記されるべき主な内容は以下の通りです。
- お子さんの現在の状況と困りごと(アセスメント)
- 教育目標と達成期間(短期目標、長期目標)
- 目標を達成するための具体的な支援内容(指導内容、指導方法、環境整備、合理的配慮)
- 関係機関の役割分担と連携体制
計画は、単なる指導内容のリストではなく、お子さんが学校生活を通して何を学び、どのように成長してほしいかという願いを具体的に形にするための「羅針盤」なのです。この計画があることで、担任の先生が変わっても、支援の一貫性が保たれます。
「個別指導計画」との違いを理解する
個別支援計画と似た名称で「個別指導計画」という文書もあります。この二つは密接に関連していますが、役割が異なります。
| 計画の種類 | 目的 | 関わる機関 |
|---|---|---|
| 個別支援計画(IEP) | 生涯を通じた支援の青写真、福祉・医療・教育の連携と移行の基盤 | 学校、家庭、福祉サービス、医療機関など広範 |
| 個別指導計画 | 特定の教科や領域(例:国語、算数、自立活動)における具体的な指導内容と評価 | 主に学校の教職員 |
個別支援計画が、お子さんの「生き方」全体を見据えた長期的な目標や、必要な環境調整(合理的配慮)を定めるのに対し、個別指導計画は、その目標を達成するために学校で「今日、何を、どう教えるか」という具体的な教育プロセスを定めるものです。
保護者が主に確認し、関わるべきは、より包括的で生涯を見据えた個別支援計画(IEP)であることを理解しておきましょう。この計画に要望を盛り込むことが、具体的な支援の実現に繋がります。
計画作成における保護者の権利と義務
個別支援計画の作成プロセスにおいて、保護者は単なる「情報提供者」ではありません。「計画策定チームの一員」として、重要な役割と権利を持っています。
保護者の権利:
- 計画策定のための会議(カンファレンス)に参加し、意見を述べる権利。
- 計画の原案を事前に確認し、修正や変更を要求する権利。
- 計画に盛り込まれた支援や目標の達成度について、定期的な報告を受ける権利。
この計画は、学校が一方的に作成するものではなく、保護者の同意があって初めて効力を持つべきものです。もし、納得できない点があれば、遠慮なく質問し、合意が得られるまで話し合いを継続することが大切です。
✅ 成功のコツ
計画会議では、お子さんの「強み」と「夢」を最初に伝えることから始めましょう。ネガティブな情報だけでなく、お子さんのポジティブな側面から入ることで、先生方も希望を持って支援に取り組む意欲が高まります。
計画策定のためのアセスメント:保護者の視点を最大限に活かす
「困りごと」だけでなく「強み」と「成功体験」を伝える
個別支援計画の土台となるのが、お子さんの現状を多角的に把握するアセスメント(評価)です。学校側は、知能検査の結果や授業中の様子を基にアセスメントを行いますが、保護者の役割は、家庭や地域での「生きた情報」を提供することにあります。
特に、アセスメントの段階で「困りごと」や「できないこと」ばかりに焦点を当てるのではなく、お子さんの「強み(ストレングス)」と「成功体験」を積極的に伝えることが重要です。
- 強み(例): 特定の分野(電車、昆虫など)への驚異的な集中力、ルールを徹底して守ろうとする真面目さ、視覚的な情報処理の速さ。
- 成功体験(例): 「近所の公園では、特定の声かけでパニックが回避できた」「タブレットで文字入力すると、作文がスムーズに書けた」といった具体的なエピソード。
支援計画の目標設定は、「できないことを克服する」だけでなく、「強みを活かして学習や生活を豊かにする」という視点を持つべきです。強みを起点に支援を考えることで、お子さん自身の学習意欲も向上します。
環境要因とニーズをABC分析で整理する
前述の「困りごとの伝え方」でも重要でしたが、個別支援計画においても、単なる「パニックが多い」という現象ではなく、その背景にある環境要因とニーズを明確にすることが不可欠です。
計画に含めるアセスメントは、以下の視点で深掘りしましょう。
- 【A】先行事象(トリガー): どのような状況や環境(音、光、急な変更、人混みなど)が困りごとを引き起こしているか。
- 【B】行動: 困りごとの具体的な内容、回数、時間、深刻度。
- 【C】結果事象(機能): その行動の結果、お子さんは何を得ているか(例:注目、タスクからの逃避、感覚的な満足)。
このABC分析の結果、例えば「課題が難しすぎると癇癪を起こす」ということが判明すれば、計画の支援内容に「課題の難易度調整(スモールステップ化)」という具体的な合理的配慮を盛り込む根拠となります。計画が「なんとなく」の支援ではなく、科学的根拠(Evidence-Based Practice, EBP)に基づいたものとなるのです。
外部専門家の意見書を計画に反映させる
医療機関や療育機関、福祉サービスから得た専門家の意見は、個別支援計画の客観性と専門性を高める上で非常に重要です。計画会議に専門家が参加できない場合でも、必ず「意見書」や「所見」を学校に提出し、その内容を計画に反映させてもらいましょう。
意見書に含めるべき重要な情報:
- 診断名と特性の概要
- お子さんの発達における得意な領域と苦手な領域
- 学校で特に推奨される具体的な支援方法や環境調整(例:感覚統合を促す運動、視覚支援の必要性)
- 服薬情報や、健康管理上特に注意すべき事項
💡 ポイント
意見書を提出する際は、専門家と相談し、学校の先生にも理解しやすいように、教育現場で使える言葉で書いてもらうよう依頼しましょう。専門用語を避けるか、必ず教育的な意味を併記してもらうことが、計画への反映率を高めます。
保護者からの主観的な要望ではなく、外部専門家という第三者の客観的な意見として提示することで、学校側もその重要性を認識しやすくなります。
目標設定の原則:SMART原則とQOLの視点
目標を具体化する「SMART原則」の活用
個別支援計画における目標は、抽象的で曖昧なものであってはなりません。「頑張って授業に参加する」といった目標では、達成できたかどうかを誰にも評価できないため、計画の意味が薄れてしまいます。
目標設定の際は、教育界でも広く用いられている「SMART原則」を意識しましょう。これは、計画目標が有効であるために満たすべき5つの要素です。
| 要素 | 英語 | 具体例 |
|---|---|---|
| S | Specific(具体的) | 「立ち歩きを減らす」ではなく「教室からの無断退出をなくす」 |
| M | Measurable(測定可能) | 「時々」ではなく「1週間のうち5日以上」 |
| A | Achievable(達成可能) | 現在の能力から見て、実現可能な目標であること(高すぎず、低すぎない) |
| R | Relevant(関連性) | お子さんのニーズや長期目標に直接関連していること |
| T | Time-bound(期限設定) | 「卒業までに」ではなく「次の計画見直し会議(〇月)までに」 |
「次の計画見直し会議までに、支援員の声かけなしで、朝の支度を90%以上完了できる」といった形で目標を設定することで、学校側も具体的な支援策を立てやすく、保護者も評価しやすくなります。
長期目標には「Quality of Life(QOL)」の視点を
個別支援計画には、通常、短期目標(数ヶ月〜1年以内)と長期目標(卒業まで、または生涯)が設定されます。特に長期目標を設定する際は、単なる学力の向上だけでなく、お子さんの「生活の質(QOL)」の向上という視点を持つことが極めて重要です。
QOLに関わる長期目標の例:
- 人間関係: 卒業までに、信頼できる友人を2人以上持ち、放課後や休日に一緒に過ごすことができるようになる。
- 自己決定: 自分の進路や生活について、自分で判断し、意見を表明できるようになる。
- 地域生活: 卒業後、地域社会で自立した生活を送るために、公共交通機関を一人で利用できるようになる。
⚠️ 注意
長期目標を設定する際は、必ずお子さん自身の意見を取り入れましょう。お子さんが将来「どうなりたいか」という主体的な願いが反映されていない目標は、お子さんのモチベーションを下げ、計画が形骸化する原因となります。
保護者がお子さんの将来の希望を代弁し、計画に盛り込むことで、支援の焦点が「学校を卒業した後」へと広がり、より意味のあるものとなります。
合理的配慮を「具体的な行動」として明記する
個別支援計画において、最も重要な要素の一つが、具体的な「合理的配慮」の内容です。この部分が抽象的だと、先生によって解釈が変わり、支援が一貫しなくなるリスクがあります。
配慮は、「配慮する」という表現ではなく、「誰が、いつ、何を、どのように行うか」という具体的な行動として明記することが成功のコツです。
| 抽象的な配慮 | 計画に明記すべき具体的な行動 |
|---|---|
| 試験時間の配慮 | 定期試験において、試験時間を1.5倍に延長し、別室受験を許可する。 |
| 座席位置の配慮 | 教室で最も刺激が少なく、教員からの指示が聞こえやすい最前列の窓側から2番目の席を固定席とする。 |
| 板書の配慮 | 板書を写す時間を短縮するため、教員が事前に作成した板書を撮影し、デジタルデータで生徒に配布する。 |
このように具体的に記述することで、支援の実行者である担任や他の教職員、そして保護者も、計画書を読むだけで何をすべきかを明確に理解することができます。これは、支援の一貫性を保つための強力なツールとなります。
計画の運用と評価:PDCAサイクルを回す
支援の実行とモニタリング(観察記録)
個別支援計画は、作成して終わりではありません。計画に沿って支援が実行されているか、そしてその支援がお子さんの行動や学習に実際に効果をもたらしているかを、定期的にモニタリング(観察・記録)することが不可欠です。
保護者は、学校に以下のモニタリングの実施を要求することができます。
- 目標達成度の客観的な測定: 立ち歩きの回数、課題の完了率、声かけに対する反応時間など、具体的な数字に基づいた記録。
- 支援の実行記録: 計画に盛り込まれた合理的配慮が、実際にいつ、誰によって行われたかを記録する。
- 定性的な観察記録: お子さんの感情の変化、他の生徒との関わり方など、数字では測れない質の高い情報。
💡 ポイント
モニタリングの頻度や方法は、計画に明記されるべきです。例えば、「週に2回、支援員によるパニック行動のABC分析を行う」といった形で、具体的な記録方法まで定めてもらうように提案しましょう。
学校からの報告だけでなく、保護者自身も家庭で同じ目標に関するモニタリングを行い、学校と家庭のデータの比較を行うことで、支援の共通点や改善点を見つけ出すことができます。
定期的な評価と修正:計画会議の活用
計画の目標達成度を評価し、必要に応じて修正を行うために、最低でも年1回以上、できれば学期に1回程度の計画会議(カンファレンス)を開催することが推奨されています。この会議こそが、保護者が意見を最も明確に反映させられる場です。
会議で議論すべき主な内容:
- これまでの支援の実行記録と目標達成度のデータに基づく評価。
- 目標が達成できなかった場合の、原因分析(目標設定が高すぎたのか、支援内容が不適切だったのかなど)。
- 達成できた目標については、次の段階のより高い目標を設定する。
- お子さんの成長や興味の変化に伴う、新たなニーズの追加。
このプロセスは、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回すことに他なりません。保護者は、会議の場でお子さんの変化を具体的に伝え、「次はこういう目標に挑戦させてほしい」と具体的な提案をすることで、計画の「生き物」としての機能を維持できます。
保護者の「声」を反映するための会議での振る舞い
計画会議で保護者の意見を建設的に反映させるためには、いくつかの心構えとテクニックが必要です。
- 事前の準備: 会議の前に、お子さんの直近の困りごとと成功体験、そして次年度の目標に関する具体的な提案を文書化しておく。
- 感謝と協力の姿勢: 会議の冒頭で、先生方のこれまでの努力に感謝を伝え、あくまで「チームの一員」として協力的に話し合う姿勢を示す。
- 質問と確認: 専門用語や不明確な記述があれば、必ず「これは具体的にどういう意味ですか?」と質問し、理解と合意を徹底する。
- 譲れないポイントの明確化: 命に関わる配慮や、お子さんの将来に決定的に関わる目標など、譲れないポイントは冷静に、しかし明確に主張する。
会議の最後に、「本日合意した支援内容について、私の理解に間違いがないか、この議事録で確認させていただけますか?」と確認を求めることで、後の認識のズレを防ぐことができます。
生涯を見据えた計画の連続性:ライフステージの移行
「個別の教育支援計画」と「個別の支援計画」の連携
個別支援計画は、学校を卒業したら終わりではありません。この計画は、お子さんの生涯にわたる支援のバトンとして、就学前、学校、そして卒業後の福祉サービスや就労支援へと繋がっていく必要があります。
生涯を見通した支援のバトンリレーの核となるのが、文部科学省が推奨する「個別の教育支援計画」です。この計画は、幼稚園や保育園から始まり、学校、そして卒業後の福祉サービス(例:就労継続支援、生活介護)まで、一貫した情報を提供する役割を担います。
保護者が注意したいのは、学校で作成された計画が、卒業後も活用できる形式になっているかどうかです。具体的には、
- お子さんがどのような配慮や支援があれば、最も力を発揮できるかという情報。
- お子さんが持つ「強み」と「将来の希望」が明確に記載されていること。
- 支援の移行に際し、どの機関が誰に情報を提供し、いつ引き継ぎを行うかというプロセスが明記されていること。
この連携がスムーズに行われることで、お子さんは新しい環境に移行する際に、ゼロから自分の特性やニーズを説明し直す負担を負わずに済みます。
進路選択と移行支援の計画
中学校や高校への進学、あるいは卒業後の就労・進学といった「移行期」には、個別支援計画の中で、特に「移行支援」に関する具体的な項目を設けることが不可欠です。
移行支援計画に含めるべき要素:
- 進路希望: お子さんや保護者の具体的な進路希望(例:特別支援学校、一般高校、福祉的就労、一般企業就労)。
- 必要なスキル訓練: 希望する進路に進むために、学校生活の中で特に取り組むべき訓練(例:公共交通機関の利用訓練、面接スキル、職場実習の機会)。
- 関係機関との連携: 移行先の学校や、地域のハローワーク、就労移行支援事業所などとの連絡調整の開始時期と担当者名。
✅ 成功のコツ
移行支援は、できる限り早く(例えば中学校入学時)から始めるべきです。卒業間際になって慌てることのないよう、「卒業3年前から移行支援を開始する」といった目標を計画に明記し、学校に早期の連携を促しましょう。
この移行支援計画を基に、学校と地域全体が連携し、お子さんの希望する進路実現に向けて具体的なサポートを提供することが可能になります。
情報提供と個人情報保護のバランス
計画を生涯にわたって活用するためには、福祉、医療、教育の各機関間で情報を共有する必要がありますが、その際には個人情報保護への配慮が欠かせません。保護者は、学校や関係機関に対して、情報共有の範囲と目的を明確に同意する必要があります。
注意すべきポイント:
- 同意文書の確認: 誰に、どの情報(診断名、成績、配慮内容など)を、何の目的で提供することに同意するのかを、細かく確認する。
- 情報開示の範囲: 情報を開示する機関を「就労支援事業所のみ」など、限定的に指定できることを知っておく。
- 廃棄のルール: 計画書や記録が、移行後にどのように管理・廃棄されるのかを確認する。
情報共有は、お子さんの支援の連続性を保つ上で不可欠ですが、保護者自身の判断と同意が基本です。不必要な情報が広がることを防ぐために、開示の範囲を適切にコントロールしましょう。
よくある質問(FAQ)と次へのアクション
Q1: 計画策定会議で意見が対立した場合はどうすればいいですか?
A: 客観的なデータと代替案を提示し、合意形成を試みましょう。
学校側と意見が対立した場合、感情的にならず、以下の点を提示して冷静に対話を進めます。
- 客観的なデータ: 医師の意見書や、家庭で行ったABC分析の結果など、第三者の知見や事実に基づいたデータを提示する。
- 代替案: 学校側の負担を軽減できる「スモールスタート」や「代替措置」を提案し、譲歩の姿勢を見せる。
- 保留と再検討: その場で無理に結論を出さず、「一度持ち帰って、次回までに双方で再検討しましょう」と結論を保留することを提案する。
それでも合意が得られない場合は、管理職(教頭・校長)や特別支援教育コーディネーターに仲介を依頼し、組織的な解決へと働きかけましょう。
Q2: 計画に盛り込まれた支援が実行されていないと感じたら?
A: 実行記録を確認し、具体的な証拠を基に改善を求めましょう。
まず、計画に盛り込まれた支援が、実際にいつ、どれくらい実行されているかを、家庭での観察記録と照らし合わせて確認します。その上で、以下の手順で改善を求めましょう。
- 担任に事実確認: 「計画にある〇〇という支援が、この一週間で実行された記録が見当たらないのですが、何か問題がありましたか?」と穏やかに問いかける。
- 特支コーディネーターに相談: 担任レベルで改善が見られない場合、計画の実行を管理する特支コーディネーターに相談し、支援の実行記録の提示を求める。
計画は、学校の「義務」であり、支援が実行されないことは、保護者との合意事項の不履行にあたります。具体的な証拠と記録を基に、冷静かつ粘り強く改善を要求しましょう。
Q3: 個別支援計画の作成を拒否されました。どうすればいいですか?
A: 教育委員会に相談し、法的な根拠に基づき作成を要求します。
「個別の教育支援計画」の作成は、障害者に対する特別支援教育を推進する上で極めて重要であり、文部科学省もその作成・活用を強く推奨しています。特に特別支援学校においては作成が義務付けられています。
学校が作成を拒否した場合、まずはその拒否の理由を文書で回答してもらうよう要求し、その上で教育委員会(特別支援教育担当課)に相談します。教育委員会は、学校に対して指導・助言を行う権限があります。最終的には、お子さんの教育を受ける権利を確保するという視点から、計画作成を強く要求しましょう。
まとめ
- 🎯 生涯を見通す目標: 計画の目標は、SMART原則に基づき具体的に設定するとともに、お子さんの生涯のQOLと自己決定に繋がる長期的な視点を反映させましょう。
- 🤝 保護者の主体性: 保護者は計画策定チームの一員であり、強みや成功体験、外部専門家の意見を積極的に提供し、支援の具体的内容(合理的配慮)に合意するまで話し合う権利があります。
- 🔄 PDCAと移行支援: 計画は作成したら終わりではなく、定期的なモニタリングと評価(PDCAサイクル)を通じて柔軟に修正し、特に卒業後の移行支援へのバトンリレーを明確に計画しましょう。

谷口 理恵
(たにぐち りえ)45歳📜 保有資格:
介護福祉士、ケアマネージャー、サービス管理責任者
介護福祉士として15年間現場で働き、現在はグループホームの管理者。「地域で自分らしく暮らす」を支えるために、住まい・生活・地域資源に関する情報発信を担当しています。実際の支援現場で感じた「これ知りたかった!」という情報をお届けします。
介護福祉士として障害者施設で10年、その後ケアマネージャーの資格を取得し、相談支援専門員として5年勤務。現在はグループホーム(定員10名)の管理者として、利用者の方々の日々の生活を支えています。この仕事を選んだきっかけは、大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会ったこと。「普通」の定義は人それぞれで、大切なのは本人が望む生活を実現することだと気づかされました。特に力を入れているのは、地域との繋がりづくり。近所のスーパーや美容院、カフェなど、日常的に利用できる場所を増やすことで、「施設の中だけ」ではない豊かな生活を支援しています。記事では、グループホームでの実際の生活の様子や、地域の障害福祉サービス事業所の選び方など、現場の生の声をお伝えしていきます。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会い、「普通」の定義は人それぞれだと気づいたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
近所のスーパーや美容院など、日常的に利用できる場所を増やすことで、利用者の生活が豊かになったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
現場の生の声を大切に、「これ知りたかった!」という情報を届けることを心がけています。
🎨 趣味・特技
料理、ガーデニング
🔍 最近気になっているテーマ
一人暮らし支援の新しい形、地域住民との共生





