障害年金2級と3級の違いを図解で解説

はじめに:障害年金の等級の違いを正しく知るために
病気やケガによって生活や仕事に制限が出た際、大きな支えとなるのが障害年金です。しかし、いざ申請を考えたとき「自分は何級に該当するのだろう?」「2級と3級では、もらえる金額や条件がどう違うの?」という疑問に突き当たる方は少なくありません。
特に2級と3級の境界線は非常にデリケートです。受給できるかどうかの審査基準だけでなく、初診日に加入していた年金制度によって、そもそも3級という選択肢があるかどうかが決まるなど、複雑な仕組みになっています。この記事では、障害年金の2級と3級の違いを、金額・基準・対象者の3つの視点から分かりやすく解説します。
これから申請を検討されている当事者の方や、ご家族のサポートをされている方にとって、将来の見通しを立てるための確かなガイドとなるはずです。専門的な用語も一つずつ丁寧に説明していきますので、リラックスして読み進めてみてください。正しい知識を持つことは、安心への第一歩です。
制度の基本:初診日と年金の種類
初診日に加入していた制度が運命を分ける
障害年金を理解する上で最も重要なのが「初診日」です。初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診察を受けた日のことを指します。この日に「国民年金」と「厚生年金」のどちらに加入していたかによって、受け取れる年金の種類が大きく変わります。
自営業者や学生、専業主婦(夫)などが加入する国民年金の場合は「障害基礎年金」が対象となります。一方、会社員や公務員として厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」を申請することになります。ここでの最大の違いは、障害基礎年金には「3級」という等級自体が存在しないという点です。
つまり、国民年金加入中に初診日がある方は、2級以上に該当しなければ1円も受給できません。それに対し、厚生年金加入中に初診日がある方は、2級に届かなくても3級として受給できる可能性があります。この仕組みを「1階建て・2階建て」の構造に例えて理解することが、制度を把握する近道です。
「3級」があるのは厚生年金だけ
先述の通り、3級の認定を受けられるのは、初診日に厚生年金に加入していた方に限られます。これは「障害厚生年金」独自の等級であり、国民年金のみに加入していた方には適用されません。この差は非常に大きく、働き盛りの世代が病気になった際、厚生年金の保障がいかに手厚いかを示すポイントでもあります。
もし国民年金加入者が3級程度の症状であっても、制度上は「不支給」となってしまいます。一方で、厚生年金加入者であれば、日常生活に著しい支障はないものの、労働に制限がある場合に3級として認められることが多々あります。このように、自分がどちらの制度の対象なのかを確認することが、申請準備のスタートラインです。
また、20歳前に初診日がある場合、原則として「障害基礎年金」の対象となるため、これも3級の受給はできません。このように、初診日の状況がその後の人生のサポート体制を左右するため、まずは古い領収書や診断録などを遡り、正確な初診日を特定することが極めて重要になります。
等級決定の仕組みと認定基準の概要
障害年金の等級は、医師が作成する「診断書」と、本人が作成する「病歴・就労状況等申立書」をもとに、日本年金機構の認定医が審査を行います。1級は「他人の介助がなければ生活できない程度」、2級は「日常生活に著しい制限を受ける程度」、そして3級は「労働に著しい制限を受ける程度」と定義されています。
具体的な基準は、国が定める「障害認定基準」に詳細に記されています。視覚、聴覚、肢体不自由などの身体障害だけでなく、うつ病や統合失調症などの精神障害、ガンや糖尿病といった内部疾患も対象です。等級が決まるプロセスでは、単に病名だけでなく「その病気によって、具体的にどれだけ生活や仕事に困っているか」という実態が重視されます。
審査の際、2級と3級の判定で迷うようなケースも少なくありません。その場合、仕事ができているかどうか、家族の援助がどの程度あるかといった細かな生活状況が、判断の決め手となることがあります。制度の枠組みを知った上で、自分の状況をどう正確に伝えるかが、適切な等級認定へのカギを握っています。
💡 ポイント
自分がどちらの年金(基礎年金か厚生年金か)に該当するかは、ねんきん定期便や年金事務所での確認が可能です。初診日がかなり前の場合でも、当時の加入記録を調べることができます。
受給金額の違い:固定額と報酬比例
障害基礎年金2級の定額支給とは
障害基礎年金(1級・2級のみ)の受給額は、あらかじめ法律で定められた定額です。2級の金額は「老齢基礎年金」の満額と同等に設定されており、令和5年度(2023年度)の実績では年額で約795,000円となっています。これに加えて、18歳未満の子(障害がある場合は20歳未満)がいる場合には「子の加算」がつきます。
子の加算額は、第1子・第2子がそれぞれ228,700円、第3子以降が76,200円です。例えば、2級の受給者に子が2人いる場合、合計で年間約125万円程度の受給が可能になります。基礎年金は、加入期間や納めた保険料の額に左右されないため、誰でも平等に最低限の生活保障が受けられる仕組みと言えます。
この金額は物価や賃金の変動に合わせて毎年少しずつ改定されますが、基本的な「生活を支えるためのベース」という役割は変わりません。2級の認定を受けることは、この安定した定額の支えを確保することを意味します。
障害厚生年金の「報酬比例」の計算
障害厚生年金の場合、受給額は「報酬比例の年金額」となります。これは、働いていた期間の給与(標準報酬月額)や厚生年金の加入期間に基づいて計算されるため、人によって金額が大きく異なります。現役時代の収入が高かったり、加入期間が長かったりするほど、受給額も多くなる仕組みです。
「加入期間が短いと不利になるのでは?」と心配されるかもしれませんが、障害厚生年金には「300ヶ月みなし」という特別な保障があります。加入期間が300ヶ月(25年)に満たない場合でも、計算上は300ヶ月加入していたものとして金額を底上げしてくれます。これにより、若くして障害を負った方でも、ある程度の年金額が確保されるよう配慮されています。
2級の場合は、「障害基礎年金(定額)」に加えて、この「報酬比例の障害厚生年金」が上乗せされる「2階建て」での支給になります。一方、3級の場合は障害基礎年金がつかないため、報酬比例の部分のみとなります。ただし、3級には最低保障額(年額約596,300円)が設定されており、計算結果がこれより低い場合でも、一定の金額は保証されるようになっています。
加算金の有無と配偶者の有無
2級と3級の大きな違いの一つに、加算金の種類の違いがあります。2級以上の場合、先ほど触れた「子の加算」に加えて、障害厚生年金を受給していれば「配偶者加給年金」がつく可能性があります。配偶者加給年金は、生計を維持している配偶者がいる場合に年間約228,700円が加算される非常に手厚い手当です。
しかし、残念ながら3級には加給年金(配偶者の加算)も子の加算もつきません。3級はあくまで本人の報酬比例部分のみの支給となります。したがって、家族を養っている方にとって、2級になるか3級になるかは、家計全体の受給総額に数十万円単位の差をもたらすことになります。
以下のテーブルに、2級と3級の受給内容をまとめました(厚生年金加入者の場合)。
| 項目 | 障害厚生年金2級 | 障害厚生年金3級 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 支給される(定額) | 支給されない |
| 障害厚生年金 | 支給される(報酬比例) | 支給される(報酬比例) |
| 子の加算 | 条件により支給される | 支給されない |
| 配偶者加給年金 | 条件により支給される | 支給されない |
| 最低保障額 | なし(定額分で保証) | 年額約59.6万円 |
⚠️ 注意
受給額はあくまで目安です。実際の受給額は、個人の年金納付記録やその年の制度改定によって決定されます。正確な金額を知りたい場合は、社会保険労務士などの専門家への相談や、年金事務所での試算を依頼しましょう。
認定基準の違い:日常生活と労働
2級の基準:日常生活に著しい制限
2級の認定基準としてよく言われるのが、「日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」という表現です。これは、必ずしも常に寝たきりである必要はありませんが、食事、着替え、外出などの身の回りの動作において、何らかの介助が必要であったり、非常に多くの時間がかかったりする状態を指します。
精神障害の場合であれば、身の回りの清潔保持(入浴や着替え)が一人で完結できなかったり、対人関係が困難で社会生活が送れなかったり、常に家族や周囲の助言・見守りが必要な状態が2級の目安となります。「病院以外の外出ができない」「薬の管理を自分では行えない」といった事情も、2級の判断材料になります。
身体障害であれば、例えば両耳の聴力が90デシベル以上(耳元で大声を出しても聞こえない)や、片足が足首以上で欠損している場合などが該当します。キーワードは「家庭内での生活も困難」という点にあります。学校や職場といった外の世界だけでなく、自分のプライベートな空間においても支障が出ているかどうかが、2級のラインになります。
3級の基準:労働に著しい制限
これに対し、3級の基準は主に「仕事(労働)」に焦点が当てられています。日常生活には多少の不自由はあるものの、身の回りのことは概ね一人でできる。しかし、病気の影響で以前のようにフルタイムで働くことができなかったり、大幅な職務の制限が必要だったりする状態が3級の目安です。
精神障害でいえば、調子の波が激しく欠勤がちである、職場で特別な配慮(短時間勤務や単純作業への変更など)を受けている、仕事に行くと疲れ果ててしまい翌日起きられない、といったケースが該当します。たとえ働いていたとしても、「健常者と同じ条件で働けているか」を問われます。障害者雇用枠での就労や、福祉的就労(就労移行支援など)をしている場合は、3級として認められやすい傾向にあります。
内部疾患であれば、人工透析を導入した場合は原則として2級となりますが、透析に至らないまでも激しい疲労感や倦怠感により、労働に著しい支障がある場合は3級の対象になります。3級は、「働きながら受給する」ことをある程度想定した基準と言えるかもしれません。
実例:うつ病における2級と3級の分かれ道
実際のケースを見てみましょう。うつ病で通院中のAさんとBさんは、どちらも「意欲の低下」や「不眠」に悩んでいます。Aさんは、週に数回アルバイトをしていますが、職場での人間関係が構築できず、家族が送り迎えをしています。家では自分の部屋を片付けることができず、親が食事を運んでいる状態です。この場合、日常生活全体に支障があるため「2級」の可能性があります。
一方、Bさんは一人暮らしをしており、自炊や洗濯は自分のペースでなんとかこなせます。しかし、病気のために正社員の仕事を辞め、現在は体調の良い日だけ短時間の在宅ワークをしています。社会生活はある程度保たれているものの、労働能力が大幅に低下しているため、この場合は「3級」(厚生年金の場合)としての認定が現実的です。
このように、同じ「うつ病」という診断名であっても、「生活のどこまでが侵されているか」によって等級は変わります。診断書を書いてもらう際には、医師に対して診察室の中だけでは見えない「家での惨状」や「職場での配慮の内容」を、包み隠さず伝えることが不可欠です。
✅ 成功のコツ
日常生活の様子をメモにまとめておきましょう。「一人でできること」「誰かの助けが必要なこと」をリスト化して医師に見せることで、実態に即した診断書を作成してもらいやすくなります。
手続きと審査の注意点:2級を勝ち取るために
診断書作成における医師との連携
障害年金の審査は「書類審査」です。本人の姿を直接見るわけではないため、診断書がすべてを左右します。ここで注意したいのは、医師は「治療のプロ」であっても「障害年金制度のプロ」ではない場合があるということです。診察時に「最近どうですか?」と聞かれ、つい気を張って「なんとかやっています」と答えてしまうと、医師は「日常生活は概ね良好」と書いてしまう可能性があります。
特に精神障害や内部疾患など、外見から症状が分かりにくい場合、医師は本人の自己申告を頼りに生活状況を推測します。2級を希望するのであれば、本当は辛いこと、家族に当たってしまうこと、お風呂に何日も入れていないこと、といったネガティブな真実を正確に伝えなければなりません。「先生を困らせたくない」という優しさが、結果的に不本意な等級決定に繋がってしまうこともあるのです。
可能であれば、診察には家族や支援者が同行することをお勧めします。本人が無意識に隠してしまう症状や、日々の生活での具体的な困りごとを第三者の目線から補足してもらうことで、診断書の「日常生活能力」の欄がより実態に即したものになります。この一歩が、2級と3級の壁を乗り越えるための重要な準備です。
病歴・就労状況等申立書の重要性
医師の診断書と並んで重要なのが、本人が作成する「病歴・就労状況等申立書」です。これは、発病から現在までの経過を数年単位で区切って記載する書類です。診断書を補完する役割があり、医師が書ききれなかった「具体的な苦労話」を記入できる唯一のチャンスです。
2級の認定を目指す場合、この申立書で「いかに周囲の助けを得て生活しているか」を具体的に描写する必要があります。例えば、「2級相当の肢体不自由」と書かれた診断書に対し、申立書で「毎日一人で元気に買い物に行っています」と書いてしまうと、整合性が取れず等級が下がる原因になります。申立書は診断書と「同じ方向」を向いている必要があります。
また、就労している場合は、職場での「配慮」の内容を事細かに記載しましょう。「上司が常に付き添っている」「休憩を頻繁に取らせてもらっている」「仕事のミスを周囲がフォローしている」といった事実は、たとえ仕事をしていても「労働能力が著しく制限されている」という評価に繋がり、2級や3級の認定を後押ししてくれます。
不支給・等級不服への対策(不服申立て)
万が一、届いた結果が「不支給」だったり、3級を想定していたのに認められなかったり、2級のはずが3級に下げられたりした場合には、「不服申立て(審査請求)」という制度があります。決定を知った日の翌日から3ヶ月以内であれば、社会保険審査官に対して再審査を求めることができます。
不服申立てで結果を覆すのは簡単ではありませんが、新しい証拠(追加の診断書や職場からの意見書など)を提出することで、認定が修正されるケースもあります。特に「2級か3級か」の微妙なラインで判断が分かれた場合、追加の情報が決定打になることがあります。あきらめる前に、なぜその等級になったのかという「理由」を年金事務所に確認しましょう。
不服申立てを個人で行うのは非常に負担が大きいため、この段階で障害年金を専門とする社会保険労務士に依頼する方が多いです。専門家は、過去の事例や裁決例に照らして、どのポイントを主張すれば認定の可能性が高まるかを分析してくれます。一度の失敗で全てが終わるわけではない、ということを覚えておいてください。
⚠️ 注意
不服申立て以外に、もう一度最初から申請し直す「再請求」という方法もあります。状況によってどちらが良いかは異なりますので、専門機関のアドバイスを受けながら慎重に選択しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 現在働いていますが、2級を受給することは可能ですか?
結論から申し上げますと、働いていても2級を受給することは可能です。実際に、身体障害の方や、精神障害でも障害者雇用枠で手厚い配慮を受けている方が、働きながら2級を受給しているケースは多々あります。ただし、精神障害の場合、「一般企業でフルタイム、かつ配慮なし」で働いていると、「日常生活に著しい制限はない」と判断されやすく、2級の認定は極めて厳しくなります。仕事内容や職場環境、周囲のサポート状況をいかに客観的に証明できるかがポイントとなります。
Q. 3級でもらえる金額が少なすぎて生活できません。2級へ上げることはできますか?
受給中に症状が悪化した場合、「額改定請求」を行うことができます。これは「今の症状は前のときより重くなり、上の等級に該当するようになりました」と申し立てる手続きです。原則として受給開始から1年経過後に行うことができます。ただし、逆に症状が改善したと判断されると等級が下がるリスクもあるため、主治医とよく相談し、現状の数値や状態が2級の基準に達しているかを確認してから行う必要があります。
Q. 更新のタイミングで3級から2級に変わることはありますか?
障害年金には、数年おきに診断書を提出する「有期認定」があります。この更新(障害状態確認届)の際に提出する診断書の内容によって、等級が上がることもあれば下がることもあります。更新は、現在の状態を改めて審査し直す機会ですので、その時点で症状が重くなっていれば3級から2級へ変更されることがあります。更新時も、初回申請時と同じく、現在の生活実態を正確に反映した診断書を書いてもらうことが何より大切です。
Q. 3級を受給すると、会社にバレてしまいますか?
障害年金を受給していることが、日本年金機構や年金事務所から会社に直接通知されることはありません。プライバシーは守られています。ただし、住民税の金額が変わったり(非課税枠の適用など)、年末調整の手続きで本人が申告したりした場合には、人事担当者が気づく可能性はあります。また、厚生年金に加入したまま障害厚生年金を申請する際、事務手続き上会社を通すこともできますが、個人で直接年金事務所へ申請すれば、会社を介さずに手続きを完結させることも可能です。
家族や周囲ができるサポートの形
「できないこと」を否定せずに受け止める
障害年金の申請、特に2級を目指す過程では、本人は自分の「できないこと」と向き合い続けなければなりません。これは精神的に非常に大きなエネルギーを消耗する作業です。家族や周囲の方は、本人が「お風呂に入れない」「片付けができない」と訴えることを、「怠慢」ではなく「病気の症状」として受け止めてあげてください。本人が安心して自分の弱さをさらけ出せる環境こそが、正確な診断書作成への第一歩となります。
また、申請には膨大な書類の整理や、過去の記憶の掘り起こしが必要です。うつ症状や知的障害がある場合、一人でこれらを完結させるのは困難です。家族が横で一緒にカレンダーを見ながら初診日を特定したり、申立書の下書きを代筆したりするサポートは、本人の負担を劇的に軽減します。「一緒に頑張ろう」という姿勢が、本人の心の支えになります。
実例として、家族が日常の「できないことリスト」を日記形式で1ヶ月分まとめてくれたおかげで、医師が迷わず2級相当の診断書を書いてくれたというケースがあります。言葉で説明しづらい本人に代わって、客観的な記録を残すことは、家族にしかできない最高のサポートです。
社会保険労務士(専門家)への依頼を検討する
障害年金の手続きは、一度失敗すると取り返しがつきにくいという側面があります。特に2級と3級の境界線にいる場合、書類の書き方一つで結果が大きく変わることがあります。不安な場合は、障害年金に特化した社会保険労務士(社労士)に相談することを検討してみてください。社労士は、年金事務所とのやり取りを代行し、診断書の内容チェックや申立書の作成を専門的な見地から行ってくれます。
「自分たちでやれば無料なのに、お金を払ってまで……」と思われるかもしれません。しかし、専門家に依頼することで、本来受給できたはずの等級を逃すリスクを減らし、遡及請求(過去に遡って受給すること)に成功して、支払った報酬以上の金額が手元に残るケースも多いのです。何より、複雑な手続きから解放され、本人が療養に専念できるという精神的なメリットは計り知れません。
多くの社労士事務所では、初回相談は無料で行っています。「自分は対象になるのか」「何級を目指せそうか」といった見通しを聞くだけでも、視界が開けるはずです。プロの知恵を借りることは、決して恥ずかしいことでも、無駄なことでもありません。最善の結果を得るための、戦略的な選択肢の一つです。
経済的な自立がもたらす「心の余裕」
障害年金を受給できることは、単にお金が入るということ以上の意味を持ちます。それは、「社会から、あなたの苦労が認められ、守られている」という証でもあります。2級であれば、基礎年金と厚生年金のダブルの支えにより、最低限の生活費が確保されます。3級であっても、医療費や生活の補填として、大きな安心材料になります。
お金の不安が軽減されると、不思議と病状が安定し、快方に向かうケースも少なくありません。「働かなければ」という焦りが消え、自分のペースで療養できる環境が整うからです。家族にとっても、経済的な負担が減ることで、心に余裕を持って本人に接することができるようになります。障害年金は、家族全体の笑顔を取り戻すための「ギフト」なのです。
「障害があるから、もう元通りの人生には戻れない」と絶望する必要はありません。制度を活用し、経済的な土台を固めることで、また新しい形での社会参加や、自分らしい生き方を探す余裕が生まれます。年金はそのための「伴走者」です。この記事をきっかけに、ぜひ前向きに検討を始めてみてください。
✅ 成功のコツ
「自分には無理だ」と決める前に、まずは専門機関(年金事務所、街の年金相談センター、社労士)に足を運んでみましょう。専門家の目で見れば、受給の道が開けることが多々あります。
まとめ
障害年金2級と3級の違いは、単なる金額の差だけでなく、制度の成り立ちや認定の考え方に深く根ざしています。今回の内容をもう一度整理しましょう。
- 年金の種類と等級:基礎年金には3級がない。3級があるのは初診日に厚生年金に加入していた場合のみ。
- 金額の構成:2級は定額の基礎年金+報酬比例の厚生年金+加算金。3級は報酬比例の厚生年金のみで、最低保障がある。
- 認定のハードル:2級は日常生活に著しい制限がある状態、3級は労働に著しい制限がある状態。
- 家族加算の違い:2級には「子の加算」や「配偶者加給年金」がつくが、3級には加算がない。
- 申請の肝:医師に日常生活の「できないこと」を正確に伝え、診断書と申立書の整合性を保つ。
障害年金は、あなたの尊厳を守り、未来への希望を繋ぐための大切な権利です。2級か3級かという違いに振り回されすぎず、まずは現在のあなたの状態をありのままに認め、それを社会に伝えていくプロセスを大切にしてください。一人で悩む必要はありません。
次のアクションとして、まずは「ねんきんネット」で自分の加入記録を確認するか、年金事務所に電話をして「初診日の加入状況」を問い合わせてみることから始めてみませんか。最初の一歩を踏み出すことで、将来の安心がより具体的な形になって見えてくるはずです。あなたの人生が、制度の支えによってより穏やかなものになることを、心から願っています。

阿部 菜摘
(あべ なつみ)36歳📜 保有資格:
社会保険労務士、精神保健福祉士
社会保険労務士として障害年金の申請支援を専門に12年。「難しい」と言われる障害年金を、分かりやすく解説します。医療費助成、各種手当など、お金に関する制度情報をお届けします。
大学卒業後、社会保険労務士事務所に就職し、障害年金の申請支援を専門に担当してきました。これまで500件以上の申請をサポートし、多くの方の生活を支えるお手伝いをしてきました。障害年金は「難しい」「通らない」と諦めている方が多いですが、適切な書類準備と申請を行えば、受給できる可能性は十分あります。実際、初診日の証明が難しいケースでも工夫して認定を受けた例もあります。特に心に残っているのは、精神障害で長年苦しんでいた方が障害年金を受給できたことで、「経済的な不安が減り、治療に専念できるようになった」と感謝されたこと。制度を知ることの大切さを実感しました。記事では、障害年金の申請方法、特別障害者手当、医療費助成など、「知らないと損する」お金の制度を、専門家として正確かつ分かりやすく解説します。
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💭 福祉の道を選んだ理由
社会保険労務士として、障害年金の申請支援を通じて多くの方の生活を支えたいと思ったことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
精神障害のある方が障害年金を受給でき、「経済的な不安が減り、治療に専念できるようになった」と感謝されたこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
「知らないと損する」お金の制度を、専門家として正確かつ分かりやすく解説します。
🎨 趣味・特技
資格勉強、温泉巡り
🔍 最近気になっているテーマ
障害年金のオンライン申請、制度の周知不足問題





