障害者向けサービス付き住宅の入居条件と費用

入居条件と費用を徹底解説!障害者向けサービス付き住宅ガイド
ご本人、ご家族、そして支援者の皆様、将来にわたり安心できる住まいを探すことは、非常に大きな課題です。「自宅での生活は難しくなってきたけれど、施設に入居するのは抵抗がある」「必要なサポートを受けながら、自分のペースで暮らしたい」というニーズが増える中、障害者向けの「サービス付き住宅」が注目を集めています。
しかし、この種の住宅はまだ種類が多く、情報が整理されていません。「どんな障害でも入れるの?」「費用はどれくらいかかるの?」「どんなサービスが受けられるの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、障害のある方が安心して暮らせるサービス付き住宅(主に障害者グループホーム、及び一部のサ高住)に焦点を当て、その種類、具体的な入居条件、費用構成、そして公的支援の仕組みをわかりやすく解説します。適切な住まいを選ぶための基礎知識を身につけ、納得のいく住まい探しを始めましょう。
🏠 基礎知識:障害者向けサービス付き住宅とは
障害者向けのサービス付き住宅は、単なる住居の提供に留まらず、入居者がその人らしい自立した生活を送るためのサポートが組み込まれた住まいを指します。代表的なものとして、障害者総合支援法に基づく「共同生活援助(グループホーム)」があります。
最も一般的な形態:共同生活援助(グループホーム)
障害者グループホーム(GH)は、障害者総合支援法に位置づけられた福祉サービスの一つです。主に夜間や休日に、共同生活住居で相談や日常生活上の援助を受けることができます。
- 定義: 障害のある方が、世話人などの支援を受けながら、他の利用者と共に共同生活を送る住居です。原則として日中はそれぞれの仕事や活動場所へ出かけます。
- 対象者: 知的障害、精神障害、身体障害(共同生活に支障がない方)、難病患者の方が対象です。
- 提供されるサービス: 食事の提供(自炊の場合もあり)、金銭管理の支援、健康管理の支援、服薬確認、緊急時の対応など、日常生活全般にわたる相談や援助が行われます。
GHは、障害の種別や程度、必要な支援内容に応じて多様化しており、「介護サービス包括型」「日中サービス支援型」「外部サービス利用型」など、いくつかのタイプに分かれています。
💡 ポイント
グループホームは「施設」ではなく、あくまで「住居と生活支援サービスが一体となった住まい」です。多くのGHでは、地域生活への移行や、自立した暮らしをサポートすることを目的としています。
高齢者向けサ高住と障害者向けサ高住の違い
「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、本来高齢者向けですが、近年では障害者を受け入れるサ高住も増えています。障害者向けGHとの主な違いは、根拠法と提供されるサービスにあります。
- サ高住(障害者受入型): 根拠法は高齢者住まい法。提供サービスは「安否確認」と「生活相談」が必須ですが、その他の介護・生活援助は、外部の訪問介護や居宅介護サービスを個別に契約して利用します。
- グループホーム: 根拠法は障害者総合支援法。提供サービスは、住宅に併設または一体化した形態で提供されます。
特に重度な身体障害や医療的ケアが必要な方は、外部サービスとの連携が密なサ高住(看護師常駐型など)の方が適している場合もありますが、費用面ではGHの方が公的支援が手厚いのが一般的です。
✅ ステップ2:入居条件と対象となる障害
障害者向けサービス付き住宅、特にグループホームに入居するためには、いくつかの公的な条件と、各ホーム独自の条件を満たす必要があります。
公的な入居条件:手帳と区分
グループホームの利用には、以下の公的な条件が必要です。
- 障害種別: 知的障害、精神障害、身体障害、難病のいずれかがあり、障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)を所持していることが前提となります。
- 年齢: 原則として18歳以上です。
- 障害支援区分: 共同生活援助を利用するには、障害支援区分(旧:障害程度区分)の認定を受けていることが必要です。
身体障害の場合、「地域社会での共同生活に支障がないこと」が要件に含まれますが、近年では、重度の身体障害者を受け入れる「日中サービス支援型」のGHも増えており、一律に排除されるわけではありません。
✅ 成功のコツ
障害支援区分の認定を受けていない方は、まずお住まいの市町村の障害福祉課または相談支援事業所に相談し、区分認定の申請を行いましょう。これが福祉サービス利用の第一歩となります。
グループホーム独自の入居条件
公的な条件に加え、各グループホームは独自の運営方針や設備に合わせて入居条件を設定しています。
- 介護量・医療的ケア: 医療的ケアや重度の介護が必要な場合、受け入れ可能なGHは限られます。看護師の配置状況や、喀痰吸引などの研修を修了した職員がいるかを確認する必要があります。
- 行動障害の有無: 他の入居者との共同生活に支障をきたす可能性のある著しい行動障害がある場合、そのGHが専門的な支援体制を持っているかどうかが重要です。
- 日中の活動場所の有無: 多くのGHは「日中、利用者が仕事やデイサービス、地域活動などで外出していること」を前提としています。日中もホームで過ごしたい場合は、「日中サービス支援型」のGHを探す必要があります。
入居の可否は、体験入居や面談を通じて、ホーム側が「適切な支援を提供できるか」を総合的に判断して決定されます。
💵 ステップ3:入居にかかる費用の構成と目安
サービス付き住宅に入居する際の費用は、主に「家賃」と「サービス費用」の二つの柱で構成されます。これらの費用は、公的支援によって大きく軽減される可能性があります。
費用の内訳:家賃・食費・サービス費
グループホーム(GH)の場合、毎月支払う費用は以下の要素に分けられます。
- 家賃: 居室の賃料。地域や設備によって異なりますが、月額2万円〜6万円程度が一般的です。
- 食費: ホームが提供する食事代(自炊の場合は除く)。月額3万円〜4.5万円程度です。
- 光熱水費・共益費: 居室以外の共用部分の水道光熱費や消耗品費など。月額1万円〜2万円程度です。
- 福祉サービス費用(自己負担分): 世話人や職員による援助にかかる費用(サービス費総額の1割)。
このうち、最も負担が大きいのは家賃と食費ですが、多くの自治体で家賃補助(特定障害者特別給付)があり、負担が大きく軽減されます。
| 費用の種類 | 公的支援の有無 | 費用の目安(月額) |
|---|---|---|
| 家賃 | あり(特定障害者特別給付) | 2万〜6万円 |
| 食費 | 原則なし | 3万〜4.5万円 |
| サービス費(1割負担) | あり(高額障害福祉サービス費) | 0円〜9,300円 |
サービス費の自己負担と軽減措置
グループホームで提供される福祉サービスにかかる費用(訓練等給付費)は、原則として総費用の1割が自己負担です。しかし、この自己負担には大きな軽減措置があります。
- 月額上限額の設定: 障害者総合支援法では、所得に応じて月額の自己負担上限額(負担上限月額)が定められています。一般的に、低所得世帯(市町村民税非課税世帯)や生活保護受給者は自己負担が0円となります。
- 高額障害福祉サービス費: 複数サービスを併用し、自己負担額の合計が一定額を超えた場合、超過分が支給されます。
多くの入居者の方は、この月額上限額が適用されるため、福祉サービス費の負担は非常に軽くなるか、ゼロになるケースがほとんどです。
「月々のサービス利用料は、障害者総合支援法のおかげで上限額が適用され、自己負担は実質ゼロです。負担の中心は家賃と食費だけになり、自宅で暮らしていた時と比べても生活費は大きく変わっていません。」
— グループホーム利用者の声
🤝 ステップ4:家賃補助と生活保護との関係
費用の中でも特に重要なのが家賃補助の仕組みです。グループホームの入居者が利用できる、特定障害者特別給付について詳しく見ていきましょう。
特定障害者特別給付(家賃補助)の活用
特定障害者特別給付は、障害者グループホームに入居する方が、経済的な理由から住まいを諦めることがないように、家賃の一部を補助する制度です。
- 支給額: 家賃の実費を基本とし、月額1万円を上限として支給されます。
- 対象者: 市町村民税非課税世帯や生活保護受給者が中心となります。
この補助により、月額3万円の家賃の場合、自己負担額が2万円に軽減されます。多くのGHでは、この補助を前提とした家賃設定をしている場合があります。
⚠️ 注意
特定障害者特別給付は、入居しているGHが所在する市町村に申請する必要があります。また、上限額や支給基準は自治体によって若干異なることがあるため、事前に確認が必要です。
生活保護受給者とグループホーム
生活保護を受給している方がグループホームに入居する場合、福祉サービスの自己負担額は0円になります。
- 生活扶助費: 生活費の大部分は生活保護費(生活扶助費)から賄われます。
- 住宅扶助費: 生活保護には家賃に相当する「住宅扶助費」がありますが、GH入居者の家賃については、住宅扶助費ではなく、特定障害者特別給付(月1万円上限)が適用されることが原則です。
ただし、GH入居者の場合、共同生活であることから、生活扶助費の基準額が在宅での単身生活の場合と異なる場合があります。事前に福祉事務所や相談支援専門員と、生活保護費の支給額とGH費用とのバランスを確認しておくことが重要です。
✨ まとめと次の一歩の提案
障害者向けのサービス付き住宅、特にグループホームは、適切な支援を受けながら地域社会で自立した生活を送るための非常に重要な選択肢です。入居条件は、障害者手帳と障害支援区分が基本となり、各ホームの特性(介護量や行動障害の有無)によって異なります。
費用の大部分は家賃と食費ですが、福祉サービス費の自己負担には所得に応じた月額上限額が設定されており、さらに家賃については特定障害者特別給付(月1万円上限)によって軽減されます。これらの公的支援を最大限活用することが、経済的な安心につながります。
次の一歩の提案
まず、現在利用されている相談支援事業所の専門員に、「グループホームへの入居を検討している」ことを伝えましょう。専門員は、あなたの障害支援区分や必要な支援量に基づいて、最適なGHの種類や地域の空き状況、そして利用可能な家賃補助制度について具体的にアドバイスしてくれます。
まとめ
- 障害者向けサービス付き住宅(GH)の入居には、障害者手帳と障害支援区分の認定が公的な必須条件となる。
- GHの費用は、サービス費の自己負担に所得に応じた月額上限額が適用されるため、多くの利用者の負担は大幅に軽減される。
- 家賃は特定障害者特別給付(月額1万円上限)の対象となる可能性が高く、この制度を必ず申請すべきである。

伊藤 真由美
(いとう まゆみ)33歳📜 保有資格:
特別支援学校教諭免許、社会福祉士
特別支援学校で5年教員を務めた後、就労継続支援B型事業所で5年勤務。「学校から社会へ」の移行支援と、「自分のペースで働く」を応援します。進路選択や作業所選びの情報をお届けします。
大学で特別支援教育を学び、卒業後は特別支援学校の教員として5年間勤務。知的障害や発達障害のある生徒たちの進路指導を担当する中で、「卒業後の支援」の重要性を痛感しました。そこで教員を辞め、就労継続支援B型事業所に転職。現在は生活支援員として、様々な障害のある方が自分のペースで働く姿を日々見守っています。特に大切にしているのは、「働くことがすべてではない」という視点。一般就労が難しくても、作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけることは十分可能です。記事では、特別支援学校卒業後の進路選択、就労継続支援A型・B型の違い、作業所での実際の仕事内容など、「自分らしい働き方・過ごし方」を見つけるための情報を発信します。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
特別支援教育を学び、「卒業後の支援」の重要性を感じたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけた方々を見守ってきたこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
「働くことがすべてではない」という視点を大切に、自分らしい過ごし方を見つける情報を発信します。
🎨 趣味・特技
ハンドメイド、音楽鑑賞
🔍 最近気になっているテーマ
発達障害のある方の就労支援、工賃向上の取り組み





