障害者向けの外出支援アプリ「駅すぱあと」「バスNAVITIME」活用法

障害のある方の外出をサポート!
「駅すぱあと」「バスNAVITIME」徹底活用ガイド
外出は、社会参加やQOL(生活の質)の向上にとって非常に重要ですが、障害のある方やご家族、支援者の方々にとっては、交通手段の選択や移動ルートの確保が大きな課題となることがあります。
特に、初めての場所へ行く際や、複雑な乗り換えを伴う移動では、「どのルートが一番負担が少ないか」「バリアフリー設備は整っているか」といった情報が不可欠です。この課題を解決する強力なツールが、経路検索アプリです。
本記事では、多くの利用者に支持されている主要な経路検索アプリである「駅すぱあと」と「バスNAVITIME」に焦点を当て、障害のある方の外出支援に役立つ具体的な活用方法を、機能の比較や実例を交えて詳しくご紹介します。これらのアプリを使いこなすことで、外出への不安を減らし、移動の自由度を大きく広げられることを目指します。
経路検索アプリ活用の意義:なぜITツールが必要なのか
障害のある方の外出においては、単に目的地に到着するだけでなく、移動中の安全性と快適性が確保されることが重要です。最新の経路検索アプリは、その両方をサポートするための高度な機能を提供しています。
従来の移動における課題点
これまでの移動計画では、時刻表や地図を紙で確認したり、駅の窓口に直接問い合わせたりする必要がありました。これは時間と労力がかかる上に、リアルタイムな情報(例:エレベーターの故障や電車の遅延)を得ることが難しいという課題がありました。
特に、車いすユーザーにとっては、駅構内のエレベーターの位置や、ホームと車両の段差情報など、バリアフリー情報の入手が生命線となります。これらの情報が欠けていると、予期せぬ場所で立ち往生したり、大幅な時間のロスを招いたりするリスクがありました。
⚠️ 注意
紙の地図や古い時刻表に頼った計画は、最新の運行状況やバリアフリー設備の変更に対応できず、トラブルの原因となる可能性があります。必ず最新の情報をアプリや公式ウェブサイトで確認しましょう。
アプリが提供する新たな可能性
経路検索アプリは、これらの課題を一挙に解決します。リアルタイムでの運行情報の提供はもちろん、多くのアプリがバリアフリー情報を詳細に掲載するようになっています。
特に、障害者向けの外出支援に特化した機能や設定(例:エレベーター優先ルートの検索、車いす対応トイレの表示)を活用することで、介助者やご家族の負担も軽減され、当事者自身の主体的な外出を強力に後押しします。障害者手帳の割引運賃を反映した料金表示機能など、経済的なメリットを提供するアプリも増えています。
「以前は移動が不安で諦めていた場所も、アプリでエレベーターのルートを確認できるようになってから、自分一人で行けるようになりました。精神的な負担が本当に軽くなりました。」
— 視覚障害者 Bさんの声
「駅すぱあと」の強みと具体的な活用法
「駅すぱあと」は、長年にわたり経路検索サービスの老舗として多くのユーザーに信頼されてきたアプリです。その最大の強みは、詳細で正確な鉄道データと、独自の障害者支援機能にあります。
エレベーター優先ルート検索機能
「駅すぱあと」の大きな特徴の一つは、エレベーターの有無や位置情報を考慮したバリアフリールート検索です。これは、単に「段差がない」ルートを選ぶだけでなく、駅構内での移動距離や、乗り換えに必要な時間(エレベーター待ち時間含む)を詳細に考慮してルートを提案してくれます。
利用者は検索時に「エレベーター優先」などの設定を行うだけで、階段やエスカレーターを極力使わない、車いすユーザーやベビーカー利用者にとって負担の少ない経路を簡単に見つけることができます。これは、特に初めて利用する大規模な駅での乗り換え時に、迷子になる不安を解消するのに役立ちます。
障害者割引運賃の自動計算
運賃の計算において、障害者手帳を持つ方が利用できる割引運賃を自動で反映できる機能は、「駅すぱあと」の利便性を高めています。この機能を利用することで、旅行や外出の計画段階で正確な費用を把握でき、家計の管理がしやすくなります。
- アプリの設定画面で、割引の種類(例:身体障害者割引、知的障害者割引)を選択します。
- 経路検索を行うと、自動で割引後の運賃が表示されます。
- 介助者の運賃割引(場合による)も同時に計算されるため、ご家族や支援者にとっても非常に便利です。
運賃割引の制度は複雑な場合があるため、アプリで自動計算できることは、大きな時間短縮と正確性をもたらします。
「駅すぱあと」のその他の役立つ機能
「駅すぱあと」は、細部にわたる情報提供にも定評があります。例えば、利用する列車の車両編成情報や、多目的トイレの位置などの情報が充実している場合があります。
また、運行情報や遅延情報がリアルタイムで更新されるため、移動直前に急なトラブルが発生した場合でも、すぐに代替ルートを探すことができます。事前にこれらの情報を確認し、余裕を持った行動計画を立てるようにしましょう。
💡 ポイント
「駅すぱあと」のアプリとWebサイトでは、提供される機能や詳細情報に若干の違いがある場合があります。Webサイト版では、さらに詳細な駅構内図が確認できることもあるため、併用をおすすめします。
「バスNAVITIME」の強みと具体的な活用法
「バスNAVITIME」は、特にバス移動に焦点を当てた経路検索アプリです。地方や郊外、あるいは駅のないエリアへの移動において、非常に強力なサポートを提供します。
バス移動に特化した詳細な情報提供
鉄道網が発達していない地域や、自宅から目的地まで鉄道駅を介さずに行きたい場合、バスは重要な交通手段となります。「バスNAVITIME」は、全国のほぼ全ての路線バスやコミュニティバスに対応しており、細かなバス停の位置や時刻表、運行ルートを正確に把握することができます。
バスのリアルタイム運行情報(例:今バスがどこを走っているか、何分遅れているか)を提供する機能もあり、バス停で長時間待つことによる疲労や不安を軽減できます。特に、視覚障害のある方や、待機が負担となる内部障害のある方にとって、このリアルタイム情報は大きな安心材料となります。
「低床バス」や「車いす対応車両」の識別
バス移動において、車いすユーザーや高齢者にとって重要なのが、車両の構造です。最近はノンステップバス(低床バス)が増えていますが、全てのバスがそうとは限りません。「バスNAVITIME」では、一部の地域や路線において、低床バスの運行情報を識別できる機能を提供している場合があります。
この情報を活用することで、乗降時に段差が少なく、スロープの利用が容易な車両を計画的に選ぶことが可能になります。事前に低床バスが運行されている時間帯を把握し、それに合わせて外出時間を調整することで、より安全で快適な移動が実現します。
✅ 成功のコツ
バス停から目的地までの徒歩ルートについても、アプリの地図機能を利用して、段差の少ない道路や歩道の状況を事前に確認しておきましょう。バスのルート検索と徒歩ルート検索を組み合わせて使うことが、トータルな移動の質を高めます。
バス停周辺のバリアフリー施設検索
バス移動は、鉄道移動に比べて「駅から離れた場所」での利用が中心になります。そのため、バス停の周辺にトイレや休憩できる場所があるかという情報が重要になります。「バスNAVITIME」の周辺施設検索機能を利用することで、目的地のバス停近くの多目的トイレやコンビニエンスストアなどの情報を素早く入手できます。
これは、特に体調の変化が起こりやすい内部障害のある方や、移動に時間がかかる車いすユーザーにとって、非常に心強い機能です。これらの施設情報は、外出計画全体における安心感の向上に大きく貢献します。
「駅すぱあと」と「バスNAVITIME」の比較と使い分け
それぞれのアプリには強みと弱みがあり、利用シーンに応じて使い分けることが、最も効率的で安心な外出につながります。
機能別比較と得意なシチュエーション
| 機能・項目 | 駅すぱあと | バスNAVITIME |
|---|---|---|
| 得意な移動手段 | 鉄道(電車・新幹線) | 路線バス・コミュニティバス |
| バリアフリールート | エレベーター優先、詳細な駅構内情報 | 低床バスの運行情報(一部) |
| 運賃割引計算 | 障害者割引運賃の自動計算機能あり | バス運賃割引への対応は限定的 |
| リアルタイム情報 | 鉄道の遅延・運行状況 | バスの現在地・遅延状況 |
| 推奨シーン | 長距離移動、複雑な鉄道乗り換え | 地域内の移動、バス利用が主体の外出 |
長距離の移動や、JR・私鉄など複数の鉄道会社を乗り継ぐ複雑なルートの場合は、「駅すぱあと」の強みが最大限に活かされます。特に、正確な乗換時間と割引運賃の計算は、計画を立てる上で非常に有用です。
一方、自宅から地域の病院や福祉施設など、短距離かつバス移動がメインの外出では、「バスNAVITIME」のリアルタイム情報と、バスに特化した詳細な情報が役立ちます。どちらのアプリも、無料で利用できる基本機能だけでも十分に役立つ情報が得られます。
両アプリを組み合わせる「ハイブリッド活用法」
最も効果的なのは、両方のアプリを組み合わせて使用するハイブリッド活用法です。例えば、目的地まで新幹線と路線バスを乗り継ぐ場合を考えてみましょう。
- まずは「駅すぱあと」で、自宅最寄りの駅から新幹線駅、さらに新幹線駅から最終目的地最寄りのバス停までの鉄道ルートを検索し、エレベーター優先ルートと費用を確認します。
- 次に「バスNAVITIME」で、最終目的地最寄りのバス停から実際の目的地までのバスルート(時刻、低床バスの有無、バス停周辺のバリアフリー情報)を詳細にチェックします。
このように、それぞれのアプリの得意分野を活かして情報を補完しあうことで、より隙のない、安心できる移動計画を立てることが可能となります。
✅ 成功のコツ
アプリで得た情報と、事前に駅やバス会社に電話で問い合わせた情報を二重チェックすることで、予期せぬトラブルのリスクをほぼゼロに近づけることができます。IT情報とアナログな確認の組み合わせが最強です。
アプリ利用時の注意点とデータ活用の限界
経路検索アプリは非常に便利なツールですが、提供される情報には限界があり、全ての状況を完全に網羅しているわけではありません。安全のためには、アプリの情報に頼りきりにならず、その限界を理解した上で利用することが大切です。
情報の鮮度と正確性の確認
アプリが提供するバリアフリー情報、特にエレベーターの故障や一時的な閉鎖といった情報は、リアルタイムで更新されていない場合があります。例えば、小規模な駅のエレベーターのメンテナンス情報などは、アプリへの反映が遅れる可能性があります。
そのため、特に重要な移動日には、アプリでルートを確認した後、利用予定の駅や鉄道会社の公式ウェブサイトでも、運行情報やバリアフリー設備の状況を改めて確認する習慣をつけましょう。情報源を複数にすることで、計画の確実性が大幅に向上します。
アプリ外の要素への対応
アプリは、駅構内やバスのルートについては詳細な情報を提供しますが、駅やバス停から目的地までの「屋外での徒歩移動」における路面の状況(坂道、工事、点字ブロックの破損など)までは完全に把握することはできません。
このアプリ外の要素については、事前にGoogleストリートビューなどのツールを利用して、周辺の状況を視覚的に確認したり、実際に支援者の方が下見に行ったりすることで、情報不足を補うことができます。アプリはあくまでも「移動計画の土台」と捉え、最終的な安全確保は別のアプローチも組み合わせましょう。
⚠️ 注意
アプリで「エレベーター優先」と表示されても、そのエレベーターが狭い、混雑している、または遠回りになる可能性があります。表示されたルートを鵜呑みにせず、常に予備のルートを想定しておくことが重要です。
移動の自由を広げるための次の一歩
「駅すぱあと」や「バスNAVITIME」を使いこなすことで、移動の不安は大きく減ります。しかし、さらに移動の自由度を高めるためには、アプリの活用に加えて、地域の福祉サービスや人との連携を深めることが不可欠です。
移動支援サービスとの連携
アプリで計画を立てた上で、「やはり一人での移動が不安だ」「慣れない場所での介助が必要」と感じる場合は、自治体が提供する移動支援サービスや、その他の外出支援サービスとの連携を検討しましょう。
移動支援サービスは、ガイドヘルパー(移動支援従事者)が付き添い、外出をサポートする公的なサービスです。アプリで作成した計画をヘルパーと共有することで、当日の支援がよりスムーズになり、安心して外出できるようになります。
- お住まいの市町村の障害福祉窓口に相談しましょう。
- サービス利用のための申請や、費用の助成制度についても確認できます。
- アプリの経路情報を活用し、「このルートでヘルパーさんに付き添ってほしい」と具体的に依頼することが可能です。
利用者同士の情報交換の場
アプリだけでは得られない「生きた情報」は、同じ障害を持つ方々や支援者のコミュニティから得られます。地域の交流会やオンラインフォーラムなどで、特定の駅やバス停のバリアフリー情報の最新状況や、アプリを使いこなす上での個人的なコツを交換してみましょう。
「〇〇駅のエレベーターは朝8時台はいつも混んでいる」「△△バス停は屋根がないので、雨の日は注意が必要」といった細かな情報は、移動計画の質をさらに高めます。互いに情報を提供し合うことで、地域全体の外出のハードルを下げることにつながります。
「SNSで知り合った車いすユーザーの方が、『あの駅の乗り換えはアプリの表示より10分余計にかかる』と教えてくれたおかげで、大事な会議に遅刻せずに済みました。」
— 支援者 Cさんのエピソード
まとめ
「駅すぱあと」と「バスNAVITIME」は、障害のある方の移動を強力にサポートしてくれる、現代の外出に欠かせないツールです。鉄道に強い「駅すぱあと」と、バス移動に特化した「バスNAVITIME」を使い分けることで、あらゆる移動シーンでの不安を解消できます。
特に、エレベーター優先ルートの検索や、障害者割引運賃の自動計算、そしてバスのリアルタイム運行情報の活用は、安全で快適な移動を実現するための鍵となります。アプリの情報を鵜呑みにせず、常に公式情報や人との連携で二重チェックを行う習慣をつけましょう。これらのITツールを最大限に活用し、移動の自由と可能性を大きく広げていきましょう。
- ポイント1: 「駅すぱあと」は複雑な鉄道移動と割引運賃計算に、「バスNAVITIME」はバスのリアルタイム情報と低床バス識別に活用する。
- ポイント2: アプリの情報だけに頼らず、公式ウェブサイトや移動支援サービスと連携して、計画の確実性を高める。
- ポイント3: アプリ外の要素(路面状況など)は、ストリートビューや下見で補完し、トータルな安全性を確保する。

谷口 理恵
(たにぐち りえ)45歳📜 保有資格:
介護福祉士、ケアマネージャー、サービス管理責任者
介護福祉士として15年間現場で働き、現在はグループホームの管理者。「地域で自分らしく暮らす」を支えるために、住まい・生活・地域資源に関する情報発信を担当しています。実際の支援現場で感じた「これ知りたかった!」という情報をお届けします。
介護福祉士として障害者施設で10年、その後ケアマネージャーの資格を取得し、相談支援専門員として5年勤務。現在はグループホーム(定員10名)の管理者として、利用者の方々の日々の生活を支えています。この仕事を選んだきっかけは、大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会ったこと。「普通」の定義は人それぞれで、大切なのは本人が望む生活を実現することだと気づかされました。特に力を入れているのは、地域との繋がりづくり。近所のスーパーや美容院、カフェなど、日常的に利用できる場所を増やすことで、「施設の中だけ」ではない豊かな生活を支援しています。記事では、グループホームでの実際の生活の様子や、地域の障害福祉サービス事業所の選び方など、現場の生の声をお伝えしていきます。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会い、「普通」の定義は人それぞれだと気づいたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
近所のスーパーや美容院など、日常的に利用できる場所を増やすことで、利用者の生活が豊かになったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
現場の生の声を大切に、「これ知りたかった!」という情報を届けることを心がけています。
🎨 趣味・特技
料理、ガーデニング
🔍 最近気になっているテーマ
一人暮らし支援の新しい形、地域住民との共生





