外出時に役立つ福祉用具・モビリティグッズおすすめ

お出かけをもっと自由に!外出を支える福祉用具・モビリティガイド
障害を持つ方やそのご家族にとって、外出は時に大きなエネルギーを必要とするものです。「移動だけで疲れてしまう」「段差や人混みが不安で、行きたい場所を諦めている」といった悩みをお持ちの方は少なくありません。しかし、技術の進歩により、今の外出支援ツールは驚くほど進化しています。
この記事では、歩行を助ける最新の杖やシルバーカーから、スタイリッシュに進化した次世代型車椅子、さらには視覚や聴覚を補う便利なガジェットまで幅広くご紹介します。適切な福祉用具やモビリティグッズを取り入れることは、単なる移動の助けになるだけでなく、あなたの「外の世界を楽しみたい」という気持ちを後押ししてくれるはずです。もっと快適で、もっと自分らしい外出を叶えるためのヒントを一緒に探していきましょう。
歩行を軽やかに支える最新ツール
多機能な杖とロフストランドクラッチ
歩行をサポートする最も身近な道具が「杖」です。最近の杖は、単に体重を支えるだけでなく、握りやすさや安定性が格段に向上しています。例えば、4点杖は接地面が広いため、手を離しても自立するほど安定感があり、立ち座りの動作が多い外出先で非常に重宝します。
また、握力が弱い方や腕全体の力で体を支えたい方には、カフ(腕を通す輪っか)がついた「ロフストランドクラッチ」がおすすめです。これにより、手のひらだけで支えるよりも負担が分散され、長距離の移動でも疲れにくくなります。折りたたみ機能がついたものを選べば、タクシーや電車での移動時も邪魔にならず、スマートに持ち運ぶことができます。
シルバーカーと歩行車の使い分け
「歩行車」と「シルバーカー」は似ていますが、実は役割が異なります。歩行車は体重をしっかりかけて歩行を安定させるための「リハビリ・支援」の側面が強く、ブレーキ操作がしやすく設計されています。対してシルバーカーは、自立歩行ができる方が荷物を運んだり休憩したりするための「生活便利グッズ」に近い性質を持っています。
最近のシルバーカーは、北欧風のお洒落なデザインや、驚くほど軽量なカーボン素材のものも増えています。買い物に出かける際、疲れたらサッと椅子にして休める機能は、体力的な不安を大きく解消してくれます。自分の歩行レベルに合わせて最適なタイプを選ぶことで、これまで「遠い」と感じていたスーパーや公園がぐっと身近な存在になるでしょう。
足元の安全を守るシューズと周辺小物
福祉用具というと大きな器具を思い浮かべがちですが、「靴」も非常に重要なモビリティグッズです。装具をつけたまま履けるタイプや、片手で簡単に脱ぎ履きできるマジックテープ式のシューズは、外出時のストレスを大幅に軽減します。特につまずきを防止するために、つま先が少し上がった設計の靴は、屋外の小さな段差対策に有効です。
また、雨の日の外出を支える「滑り止めゴムキャップ」の交換も忘れずに行いたいポイントです。杖の先ゴムが摩耗していると、濡れた路面で滑りやすくなり大変危険です。季節や天候に合わせて足元の装備を整えることが、安心安全な「ひとり外出」を継続させるための秘訣といえます。
💡 ポイント
杖や歩行車を選ぶ際は、理学療法士などの専門家に体のバランスを見てもらいながらフィッティングを行うのが一番安心です。
次世代型車椅子と電動モビリティの進化
スタイリッシュな電動車椅子「WHILL」
車椅子のイメージを大きく変えたのが、次世代型電動車椅子のWHILL(ウィル)シリーズです。これまでの「福祉車両」という枠を超えた洗練されたデザインは、乗る人の気持ちを明るくしてくれます。小回りが利くオムニホイールを搭載したモデルなら、狭いカフェの店内やエレベーター内でも自由自在に動くことができます。
また、多くのモデルが分解して車のトランクに乗せられたり、歩道での走行に適した安定感を持っていたりします。電動車椅子は「歩けないから乗るもの」ではなく、自分の移動距離を延ばすためのツールとして捉え直されています。これまでは家族に押してもらっていた坂道も、自分の指先一つでスイスイ登れる快感は、自立心を大きく育んでくれます。
スマート電動アタッチメントの活用
今お使いの手動車椅子を、簡単に電動化できる「電動アシストユニット」や「フロントアタッチメント」も注目されています。車椅子の前輪部分にバイクのようなハンドルユニットを装着することで、長距離を楽に移動できる電動三輪車のようなスタイルに変身させることができます。
これにより、公園の砂利道や緩やかな傾斜地など、手動では厳しかった場所へも気軽に行けるようになります。普段はコンパクトな手動として使い、旅行や遠出の時だけ電動化するという使い分けができるため、アクティブに活動したい若い世代からシニア層まで幅広く支持されています。移動の選択肢が増えることは、人生の楽しみを増やすことに直結します。
軽量化が進む手動車椅子の魅力
電動が進化する一方で、手動車椅子も「軽さ」と「乗り心地」を追求しています。超軽量マグネシウム合金やカーボンを使用したモデルでは、総重量が10kgを切るものも珍しくありません。車椅子が軽いと、漕ぎ出しがスムーズになるだけでなく、車への積み込みを行う家族や介助者の負担も劇的に軽減されます。
また、お尻の形に合わせて調整できるシートクッションや、背もたれの張りを調整できる「バックサポート」機能も重要です。長時間座っていても疲れにくい車椅子は、外出先での滞在時間を延ばしてくれます。機能性だけでなく、フレームのカラーを選べるカスタムオーダーモデルなら、自分だけの「愛車」として愛着を持って使うことができます。
| モビリティの種類 | 特徴 | おすすめのシーン |
|---|---|---|
| 次世代電動車椅子 | 高いデザイン性と小回り性能 | ショッピングモール・カフェ巡り |
| 電動アタッチメント | 手動車椅子をパワフルに電動化 | 公園散歩・坂道の多い街中 |
| 超軽量手動車椅子 | 持ち運びが楽で漕ぎ出しが軽い | 電車移動・通院・家族との外食 |
視覚・聴覚をサポートするスマートガジェット
音声ガイドとAIカメラの進化
視覚に障害がある方の外出を劇的に変えているのが、AIを搭載したウェアラブルデバイスです。例えば、眼鏡に取り付けるタイプの小型カメラは、目の前にある看板の文字を読み上げたり、知り合いの顔を認識して名前を教えてくれたりします。これにより、駅の案内表示やレストランのメニューを自分の耳で確認することが可能になりました。
また、スマートフォンのアプリでも、周囲の状況を実況してくれるものや、ビデオ通話を通じて遠隔地のボランティアが道案内をしてくれるサービスが普及しています。テクノロジーが「目」の代わりとなることで、これまで同行援護が必要だったルートも、一人で挑戦できる可能性が広がっています。
骨伝導イヤホンと振動デバイス
聴覚に障害がある方や、周囲の音を聞き漏らしたくない方にとって、骨伝導イヤホンは外出時の必須アイテムとなりつつあります。耳を塞がないため、背後から近づく車の音や駅の放送を聞き取りつつ、ナビの音声案内を確認することができます。
さらに、音を「振動」に変換して伝えるスマートウォッチや首掛け型デバイスも登場しています。緊急車両のサイレンや、駅のホームでの警告音を振動で知らせてくれるため、視覚情報に頼りすぎることなく安全を確保できます。これらのデバイスは、騒がしい屋外でも重要な情報を逃さないための、頼もしいデジタル耳となってくれます。
多言語・筆談アプリの活用
外出先でのコミュニケーションを円滑にするのが、タブレットやスマホを使った筆談・翻訳アプリです。音声入力した言葉を即座に大きな文字で表示してくれるアプリは、レジでのやり取りや役所の窓口などで非常に重宝します。指で書くよりも速く、かつ正確に意思疎通ができるため、対面での緊張感を和らげてくれます。
また、最近では透明なパネルに字幕が表示される「透明ディスプレイ」を設置する窓口も増えています。相手の表情を見ながら文字情報を確認できるため、より自然なコミュニケーションが可能になります。こうしたツールの進化は、障害を持つ方が社会の中で「対話」を諦めないための大きな支えとなっています。
✅ 成功のコツ
新しいデジタル機器は、まず自宅の近くや、知人と一緒の時に試してみましょう。操作に慣れてから本格的な「ひとり外出」に取り入れるのがスマートです。
負担を軽減する「身につける」サポートグッズ
姿勢を保つサポートウェア
移動中の疲れやすさは、実は「姿勢の崩れ」から来ていることが少なくありません。体幹を優しく支えるパワーアシストウェアや、姿勢矯正機能のあるアンダーウェアを着用することで、長時間の歩行や車椅子操作による腰や肩への負担を軽減できます。
これらは以前のようなゴツゴツした機械ではなく、普通の服の下に着られるほど薄手で伸縮性に優れたものが増えています。筋肉の動きをサポートしてくれるため、歩き出しがスムーズになったり、階段の上り下りが楽に感じられたりする効果が期待できます。体力を温存できれば、目的地に到着してからもっとアクティブに楽しむことができます。
冷却・加温アイテムと体温調節
障害の特性によっては、体温調節が難しい場合があります。特に夏場の外出には、首元を冷やす「ネックリング」や、気化熱を利用したベストが欠かせません。逆に冬場は、充電式の電熱ベストや膝掛けを活用することで、血流が悪くなりがちな足元をしっかり温めることができます。
こうした季節対策グッズは、今や「便利グッズ」の域を超え、外出時の健康管理に直結する重要なアイテムです。無理をして体調を崩すと外出が怖くなってしまいますが、装備を万全に整えることで、「このグッズがあるから大丈夫」という心の余裕にもつながります。
多機能バッグとポーチの配置
車椅子ユーザーや杖を使う方にとって、荷物の持ち運びは常に課題です。車椅子の背面に掛けるバッグだけでなく、手の届く範囲に装着できる「サイドポーチ」や、膝の上に安定して置ける「トレイ型バッグ」を活用しましょう。財布やスマホ、ヘルプカードなど、頻繁に使うものを片手で取り出せる場所に配置することが重要です。
また、リュックサックを選ぶ際は、胸元でベルトを固定できる「チェストストラップ」付きがおすすめです。肩からずり落ちる心配がないため、両手を杖や車椅子の操作に集中させることができます。荷物の重さを感じさせない工夫を凝らしたバッグは、移動の自由度を一段階引き上げてくれる隠れた主役です。
⚠️ 注意
車椅子の背面に重い荷物を掛けすぎると、後ろに転倒する恐れがあります。重量バランスには十分に注意し、転倒防止バーの活用も検討してください。
外出をもっと楽しくする便利なアクセサリー
雨の日対策:車椅子用レインコートと傘固定具
雨の日の外出は億劫になりがちですが、専用のアイテムがあれば乗り切ることができます。車椅子用レインコートは、足元まですっぽり覆う形状になっており、タイヤに巻き込まれにくい設計が施されています。透明なバイザー付きなら、視界を確保しつつ顔が濡れるのを防げます。
また、手動車椅子の方には、ハンドル部分に傘を固定できるホルダーも便利ですが、風が強い日は注意が必要です。最近では撥水加工が非常に強力なポンチョも人気で、急な雨でもサッと被るだけで対応できます。雨の日でも「行かなければならない場所」がある方にとって、これらの装備は大きな安心材料となります。
夜間の安全:リフレクターとLEDライト
冬場の夕方など、暗い時間帯の移動には安全対策が欠かせません。杖や車椅子のフレームに貼れる「反射テープ(リフレクター)」や、スポークに取り付けるLEDライトは、周囲の車や歩行者に自分の存在を知らせるために非常に有効です。100円ショップなどで手に入るものでも、あるとないとでは安全性が雲泥の差です。
特に視線が低い車椅子ユーザーは、ドライバーから死角になりやすいため、自ら光るアイテムを持つことが防犯・事故防止に役立ちます。最近では、USB充電式で明るく輝くライトも増えており、夜道でも足元を明るく照らして段差を見落とさないようにサポートしてくれます。
カップホルダーとスマホホルダー
あると便利な小物の代表格が、ドリンクホルダーとスマホホルダーです。移動中にコーヒーを楽しんだり、地図アプリを常に確認したりすることができます。これらは自転車用やベビーカー用のものを流用できることも多く、数百円から数千円でQOL(生活の質)を向上させることができます。
特に知らない土地で地図を確認する際、いちいち立ち止まってカバンからスマホを取り出すのは大変です。視線の先に画面を固定できれば、ナビに従ってスムーズに移動でき、道に迷う不安を解消できます。こうした小さなカスタマイズの積み重ねが、お出かけを「苦労」から「レジャー」へと変えていくのです。
「最新の電動モビリティを使い始めてから、坂道の多い実家への帰省が楽しみになりました。道具一つで、行ける場所も会える人も増えるんだと実感しています。」
— 脊髄損傷当事者のGさん
よくある質問と具体的な対処法
Q1. 福祉用具はどこで試せばいいですか?
全国にある「福祉用具展示プラザ」や、自治体の「福祉機器展示コーナー」に行くと、多くの製品を実際に触って試すことができます。また、多くのメーカーがデモ機の貸し出しサービスを行っています。大きな買い物になる場合は、必ず自分の生活圏内(自宅の段差やよく行くスーパーの通路など)で使い勝手を確認することが失敗しないコツです。担当のケアマネジャーや相談支援専門員に「実物を見てみたい」と伝えてみましょう。
Q3. 福祉用具の購入やレンタルに補助金は出ますか?
はい、多くの用具が補助の対象になります。介護保険を利用する場合は、指定された福祉用具が1〜3割の自己負担でレンタルできます。また、身体障害者手帳をお持ちの方は、障害者総合支援法に基づく「補装具費支給制度」で、車椅子や杖の購入費用の補助(原則1割負担)を受けられる場合があります。申請は必ず「購入・レンタル前」に役所の窓口で行う必要があります。後から申請しても認められないことが多いため、注意してください。
Q3. 最新ガジェットを使いこなせるか不安です
すべての機能を使いこなす必要はありません。例えばAIカメラなら「文字を読んでくれる機能」だけを使うのでも十分に価値があります。最近は障害当事者向けにタブレットやスマホの使い方を教える「ICT支援」を行っているNPO団体やボランティアグループも増えています。まずは得意な人に初期設定をしてもらい、一番使いたい機能だけをマスターすることから始めましょう。道具はあなたのペースに合わせるためのものです。
Q4. 重い用具を車に載せるのが大変です
福祉車両への改造を検討するか、軽量モデルへの買い替えが解決策になります。車への積み込みをアシストする「クレーン装置」を後付けすることも可能です。また、折りたたみ式のスロープを常に車に載せておけば、段差がある場所でも車椅子での乗降が楽になります。本人の利便性だけでなく、介助者の腰痛予防なども含めて「家族全員にとって楽な方法」を専門家に相談してみましょう。
まとめ
外出を支える福祉用具やモビリティグッズは、単なる「移動の道具」ではありません。それは、あなたが会いたい人に会いに行き、見たい景色を見に行くための、いわば「自由への鍵」です。杖一本、車椅子一台、そして小さなアプリ一つを変えるだけで、昨日まで高い壁に感じていた段差や距離が、あっさりと乗り越えられるものに変わることがあります。
まずは、今の外出で「ここが一番疲れる」「ここが不安だ」と感じているポイントを一つ書き出してみてください。そして、その悩みを解決してくれるツールがないか、相談員や福祉用具のプロに聞いてみましょう。テクノロジーと周囲のサポートを賢く使いこなして、あなただけの新しい冒険に出かけましょう。外の世界は、あなたを待っています。
まとめ
- 最新の杖やシルバーカー、電動モビリティは、デザインと機能性が両立しており、自分の好みに合わせて選べます。
- AIカメラや骨伝導イヤホンなどのスマートガジェットを活用することで、視覚や聴覚の不安を補い、自立した移動が可能になります。
- レインコートやリフレクター、ホルダーなどの小物をカスタマイズすることで、外出時の細かなストレスを解消しましょう。
- 購入やレンタルには介護保険や補装具費支給制度などの補助があるため、必ず事前に専門窓口へ相談することが大切です。

谷口 理恵
(たにぐち りえ)45歳📜 保有資格:
介護福祉士、ケアマネージャー、サービス管理責任者
介護福祉士として15年間現場で働き、現在はグループホームの管理者。「地域で自分らしく暮らす」を支えるために、住まい・生活・地域資源に関する情報発信を担当しています。実際の支援現場で感じた「これ知りたかった!」という情報をお届けします。
介護福祉士として障害者施設で10年、その後ケアマネージャーの資格を取得し、相談支援専門員として5年勤務。現在はグループホーム(定員10名)の管理者として、利用者の方々の日々の生活を支えています。この仕事を選んだきっかけは、大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会ったこと。「普通」の定義は人それぞれで、大切なのは本人が望む生活を実現することだと気づかされました。特に力を入れているのは、地域との繋がりづくり。近所のスーパーや美容院、カフェなど、日常的に利用できる場所を増やすことで、「施設の中だけ」ではない豊かな生活を支援しています。記事では、グループホームでの実際の生活の様子や、地域の障害福祉サービス事業所の選び方など、現場の生の声をお伝えしていきます。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会い、「普通」の定義は人それぞれだと気づいたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
近所のスーパーや美容院など、日常的に利用できる場所を増やすことで、利用者の生活が豊かになったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
現場の生の声を大切に、「これ知りたかった!」という情報を届けることを心がけています。
🎨 趣味・特技
料理、ガーデニング
🔍 最近気になっているテーマ
一人暮らし支援の新しい形、地域住民との共生





