障害者の飛行機利用ガイド:サポート内容・手続き・注意点

空の旅を安心に:障害がある方の飛行機利用完全ガイド
「飛行機に乗って遠くへ出かけたいけれど、手続きが難しそう」「車椅子や医療機器の持ち込みはどうすればいいの?」と、空の旅を諦めてはいませんか。飛行機は公共交通機関の中でも、実は非常に手厚いサポート体制が整っている移動手段の一つです。事前にルールを知り、適切な準備を行うことで、障害がある方でも安全に、そして快適にフライトを楽しむことができます。
航空会社各社には「プライオリティ・ゲストサポート」などの専門窓口があり、お一人おひとりの身体の状況に合わせた相談を受け付けています。初めての方でも、この記事を読めば予約から搭乗、到着後の流れまでをスムーズにイメージできるようになります。身体障害、知的・発達障害、内部障害など、さまざまな特性に応じた配慮についても詳しく解説します。
この記事では、航空会社が提供する具体的なサービス内容、予約時に伝えるべきポイント、空港での過ごし方、そして注意が必要な手荷物のルールについてまとめました。具体的な実例やよくある質問も盛り込んでいます。この記事が、あなたの「新しい景色」への第一歩を後押しするガイドとなれば幸いです。それでは、空の旅の準備を始めましょう。
航空会社のサポート体制と予約の進め方
専門窓口の活用と事前相談
飛行機を利用することが決まったら、まず最初に行いたいのが航空会社のサポートデスクへの連絡です。JALやANAなどの大手航空会社をはじめ、多くの航空会社では、障害がある方や怪我をされている方のための専用ダイヤルを設置しています。ここでは、航空券の予約だけでなく、機内での配慮や空港内での移動介助についての相談が可能です。
相談時には、どのようなサポートが必要かを具体的に伝えることが大切です。例えば「歩行はできるが長距離は車椅子が必要」「機内の座席へ移る際に手伝ってほしい」「視覚に障害があるのでアナウンスを個別にしてほしい」といった要望です。航空会社側も事前に状況を把握することで、当日のスタッフ配置や機内設備の準備をスムーズに進めることができます。
予約は、搭乗の48時間前までに済ませておくのが一般的ですが、車椅子の仕様や医療機器の持ち込みがある場合は、確認に時間がかかることもあるため、1週間から10日前までには連絡しておくことをおすすめします。最近ではインターネット予約時にサポート情報を入力できるシステムも増えていますが、初めての場合は電話での直接相談が最も安心です。
身体特性に合わせた座席の選び方
座席選びは、フライトの快適さを左右する重要なポイントです。足の不自由な方であれば、化粧室に近い席や、通路側の席を選ぶのが基本です。ただし、非常口座席は緊急時の脱出援助が求められるため、障害がある方は指定できないルールがあります。航空会社の窓口では、特性に合わせて最も適切な場所を提案してくれます。
例えば、片麻痺がある方の場合は、麻痺のない側が通路になる席を選ぶと、座席への出入りがスムーズになります。また、ストーマを使用されている方や頻繁に化粧室を利用する必要がある方は、後方の座席を指定すると心理的な負担が軽減されます。知的障害や発達障害があり、周囲の視線が気になる場合は、窓側の後方席など、比較的落ち着ける場所を希望することも可能です。
特殊な例として、身体を支えることが困難な方のために、機内で使用できる補助ベルトや、チャイルドシートのようなカーシートを貸し出している会社もあります。これらは数に限りがあるため、予約時に必ずリクエストしておきましょう。自分に最適な「居場所」を確保することが、空の旅の成功への第一歩となります。
航空運賃の割引制度について
多くの国内航空会社では、障害者手帳をお持ちの方とその介護者に対して「障害者割引運賃」を設定しています。割引率は会社や時期によって異なりますが、普通運賃の25%〜50%程度安くなるケースが多いです。対象となる手帳の種類は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などです。
割引を利用するためには、予約時にその旨を伝え、当日空港のカウンターで手帳を提示する必要があります。最近では、マイナンバーカードと連携した「ミライロID」などのスマホアプリを提示することで、原本の代わりに確認ができる航空会社も増えており、利便性が向上しています。ただし、介護者への割引適用範囲(1名まで等)は航空会社ごとに規定があるため、事前に確認しておきましょう。
また、LCC(格安航空会社)の場合は、独自の割引制度がない場合もあります。その分、もともとの運賃が安く設定されていますが、サポート内容が大手と異なる場合があるため、安さだけでなくサービスの充実度も併せて検討することが重要です。割引制度を賢く利用して、旅の予算を有効に活用しましょう。
💡 ポイント
航空会社のウェブサイトには「お身体の不自由な方へのご案内」という専用ページが必ずあります。搭乗する機種や空港のバリアフリー情報が詳しく載っているので、一読しておくと安心です。
車椅子の持ち込みと空港での移動サポート
自分の車椅子を預ける際の手順
自分の車椅子で空港まで行く場合、原則としてチェックインカウンターで車椅子を預け、空港貸出用の車椅子に乗り換えることになります。預ける際には、車椅子のサイズ(幅・高さ・奥行き)と重量、そして電動車椅子の場合はバッテリーの種類を正確に伝える必要があります。バッテリーの種類によっては、航空法により持ち込みや受託が厳しく制限されているためです。
リチウムイオン電池を使用している電動車椅子の場合は、特に注意が必要です。ワット時定格量(Wh)や個数によって制限が変わるため、メーカーの説明書やカタログを確認し、予約時に伝えておきましょう。当日、バッテリーの取り外しが必要な場合もあるため、工具の有無や操作方法をスタッフに説明できるようにしておくとスムーズです。
車椅子を預ける際は、破損を防ぐために取り外し可能なパーツ(クッション、足置き、背もたれなど)は自分で機内に持ち込むか、別途梱包を依頼しましょう。航空会社は丁寧に扱ってくれますが、万が一に備えて「ここは動かさないでほしい」「ここは持っていい」といった指示を書いたタグを付けておくのも良い方法です。
空港内での移動介助サービス
空港は広く、移動距離が長くなりがちです。歩行が困難な方のために、チェックインカウンターから搭乗口、さらには機内の自席まで、スタッフが介助用車椅子で案内してくれるサービスがあります。このサービスは無料で受けられます。広い空港内を無理に歩いて体力を消耗するより、積極的にこのサービスを利用しましょう。
大きな空港では、電動カートでの移動サポートを行っている場合もあります。また、視覚障害がある方には、スタッフが腕や肩を貸して誘導する「手引き介助」も行われます。聴覚障害がある方には、筆談ボードや手話(可能なスタッフがいる場合)を用いて、搭乗ゲートの変更や遅延情報を正確に伝えてくれます。
実例として、肢体不自由のあるBさんは、地方空港から羽田空港へ移動する際、このサポートを利用しました。「スタッフの方が搭乗口まで付き添ってくれ、優先的に案内してくれたおかげで、人混みに酔うことなく安心して移動できました。到着後も預けた自分の車椅子を機門(飛行機の入り口)まで持ってきてくれたので助かりました」と話しています。
優先搭乗と降機時の配慮
飛行機には、一般の乗客よりも先に機内へ入ることができる「優先搭乗」という仕組みがあります。障害がある方や小さなお子様連れの方が対象です。早めに機内に入ることで、落ち着いて座席への移動や手荷物の収納ができます。スタッフの介助が必要な場合も、この時間帯に行われるのが一般的です。
機内の通路は狭いため、通常の車椅子では通れません。そのため、通路を通ることができる専用の細身の車椅子(機内用車椅子)に乗り換えて座席まで移動します。座席への移乗が困難な場合は、スタッフが数名でサポートしてくれますが、身体に触れられることに抵抗がある場合は、あらかじめ「どのように持ってほしいか」を伝えておくと安心です。
逆に、目的地に到着した際は、一般の乗客が全員降りた後に、最後にゆっくりと降りることになります。これは、介助スペースを確保し、安全に降機するためです。急いで降りる必要がないよう、到着後の予定には30分から1時間程度の余裕を持たせておくのが「空の旅のコツ」です。スタッフとコミュニケーションを取りながら、焦らず行動しましょう。
✅ 成功のコツ
「自分のできること」と「手伝ってほしいこと」を明確に分けてスタッフに伝えましょう。過度な介助を避けつつ、必要な時だけスマートに助けてもらうのが、お互いにとって心地よい旅になります。
医療機器・医薬品の持ち込みルール
診断書や同意書が必要なケース
酸素ボンベや吸入器、点滴などの医療機器を機内で使用する場合、あるいは重い持病がある場合は、主治医の診断書(航空会社所定のもの)の提出が求められることがあります。これは、気圧の変化が激しい機内環境において、本人の安全を確保できるかどうかを判断するためです。診断書の有効期限は「搭乗前14日以内」などと決まっていることが多いので注意しましょう。
酸素ボンベについては、航空会社が用意するレンタル品を使用するのが基本です。火災予防の観点から、私物の持ち込みには厳しい基準があります。一方で、CPAP(睡眠時無呼吸症候群の治療器)などは、多くの航空会社で手続きなし、あるいは簡単な事前申告のみで持ち込めるようになっています。ただし、機内の電源が使えない場合が多いため、バッテリー駆動ができるものを選ぶ必要があります。
知的障害や精神障害がある方で、機内でパニックを起こす可能性がある場合なども、事前に相談しておくことで、周囲に配慮した座席配置や、客室乗務員によるきめ細かな見守りを受けることができます。必要に応じて、常用している頓服薬の服用タイミングなどを共有しておくと、万が一の際にも迅速な対応が可能になります。
医薬品と手荷物検査の注意点
持病の薬やインスリン注射などは、預け荷物に入れず、必ず「機内持ち込み手荷物」にしましょう。貨物室は温度変化が激しく、また紛失のリスクもゼロではないためです。インスリンや自己注射器(エピペン等)などは、鋭利な物として保安検査で止められることがありますが、「糖尿病の治療用です」と説明すれば持ち込めます。
スムーズな通過のために、お薬手帳や処方箋のコピーを携帯しておくと良いでしょう。海外へ行く場合は、英文の診断書や処方箋を用意するのが鉄則です。液体薬についても、100mlを超えるものであっても、医療上必要と認められれば制限の対象外となります。保安検査場で検査員に自己申告するようにしましょう。
また、保冷が必要な薬剤(インスリンなど)を持ち込む場合、機内の冷蔵庫で預かってもらうことは基本的にはできません。保冷バッグや蓄冷剤(保冷剤)を自分で用意しましょう。この際、保冷剤も医療目的であれば持ち込みが認められます。こうした細かな準備が、長時間のフライトにおける体調管理を支えます。
機内のバリアフリー設備を知る
最近の飛行機には、バリアフリー対応の化粧室が設置されている機種が増えています。カーテンで仕切ってスペースを広げられるタイプや、手すりが完備されたものなどがあります。機内用車椅子を使用して、座席から化粧室の前までスタッフが押してくれるサービスもありますので、必要があれば遠慮なく客室乗務員に声をかけましょう。
ただし、小型機の場合は化粧室自体が非常に狭く、車椅子での利用が困難な場合もあります。予約時に搭乗予定の機種を確認し、どの程度の設備があるかを聞いておくと安心です。また、機内の通路側座席の一部には、肘掛けが跳ね上がるタイプがあります。これを利用すると、車椅子からの移乗が非常に楽になります。
機内では気圧の関係でガスが溜まりやすかったり、足の血流が悪くなったりしがちです。ストーマを使用されている方は、装具が膨らみすぎないよう、事前にガス抜きを行うなどの対策も有効です。また、可能であれば機内で軽いストレッチを行ったり、水分をこまめに摂ったりして、エコノミークラス症候群の予防にも努めましょう。
| 医療機器・物品 | 持ち込みの可否 | 主な条件・注意点 |
|---|---|---|
| インスリン・注射針 | 可 | 自己申告が必要。お薬手帳携帯を推奨。 |
| 酸素ボンベ | 条件付 | 原則、航空会社の貸出品を使用。要診断書。 |
| CPAP機器 | 可 | 事前申告が必要な場合あり。電池駆動を推奨。 |
| 人工透析液 | 可 | 液体制限の例外。事前連絡が必要。 |
⚠️ 注意
医療機器を機内で使用する場合、電波を発するものは制限を受けることがあります。「機内モード」が備わっているか、電波を発しない仕様であるかを確認してください。
目に見えない障害への配慮とサポート
知的・発達障害がある方への対応
知的障害や発達障害、自閉症スペクトラムなどがある方にとって、空港の喧騒や機内という密閉空間は、大きなストレスになることがあります。航空会社では、こうした方々の不安を和らげるために、「そらぱれ」や「ひこうきチャレンジャー」といった名称で、事前の疑似体験プログラムやガイドブックを提供していることがあります。
事前に写真付きのガイドブック(しおり)を見て、「次はチェックインをするよ」「次は検査だよ」という流れを理解しておくことで、見通しが立ち、パニックを防ぐことができます。また、空港によっては、大きな音が苦手な方のためにイヤーマフを貸し出したり、静かな個室(カームダウン・クールダウンルーム)を設置したりしている場所もあります。
搭乗時には、「ヘルプマーク」を提示したり、航空会社が配布している専用のタグ(ひまわりマークのストラップなど)を身につけたりすることで、周囲のスタッフにさりげなく配慮が必要であることを伝えることができます。客室乗務員は、状況に応じてアナウンスの音量を下げたり、食事の提供時間を調整したりと、柔軟に対応してくれます。
聴覚・視覚障害がある方へのサポート
聴覚障害がある方にとって、最も不安なのは「音声のみのアナウンス」です。搭乗ゲートの変更や、機内での緊急放送などが伝わらないリスクがあります。航空会社に登録しておくと、スタッフが直接座席まで来て、筆談やタブレット端末、手話などを用いて情報を伝えてくれます。最近では、機内の個人用画面に字幕が出るサービスも普及しつつあります。
視覚障害がある方には、機内設備(座席のリクライニング、読書灯、化粧室の場所など)について、スタッフが実際に触れてもらいながら丁寧に説明する「触察ガイド」が行われます。また、機内食のメニューをクロックポジション(「3時の方向にサラダがあります」といった説明方法)で案内してくれるサービスもあります。
盲導犬や聴導犬などの補助犬については、機内に無料で同伴させることができます。補助犬は足元で待機することになりますが、大型犬の場合は、隣の座席を確保するための追加料金が必要な場合もあります。補助犬を連れての旅は、検疫やワクチンの証明書など、人間以上に準備が必要な項目が多いため、数ヶ月前からの相談をおすすめします。
内部障害やパニック障害の方へ
心臓疾患や呼吸器疾患、人工透析などの内部障害がある方は、見た目では分かりづらいため、周囲の理解が得られにくいことがあります。機内では気圧の低下により酸素濃度が下がるため、日常生活では問題なくても、機内で息苦しさを感じることがあります。不安な場合は、あらかじめ主治医と相談し、必要に応じて酸素の準備を検討しましょう。
パニック障害や閉所恐怖症の方は、機内という逃げ場のない空間に強い不安を感じることがあります。「自分はパニック障害があるが、薬を飲んでいる」といった情報を客室乗務員に一言伝えておくだけでも、安心感に繋がります。万が一、発作が起きそうになった際も、スタッフが冷たいタオルを用意してくれたり、落ち着けるスペースへ誘導してくれたりと、適切な介助が受けられます。
「自分一人で抱え込まないこと」が、見えない障害を持つ方の空の旅を支えます。航空会社のスタッフは、さまざまな障害特性についての研修を受けているプロフェッショナルです。あなたの不安を共有することは、彼らにとっても「より良いサポートを提供するためのヒント」になります。勇気を持って、今の気持ちを伝えてみてください。
💡 ポイント
一部の空港では、障害があることを示す「ひまわりストラップ(サンフラワー・ランヤード)」を導入しています。これを身に着けることで、世界共通の「配慮が必要」というサインになります。
空港での過ごし方と当日の流れ
余裕を持った到着とカウンターでの手続き
飛行機当日は、通常よりもさらに1時間以上早く空港に到着するようにしましょう。国内線であれば出発の2時間前、国際線であれば3時間前が目安です。障害がある方の手続きは、カウンターでの聞き取りや、車椅子の確認、診断書のチェックなどで時間がかかるためです。焦りは禁物。ゆとりを持って行動することが、体調の安定にも繋がります。
空港に着いたら、まずは「プライオリティ・ゲストカウンター(または有人カウンター)」へ向かいます。ここで、予約時に伝えていたサポート内容の最終確認を行います。車椅子を預ける、介助の依頼をする、手帳を提示して割引を確定させるといった作業を一括で行います。この際、当日の機内の混雑状況や、到着地の天候(揺れが予想されるか等)も聞いておくと心の準備ができます。
チェックインが終わると、大きな荷物はここで預けます。貴重品や医薬品、車椅子の着脱パーツなどは手荷物にまとめているか、再度確認しましょう。また、トイレの場所や、搭乗口までの距離を確認し、必要であればスタッフに案内を依頼します。広い空港内では、移動自体がリハビリや運動になることもありますが、無理は厳禁です。
保安検査場でのスムーズな通過
保安検査場(セキュリティチェック)は、多くの障害者の方が最も緊張する場所かもしれません。車椅子に乗ったまま通過する場合は、検査員が手で身体に触れる「接触検査」が行われます。金属探知機が反応しても、車椅子の構造上のものだと理解されていますので、慌てる必要はありません。ペースメーカーなどの体内植込型医療機器を使用している方は、検査員にその旨を伝え、金属探知機を通らずに検査を受けることができます。
実例として、人工関節を入れているCさんは、「以前は探知機が鳴るのが怖かったのですが、『人工関節が入っています』と伝えてからは、別メニューで丁寧に対応してもらえるようになりました。今では全く不安はありません」と語っています。手荷物の中の液体物や医療機器も、この場で一つずつトレイに出して検査を受けます。スタッフは手伝ってくれますので、落ち着いて対応しましょう。
搭乗口での待ち時間と事前改札
保安検査を抜けたら、搭乗口付近のベンチで過ごします。ここには車椅子優先のスペースや、充電用コンセントが備わっていることが多いです。搭乗開始の30分前には、ゲート付近にいるようにしましょう。航空会社のスタッフが改めて声をかけてくれるはずです。「事前改札(優先搭乗)」が始まると、最初のアナウンスで案内されます。
搭乗口から飛行機までは、ボーディングブリッジ(連絡橋)を通るのが一般的ですが、地方空港やLCCなどでは、タラップ(階段)を使って乗り込むことがあります。階段の昇降が難しい方のために、リフトバスや昇降機付きの車車両(パッセンジャー・ボーディング・リフト)が用意されることがあります。これも事前予約が必要な項目ですので、あらかじめ確認しておきましょう。
機内に入ったら、客室乗務員が座席まで誘導し、荷物の収納を手伝ってくれます。離陸前の忙しい時間帯ですが、何か不安なことがあればこのタイミングで伝えておくのがベストです。ベルトを締め、背もたれを戻したら、いよいよ離陸の準備完了です。窓の外の景色や、機内サービスを楽しみながら、目的地までの時間を過ごしましょう。
✅ 成功のコツ
空港内のバリアフリートイレの位置は、事前に地図アプリや空港公式HPで把握しておきましょう。保安検査場の「内側」と「外側」の両方で、場所を知っておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. 介護者がいないのですが、一人でも乗れますか?
基本的には、身の回りのこと(食事、トイレ、衣服の着脱など)がご自身でできるのであれば、お一人での搭乗は可能です。航空会社は空港内や機内の移動、荷物の上げ下ろしなどは手伝ってくれますが、食事の介助やトイレ内での介助(排泄の補助)などは、安全上の理由で行うことができません。これらが必要な場合は、介護者の同行が必要になります。判断に迷う場合は、事前にサポートデスクへ相談してみましょう。
Q. 飛行機が遅れたり欠航したりした時の対応は?
天候や機材トラブルによる遅延・欠航は、障害がある方にとっても大きなストレスです。代替便への振り替えが必要になった際、航空会社は優先的に配慮してくれますが、宿泊が必要な場合のホテルがバリアフリー対応か、移動手段はどうするかといった問題が生じます。航空会社は可能な限り手配を手伝ってくれますが、不測の事態に備えて、常用薬を多めに持つ、スマートフォンのモバイルバッテリーを完備する、家族や支援者と連絡が取れるようにしておくといった自己防衛策も重要です。
Q. 海外の航空会社でも同じようなサポートを受けられますか?
はい、世界の多くの航空会社で、国際基準(ICAOやIATAの指針)に基づいたサポートが提供されています。ただし、言葉の壁や文化の違いにより、日本国内と同じような「細やかな配慮」とはいかない場合もあります。特にアメリカの航空会社は「障害者差別禁止法(Air Carrier Access Act)」により、非常に厳格かつ手厚い権利が守られています。一方で、海外のLCCや一部の地域航空会社ではサポートが限定的なこともあるため、予約前に「Medical Clearance(医療確認)」が必要かどうかを確認することが不可欠です。
Q. ストーマ装具は気圧で破裂しませんか?
ストーマ装具が機内の気圧変化で破裂することはありませんので、ご安心ください。ただし、機内では腸内にガスが溜まりやすくなるため、袋が膨らみやすくなることはあります。予防策として、搭乗前にガスを抜いておく、炭酸飲料を控える、消臭効果の高いフィルター付きの装具を使用するなどが有効です。また、万が一の漏れに備えて、予備の装具や洗浄用カット綿、ビニール袋、着替えをセットにして機内に持ち込むと、心の余裕が生まれます。
まとめ
障害がある方の飛行機利用において、最も大切なのは「事前の準備」と「情報の共有」です。今回のポイントを振り返ってみましょう。
- 早めの相談と予約:出発の48時間前(できれば1週間前)までに、航空会社のサポートデスクへ連絡しましょう。
- 詳細な情報を伝える:車椅子のサイズ、バッテリーの種類、手伝ってほしい動作などを具体的に伝えます。
- 医療機器の確認:診断書の要否、バッテリー駆動が可能かなど、主治医と航空会社の両方に確認しましょう。
- ゆとりあるスケジュール:当日は出発の2〜3時間前に空港へ。到着後も時間に余裕を持たせます。
- 遠慮せずに助けを呼ぶ:空港や機内のスタッフはあなたの味方です。不安な時はいつでも声をかけましょう。
飛行機は、たった数時間であなたを全く新しい世界へと運んでくれる魔法の乗り物です。障害があるからと、そのチャンスを逃すのはもったいないことです。現在の航空業界は、誰もが空を楽しめる「アクセシブルな空」を目指して日々進化しています。完璧な準備は自信に繋がり、その自信が旅をより楽しいものにしてくれます。
次のアクションとして、まずは「行ってみたい場所」を一つ決めて、その路線の航空会社サポートページを覗いてみませんか。実際の機内の写真や、サポートの流れを見るだけでも、旅のイメージが具体的に膨らむはずです。あなたの空の旅が、素晴らしい思い出で満たされることを心から願っています。さあ、シートベルトを締めて、新しい冒険へ出発しましょう。

原田 彩
(はらだ あや)35歳📜 保有資格:
社会福祉士、相談支援専門員
相談支援専門員として10年、地域の福祉資源の発掘と繋ぎに力を入れています。「この街で暮らす」を支えるために、施設情報だけでなく、バリアフリースポットや割引施設など、生活を豊かにする地域情報をお届けします。
大学で福祉を学び、卒業後は地域の相談支援事業所に就職。当初は「障害福祉サービス」だけが支援だと思っていましたが、地域の中には使える資源がたくさんあることに気づきました。例えば、障害者割引が使える映画館、バリアフリー対応のカフェ、当事者の方が集まれるコミュニティスペースなど。こういった情報を知っているかどうかで、生活の質が大きく変わります。特に印象的だったのは、引きこもりがちだった方が、近所のバリアフリー図書館を知り、そこで読書会に参加するようになったこと。「外に出るのが楽しくなった」と言ってくださいました。記事では、すぐサポの26万件の施設データベースを活用しながら、地域ごとの福祉サービスの特徴や、知って得する地域情報をお伝えします。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学で福祉を学び、地域の中に使える資源がたくさんあることに気づいたことがきっかけです。
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引きこもりがちだった方が、バリアフリー図書館を知り、読書会に参加するようになったこと。
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すぐサポの施設データベースを活用し、地域ごとの特徴や知って得する情報を発信します。
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