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同行援護とは?視覚障害者の外出支援をわかりやすく説明

📖 約34✍️ 谷口 理恵
同行援護とは?視覚障害者の外出支援をわかりやすく説明
同行援護は、障害者総合支援法に基づく、視覚障害者のための専門的な外出支援サービスです。移動に著しい困難がある方が対象で、単なる移動の付き添いではなく、移動時の安全確保周囲の状況説明、外出先での代読・代筆などの視覚的情報支援を包括的に行います。従事者は同行援護従事者養成研修を修了した専門のガイドヘルパーで、高い専門性が求められます。費用は所得に応じた上限月額(低所得者は無料)があり、安心して利用可能です。利用には市区町村への申請サービス等利用計画の作成が必要です。

視覚に障害を持つ方々にとって、「安全かつ円滑な外出」は、社会参加や自立した日常生活を送るための**最も重要な鍵となります。しかし、単独での外出は常に危険と隣り合わせであり、移動に関する不安は生活の質(QOL)を大きく左右します。この課題を解決するために、障害者総合支援法に基づいて提供されているのが「同行援護(どうこうえんご)」**サービスです。

同行援護は、単なる移動の付き添いではありません。移動中の情報提供、代読・代筆、そして必要な知識の提供といった、視覚障害者の生活に不可欠な支援を包括的に行う、専門性の高いサービスです。このサービスを適切に利用することで、視覚障害を持つ方は、病院への通院、買い物、役所での手続き、趣味活動など、社会生活上必要な活動を安心して行えるようになります。

このガイド記事では、同行援護について、「サービスの特徴と他の移動支援との違い」「利用できる対象者と手続き」「具体的な支援内容と注意点」という3つの柱から、制度のすべてを徹底的にわかりやすく解説します。

この情報が、同行援護という生活の幅を広げる支援を必要とされている方々にとって、その利用への確かな道筋を示すものとなることを願っています。


パート1:同行援護とは?基礎知識と目的

1.同行援護の定義と目的

同行援護は、視覚障害により移動に著しい困難を有する方に対し、外出時に同行し、移動の援護、並びに外出先で必要な視覚的情報の支援(代読・代筆等)を行うサービスです。これは「介護給付」に位置づけられています。

  • 根拠法:障害者総合支援法に基づいています。
  • 目的:視覚障害者が安全に移動できるよう支援し、社会参加と自立した日常生活を営むことができるようにすることです。

2.移動支援事業との違い

視覚障害者の外出支援には、同行援護のほかに「移動支援事業」(地域生活支援事業)があります。この2つは目的と根拠法が異なります。

  • 同行援護:
    • **根拠:**障害者総合支援法(国の制度)。
    • **目的:**視覚障害者特有の情報支援(代読・代筆)を含めた、専門的な移動支援。
    • **従事者:**原則として同行援護従事者養成研修を修了した専門のヘルパー(ガイドヘルパー)が従事。
  • 移動支援事業:
    • **根拠:**市町村の地域生活支援事業(自治体ごとの制度)。
    • **目的:**地域社会での社会生活上必要な外出や余暇活動のための移動支援。
    • **従事者:**自治体の定める研修を修了したヘルパーが従事。

💡 どちらを使うか?

同行援護は情報支援を含めた専門性の高い支援であり、全国一律の基準で提供されます。まずは同行援護の利用を検討し、それが適用されない、あるいは支給量を超えた余暇活動のために移動支援事業を併用することが一般的です。


パート2:同行援護を利用できる対象者の条件

同行援護は、全ての視覚障害者が利用できるわけではなく、「移動に著しい困難がある」と認められることが必要です。この判断には、特定の調査項目が用いられます。

1.基本となる3つの条件

同行援護の対象となるためには、以下の要件を全て満たす必要があります。

  • ① 障害種別:視覚障害により移動に著しい困難を有する者。
  • ② 障害支援区分:障害支援区分の認定は必須ではありません。(区分認定を要しないサービスとして運用される場合があります。)
  • ③ 身体状況の要件:市町村が定める調査項目(特定項目)において、「視力障害、視野障害、光覚障害」などの項目に該当し、移動困難な状況にあると認められること。

2.同行援護の判定基準(「視力等の障害」)

市町村が利用の可否を判断する際の具体的な基準として、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • ア. 視力障害:両眼の矯正視力(眼鏡などで矯正した視力)が 0.6未満の方。
  • イ. 視野障害:視力以外の視野障害があり、日常生活における移動に著しい困難があると認められる方。
  • ウ. 障害認定調査項目の該当:障害支援区分認定調査項目のうち、「歩行」「移動」に関する項目で一定の点数(例:いずれかが「支援が必要」以上)に該当し、かつ「視覚的情報」に関わる項目の合計点数が一定基準以上であること。

⚠️ 重複障害者の優先

視覚障害に加えて、肢体不自由知的障害などの重複障害を持つ方は、同行援護ではなく、より包括的な支援が可能な重度訪問介護行動援護が優先的に適用される場合があります。


パート3:同行援護で受けられる3つの専門的支援内容

同行援護は、移動の付き添いに加え、視覚障害者が生活する上で特に困難を伴う「情報」の支援を重要な柱としています。支援は、外出に必要な「知識の提供」も含めた総合的なものです。

1.移動時の援護(ガイド)

最も基本となる支援です。ガイドヘルパーが同行し、利用者の安全を確保しながら目的地まで移動します。

  • 安全確保:段差、障害物、人混み、交通量の多い道路など、危険な場所での誘導と声かけ
  • 状況説明:移動中の周囲の状況、建物の配置、道の変化など、視覚的に得られない情報を口頭で的確に伝達する。(例:「前方左側に赤いポストがあります」「3段の階段があります」など。)
  • 交通機関の利用:バスや電車の乗降、切符の購入、乗り換えのサポート。

2.代読・代筆などの視覚的情報支援

外出先で必要な、視覚的な情報を受け取る・発信する活動を支援します。これは、同行援護の専門性の高さを象徴する支援です。

  • 代読:病院での書類の読み上げ、銀行や役所での申込用紙の内容確認、商品の表示や成分表の読み上げなど。
  • 代筆:病院や役所での書類への記入簡単なメモの作成など。(ただし、本人の意思に基づき、複雑な法的な文書作成は原則不可。)
  • その他情報提供:美術館や博物館での展示物の説明、駅や空港での案内表示の読み上げなど。

3.排泄・食事などの介護(一部付随的)

移動中の外出先で、排泄や食事の介助が必要になった場合に、付随的に行われます。

  • 排泄・食事:外出先でのトイレ介助、食事の際の配膳や介助など。
  • 付随的支援:これらの支援は、あくまで移動支援の実施に付随して行うものであり、これのみを目的とした利用はできません。

パート4:同行援護の利用目的と申請手続き

同行援護は、社会生活上必要な活動のために利用することが原則とされています。利用の可否は、サービス等利用計画に基づいて決定されます。

1.同行援護の具体的な利用シーン

主に以下のような目的で利用されます。

  • 医療機関への通院:診察室までの移動、待合室での情報提供、診断書などの代読。
  • 行政機関・金融機関での手続き:役所での申請書類の代筆、銀行での記帳や手続きの代読。
  • 日用品の買い物:スーパーや店舗での商品選び、表示の確認、金銭授受の介助。
  • 社会参加・余暇活動:図書館、講演会、趣味のサークル活動、選挙の投票などへの移動と付随する情報支援。

⚠️ 適用外となる活動

以下の場合は、同行援護の対象外となることが多く、他のサービス(移動支援事業など)の適用を検討する必要があります。

  • 通勤・通学:原則として対象外です。(ただし、就労・就学に向けた準備や訓練として認められる場合がある。)
  • 経済活動:専ら営利活動(営業など)のための外出。
  • 長期間の旅行:2泊3日以上の旅行など、長期にわたる私的な外出。

2.利用開始までの手続き

同行援護の利用開始手続きは、他の障害福祉サービスと同様です。

  1. 相談・申請:市区町村の障害福祉担当窓口で利用希望を申請します。
  2. 認定調査:視覚障害の状況や移動困難度に関する調査を受けます。
  3. 計画作成:相談支援専門員が、申請者のニーズに基づき、サービス等利用計画を作成します。この計画で、具体的な外出目的と支給量が設定されます。
  4. 支給決定と受給者証交付:市町村が支給量を決定し、「受給者証」が交付されます。
  5. 事業者契約:同行援護の指定事業所と契約し、サービス利用開始となります。

パート5:同行援護の従事者(ガイドヘルパー)の専門性

同行援護が他の移動支援サービスと一線を画すのは、その従事者(ガイドヘルパー)の専門性にあります。

1.ガイドヘルパーに必要な研修

同行援護の従事者は、サービスを提供するにあたり、「同行援護従事者養成研修」(一般課程または応用課程)を修了している必要があります。

  • 一般課程:基礎的な知識、技術を習得します。(移動援護の基礎技術など)
  • 応用課程:同行援護サービスの指導、情報提供、緊急時の対応など、より高度な知識や技能を習得します。

2.ヘルパーに求められる専門性

同行援護のガイドヘルパーには、単に付き添うだけでなく、以下の専門性が求められます。

  • 正確な情報提供:視覚障害者が安心感を抱けるよう、周囲の状況を具体的に、かつ簡潔に口頭で伝達する能力。
  • 誘導技術:利用者が白杖を適切に使えるよう配慮しながら、安全で負担の少ない歩き方(基本姿勢、階段昇降、狭い場所での誘導など)の技術。
  • コミュニケーション能力:外出の目的、利用者の希望、その日の体調などを的確に把握し、信頼関係を築く能力。

3.費用負担の仕組み

同行援護の費用負担の仕組みは、他の障害福祉サービスと同様です。

  • 原則1割負担:サービス費用の1割が自己負担。
  • 利用者負担上限月額:所得に応じて月々の自己負担額に上限が設定されます。多くの場合、低所得世帯は上限0円で利用できます。
  • 実費負担:ガイドヘルパーの交通費、外出先での食事代、入場料などは、利用者負担となります。

✅ 適切な事業者選び

同行援護はヘルパーの専門技術が重要です。ガイドヘルパーの研修修了状況視覚障害者支援の経験年数などを、契約前に確認し、相談支援専門員の意見も参考にしながら、適切な事業所を選びましょう。


まとめ:同行援護で、視覚の壁を越える

同行援護は、視覚障害を持つ方が「見えない壁」を越え、地域社会で自立し、社会参加を果たすための重要な架け橋となるサービスです。

  • 目的:安全な移動と視覚的情報支援(代読・代筆)を専門的に行う。
  • 対象:視覚障害により移動に著しい困難があり、市町村の基準を満たした方。
  • 特徴:同行援護従事者養成研修を修了した専門のガイドヘルパーが支援を行う。

この制度を最大限に活用し、ご自身の希望に基づいた外出を積極的に行いましょう。まずは市区町村の障害福祉担当窓口に相談し、ご自身の視覚障害の状況が同行援護の対象となるか確認することが、最初の一歩です。

✅ 次のアクション

直近で外出を予定している用事(通院、買い物など)をリストアップし、「移動の付添い」と「情報支援(代読など)」のどちらが必要かを明確にし、相談支援専門員との面談時に伝えられるように準備しましょう。

谷口 理恵

谷口 理恵

たにぐち りえ45
副編集長📚 実務経験 20
🎯 生活サポート🎯 地域情報

📜 保有資格:
介護福祉士、ケアマネージャー、サービス管理責任者

介護福祉士として15年間現場で働き、現在はグループホームの管理者。「地域で自分らしく暮らす」を支えるために、住まい・生活・地域資源に関する情報発信を担当しています。実際の支援現場で感じた「これ知りたかった!」という情報をお届けします。

介護福祉士として障害者施設で10年、その後ケアマネージャーの資格を取得し、相談支援専門員として5年勤務。現在はグループホーム(定員10名)の管理者として、利用者の方々の日々の生活を支えています。この仕事を選んだきっかけは、大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会ったこと。「普通」の定義は人それぞれで、大切なのは本人が望む生活を実現することだと気づかされました。特に力を入れているのは、地域との繋がりづくり。近所のスーパーや美容院、カフェなど、日常的に利用できる場所を増やすことで、「施設の中だけ」ではない豊かな生活を支援しています。記事では、グループホームでの実際の生活の様子や、地域の障害福祉サービス事業所の選び方など、現場の生の声をお伝えしていきます。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学時代のボランティアで知的障害のある方と出会い、「普通」の定義は人それぞれだと気づいたことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

近所のスーパーや美容院など、日常的に利用できる場所を増やすことで、利用者の生活が豊かになったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

現場の生の声を大切に、「これ知りたかった!」という情報を届けることを心がけています。

🎨 趣味・特技

料理、ガーデニング

🔍 最近気になっているテーマ

一人暮らし支援の新しい形、地域住民との共生

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