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自宅改修で使える自治体助成制度まとめ【全国版】

📖 約42✍️ 鈴木 美咲
自宅改修で使える自治体助成制度まとめ【全国版】
本記事は、障害のある方とその家族・支援者向けに、自宅のバリアフリー改修で利用できる全国的な公的助成制度を詳細に解説します。主に、要介護認定者が利用する「介護保険の住宅改修費支給」(上限20万円)と、障害者手帳所持者が利用する「障害者総合支援法(日常生活用具)」の概要を比較。さらに、各自治体独自の上乗せ補助金や低利融資制度の活用法を紹介します。制度利用の基本ステップ、特に「工事着工前の事前申請」の厳守と、福祉住環境コーディネーターやケアマネジャーとの連携の重要性を強調し、費用負担を軽減して安心できる住環境を実現するための具体的な方法を提供します。

自宅改修の費用を軽減!障害者支援に使える自治体助成制度まとめ【全国版】

ご本人やご家族、そして支援者の皆様、住み慣れた自宅をより安全で快適なバリアフリー環境にしたいという願いは、生活の質(QOL)に直結する大切な目標です。

しかし、手すりの設置や段差の解消、水回りの改修といったバリアフリー工事は、まとまった費用が必要となるため、資金面での不安を感じる方も多いでしょう。

ご安心ください。国や自治体では、障害のある方の自宅改修を支援するためのさまざまな助成制度が用意されています。この記事では、全国どこでも利用できる主要な制度から、地域独自の制度まで、その概要と賢い活用方法を詳しくご紹介します。

この情報が、皆様の経済的な負担を軽減し、理想の住環境づくりを実現するための一歩となることを心より願っております。


💰 改修費用を支援する二大柱:介護保険と障害者総合支援法

自宅のバリアフリー改修に関する公的な支援制度は、主に「介護保険」「障害者総合支援法」の二つが柱となっています。対象者や対象となる工事が異なるため、まずはご自身がどちらの制度を利用できるかを確認しましょう。

介護保険による住宅改修費の支給制度

この制度は、要介護または要支援認定を受けている方が対象です。障害者手帳の有無に関わらず、65歳以上で要介護認定を受けている方、または40歳以上65歳未満で特定疾病により要介護認定を受けている方が利用できます。

支給されるのは、原則として生涯で20万円を上限とした費用の9割(または8割、7割)です。つまり、上限20万円の改修費に対し、最大18万円が支給される計算になります。

対象となる主な改修工事は、厚生労働省の規定により、以下の通りです。

  • 手すりの取り付け(玄関、廊下、浴室、トイレなど)
  • 段差の解消(スロープ設置、敷居の撤去など)
  • 滑り防止および移動円滑化のための床材変更
  • 扉の取り替え(開き戸から引き戸などへの交換)
  • 洋式便器などへの取り替え

この制度を利用する際の最も重要な注意点は、必ず工事着工前に、ケアマネジャーの作成した理由書を添えて市町村に申請し、許可を得る必要があるということです。事後申請は原則認められません。

💡 ポイント

介護保険の住宅改修費の支給は、引っ越しや転居の際に再度利用できる場合があります(上限20万円)。また、要介護度が3段階以上重くなった場合も、再度20万円までの利用が可能です。

障害者総合支援法に基づく日常生活用具給付等事業

この制度は、身体障害者手帳、療育手帳、または精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方が主な対象です。制度の名称は「日常生活用具給付等事業」ですが、一部の自治体では、住宅改修に関する費用の一部を給付の対象としています。

特に、重度の肢体不自由者などが利用する「居宅生活動作補助用具」として、手すりやスロープの設置、浴室・トイレの改修、ホームエレベーターの設置など、大規模な改修の一部が対象となる場合があります。

この制度の特徴は、所得に応じて自己負担額の上限(応能負担)が定められていることです。低所得者世帯の場合、自己負担が免除されるケースもあります。

注意点として、対象となる工事や支給限度額は、介護保険と異なり市町村によって大きく異なるため、必ずお住まいの自治体の障害福祉担当窓口に確認が必要です。

ある自治体では、介護保険では対応できないホームエレベーター設置に対して、この事業で一部費用を助成しており、重度障害者の生活範囲拡大に貢献しています。


🏛️ 自治体独自の補助金と低利融資制度の活用

国の制度である介護保険や障害者総合支援法とは別に、各自治体(都道府県や市町村)が、地域住民の福祉向上のために独自の補助金や低利融資制度を設けていることがあります。これらは見落とされがちですが、非常に有用です。

各自治体独自のバリアフリー改修補助制度

多くの自治体では、「高齢者・障害者向け住宅改修支援事業」や「特定改修工事費助成」といった名称で、独自の上乗せ助成を行っています。

これらの制度は、国の制度(介護保険など)の上限を超えた部分の費用や、国の制度では対象外となる特定のバリアフリー工事(例:非課税世帯への全額補助、耐震改修と合わせた助成)を支援することが目的です。

例えば、ある都市では、介護保険の20万円の上限に加えて、市独自でさらに10万円を上限に助成を行う「上乗せ制度」を設けています。これにより、利用者はより充実した改修を行うことができます。

確認すべき事項としては、以下の点があります。

  • 所得制限: 自治体独自の助成は、所得制限が設けられている場合が多いです。
  • 対象工事の範囲: 国の制度よりも広い範囲(例:車椅子対応キッチン、玄関の自動ドアなど)が対象となる場合があります。
  • 他の制度との併用の可否: 介護保険や障害者総合支援法と併用できるかを確認する必要があります。

⚠️ 注意

自治体独自の制度は、予算の上限が決まっていることが多く、年度途中で受付を締め切る場合があります。年度の早い時期に情報収集と申請準備を始めることが重要です。

福祉目的の住宅リフォーム低利融資

改修費用が公的助成の上限を大幅に超える場合、金融機関や公的機関による低利融資制度の活用が有効です。

例えば、独立行政法人住宅金融支援機構が提供するhttps://www.jhf.go.jp/loan/yushi/shikin/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">リフォーム融資制度の中には、バリアフリー工事を目的とした場合の金利優遇措置が設けられている場合があります。

また、一部の地方自治体では、福祉目的の住宅改修を行う市民に対して、金融機関と連携した利子補給制度を設けていることもあります。これにより、実質的な借入金利負担を軽減できます。

融資を受ける場合も、バリアフリー改修であることを証明するため、医師の意見書や福祉住環境コーディネーターの計画書が必要となることが一般的です。

融資制度は、まとまった資金を調達し、将来的な返済計画を立てる必要があるため、家計全体を見通した慎重な検討が求められます。


📝 制度利用の流れと成功のための連携

公的制度をスムーズに利用し、改修を成功させるためには、正しい手順を踏み、専門家と密に連携することが不可欠です。事前の準備が、助成金獲得の成功率を大きく左右します。

制度利用の基本的なステップと必要書類

ほとんどの助成制度に共通する基本的な利用の流れは以下の通りです。

  1. 相談: ケアマネジャー、相談支援専門員、または市町村の福祉担当窓口に相談し、制度の対象となるかを確認する。
  2. 専門家による評価: 医師、理学療法士、福祉住環境コーディネーターなどによる、改修の必要性の評価と意見書の作成。
  3. 業者選定と見積もり: 複数の工務店から見積もりを取り、改修プランを確定する(バリアフリー工事の実績豊富な業者を選定)。
  4. 申請: 見積書、理由書、図面などを添えて、市町村に改修工事の事前申請を行う。
  5. 決定通知: 市町村から支給(助成)決定の通知を受け取る。
  6. 工事実施: 決定通知を受けてから工事に着手する。
  7. 完了後の手続き: 領収書、工事写真、請求書などを添えて、市町村に工事完了報告を行い、助成金を受け取る。

特に重要なのは、「申請前の工事は対象外」というルールを厳守することです。このルールを知らずに工事を進めてしまい、助成金を受け取れなかったというケースは少なくありません。

✅ 成功のコツ

福祉住環境コーディネーターは、医療・福祉・建築の視点から最適な改修プランを作成し、助成金の申請に必要な書類作成をサポートしてくれます。彼らの協力を得ることで、申請手続きが格段にスムーズになります。

福祉住環境コーディネーターと工務店との連携

バリアフリー改修は、単なる建築工事ではなく、利用者の身体状況と生活動線に合わせた「福祉の視点」が必要です。

福祉住環境コーディネーターは、利用者の身体機能の限界や、介助者の負担を考慮した上で、手すりの最適な高さや、車椅子の回転に必要な広さなどを具体的に設計に落とし込んでくれます。

また、施工を依頼する工務店は、バリアフリー工事の経験が豊富で、福祉住環境コーディネーターとの連携に慣れている業者を選ぶことが成功の鍵です。

経験豊富な業者は、自治体の申請書類や工事後の写真撮影の要件なども理解しており、手続きのミスを減らすことができます。

信頼できる工務店は、改修後のメンテナンスや、将来的な追加改修についても相談に乗ってくれる、長期的なパートナーとなります。


❓ よくある質問(Q&A)と制度の組み合わせ方

改修の検討段階でよくある疑問と、複数の制度を組み合わせて効率的に助成を受ける方法について解説します。

Q1. 介護保険と障害者総合支援法は併用できますか?

A. 同一の工事に対して両方の制度から重複して全額の助成を受けることはできませんが、制度の「対象外の部分」を補完し合う形で利用できる場合があります

例えば、介護保険の限度額(20万円)を超えた改修費用や、介護保険の対象外だが障害者総合支援法の日常生活用具の対象となる工事については、それぞれの制度で申請が可能です。

ただし、原則として65歳以上の要介護認定者は、まず介護保険が優先されます。併用を検討する場合は、必ずケアマネジャーと相談支援専門員が連携を取り、市町村の窓口で確認してもらいましょう。

Q2. 賃貸住宅でも助成制度は利用できますか?

A. はい、可能です。ただし、賃貸住宅で制度を利用して改修を行うには、オーナー(大家さん)の書面による承諾が必須となります。

また、介護保険や障害者総合支援法で改修を行った場合でも、退去時には原則として原状回復(元の状態に戻すこと)が求められるケースが多いです。事前に大家さんと、原状回復の有無や費用負担について明確に交渉しておく必要があります。

工事を伴わない据え置き型の手すりや簡易スロープなどは、賃貸でも比較的容易に導入できます。

Q3. 助成制度を利用できるのは一回だけですか?

A. 制度によります。介護保険の住宅改修費は、原則生涯で20万円が上限ですが、要介護度が3段階以上重度化した場合や、引っ越しをした場合は、再度20万円までの支給を受けることができます。

障害者総合支援法に基づく日常生活用具給付は、用具の種類によって耐用年数が定められており、その期間を経過すれば再度申請が可能です。自治体独自の補助金は、年度ごとの利用制限があることが多いため、それぞれの制度のルールを確認しましょう。


🎯 まとめと次の一歩の提案

障害のある方の自宅改修に利用できる公的助成制度は、介護保険、障害者総合支援法、そして自治体独自の補助金と多岐にわたります。これらの制度を理解し、活用することで、費用面の不安を大きく解消し、理想の住環境づくりに集中することができます。

大切なのは、「事前の申請」「専門家との連携」「制度ルールの厳守」です。この3点を守れば、失敗なくスムーズに助成金を受け取ることができるでしょう。

今日からできる最初の一歩として、まずはお住まいの市町村の福祉課に電話し、「自宅改修の助成制度について相談したい」と伝えてみましょう。担当者から、具体的な制度や地域の専門家を紹介してもらえるはずです。

皆様のより安心で快適な生活が実現することを、心より応援しています。

まとめ

  • 改修の二大柱は介護保険(要介護認定者対象、上限20万円)と障害者総合支援法(障害者手帳所持者対象、所得に応じた負担上限あり)である。
  • 自治体独自の上乗せ補助金や低利融資制度も積極的に情報収集し、国の制度と組み合わせて費用負担を軽減する。
  • 制度利用は工事着工前の申請が必須であり、福祉住環境コーディネーターやケアマネジャーといった専門家との連携が成功の鍵となる。

鈴木 美咲

鈴木 美咲

すずき みさき42
担当📚 実務経験 15
🎯 相談支援🎯 当事者・家族支援

📜 保有資格:
社会福祉士、相談支援専門員

相談支援専門員として15年、障害のある方とそのご家族の「困った」に寄り添ってきました。実際の相談事例をもとに、当事者やご家族のリアルな声、具体的な解決策をお届けします。「一人で悩まないで」がモットーです。

社会福祉士として障害者相談支援事業所に勤務し15年。年間約100件の相談に対応し、サービス等利用計画の作成や、関係機関との調整を行っています。この仕事の魅力は、「困っている」状態から「解決した!」という笑顔に変わる瞬間に立ち会えること。ただし、制度が複雑で「どこに相談すればいいか分からない」という声を本当によく聞きます。特に印象深いのは、お子さんの障害を受け入れられず孤立していたお母さんが、同じ境遇の親の会に繋がり、「一人じゃないと分かって救われた」と涙ながらに話してくださったこと。情報と繋がりの大切さを実感しました。記事では、実際の相談事例(もちろん個人情報は特定できないよう配慮)をベースに、「こんなとき、どうすればいい?」という疑問に答えていきます。

もっと詳しく

💭 福祉の道を選んだ理由

大学のボランティアで障害のある方と出会い、「困っている」を「解決した!」に変える仕事がしたいと思ったことがきっかけです。

✨ 印象に残っている出来事

孤立していたお母さんが、親の会に繋がり「一人じゃないと分かって救われた」と話してくださったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

実際の相談事例をもとに、「こんなとき、どうすればいい?」という疑問に答えることを大切にしています。

🎨 趣味・特技

ヨガ、カフェ巡り

🔍 最近気になっているテーマ

ヤングケアラー支援、家族のレスパイトケア

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