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障害者雇用の筆記試験・適性検査はある?準備方法まとめ

📖 約37✍️ 菅原 聡
障害者雇用の筆記試験・適性検査はある?準備方法まとめ
障害者雇用でも多くの企業が筆記試験や適性検査を実施していますが、目的は「基礎的な知的能力」と「定着性を測る性格特性」の把握です。代表的なSPIなどの能力検査対策では、全問正解を目指さず、時間配分と「捨てる勇気」が重要です。最も大切なのは、障害特性による不利益を避けるための「合理的配慮」を、選考初期に企業へ論理的な理由を添えて申請することです(例:試験時間の延長、別室受験)。性格検査では、自己分析と矛盾がない一貫した回答を心がけ、定着への意欲を示しましょう。就労移行支援などで専門的な演習と対策指導を受けることが、突破率を上げる鍵となります。

「障害者雇用の選考でも、一般雇用と同じように難しい筆記試験やSPIがあるのだろうか?」「適性検査で自分の障害特性が不利に評価されてしまうのではないか?」と、選考の初期段階である筆記試験や適性検査について、多くの不安を抱えているのではないでしょうか。

結論から言うと、障害者雇用でも、多くの企業が筆記試験や適性検査を実施しています。しかし、その目的は、一般雇用のような高い知識レベルを測るものではなく、主に「基礎的な知的能力」と「定着性を測る性格特性」を把握することにあります。

この記事では、障害者雇用で実施される代表的な筆記試験・適性検査の種類と、企業がそれを通じて何を見ているのかを徹底的に解説します。さらに、あなたの特性に合わせて試験での「合理的配慮」を適切に申請し、万全の対策を行うための具体的な準備方法をステップ形式でご紹介します。

この記事を読むことで、漠然とした不安を解消し、筆記試験・適性検査の対策を万全にして、次の選考ステップである面接へと自信を持って進むことができるようになるでしょう。


企業が筆記試験・適性検査を実施する2つの目的

障害者雇用における選考で、企業が筆記試験や適性検査を実施する主な目的は、あなたの「学力」を測るためではありません。主に、以下の2点を客観的なデータとして把握することにあります。

目的1:基礎的な「知的能力(基礎学力)」の確認

企業が求めているのは、高度な専門知識ではなく、入社後に業務を遂行するために必要な「基礎的な情報処理能力」です。これは、主に非言語(計算、論理、図形など)と、言語(語彙、読解など)の分野で測定されます。

  • 確認事項指示を理解し、計算や文章の処理を正確かつ一定のスピードで行えるか。これは、事務職であればデータ入力の正確性や資料作成能力、軽作業であれば手順の理解度に直結します。
  • 重要性:特に、ブランク期間が長い方や、最終学歴から時間が経過している方の場合、「現在の認知機能や情報処理能力が就労レベルにあるか」を確認するために重要視されます。

この基礎的な知的能力が一定の水準にあることは、企業があなたに仕事を任せる上での「安心感」につながります。

目的2:職場への「定着性・適合性(性格特性)」の把握

筆記試験と並行して実施される「適性検査(性格検査)」は、あなたのパーソナリティが、応募職種の業務内容や、職場の人間関係に適応できるかどうかを測るために用いられます。

  • 確認事項ストレス耐性、協調性、指示への従順性、粘り強さといった、長期的な就労定着に不可欠な特性。特に、発達障害や精神障害の場合、ストレスに対する自己認識の傾向などがデータ化されます。
  • 重要性:性格検査の結果は、面接でのあなたの自己PRや、「必要な配慮事項」と矛盾がないかを照らし合わせるために利用されます。例えば、「協調性が低い」という結果が出た場合、面接で「チームワークを大切にする」と語ると、矛盾していると見なされかねません。

企業は、この検査結果を通じて、「この人材にどのような指導やサポートが必要か」という、入社後の育成・定着支援のヒントを得ようとしています。


障害者雇用で主に使用される筆記試験・適性検査の種類

障害者雇用で広く採用されている適性検査は、一般雇用と共通のものもあれば、企業独自のものが使用されることもあります。ここでは、代表的な種類をご紹介します。

(1)SPI(Synthetic Personality Inventory)

最も広く使われている適性検査です。SPIは、「能力検査」と「性格検査」の2部構成になっています。

  • 能力検査:言語(言葉の意味や使い方)と非言語(計算、推論)の2分野で、基礎的な知的能力を測ります。障害者雇用では、一般雇用よりも合格ラインが低く設定されていることが多いです。
  • 性格検査:個人の行動や考え方の傾向を測定し、職務適性や組織への適合性を評価します。この結果は、面接での質問の深掘り(例:ストレスを感じた時の対処法)に活用されます。

対策本が多く販売されており、繰り返し演習を行うことで、出題形式に慣れることが可能です。

(2)その他の適性検査(玉手箱、GABなど)

SPI以外にも、「玉手箱」や「GAB」といった他の検査が使用されることもあります。これらはSPIと類似していますが、出題形式や問題の難易度が異なります。

  • 特徴:玉手箱は、計数、言語、英語の3つの能力検査と性格検査で構成され、特にグラフの読み取りや表の計算などの問題が多く出題される傾向があります。
  • 対策:各検査によって出題傾向が大きく異なるため、事前にどの検査が実施されるかを確認し、その検査に特化した対策を行うことが効率的です。

(3)企業独自の筆記試験(専門知識・作業能力)

企業によっては、応募職種に直結する独自の試験を実施することがあります。

  • 事務職:ExcelやWordといったPCスキルを測る実技試験、あるいはデータ入力の正確性とスピードを測るタイピング試験。
  • 軽作業単純作業(仕分け、組み立てなど)の正確性や、指示の理解度を測る試験。

これらの試験は、あなたの「即戦力性」や「作業遂行能力」を直接的に評価するため、日頃の訓練や業務経験がそのまま結果に反映されます。


あなたの特性を活かす「合理的配慮」の申請方法

障害者雇用の選考では、筆記試験や適性検査においても、「合理的配慮」を申請することが可能です。適切な配慮を受けることで、試験結果をあなたの本来の能力に近づけることができます。

(4)合理的配慮として申請できる具体例

あなたの障害特性によって、申請できる配慮は異なります。事前に支援者と相談し、「あなたの特性により、試験でどのような不利益が生じるか」を論理的に整理した上で申請しましょう。

  • 精神・発達障害試験時間の延長(情報処理に時間がかかる場合)、別室での受験(聴覚過敏や集中困難がある場合)、問題文の読み上げ(読解に困難がある場合)。
  • 身体障害:PC操作が困難な場合の解答補助者の配置、車いすを使用する場合のバリアフリーな会場の確保

特に、PCやマークシートでの回答形式に困難がある場合、紙媒体での解答や、口頭での解答を申請することも、合理的な配慮として認められることがあります。

(5)配慮申請は「選考の初期段階」で、かつ「理由」を添えて

配慮の申請は、選考の初期段階(応募時または筆記試験の案内が来た直後)に、採用担当者に連絡することがマナーです。突然の申請は企業の負担となるため、避けるべきです。

  • 伝達方法:応募書類の備考欄、またはメールで、「配慮をお願いしたい理由」と「具体的な内容」を簡潔に伝えます(例:「発達障害の特性により、長文の読解に時間がかかるため、試験時間を1.2倍に延長していただけますでしょうか」)。
  • 支援者との連携:就労移行支援やエージェントを利用している場合は、支援者を通じて企業に申請してもらうことで、よりスムーズかつ論理的に話を進められます。

配慮の申請は、「あなたの自己理解の深さ」を証明するものであり、決してマイナス評価にはつながりません。


筆記試験・適性検査を突破するための具体的な準備方法

筆記試験・適性検査の対策は、あなたの特性を活かし、苦手な部分を効率的に補う方法で進めることが重要です。

(6)能力検査は「時間慣れ」と「捨てる勇気」を学ぶ

SPIなどの能力検査は、「全問正解」を目指す必要はありません。時間内に処理できる問題量を正確に解ききることが重要です。

  • 時間慣れ:市販のSPI対策本などを使い、必ず時間を測って演習を行うことで、本番の緊張感に慣れておきましょう。
  • 捨てる勇気:解き始めて1分以上かかりそうな問題は、深追いせず「捨てる勇気」を持ち、確実に解ける問題に集中する戦略を身につけましょう。
  • 就労移行支援の活用:就労移行支援事業所では、SPIや各適性検査に特化した対策講座を実施していることが多いため、専門的な指導を受けることが最も効果的です。

対策を通じて、「あなたが入社後にどの程度の情報処理能力を持っているか」という、客観的なデータを知ることもできます。

(7)性格検査は「一貫性」と「ポジティブな方向性」を意識する

性格検査は、正解・不正解があるわけではありませんが、「回答の一貫性」と「職務遂行に前向きな特性」を意識することが重要です。

  • 一貫性:同じような内容の質問に対して、異なる回答をしてしまうと、「自分を偽っている」または「自己理解が浅い」と判断されかねません。嘘をつかず、正直に、しかし一貫性を持って回答しましょう。
  • ポジティブな方向性:例えば、「協調性がない」という特性が出ても、「一人が好き」という回答を「集中してルーティンワークに取り組むのが得意」といった、業務遂行にプラスに働く表現に言い換える意識を持ちます。

性格検査の結果は、面接での自己PRや配慮要求と矛盾しないように、事前に自己分析を深めておくことが大切です。


まとめ

障害者雇用の選考における筆記試験・適性検査は、「基礎的な知的能力」と「職場への定着性」を客観的に測る重要なステップです。これらの試験は、事前の対策と、適切な「合理的配慮」の申請によって、十分に突破することが可能です。

不安な場合は、必ず就労移行支援などの専門機関と連携し、時間慣れのための演習や、性格検査の結果と自己分析のすり合わせを行いましょう。万全の準備で試験に臨み、あなたの能力を最大限にアピールすることで、次の面接へと繋げてください。

  • 企業は、基礎学力と定着性を測る性格特性を重視している。
  • SPIなどの能力検査は、時間慣れと「捨てる勇気」が重要。
  • 障害特性に応じた「合理的配慮」を、選考の初期段階で論理的に申請する。
  • 性格検査は、「一貫性」と「ポジティブな方向性」を意識して回答する。

菅原 聡

菅原 聡

すがわら さとし38
デスク📚 実務経験 12
🎯 就労支援🎯 進路支援

📜 保有資格:
職業指導員、キャリアコンサルタント、精神保健福祉士

就労移行支援事業所で10年以上、障害のある方の「働く」を支援してきました。一般就労への移行支援から就労継続支援まで、幅広い経験をもとに、「自分に合った働き方」を見つけるための情報をお届けします。

大学で社会福祉を学び、卒業後すぐに就労移行支援事業所に就職。当初は「障害があっても一般企業で働けるんだ」という驚きと感動の連続でした。これまで150名以上の方の就労支援に携わり、その8割が一般企業への就職を実現。ただし、「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」が本当のゴールだと考えています。印象的だったのは、精神障害のある方が、障害をオープンにして自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。その笑顔が忘れられません。記事では、就労移行支援と就労継続支援の違い、企業選びのポイント、障害者雇用の現実など、実際の支援経験に基づいた実践的な情報をお伝えします。

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💭 福祉の道を選んだ理由

大学で社会福祉を学び、「障害があっても一般企業で働ける」という可能性に感動したことがきっかけです。

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精神障害のある方が、自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。

✍️ 記事を書く上で大切にしていること

「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」を大切に、実践的な情報を発信します。

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