支援者同行の面接はアリ?メリットとデメリット

就労への第一歩:面接に支援者が同行するのは良いこと?
就職活動の中で最も緊張する場面といえば、やはり採用面接ではないでしょうか。障害のある方にとって、自分の特性や必要な配慮を正確に伝え、かつ企業の質問に的確に答えることは、大きな心理的負担を伴うものです。「うまく話せるだろうか」「特性を誤解されないだろうか」という不安を感じるのは当然のことです。
こうした不安を解消する一つの手段として、支援者による面接同行があります。就労移行支援事業所のスタッフやジョブコーチが横にいてくれるだけで、心強さは格段に変わります。しかし一方で、「同行をお願いすると自立していないと思われるのでは?」といった懸念を抱く方も少なくありません。
この記事では、支援者が面接に同行することの具体的なメリットとデメリット、そして同行を成功させるためのポイントを詳しく解説します。企業の視点や実際の成功事例も交えながら、あなたにとって最適な面接の形を見つけるヒントをお届けします。お金や時間のコスト以上に、将来の働きやすさを左右する大切な選択について、一緒に考えていきましょう。
支援者同行の基本的な仕組みと役割
どのような支援者が同行してくれるのか
面接同行を依頼できる相手は、主にあなたが利用している福祉サービスの担当者です。最も一般的なのは、就労移行支援事業所の職員や、障害者就業・生活支援センター(通称:なかぽつ)のワーカー、あるいはハローワークの専門援助窓口と連携しているジョブコーチなどです。
これらの支援者は、単に横に座っているだけではありません。あなたの特性や強み、これまでの訓練の過程を熟知した「プロの代弁者」としての役割を担います。家族や友人が付き添うのとは異なり、福祉と就労の専門知識を持った第三者が介入することで、面接の場がより建設的な「配慮の相談の場」へと進化します。
ある発達障害をお持ちの男性は、就労移行支援事業所のスタッフに同行を依頼しました。彼は緊張すると言葉に詰まる癖がありましたが、スタッフが補足説明をしてくれたおかげで、自分のスキルを正確にアピールすることができました。このように、支援者はあなたの「実力を発揮するための土台」を作ってくれる存在なのです。
面接当日までの具体的な準備の流れ
支援者同行は、当日いきなりお願いするものではありません。まずは事業所内での事前打ち合わせが必須です。どの質問に対しては自分で答え、どの部分(特に障害特性や配慮事項)について支援者に補足してもらうか、役割分担を明確に決めておく必要があります。
また、企業側に対しても「当日は支援者が同行します」という事前の承諾を得なければなりません。多くの障害者枠の求人では、支援者の同行は好意的に受け止められますが、事前の連絡なしに同行者が現れると、企業側は驚いてしまい、評価に影響する可能性もあります。基本的にはハローワークや事業所のスタッフを通じて、事前に企業へ打診してもらうのがマナーです。
打ち合わせの中では、模擬面接を行うことも多いでしょう。支援者が横にいる安心感を保ちつつ、あくまで主役は「あなた」であることを忘れない練習をします。支援者は「黒子(くろこ)」のような役割であり、あなたが答えに窮した時のセーフティーネットとして機能するよう、綿密なプランを立てていきます。
支援者が同行する際にかかる費用
多くの方が気になるのが費用の面ですが、基本的に就労移行支援事業所などの福祉サービスの一環として行われる同行には、追加の費用はかかりません。利用料の範囲内で提供される標準的なサポートの一つです。ただし、同行にかかる交通費などは自己負担になる場合があります。
これは、国の福祉制度において「就職先が決まるまでの支援」が評価の対象となっているためです。支援者側も、あなたが納得して長く働ける職場を見つけることをゴールとしています。そのため、面接同行は彼らにとっても、あなたの特性が企業の求めるものと合致しているかを見極める重要な機会なのです。
もし、どの支援機関にも属していない場合は、まずは地域障害者職業センターやハローワークに相談してみるのが第一歩です。無料で利用できる公的なサポートは想像以上に充実しています。一人で抱え込まず、こうした専門家を味方につけることが、就職活動を円滑に進める成功のコツと言えます。
💡 ポイント
支援者の同行は「自立の欠如」ではなく「職場定着のための準備」と捉えられます。無理に一人で頑張りすぎて、入社後にミスマッチが発覚するリスクを避けるための賢い選択です。
面接同行を利用する3つの大きなメリット
障害特性や配慮事項を正確に伝えられる
面接で最も難しいのが、自分の障害について説明することです。特に精神障害や発達障害の場合、目に見えない特性を言葉で説明するのは至難の業です。支援者が同行することで、医学的な見地や過去の就労事例を交えた客観的な説明が可能になります。
例えば、「疲れやすいです」と伝えるよりも、支援者が「1時間に5分程度の小休憩を挟めば、8時間の勤務が安定して継続できることを訓練で確認済みです」と補足してくれれば、企業側の安心感は全く違います。具体的なエビデンス(証拠)を支援者が提示してくれることで、あなたの言葉に説得力が生まれます。
実例として、ADHD(注意欠如・多動症)のある女性が、支援者と共に面接に臨んだケースがあります。彼女は「忘れ物が多い」という欠点を、支援者が「独自のチェックリストを活用することで、現在は業務ミスをゼロに抑えています」と付け加えたことで、前向きな評価に繋がりました。自分では言いにくい「自分の弱みへの対処法」をプロが語ってくれるメリットは計り知れません。
極度の緊張を和らげ、安心感を得られる
面接会場という非日常的な空間では、パニックになったり、頭が真っ白になったりすることもあります。しかし、横に「自分のことを一番よく知っている味方」が座っているという事実は、強力な心の安定剤になります。視界の端に信頼できる支援者がいるだけで、呼吸が整い、本来の自分を出せるようになります。
また、支援者は面接中の「空気感」も敏感に感じ取っています。面接官の質問の意図がわからず戸惑っている時に、支援者が「それは、◯◯という理解でよろしいでしょうか?」とさりげなく助け舟を出してくれることもあります。こうした橋渡しによって、コミュニケーションのズレがその場で修正されます。
あるパニック障害を抱える方は、「もし発作が起きそうになっても、スタッフさんがいてくれれば適切に対処してくれる」という安心感があったからこそ、面接会場に辿り着くことができました。結果として発作は起きず、落ち着いて会話をすることができました。同行は、物理的な手助けだけでなく、メンタル面の強力なガードとなっているのです。
企業側との信頼関係をスムーズに構築できる
企業にとって、障害者雇用で最も懸念するのは「入社後のトラブル」や「早期離職」です。しかし、支援者が同行しているということは、入社後もその支援機関によるサポート(定着支援)が期待できることを意味します。これは企業側にとって、非常に大きな安心材料となります。
面接の場で支援者が「もし入社後に困りごとがあれば、私たちがすぐに駆けつけます」と伝えることで、企業は「一人で抱え込まなくて済むんだ」と判断します。これにより、採用のハードルがぐっと下がることがあります。企業とあなたの間に「共通の理解者」が介在することで、信頼のトライアングルが形成されるのです。
実際、ある企業の採用担当者はこう語っています。「支援者が同行してくださると、本人の特性をプロの視点で教えていただけるので、どんな仕事を任せるべきか具体的にイメージしやすくなります。支援機関との連携が見えることは、採用を決める大きな決め手になります」。同行は、あなただけでなく企業にとってもメリットがある行為なのです。
✅ 成功のコツ
メリットを最大化するには、支援者に「話しすぎないよう」お願いしておくことも大切です。あくまで主役はあなた。支援者は「ここぞという時のバックアップ」に徹してもらうのが理想です。
知っておきたい同行のデメリットと注意点
「自立心に欠ける」と誤解されるリスク
非常に稀なケースですが、一般就労の一般枠に近い感覚を持つ企業の場合、支援者同行を「自分のことも一人で説明できないのか」と否定的に捉える面接官もゼロではありません。特に、全ての質問に支援者が答えてしまったり、あなたが支援者の顔ばかり見て話したりすると、主体性がないと評価される恐れがあります。
このリスクを回避するためには、面接の冒頭で「本日は、より正確に特性をお伝えするために同行をお願いしましたが、基本的には自分で直接お話しさせていただきます」とはっきり宣言することが有効です。自立を目指している姿勢を示した上で、サポートを利用する「賢明さ」をアピールしましょう。
例えば、ある事務職の面接で、支援者が最初から最後まで話し続けてしまったために、不採用となった事例があります。企業側は「入社後も誰かがいないと仕事ができないのではないか」と不安に感じてしまったのです。こうした失敗を避けるためにも、事前練習では「本人が7割、支援者が3割」といった発言比率を意識することが推奨されます。
面接の場が「福祉の相談会」になってしまう
支援者と企業側の担当者が、あなたの不在のところで専門的な福祉用語を使って話し込んでしまうことがあります。こうなると、あなたは置いてけぼりになり、面接本来の目的である「あなたの魅力やスキルを確認する」という機会が損なわれてしまいます。これは当事者不在の面接という、最も避けるべき状況です。
支援者が熱心すぎるあまり、あなたの過去の失敗談や病状の深刻な部分を強調しすぎてしまい、企業が「うちでは荷が重いかもしれない」と及び腰になってしまうこともあります。情報の開示は大切ですが、あくまで「働くための前向きな情報」が中心であるべきです。
これを防ぐためには、支援者に対して「企業が不安にならない程度の表現」を事前にリクエストしておく必要があります。また、面接中も意識的に支援者と視線を合わせるのではなく、面接官に向かって話を続ける強さを持ちましょう。支援者の役割をコントロールするのも、あなたの就職活動の一部です。
入社後のギャップが生じる可能性
面接で支援者が完璧なフォローをしてくれたために、企業側が「この人はコミュニケーション能力が高い」と勘違いしてしまうことがあります。いざ入社して、支援者がいない環境で一人で業務を始めると、面接時とのギャップにあなた自身が苦しむことになるかもしれません。
同行をお願いする場合は、入社後のサポート体制についても同時に話し合っておく必要があります。「面接には同行してもらうが、実際の業務は指示書があれば一人で遂行できる」といった、具体的な自立の範囲を明示することが重要です。面接はあくまで「マッチング」の場であり、背伸びをして受かることが正解ではありません。
「支援者がいたから受かった」ではなく、「支援者が特性を整理してくれたから、自分にぴったりの仕事だと確信できた」という状態を目指しましょう。デメリットを理解した上で、それを補うだけの主体的な姿勢を見せることが、長期的な就労定着への近道となります。
⚠️ 注意
支援者の同行は、あくまで企業への「お願い」です。企業の規定により「本人のみ」と指定された場合は、それに従う必要があります。その際は、事前の書類で十分に配慮事項を伝えましょう。
企業は「支援者同行」をどう見ているか?
採用担当者が感じる安心感の正体
近年の企業、特に障害者雇用に積極的な企業にとって、支援者の同行はウェルカム(歓迎)な傾向にあります。その最大の理由は、採用担当者も「どう接していいかわからない」という不安を抱えているからです。専門家が同席していれば、その場で正しい配慮の方法を聞くことができ、企業側の不安も解消されます。
例えば、「パニックが起きたらどうすればいいですか?」という質問に対し、支援者が「静かな場所で10分休めば回復します。特別な医療措置は不要です」と答えてくれれば、企業は安心して雇用に踏み切れます。企業が求めているのは「障害がない人」ではなく、「管理が可能なリスク」です。支援者はそのリスク管理のガイドラインを提示してくれる存在です。
実際、ある大手メーカーの人事担当者は、「支援者が同行してくださることで、本人の『今の状態』だけでなく『将来の伸び代』についても客観的な意見を聞けるのが助かります。支援機関のバックアップがある方は、採用後の定着率が非常に高いというデータもあります」と述べています。企業にとって同行は、投資に対するリスクを減らす行為なのです。
ミスマッチ防止への期待
企業が最も恐れるのは、採用した後に「思っていたのと違った」となって、双方が不幸になることです。支援者が同席していると、業務内容の難易度や職場の環境(音、光、人間関係など)について、その場で専門的なチェックが入ります。支援者が「この環境なら彼は大丈夫です」あるいは「ここは少し工夫が必要ですね」と助言することで、精度高いマッチングが可能になります。
面接官は、自社の課題を正直に話してくれる支援者を信頼します。例えば、「実はこの部署は少し騒がしいのですが……」という面接官の言葉に対し、支援者が「それならイヤーマフの着用を認めれば問題ありません」と即座に解決策を提示する。こうしたやり取りが、入社後のトラブルを未然に防ぐのです。
データによると、支援機関が介入して就職した障害者の1年後の職場定着率は約70〜80%と、支援なしの場合に比べて高い傾向にあります。企業はこの実績を知っているからこそ、支援者の同行をポジティブに捉えます。あなたが支援を頼ることは、企業への「誠実な情報開示」とも言えるのです。
自立度の判断基準としての面接
もちろん、企業はあなたの自立度も見ています。支援者が同行していても、「自分の言葉で話そうとする努力」があるかどうかを重視します。一言一句を支援者に頼るのではなく、たとえつたなくても「自分の思い」を自分の声で届ける姿に、採用担当者は心を動かされます。
ある企業の面接では、支援者が同行していましたが、本人が全ての質問に対して、あらかじめ用意したメモを見ながら一生懸命に自分の言葉で答えました。支援者は最後に「補足することは何もありません」と言ったそうです。この姿勢こそが「支援を利用しながらも主体的に動ける人」という最高の評価に繋がりました。
企業は支援者を「本人の一部」として見ています。優れたツール(支援者)を使いこなし、円滑なコミュニケーションを図ろうとする知的な態度は、仕事における問題解決能力の高さとして評価されます。「誰かに頼る=恥ずかしい」という考えを捨て、チームで面接に挑むというマインドセットを持ちましょう。
| 項目 | 本人のみの場合 | 支援者同行の場合 |
|---|---|---|
| 緊張感 | 非常に高い | 和らぐ、安心感がある |
| 配慮の説明 | 主観的になりやすい | 客観的・専門的に説明可能 |
| 企業側の安心感 | 個人の責任に帰結する | 支援機関のバックアップを期待できる |
| コミュニケーション | 誤解が生じるリスクがある | その場でズレを修正できる |
同行を成功させるための実践的ステップ
支援者との「台本作り」を徹底する
面接同行を成功させるための最大のポイントは、「誰が何を話すか」の徹底したシミュレーションです。単に「付いてきてください」と言うのではなく、打ち合わせの時間をしっかり確保しましょう。具体的には、以下のような役割分担を確認します。
- 志望動機や自己PRは「本人」が話す。
- 具体的な障害名や受診状況、薬の影響などは「支援者」が補足する。
- 過去のトラブルや退職理由は「本人」が話し、その後の対策を「支援者」が裏付ける。
- 必要な配慮事項(勤務時間、休憩、座席など)は「支援者」から提案してもらう。
特に、「自分が答えた後に、必ず支援者に『今の説明で補足はありますか?』と話を振る」という練習をしておくと、面接の流れが非常にスムーズになります。支援者側も、あなたの意図を汲んで最適なタイミングで発言できるようになります。この「あうんの呼吸」を事前の訓練で作っておくことが成功のコツです。
企業への事前依頼とマナー
同行をお願いする場合の企業への連絡は、「なぜ同行が必要なのか」という理由を添えて行います。「特性上、緊張で正確な判断が難しくなることがあるため」「より具体的な配慮の相談をさせていただきたいため」など、企業にとってもメリットがある理由を伝えるのがスマートです。
また、同行者の人数にも注意が必要です。基本的には1名ですが、教育上の理由などで複数名になる場合は必ず事前に伝えましょう。当日の服装についても、支援者はスーツや清潔感のあるオフィスカジュアルで、あなたもそれに合わせた正装で臨むのが基本です。「支援者がいるからカジュアルでいい」ということはありません。
面接会場に入室する際は、あなたが先に挨拶をし、支援者を紹介する形を取ると主体性がアピールできます。名刺交換なども支援者に任せきりにせず、あなたは丁寧に頭を下げるなど、社会人としてのマナーを共有しておきましょう。企業は、あなたと支援者の関係性から、あなたの「他者との協力の仕方」を観察しています。
面接後の「振り返り」をセットにする
面接が終わった直後は、最も記憶が鮮明です。支援者と一緒に会場を後にしたら、すぐに喫茶店や事業所で振り返り(反省会)を行いましょう。自分ではうまく話せたと思った部分が、支援者の目にはどう映ったか。逆に、失敗したと思った部分が実はそれほど問題ではなかった、ということもよくあります。
「面接官があの質問をした時、どんな表情をしていたか」「配慮の提案に対して、企業は前向きな反応だったか」など、支援者の客観的な視点は、合否に関わらず次への大きな糧になります。また、もし不採用だった場合も、支援者が企業からフィードバックをもらってくれることがあります。自分一人では聞きにくい「不採用の理由」を知ることで、次回の改善に繋げられます。
この振り返りまで含めてが「面接同行」というパッケージです。就職活動を単なる勝負事としてではなく、自分を知り、社会との接点を探る「学びの場」に変えることができます。支援者というプロのフィードバックを存分に活用し、一歩ずつ理想の働き方に近づいていきましょう。
「面接同行は、本人の自立を妨げるものではなく、むしろ『適切な助けを求めるスキル』を証明する場です。自分の限界を知り、リソースを最大限に活用できる人は、職場でも必ず重宝されます。」
— 就労移行支援事業所 施設長
✅ 成功のコツ
面接用の「配慮事項シート」を支援者と一緒に作成し、当日配布しましょう。口頭での説明に加えて紙の資料があることで、企業側の理解度はさらに深まります。
よくある質問(FAQ)
Q. 一般枠(障害者枠ではない求人)でも支援者の同行は可能ですか?
一般枠の場合、原則として支援者の同行は推奨されません。一般枠は「障害がない人と同じ条件で働くこと」を前提とした選考であるため、同行をお願いすること自体が「配慮が必要である=条件を満たしていない」と判断されるリスクが非常に高いからです。ただし、クローズ(障害を隠して)での就労ではなく、オープン(障害を伝えて)で一般枠に挑戦する場合は、事前に企業に確認すれば可能なケースもあります。基本的には、同行は障害者雇用枠でのスタンダードなサポートと考えるべきです。
Q. 支援者が同行すると、給料が下がったり条件が悪くなったりしませんか?
支援者が同行したからといって、それが直接の理由で給料が下がることはありません。給料はあくまで職務内容や勤務時間によって決定されます。むしろ、支援者が介在することで「無理な長時間勤務」や「ストレスの強い環境」を避け、あなたが安定して働ける条件を交渉してくれます。その結果、残業なしなどの条件になることはありますが、それは「長く働き続けるための防衛策」であり、条件が悪くなったのではなく「最適化された」と捉えるべきです。
Q. 同行してくれる支援者がいないのですが、どうすればいいですか?
現在、どの支援機関も利用していない場合は、まずはお住まいの地域のハローワークの「専門援助窓口」を訪ねてみてください。そこで就労移行支援事業所の紹介を受けたり、地域のジョブコーチ支援事業について聞くことができます。また、「障害者就業・生活支援センター」も登録すれば無料で相談に乗ってくれます。面接の直前になって探すのは大変ですので、就職活動を始める初期段階で、これらの機関と繋がりを作っておくことが大切です。
Q. 支援者が余計なことを言ってしまわないか不安です。
その不安は、事前打ち合わせで解消しましょう。支援者に対して「この話は自分からしたい」「病状の詳細は伏せてほしい」といった要望を、あらかじめ「NGリスト」として伝えておくことが大切です。支援者はあなたの味方ですが、時に熱意が空回りすることもあります。対等なパートナーとして、「当日はこう動いてほしい」とリクエストを出すことは、あなたの立派な自己主張です。信頼関係が築けていないと感じる場合は、同行を見送るという選択肢もアリです。
まとめ
支援者同行の面接は、あなたにとって決してマイナスなことではありません。むしろ、自分を客観的に捉え、周囲の力を借りて最善の結果を出そうとするプロフェッショナルな姿勢の表れです。今回のポイントを整理しましょう。
- 大きなメリット:障害特性をプロが客観的に代弁し、企業の不安(ミスマッチ)を解消できる。
- デメリットの回避:事前練習を行い、あなたが「主役」として話す比率(7割程度)を守ることが鍵。
- 企業の視点:多くの企業は支援機関との連携を歓迎しており、採用後の安定性を高く評価する。
- 成功のステップ:役割分担の打ち合わせ、企業への事前連絡、面接後の振り返りを一貫して行う。
- 費用と窓口:基本は無料の福祉サービス。ハローワークや就労移行支援事業所を積極的に活用する。
面接は、あなたが企業を選ぶ場でもあります。支援者が同行することで、あなたは冷静に職場を観察する余裕を持つことができます。「自分一人で頑張らなければ」というプレッシャーを少しだけ支援者に分けて、あなたらしい自然な姿で面接に臨んでください。
次のアクションとして、まずは今利用している支援機関の担当者に「次の面接、同行をお願いすることは可能ですか?」と相談してみましょう。まだ支援機関を利用していない方は、お近くのハローワークへ足を運び、どのようなサポートが受けられるか確認することから始めてみてください。あなたの勇気ある一歩を、私たちは心から応援しています。

菅原 聡
(すがわら さとし)38歳📜 保有資格:
職業指導員、キャリアコンサルタント、精神保健福祉士
就労移行支援事業所で10年以上、障害のある方の「働く」を支援してきました。一般就労への移行支援から就労継続支援まで、幅広い経験をもとに、「自分に合った働き方」を見つけるための情報をお届けします。
大学で社会福祉を学び、卒業後すぐに就労移行支援事業所に就職。当初は「障害があっても一般企業で働けるんだ」という驚きと感動の連続でした。これまで150名以上の方の就労支援に携わり、その8割が一般企業への就職を実現。ただし、「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」が本当のゴールだと考えています。印象的だったのは、精神障害のある方が、障害をオープンにして自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。その笑顔が忘れられません。記事では、就労移行支援と就労継続支援の違い、企業選びのポイント、障害者雇用の現実など、実際の支援経験に基づいた実践的な情報をお伝えします。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
大学で社会福祉を学び、「障害があっても一般企業で働ける」という可能性に感動したことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
精神障害のある方が、自分のペースで働ける職場を見つけ、「初めて仕事が楽しいと思えた」と言ってくださったこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
「就職がゴール」ではなく、「長く働き続けられること」を大切に、実践的な情報を発信します。
🎨 趣味・特技
ランニング、ビジネス書を読むこと
🔍 最近気になっているテーマ
リモートワークと障害者雇用、週20時間未満の短時間雇用





