就労移行支援の利用に向いているタイプ・向いていないタイプ

自分は就労移行支援に向いているの?
「就労移行支援を使ってみたいけれど、自分に合っているかわからない」「性格的に向いていないタイプだったらどうしよう」——利用を検討するとき、こうした不安を感じる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、就労移行支援の利用に向いているタイプ・向いていないタイプの特徴を、性格や状況、目標などさまざまな角度から解説します。自分の特性を理解し、最適な選択をするための参考にしていただければ幸いです。
就労移行支援に向いているタイプ
明確な就職意欲がある人
就労移行支援に最も向いているのは、一般企業への就職を本気で目指している人です。「絶対に就職したい」「働いて自立したい」という強い意欲がある方は、このサービスを最大限活用できるでしょう。
目標が明確であれば、訓練にも積極的に取り組めますし、スタッフも効果的な支援計画を立てやすくなります。完璧な計画がなくても、「働きたい」という気持ちがあれば、それが成功への第一歩になります。
💡 ポイント
「どんな仕事がしたいか具体的に決まっていない」という方でも大丈夫です。利用しながら自己理解を深め、適職を見つけていくこともできます。
学ぶ姿勢と向上心がある人
就労移行支援では、パソコンスキル、ビジネスマナー、コミュニケーション能力など、さまざまなスキルを学びます。新しいことを学ぶ意欲がある人は、このサービスから多くを得られるでしょう。
「できないことができるようになりたい」「自分を成長させたい」という向上心があれば、2年という期間を有効に使えます。完璧主義である必要はありませんが、少しずつでも前進しようとする姿勢が大切です。
コツコツ取り組める忍耐力がある人
就職までの道のりは決して平坦ではありません。地道な訓練や、時には挫折を経験することもあります。そんなときでも、あきらめずにコツコツと努力を続けられる人は、就労移行支援で成功する可能性が高いです。
すぐに結果が出なくても焦らず、一歩ずつ進んでいける忍耐力があれば、最終的に納得のいく就職を実現できるでしょう。
他者と協調できる人
就労移行支援では、スタッフや他の利用者と関わる機会が多くあります。最低限のコミュニケーションが取れ、協調性がある人は、この環境で快適に過ごせるでしょう。
「人と話すのが苦手」という方でも、無理に社交的になる必要はありません。基本的な挨拶ができ、困ったときに助けを求められる程度の協調性があれば十分です。
経済的な余裕がある、または支援を受けられる人
就労移行支援は訓練期間中の収入がないため、経済的な基盤があることが重要です。障害年金を受給している、家族の支援がある、貯蓄があるなど、2年間無収入でも生活できる目処が立っている方が向いています。
生活保護を受給している方も、自立を目指す支援として利用が推奨されており、経済的な心配なく利用できます。
| 向いているタイプ | 具体的な特徴 |
|---|---|
| 目標志向型 | 一般就労への明確な意欲がある |
| 学習意欲型 | 新しいスキルを学ぶことに前向き |
| 忍耐強い型 | 地道な努力を続けられる |
| 協調性がある型 | 他者と基本的なコミュニケーションが取れる |
| 経済的余裕型 | 訓練期間中の無収入に対応できる |
就労移行支援に向いていないタイプ
すぐに収入を得る必要がある人
就労移行支援の最大の課題は、訓練期間中に収入がないことです。生活費を稼ぐ必要があり、経済的な支援も受けられない方には、このサービスは現実的ではありません。
このような場合は、工賃が得られる就労継続支援A型やB型、あるいは直接ハローワークを通じた就職活動の方が適しているでしょう。まずは収入を確保してから、将来的にステップアップを考えることもできます。
⚠️ 注意
「収入がないから無理」とすぐにあきらめる前に、障害年金や生活保護など、利用できる制度がないか市区町村の窓口で相談してみることをおすすめします。
一般就労に興味がない人
就労移行支援は一般企業への就職を前提としたサービスです。「競争のある環境は避けたい」「もっとゆっくり自分のペースで働きたい」「一般就労は目指していない」という方には、このサービスは合わないでしょう。
そのような方には、就労継続支援B型事業所の方が適しています。B型ではノルマや時間的プレッシャーが少なく、自分のペースで働けます。
通所が困難な人
就労移行支援は基本的に通所型のサービスです。重度の身体障害があって外出が困難な方、長時間の移動が体力的に厳しい方、交通機関の利用が難しい方には、ハードルが高いかもしれません。
最近では在宅型の就労移行支援も一部で始まっていますが、まだ数は限られています。通所が難しい場合は、在宅ワークの求人に直接応募するなど、別の選択肢を検討した方がよいでしょう。
期限があることにプレッシャーを感じる人
就労移行支援には原則2年間という利用期限があります。「期限内に就職しなければ」というプレッシャーが大きなストレスになる方には、向いていない可能性があります。
焦りが強いと、かえって体調を崩したり、自分に合わない仕事を選んでしまったりすることがあります。マイペースで進めたい方は、期限のない就労継続支援B型の方が安心かもしれません。
集団生活が極度に苦手な人
就労移行支援事業所では、他の利用者と同じ空間で訓練を受けることが多くあります。人と同じ空間にいることが極度に苦痛という方には、この環境はストレスになるでしょう。
ただし、事業所によっては個別ブースがあったり、個別訓練を中心に組んでくれたりするところもあります。見学時に相談してみる価値はあります。
「向いていない」と思ったら考えたいこと
向き不向きは固定されたものではない
重要なのは、「向いていない」は永遠に変わらないものではないということです。今は経済的余裕がなくても、障害年金の申請が通れば利用できるかもしれません。今は通所が難しくても、体調が安定すれば可能になるかもしれません。
「今の自分」には向いていなくても、「半年後、1年後の自分」には向いているかもしれないのです。時期を見ながら検討することが大切です。
事業所によって環境は大きく異なる
「就労移行支援に向いていない」と感じても、実はその事業所の雰囲気や方針が合わなかっただけという可能性もあります。事業所によって、利用者の年齢層、障害種別、支援のスタイル、雰囲気は大きく異なります。
A事業所では居心地が悪かったけれど、B事業所では快適に過ごせたという例は珍しくありません。複数の事業所を見学し、比較することをおすすめします。
✅ 成功のコツ
「向いていない」と決めつける前に、まずは見学や体験利用をしてみましょう。実際に体験することで、イメージと違う発見があるかもしれません。
他の選択肢も検討する
就労移行支援が向いていないと感じたら、他の選択肢を積極的に検討しましょう。就労継続支援A型・B型、ハローワークの専門援助部門、障害者就業・生活支援センターなど、さまざまな支援があります。
一つの選択肢に固執する必要はありません。まずはB型で働きながら生活を安定させ、準備が整ってから就労移行支援に移行するという段階的なアプローチも有効です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 人見知りが激しいのですが、利用できますか?
はい、できます。人見知りであることと、就労移行支援を利用できないことは別です。むしろ、就労移行支援で少しずつコミュニケーションに慣れていくこともできます。事業所によっては個別対応も可能ですので、見学時に相談してみてください。
Q2. 体調が不安定で休みがちになりそうです
体調に波がある方でも利用できます。通所日数や時間は柔軟に調整できますし、体調不良での欠席も問題ありません。大切なのは、無理をせず、自分のペースで進めることです。スタッフに正直に状況を伝えながら利用しましょう。
Q3. 自分が向いているか判断できません
判断に迷う場合は、まず見学や相談から始めてみることをおすすめします。また、市区町村の障害福祉課や相談支援専門員に相談すれば、客観的な視点からアドバイスをもらえます。一人で決めようとせず、周囲の力を借りましょう。
Q4. 年齢が高い(50代)のですが向いていますか?
年齢だけで向き不向きは判断できません。50代でも就職意欲があり、新しいことを学ぶ意欲があれば、就労移行支援を活用できます。ただし、一般的に年齢が高いほど就職のハードルは上がるため、現実的な目標設定が重要です。
Q5. 途中で「向いていない」と気づいたらどうすればいいですか?
利用を開始してから「やっぱり向いていない」と感じたら、途中でやめることもできます。ただし、すぐにあきらめる前に、スタッフに相談してみることをおすすめします。プログラムの調整や通所頻度の変更で改善できる可能性もあります。
まとめ
この記事では、就労移行支援の利用に向いているタイプ・向いていないタイプについて解説しました。
- 一般就労への意欲、学ぶ姿勢、忍耐力、協調性、経済的余裕がある人は就労移行支援に向いています
- すぐに収入が必要、一般就労に興味がない、通所困難、期限にプレッシャーを感じる人は別の選択肢を検討した方がよいでしょう
- 向き不向きは固定されたものではなく、時期や事業所によって変わる可能性があります
- 判断に迷う場合は、見学や相談から始めて、実際に体験してから決めることが大切です
- 就労移行支援が向いていなくても、A型・B型など他の選択肢があります
「向いているか」を完璧に判断しようとせず、まずは一歩踏み出してみることが大切です。実際に体験してみて、合わなければ方向転換すればよいのです。
あなたに最適な選択ができることを願っています。

伊藤 真由美
(いとう まゆみ)33歳📜 保有資格:
特別支援学校教諭免許、社会福祉士
特別支援学校で5年教員を務めた後、就労継続支援B型事業所で5年勤務。「学校から社会へ」の移行支援と、「自分のペースで働く」を応援します。進路選択や作業所選びの情報をお届けします。
大学で特別支援教育を学び、卒業後は特別支援学校の教員として5年間勤務。知的障害や発達障害のある生徒たちの進路指導を担当する中で、「卒業後の支援」の重要性を痛感しました。そこで教員を辞め、就労継続支援B型事業所に転職。現在は生活支援員として、様々な障害のある方が自分のペースで働く姿を日々見守っています。特に大切にしているのは、「働くことがすべてではない」という視点。一般就労が難しくても、作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけることは十分可能です。記事では、特別支援学校卒業後の進路選択、就労継続支援A型・B型の違い、作業所での実際の仕事内容など、「自分らしい働き方・過ごし方」を見つけるための情報を発信します。
もっと詳しく▼
💭 福祉の道を選んだ理由
特別支援教育を学び、「卒業後の支援」の重要性を感じたことがきっかけです。
✨ 印象に残っている出来事
作業所での仕事や日中活動を通じて、生きがいや居場所を見つけた方々を見守ってきたこと。
✍️ 記事を書く上で大切にしていること
「働くことがすべてではない」という視点を大切に、自分らしい過ごし方を見つける情報を発信します。
🎨 趣味・特技
ハンドメイド、音楽鑑賞
🔍 最近気になっているテーマ
発達障害のある方の就労支援、工賃向上の取り組み





